【小松菜が変身】 ゆで時間と漬物風レシピ
野菜界の忍者、小松菜 登場!
アブラナ、野沢菜、白菜に、なっちゃう。
秘技 味変化の術だ!
2018年12月5日放送の「ガッテン」、「本当にスゴいのは味だった! スーパー緑黄色野菜 活用術」より。

□ 火星で育てたい野菜

さあ、今回のテーマは何でしょうか?

食材から、「小松菜」について。
葉物野菜と聞いて、何を思い浮かべますか?
ほうれん草? キャベツ?
いやいや、この野菜だって、負けてないんですよ。
話はいったん、宇宙へ。
2018年1月、NASA(米国航空宇宙局)とJAXA(国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構)は、「月面、さらには火星へと、人類の活動領域を拡げる長期ビジョンを共有する」と発表しました。
火星で生活するとなると、食料も必要。
大量に運ぶわけにもいきませんから、自給自足が求められます。
栄養価が高く、育てやすい、そんな食べ物が必要になる。
それが今日紹介する野菜と、関係するのだ。
2005年発表の、JAXAがまとめた論文。
書いたのは、山下雅道 名誉教授です。
山下先生は、火星での農業を研究している人。
その中で、4つの食べ物(植物性食材)が紹介されました。
1つは、お米 (炭水化物)。
もう1つは、大豆 (たんぱく質)。
3つ目は、サツマイモ (食物繊維)。
ここに、もう1つ加わります。
他に、生きるのに必要な栄養素といえば、「ビタミン」ですよね。
問題は、それが何か?
火星でも育てられそうで、ビタミンが豊富。
さらには、鉄分やカルシウムも多い。
その野菜とは、「小松菜」でした。
(ちなみに、動物性食材では、ドジョウとカイコが挙げられている)
でも、なぜ、小松菜が選ばれたんでしょうか?
その理由は、山下先生が 葛飾区柴又帝釈天の近くの町で生まれ、育ったから。
実は、江戸川の小松川で、小松菜が江戸野菜として開発されたんです。
そんな愛着から選んだというわけ。
でも、もちろん、それだけで選んだわけじゃ、ありません。
栄養価が豊富なのも、大きな魅力。
火星で暮らさなくても、栄養豊富となると、無視できませんよね。
しかも、値段もお手頃だし。
ただ、街のみなさんからは、こんな意見が…。
・好きじゃない。
・どうでもいい。
・料理を思いつかない。
・小松菜にする理由がない。
(きっ、厳しいな…)
このような評価を覆そうっていうのが、今回のテーマ。
思ってるより、小松菜って魅力的なんですよ、と。
小松菜が、白菜や野沢菜、アブラナに変身!
忍者のように、変わっちゃうのだ!
□ おひたしが おいしくなる

まずは、定番の「おひたし」から。
番組は、こんな実験をした。
銀座と京都にある食べ放題の店で、「小松菜」「ほうれん草」「白菜」「チンゲン菜」の おひたしを並べました。
セルフサービスなので、人気のありなしが分かります。
その結果、小松菜は、とっても 不人気だったんです。
ほうれん草に惨敗。
でも、小松菜だって、叫びたいでしょう。
「わたしゃ、ほうれん草の代用品じゃない!」
そこで、小松菜の真の実力を引き出すため、こんな調理法が紹介されたのだ。
<期待される効果>
・ 味が濃厚になる。
・ 香りがアップ。
・ うま味が増す。
<小松菜のゆで方>
街の人に聞いた平均のゆで時間は、2分8秒でした。
でも、ガッテン流は違う。
(1) 沸騰したところに、小松菜 2株を入れます。
(2) 15秒 ゆでたら バットにあげる。
水にはつけません。余熱を利用する。
(3) 残りも同じようにゆで、粗熱をとりましょう。
水につけず、絞らないので、うま味や甘味がしっかり残るというわけ。

ほうれん草には、「シュウ酸」という「えぐみ成分」があるので、しっかり ゆでて 水にさらす人が多いですよね。
けれど、小松菜には、シュウ酸がほとんど入っていません。だから、心配ない。
ゆで時間が短い分、鉄分やカルシウムの量もアップするのだ。
□ 大変身ワザ

小松菜の問題点としてあげられた、これ。
・ 料理が思いつかない。
・ レパートリーが少ない。
これも、大改革しちゃいましょう!
小松菜が、他の野菜に変身する!
そのカギを握るのが、意外なことに、「モンシロチョウ」。
モンシロチョウは、小松菜など、特定の植物に卵を産む習性がある。
ということで、モンシロチョウが来る野菜は、小松菜の仲間なんですね。
観察してると、「白菜」の葉に、とまったぞ。
「ブロッコリー」「キャベツ」「大根」の葉っぱにも。
これらは全部、アブラナ科の野菜なのだ。
特に、「小松菜」「白菜」「カブ」「アブラナ」「野沢菜」は、「ラパ(ブラッシカ・ラパ)」といって、種まで同じなんです。
一緒に植えると、交雑してしまうような関係。
ほとんど同じ植物と言えるほど、近い存在なのです。
そう、これが大きなカギになる。
小松菜は調理法次第で、仲間に変身できるのだ。
<変化 その一 アブラナ>
和食の達人、野崎洋光さんが、教えてくれました。
ピリリと辛い味になる。
<アブラナ風しゃぶしゃぶ>
70℃のお湯に、3秒くぐらせるだけ。
(1) 小松菜を切って、葉と根元に分けます。
使うのは、葉の部分。
(2) 鍋に昆布を入れ、1リットルの湯を沸かしましょう。
(3) 沸騰したら、さらに水を1リットル加え、火を止める。
(4) 葉っぱを1枚ずつ、しゃぶしゃぶのように、3回 お湯にくぐらせて食べる。

これは、ピリピリした辛みを味わう料理。
香りも、すごいんですよ。
低温加熱することで、酵素が働き、もともと持っている「辛みのもと」を目覚めさせる方法なのだ。
<変化 そのニ 野沢菜>
漬物のようになります。
<野沢菜風漬物>
(1) 250g の小松菜を半分に切って、袋に入れる。
(2) 7.5g の塩を入れ、軽く もみ込みます。
(3) 空気を抜いて、密閉しましょう。
(4) それを冷凍庫に入れ、凍らせる。
(5) 一晩たったら 解凍し、水を絞ります。
(6) あとは、食べやすいサイズに切るだけ。

シャキシャキの食感と、さっぱりした味が楽しめる。
<変化 その三 白菜>
小松菜のスープですね。
<白菜風スープ>
小松菜はもともと、うま味の量が多い野菜。
グルタミン酸の量を、アブラナ科の野菜と比べると、キャベツ、白菜、チンゲン菜より、多い。
だから、ダシだって、とれるのだ。
<小松菜ダシのとり方>
(1) まず、500ml の湯を沸かします。
(2) そこに、刻んだ小松菜 150g を入れる。
(3) 5分から10分、煮ましょう。
(4) 最後に、小さじ半分の塩を入れたら、完成。

小松菜だけで、すごくダシが出ます。
モヤシ、白髪ねぎ、ごま油を加えれば、スープにもなる。
□ アブラナ科 お得ワザ

小松菜の仲間であるアブラナ科の野菜を、おいしくいただく裏技。
<白菜を甘く食べ切る>
外側からむくのではなく、内側の葉っぱから使う。
内側の方が、甘いんですよ。
ただし、収穫後も、甘味成分が成長に使われるため、どんどん甘味が失われてしまうのだ。
内側の葉を先に取ってしまえば、甘さたっぷりのまま、食べ切れる。
<ブロッコリーの保存法>
0℃に近い温度で、保存するのがよい。
乾燥しないように袋に入れ、野菜室ではなく、チルド室で保存。
ブロッコリーは、小さなつぼみが数万個も集まって、できている。
なので、とても鮮度が落ちやすいのだ。
常温で置いておくと、1日で、甘さが半分ほどになってしまうんです。
<辛い大根を食べるには?>
皮に近い外側の部分を使うとよい。
辛みと関係する酵素が、皮の近くに多いんですね。
だから、ここを大根おろしにすると、一番辛くなるってわけ。
<小松菜のサラダ>
実は、小松菜は、生でもおいしく食べられる野菜なんです。
なので、「サラダ」にしたり、「サンドイッチ」にはさんでも、いい。
小松菜には、丈夫で育てやすいという特徴もあります。
なので、家庭菜園をしている人もいるし、学校の教材に使われることもある。
(やっぱり、火星むき?)
<プランターを使った 小松菜の家庭での育て方>
(1) 深さと幅が 20センチほどのプランターを、用意。
(2) プランターの底に、石かネットを敷き、肥料が入った野菜用の土を入れます。
(3) 上から、深さ 1センチほどの筋状の溝を引き、1センチ間隔で 種を蒔きましょう。
(4) 種は、季節にあったものを選ぶこと。
(5) 上に土をかぶせたら、ネットや透明なシートなどで覆い、風通しのよい 日なたに置く。
適時、水をあげてください。
(6) 発芽したら、葉っぱに光が届くように、適度に間引きしてやる。
(間引き菜は やわらかいので、生で食べたり、サッとゆでて食べるとよい)
(7) 丈が 20センチを超えたら、収穫時期です。
およそ 1か月で収穫できる。
<小松菜に期待される健康効果>
小松菜に含まれる色素「ネオキサンチン」に、脂肪細胞の増加を抑える可能性が、発見された。
メタボ予防が期待されます。
この冬は、野菜界の変身忍者、小松菜を楽しんでみてください。


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