【善玉コレステロール】 吸う力が重要だった!
コレステロールの常識が、崩壊するかも。
善玉が多いからといって、安心できない。
吸う力によって、病気になるリスクが変わってくるのだ。
何を食べればいいのかも、紹介します。
2018年11月28日放送の「ガッテン」より、「コレステロールの救世主 ~ 血管を掃除する秘策SP」。

□ 吸う力が強い?

さあ、今回のテーマは何でしょうか?

「コレステロール」について。
<期待される効果>
・ 血管系の病気のリスクが低減する。
<メカニズム>
善玉コレステロールの機能(吸う力)を強化する。
すると、数は同じでも、悪玉を取り除く力がアップするのだ。
<効果的な食材>
・ 青魚(理想は刺身、手軽さなら サバ缶)。
・ ナッツ。
・ 緑茶。
以下、詳細です。
健康診断の結果を見て、一喜一憂している人も、いるかもしれませんね。
今回は正常範囲かな~、どうやったら下がるのかな~。
それ以上に、血管が詰まったら怖い!
でも、こんな情報が入ってきたのだ。
ある食材を 1日1食摂るだけで、病気のリスクが 半分以上減るというのです。
番組冒頭、見せられたのは、小野文恵アナウンサーの検査結果。
総コレステロールの値に、「H」マークがついてますね。
数値は、「232」。
正常値は「120~219」ですから、わずかにオーバーしています。
(初めて高いと言われた)
(原因は、この夏、トンカツにハマったから?)
身体に良くないイメージのある、コレステロール。
何が身体に悪いのでしょうね?
<メカニズム>
食生活が乱れると、血管内に、悪玉コレステロールが増えます。
でも、健康なら、善玉コレステロールが、余分なコレステロールを回収してくれる。
善玉と悪玉のバランスが大事だと言われるのは、このため。
悪玉 : コレステロールを運ぶが、多いと不法投棄する。
善玉 : 余分なコレステロールを掃除・回収する。
悪玉の不法投棄が血管内に残ると、プラークを作ってしまう。
それが続くと、血管内が狭くなり、やがて、詰まってしまいます。
これが病気の原因に。
善玉(掃除する人) > 悪玉(汚す人)
血管内がきれいでいるには、この関係が大事なのです。
が、しか~し、それだけではないことが、分かってきました。
実は、善玉の吸う力が 普通より強い人がいるんです。
言い換えると、血管内を掃除する力が強い人。
あるいは、コレステロールを回収する力が強い人。
そんな人が多いのが、海外。
イタリアのリモーネ・スル・ガルダという村です。
なんと、ここに住む人は、遺伝的に、善玉の吸う力が強いのだ。
なので、プラークが少なく、血管の厚さも薄い。
普通、善玉コレステロールは、多ければ多いほどいいと思いますよね。
でも、最新の研究では、そんなに単純な話ではないと、分かったきたんです。
数がそんなに多くなくても、吸う力が強ければ…。
□ コレステロールの新事実

前述の通り、悪玉コレステロールが多いと、血管内に余分なコレステロールが残ります。
それを、善玉コレステロールが吸ってくれる。
普通なら。
そう、数はあっても、吸ってくれない善玉コレステロールがあるのだ。
どうも、善玉の吸う力と、ある病気に、深い関係があるらしい。
「吸う善玉」
「吸わない善玉」
この違いは、何なのでしょうか?
大阪府は吹田市にある、国立循環器病研究センター。
小倉正恒 室長が、教えてくれました。
実は研究で、善玉コレステロールが多くても少なくても、脳梗塞になった人の数に、大きな差が認められなかったんです。
これで、善玉コレステロールの数値が高いということが、いいのか悪いのか、分からなくなった。
単に量が多くても、意味がないかもしれないと。
そこで注目したのが、「善玉の吸う力」なんですね。
すると、衝撃的な事実が判明したのだ!
脳梗塞の罹患率(りかんりつ)を比べました。
吸わない善玉を持つグループに比べ、吸う善玉を持つグループは、罹患率が 約60% も減っていたんです。

でも、そもそも、吸う善玉と吸わない善玉って、どこか違うんでしょうね?

実は、掃除機に例えた場合、ホースに穴が開いているかどうか、それが差だったのです。
それについて、詳しく見ていきましょう。
□ 吸う力の差

20代から60代の男女、50名の調査。
全員、検査でコレステロールの値が気になっています。
まずは採血し、善玉の吸う力を調査しました。
協力してくれたのは、神戸大学医学部 立証検査医学分野の 杜隆嗣(とう りゅうじ) 准教授です。
ちなみに、特別な研究機関以外では、善玉の吸う力は、測定できません。
そこで、神戸大学では、自動で測れる方法を開発中なのだ。
神戸大学研究グループの判断基準は、こう。
吸う善玉 : 0.3以上
吸わない善玉 : 0.3未満
0.3未満の人は、心臓病を再発するリスクが高まる。
現在健康でも、病気になるリスクが高いと考えられます。
さて、実験の結果ですが、こうなりました。
50人中 19人が 0.3未満だった。(38%)
数値が一番良かったのは、67歳男性。
体重は普通で、BMI値は「23」です。
数値が悪かったうちの一人は、37歳女性。
こちらも 体重は普通で、BMI値は「23」。
どちらも飲酒しますが、1日に缶ビール1本(350ml)程度。
喫煙はしません。
年齢と性別は違いますが、他は同じようなもの。
にもかかわらず、吸う力には大きな差が。
実は、二人には、ある違いがあったんですね。
それはあるものを、食べる回数。
数値が良かった男性は、週に2~3回食べます。
数値が良くなかった女性は、月に1回程度。
これで話が見えてきました。
食べ物で、差が出るのだ。
先ほど、掃除機に例えましたよね。
この食べ物に含まれる「ある成分」が、ホースの穴にフタをしてくれるんです。

じゃあ、それを食べれば、吸う力をアップさせることができるんですね?
□ 吸う力をアップっさせる食材

ある成分とは、「EPA」。
そして、EPAを豊富に含む食材とは、「青魚」。
血中のEPA濃度が高い人ほど、善玉の吸う力が強い、そんな傾向があるのです。
先ほどの実験で、吸う力が弱いと判定された人に、2週間、毎日1食、青魚を食べてもらいました。
すると、5人中 4人が、吸う力が強まった。
この4人は、0.3未満だったのが、0.3以上に改善しました。
(1名は 同じ数値のままだった)
イヌイットの人たちは、アザラシを食べてましたよね。
そこに含まれる油のおかげで、代謝が上がり、寒さに強いと言われていた。
青魚にEPAが多いのも、青魚が寒い海を旅するから。
さかなクンが、そう教えてくれました。
青魚は、植物プランクトンを食べます。
植物プランクトンは、寒い海でも 細胞をしなやかに保つため、ある油を体の中に作り出すんですね。
その油こそが、EPA なのだ。
EPA には、細胞自体をしなやかにする力があり、血管をやわらかく保ってくれるってわけ。
動脈硬化を防ぐ力を持っている。
そして、善玉コレステロールの吸う力を、高めてくれるんです。
□ 小倉正恒先生の解説
ここでスタジオに、専門家の先生が登場。
国立循環器病研究センター 室長 小倉正恒さんです。
善玉の吸う力を、「善玉引き抜き能」という。
数よりも、この能力が大事だと、7~8年ほど前から、分かってきました。
これまで、薬によって悪玉コレステロールの量を 約40mg/dl 下げても、動脈硬化性疾患の予防効果は、「20~30%」程度でした。
また、善玉コレステロールの量を上げる薬を使っても、残念ながら、動脈硬化の改善には 効果がなかった。
そこで注目されたのが、量ではなく「質」や「機能」の方だったんですね。
善玉の能力が低い → 脳梗塞になりやすい
善玉の能力が高い → 脳梗塞になりにくい
善玉の力を強くするには、EPAが必要。
EPAを摂るには、青魚を食べなければならない。
でも、毎日 青魚を食べるのはたいへんです。
そこで役に立つのが、「缶詰」。
特に、「サバ缶」がおススメ。
先ほどの2週間の実験なら、「1日 サバ缶を 1/4 」食べるのが目安。
これなら、無理なくやれそうだ。
EPAは、加熱により酸化されやすいという特徴があります。
なので、理想をいえば、生魚の方がいい。
特に、「カルパッチョ」だと、オリーブオイルが EPA の酸化を防いでくれます。
□ まとめ
・増えすぎた悪玉コレステロールは、血管内にプラークを作り、動脈硬化の原因になる。
・悪玉(LDL)の値が高い人は、要注意!
・善玉コレステロールの値が高くても、安心できない。
・吸う力が弱いかもしれない。
・青魚に含まれるEPAは、善玉の吸う力をアップしてくれる。
・肉を魚に置きかえれば、悪玉が減る可能性も。
善玉の吸う力をアップさせる食材は、他にもあります。
それは、「ナッツ」と「緑茶」。
運動では、「ウォーキング」。
これらには、血管の酸化や炎症を防ぐ働きがあるのだ。
目安は、ナッツ 25g 。
緑茶は 1日 1杯。
ウォーキングは、1日に30分。
番組の実験では、2週間で効果が出ました。
□ EPAの摂り方

青魚は、サバだけではありません。
イワシ、アジ、サンマなどもある。
もちろん、これらも、EPAが豊富。
先述の通り、生の方がいいので、おススメの食べ方は、「刺身」になります。
でも、お手軽さを優先するなら、やっぱり、「サバ缶」。
さらに栄養をアップしたいなら、かつお節をかければいい。

山形県では、「ひっぱりうどん」が有名。
まず、サバ缶の身と、納豆、薬味のネギを、混ぜ合わせます。
そこに、缶の残り汁を加える。
ゆでた乾麺を絡ませて、いただきます。

サバ缶は、応用がききますよね。
お好みに合わせて、アレンジしてください。
今回は、善玉コレステロールは数だけじゃないことを学びました。
将来、検査項目の中に、「善玉の吸う力」が加えられる日が、来るかもしれませんね。


[関係する記事]
→ 【缶詰レシピ】 賞味期限や食べ頃は?
サバの水煮缶の天ぷらも紹介。
→ 「サンマ、サバ缶、青魚の健康パワー」
サバ缶のピリ辛豆乳汁。
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