【ヒートショック】 室温は 18℃ 以上に
寒い季節は、お風呂場での事故が増えます。
その原因となるのが、温度差。
血管のダメージを少なくするには、どうすればいいのでしょうか?
神戸大学で研究されている、腸内細菌と動脈硬化の関係。
血栓のもとを溶かしてくれる食材も、紹介します。
2019年 1月 20日 放送の「健康カプセル! ゲンキの時間」(第340回)より、「~ 忍び寄る 心筋梗塞&脳梗塞 ~ ヒートショックの恐怖」からのメモ書きです。

□ 寒暖差に要注意

さあ、今回のテーマは何でしょうか?

ズバリ、「ヒートショック」について。
高齢になると怖いのが、「脳梗塞」や「心筋梗塞」ですよね。
その「月別死亡者数」を見ると、10月から増え始め、1月と2月にピークを迎えています。
そう、この季節が、一番危険なのだ。
その原因の一つと考えられているのが、本日のテーマ。
「ヒートショック」
【ヒートショック】
急激な温度変化が身体に及ぼす影響。血圧の急変動や脈拍が速くなるなど。(大辞林)
温度の急変で体がダメージを受けること。冷凍倉庫で作業した後、急に真夏の炎天下に出たときや、暖房の効いた部屋から寒い廊下に出たときなどに起こる。脈拍や血圧が上昇して、心筋梗塞や脳卒中を引き起こす要因となりうる。(大辞泉)
ヒートショックは、決して他人事ではないんです。
入浴中の死亡者数は、年間 1万9千人。
これは、交通事故死亡者数の約4倍なんですよ。
お風呂の脱衣所、寒いですよね。
浴室も、最初は 冷え冷え。
服を脱ぐわけだから、なおさらです。
暖房の効いた部屋から、脱衣所や浴室へ。しかも、裸になる。
この寒暖差が、危険のもと。
気を失ってしまうケースだって、あるのだ。
<メカニズム>
急な寒さを感じる → 体から熱を逃さないように 血管が収縮 → 血圧が上昇。
健康な人でも、血圧はこのように変動します。
(あくまで一例ですが)
暖かいリビング「130」→ 脱衣所「154」→ 入浴中「131」
暖かい場所から 寒い場所に行って、血管が収縮して、血圧が上昇。
湯船につかって 温められ、血管が緩んで、血圧が下降。
このように、血圧が急変動してしまうのだ。
そのせいで、血管に大きな負担がかかってしまうんですね。
さらには、毎日のことなので、負担の蓄積は大きくなる一方。
この血管のダメージが、大病につながってしまうのでした。
怖いのは、お風呂場だけではありません。
「廊下」や「トイレ」も、要注意。
だって、廊下やトイレには、暖房器具を置いてないでしょ。
それだけ、寒暖差があるということなんです。
□ 18℃の壁

血管のダメージを少なくしようと思えば、温度差が小さい生活をするのがよい。
では、部屋の温度は、どのくらいにすればいいのでしょう?
こんな研究結果があります。
室温が「18℃未満」の家で生活を続けると、心筋梗塞などのリスクが高まるというのだ。
さらに、夜中の 0時に 18℃を下回る家に住む人は、18℃以上に住む人に比べ、10年後に 6.7倍も 高血圧を発症しやすいというデータも。
血管のことを考えるなら、室温は 18℃ 以上に。
血管のダメージを少なくするには、温度差をなくすのが肝要。
なので、トイレや廊下にも 暖房器具を置く方がいいようです。
また、洗濯物を干したり、新聞を取りに行くなど、ちょっと外に出る場合には、ちゃんと上着を羽織るなどして、温かくした方がよいのだ。
温度差を侮らない!
□ 血液の問題

万病のもとといえば、ストレス。
そう、ストレスも、血管にとって怖い存在なんです。
ストレスが血圧に影響するのは、よく知られていること。
その際、「フィブリン」という血栓のもとが生まれることがある。
このフィブリンが、血液の流れを悪くするんですね。

通常、フィブリンは 1時間ほどで、徐々に消えます。
しかし、常に イライラやプレッシャー 恐怖など ストレスがあると、血栓になってしまう可能性だってある。
<対策>
イライラしたら、深呼吸。
それで自律神経が整い、血圧を下げると共に、フィブリン発生の予防になります。
ゆっくり、深い呼吸を心がけましょう。
また、ストレス源が特定できているなら、それを避けるのも、選択肢の一つです。
(可能なら、ということになりますが)
対策が期待できる食材もあります。
それが、「納豆」。
納豆に含まれる「ナットウキナーゼ」が、直接フィブリンを溶かしてくれるのだ。
□ ドクネット

帝京大学 医療技術学部の 川杉和夫 教授に、教えていただきます。
<お風呂の温度は、何℃がいいの?>
川杉先生によれば、「お風呂の温度が高ければ高いほど、血栓ができる可能性が高まる」のだとか。
血管内には、血栓を溶かす「t-PA」と、血栓を大きくする「PAI-1」(パイワン)が、分泌されます。
熱いお風呂に入ると、この「PAI-1」が増加してしまうんです。
「PAI-1」は血栓を作るだけでなく、「t-PA」の働きを妨害するので、よくないのだ。
お湯の温度設定は、41℃以下に。
入浴時は、足元から かけ湯をしましょう。
<水風呂や交代浴>
サウナで、水風呂。そんな人も、いるかもしれませんね。
でも、いきなり水風呂に入ると、一気に血管が収縮してしまいます。
それだけ、リスクが高まるので、あまりよくない。
□ 腸内細菌との関係

神戸大学 大学病院 研究科 内科学講座 循環器内科学分野の 山下智也 先生に、お話を伺いました。
「腸内細菌が、動脈硬化に、関与している可能性がある」と、先生は言います。
腸内にいる細菌は、「数百種類」。数でいえば、「約100兆個」にもおよぶ。
そのうち、ある細菌が 心筋梗塞や脳梗塞に深く関与していることを、山下先生は突き止めたのだ。
いわゆる悪玉菌と呼ばれる「リポポリサッカライド」が、血管に炎症を起こし、動脈硬化を悪化させている可能性がある。
では、対策として、何をすればいいのでしょう?
そのカギとなるとが、「バクテロイデス」という菌。
この菌が、動脈硬化を予防している可能性があるのだ。
バクテロイデスを増やすには、食物繊維を多く摂ればいい。
食物繊維を摂ることは、便通をよくするだけでなく、心筋梗塞の予防にも つながるんですね。
山下先生たちは、現在、腸内細菌「バクテロイデス」を使って動脈硬化を治療する方法を、研究中です。
これからに、期待しましょう。

脱衣所やお風呂場は、暖かく。
できれば、トイレや廊下も。
温度差に注意しましょう!

食物繊維も、忘れずに!

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