【腹腔鏡下肝切除手術】 金子弘真 【肝臓がん治療】
革命を起こした医療人。
最後は、患者さんの負担を軽くする、肝臓がん治療について。

□ 負担が少ない手術

さあ、今回のテーマは何でしょうか?

「肝臓がん治療」について。
肝臓は、肋骨に囲まれた場所に位置しています。
なので、手術の際、腹部から見えにくい。
開腹手術の場合、十分な視野を確保するため、お腹周りの筋肉を 大きく切ることになりがちです。
そのため、負担が大きいのだ。
しかし、今回紹介する方法だと、手術痕を小さくすることができる。
退院までの日数も、大幅に減らせます。

その方法を編み出したのが、この方。
東邦大学医学部 外科学講座 金子弘真 名誉教授。
手術名は、「腹腔鏡下肝切除手術」だ。
お腹に、5ミリから10ミリの穴を開け、腹腔鏡用カメラと手術器具を入れます。
そして、肝臓がんを切除するという方法。
<腹腔鏡下肝切除手術>
おへそあたりに 約10ミリの穴を開け、腹腔鏡で炭酸ガスを注入し、腹腔を膨らませる。
肋骨の下あたりに、同様の穴を 数か所開け、手術器具を挿入する。
執刀医は、モニター画面を見ながら、手術を行います。

この方法だと、身体に大きな傷を加えないので、患者さんの負担は開腹手術に比べ、少なくなります。
出血も少ないので、合併症のリスクも低いのではないかと言われている。
金子先生が 腹腔鏡下肝切除手術を行ったのは、約30年前。
当時、腹腔鏡手術といえば、胆のうの手術が一般的になり始めた時期だったという。
他の手術では、積極的に行われていませんでした。
肝臓は 血管が密集している臓器なので、非常に出血がしやすく、他の消化器手術に比べ、難易度が高いといわれています。
なので、当時は、腹腔鏡下でやることに対し、批判が多かった。
先生曰く、非難の嵐。
しかし、先生はくじけませんでした。
負担が少なければ、患者さんの回復も早いはずだ。
症例を見てもらえば、きっと理解される。
そう信じ、自ら研究会や手術法のセミナーを発足。普及活動に努めたのでした。
金子先生は、肝臓内視鏡外科研究会の理事長でもあります。
先生の努力は実り、2016年に 腹腔鏡下肝切除手術は保険適用となりました。
(ただし、腹腔鏡下肝切除手術は、すべての肝臓腫瘍の患者さんに適応するわけではありません)
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