【心不全】 3つのサイン SOS 【兆候】
ニュースなどでよく聞く言葉、心不全。
いったい、どんな状態のことなんだろう?
早期に気づくための、3つの兆候も 紹介します。
番組名 : 健康カプセル! ゲンキの時間
テーマ : 心臓からの SOSに気づく方法
放送日 : 2022年01月30日(日曜日)
解説 : 国際医療福祉大学 副大学院長 医学部・医学研究科教授 下川宏明 先生。

□ 心臓のSOS

さあ、今回のテーマは何でしょうか?

心臓の病気、「心不全」について。
高齢化社会に伴い、心不全の爆発的な増加が、懸念されているらしい。
いったい、どんな兆候が表れるのでしょうか?
手遅れにならないために、知っておきたいこととは?
Q : 心不全て何?
心不全とは、心臓に何らかの異常があり、心臓のポンプ機能が低下し、全身の臓器が必要とする血液を 十分に送り出せなくなった状態のこと。
大辞泉には、こう書かれてある。
心臓のポンプ機能が低下して、肺や全身に必要な量の血液を送り出せなくなった状態。原因は心臓弁膜症・心筋梗塞・高血圧・慢性肺疾患など。
人間が生きていくためには、栄養分や酸素が必要。
心臓が全身に、それを運んでいる。
その心臓のポンプ機能が低下すると、
栄養分や酸素を運ぶ血液を、十分に送り出せない。
この状態を、心不全という。
いうなれば、心臓が弱った状態のことなので、原因は多岐にわたります。
重要な臓器である心臓なだけに、心不全を発症すると完治は難しく、5年生存率は 5割だという。
公益財団法人「日本心臓財団」によると、
心不全の罹患者数は、全国で約120万人
2030年には 130万人に達する
と推計されています。
こうしている間にも、みなさんの心臓は 働き続けています。
収縮と拡張を、毎日 約10万回繰り返している。
全身に送り出す血液の量は、1日に 7t 。
こんなに頑張っているのだから、いつか弱ってしまうのも 分かるような気がします。
Q : 心臓が弱ってきたら、どんな SOS を出すの? 心不全の兆候は?

下川先生が教えてくれたのは、3つの症状。
「息切れ」「むくみ」「夜 眠れない」。
これらは 普段から よくある症状だとも思えるのですが、危険なものと見分ける方法はないのでしょうか?
心不全に関係するものには、どんな特徴があるのでしょう?
[息切れ]
運動しなくても息切れする。
「ゼーゼー ヒューヒュー」いう。
喘息の場合、息を吸う時は問題なくても、息を吐く時に苦しくなります。
心不全の息切れでは、息を吸う時も 吐く時も、両方起こる。
<危険な息切れ>
心不全は 胸を圧迫されたような苦しさで、息を吸う時も吐く時も 息切れする。
初期だと、階段を上る時などにあらわれる。
進行すると、平地を歩いているだけでも息が切れ、同年代の人に ついていけなくなります。
[むくみ(浮腫)]
毎日 むくんでいる。
例えば、足の甲を指で押すと、なかなか元に戻らないとか。
<危険なむくみ>
今まで普通に履いていた靴が、きつくて入らない。
左右対称で起きるのが、心不全特有の症状。
[夜 眠れない]
日中は、立って生活しているので、問題ない。
就寝時、横になって 1~2時間すると、突然 息苦しくなる。
<危険な夜の呼吸困難>
初期は、夜 眠っている時に、急に息苦しくなる。
進行すると、身体を横にすると苦しくなり、身体を起こすと少し楽になる。(これを「起坐呼吸(きざこきゅう)」という)
他にも、心当たりのない急激な体重増加にも、要注意。
1週間で 2kg 以上増えたら、注意してください。
(この体重増加は むくみにも関連し、体内に水分がたまってしまうため)
Q : 心不全のステージって何?
下川先生が、4つのステージを教えてくれました。
[ステージA] 心不全の危険因子あり
[ステージB] 心臓の構造に変化が起きる
[ステージC] 心不全の症状が出現
[ステージD] 治療が難しくなる
「ステージA」は、高血圧や糖尿病など、生活習慣病がある状態。脂質異常症もそう。心不全の予備軍といえる。
食い止めるなら、ここです。
「ステージB」は、高血圧による心臓肥大や心筋梗塞などの、心臓の構造に変化が生じた状態。
予防する最後のチャンスといえる。
「ステージC」は、息切れ、むくみ、夜眠れない等の症状が現れ、心不全が発症した状態。
心臓の筋肉は再生しないので、再発を繰り返すたびに、心機能は低下してしまいます。
「ステージD」は、治療しても回復が難しく、心臓移植を検討する段階。
Q : 心臓の詳しい検査について、教えてください。
[ 血液検査 ]
「BNP」や「NT-proBNP」という、心臓から分泌されるホルモンの数値で、心不全の危険度が分かる。
[ 心電図検査 ]
不整脈や心肥大などが分かる。
[ 心エコー検査 ]
収縮や拡張など、心臓の動きを確認。
[ 胸部X線検査 ]
心臓の大きさや、肺のうっ血を、調べる。
他にも、「血圧脈波」「尿検査」などがある。
また、「聴診」にも意味があって、心雑音や呼吸音に異常がないか、チェックしています。
Q : 父親が心筋梗塞を起こしたことがあります。遺伝するのでしょうか?
病気そのものが遺伝するわけではありませんが、親が心筋梗塞の場合、リスクは上がります。
というのも、高血圧、糖尿病、高コレステロール血症という「危険因子」に遺伝性があるからです。
予防するためには、生活習慣病の治療や対策を続けることが 大切です。
(なお、一部の心臓の病気には、遺伝性があるものがあります)
Q : 予防するのに、大事なことはありますか?
心臓に負担をかけない生活を心がけること。
塩分を控えるようにしましょう。
塩分を摂り過ぎると、血液中の水分量が増えて、血液量が増し、心臓に負担がかかります。
また、感染症対策や、心身のストレスを避けることも、大事。
禁煙も、実践しましょうね。
寒暖差も、心臓には大きなストレスとなります。
冬は、脱衣場など、お風呂まわりで心臓発作が起こるため、注意してください。
<簡易チェックリスト>

・ 運動をしなくても、息切れする。
・ 息を吸う時も吐く時も、起きる。
・ 足が毎日むくむ。
・ 指で足の甲を押したら、元に戻らない。
・ 靴が急にきつくなった。
・ 夜 眠ると(横になると)急に息苦しくなる。
・ 身体を起こすと、少し楽になる。
気になったら、病院へ。
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