【天気のことわざ】雨のサイン
意外と正しい、昔ながらの、天気に関する「ことわざ」。
ネコに アマガエル、櫛や星、燕などから、雨のサインを読み取る。
天気予報に賞味期限がある?
意外な注意点についても紹介します。
2018年10月25日放送の「ビーバップ! ハイヒール」より、「科学を超える知恵 ~ 使える お天気ことわざ」。
かしこブレーン : 気象予報士 正木明さん。

□ 迷信じゃない? 経験則?

さあ、今回のテーマは何でしょうか?

「天気の諺(ことわざ)」について。

エノキさん、こんなことわざ、聞いたことあるでしょ?
<ネコが顔を洗うと、雨が降る>

ええ、もちろん。

実はこれ、一見、迷信のようで、一理あることわざなんですよ。
ネコのヒゲは敏感で、雨の前に湿気が多くなると、かゆさや重さを感じて、いつも以上にヒゲを触ってしまうのだそうです。

このようなことわざは、他にもあります。
順番に、見ていきましょう。
<アマガエルが鳴くと、雨>
低気圧が近づき、湿度が高くなると、皮膚呼吸がしやすくなって、アマガエルは活動的になるのだ。
<櫛が通りにくいと、雨>
朝、髪をとかすとき、櫛(くし)が通りにくい時は、雨が近い。
低気圧が近づく → 湿気が多くなる → 髪の毛が空気中の水分を吸う → 髪の長さや太さが変化し縮れる → 櫛の通りが悪くなる。
というメカニズム。
雨の日はセットが決まらないという人、けっこういるのでは?
髪の巻き具合などで天気が分かる人も、いるかもしれませんね。
<星がチラチラすると、雨>
夜、空を見上げた時、星がチラチラと瞬いていたら、雨が近い。
低気圧が近づく → 大気の層が不安定に → 星の光が何度も屈折 → 瞬いて見える。
<クモの巣に朝露がついたら、晴れ>
早朝、クモの巣や足元の草に 水滴がついていたら、晴れることが多い。
朝露がつくのは、夜、放射冷却という現象で、地上の温度が冷やされ、水蒸気が水滴に変わるから。
この放射冷却は、雲があると、熱が雲に跳ね返されるため、起こらない。
放射冷却が起きるのは、夜、快晴である証拠なのだ。
したがって、次の日も晴れる可能性が高いというわけ。
【放射冷却】
大気や地表面が赤外線放射の放出によって冷却する現象。天気予報解説などでは、地表面の冷却に伴う接地大気の気温の降下をいう。晴天無風の日の夜半から明け方にかけて著しい。
(大辞林より)
<燕が低く飛ぶと、雨>
燕(ツバメ)は、普段、電線や屋根の高さを飛んでますよね。
しかし、人の目の高さ辺りとか「低いところ」ばかりを飛ぶことがあるんです。
実はこれも、天気に関係するのだ。
ツバメの主食は、ハエ、ハチ、蝶など。
これらの虫は、湿気が多くなると、羽が湿って重たくなり、低空を飛ぶようになる。
つまり、それを捕食しようとする燕も、その時は低く飛ぶと。
<夕焼けの次の日は、晴れ>
よく聞く言葉ですが、これも 条件付き でその通り。
日本の天気は基本的に、西から東へと変わります。
夕焼けが見える → 西の空に雲がない → したがって、翌日は晴れ。
ただし、このことわざがよく当たるのは、高気圧と低気圧が 西から交互に通過する、「春と秋」限定なのだ。
夏や冬は、季節風などの影響により、西から東に天気が変わることが、少なくなる。
なので、夕焼けがキレイに見えても、翌日晴れるとは限らないというわけ。

確かに、西から東に天気が変わることが多いかな。
うちで雨が降ってると、数時間後に甲子園で雨が降ったりとか。
でも、今年は、縦の動きも多かったように思います。
台風も多かったし、一筋縄ではいきませんでした。

さあ、続けますよ。
<飛行機雲がすぐに消えないと、雨>
飛行機雲が長いほど、雨の可能性がある。
飛行機雲は、飛行機の排気ガスに含まれる「水蒸気や細かい粒子」が、急激に冷やされて、できる。
晴れている時は、空気が乾燥しているので、水蒸気はすぐに蒸発し、飛行機雲はすぐに消えやすい。
逆に、低気圧が近づき、空気が湿ると、飛行機雲は 長く消えずに残るのです。
<魚の名前の雲が見えたら、雨>
「うろこ雲」や「いわし雲」など、魚と関係する雲が見えたら、それは雨の兆し。
これらは「巻積雲(けんせきうん)」と呼ばれる。
巻積雲が見えると、その先に雨雲が控えているのだ。
天気は下り坂になることが多い。
【巻積雲・絹積雲】
上層雲の一種。白雲の小さな塊が群集してまだら状または波状をなすもの。氷晶が集まったもので、通常6~10キロメートルの高さに現れる。
まだら雲。さば雲。うろこ雲。いわし雲。記号 Cc
(大辞林より)
<お茶碗が洗いやすいと、雨>
食後、食器を洗っていて、「茶碗のご飯粒がキレイに取れると、雨が降る」ということわざ。
実はこれも、正しい。
高気圧が近づき、天気が良くなると、空気が乾燥するので、ご飯粒はすぐに乾きやすくなる。
すると、ご飯粒が硬くなるので、取れにくくなる。カピカピ状態。
逆に、低気圧が近づき、雨が降りそうになると、湿気が多くなり、ご飯粒は湿ったままなので、洗う時に 取れやすいのだ。
<ウロコ雲と厚化粧>
こんなことわざがある。
「ウロコ雲と厚化粧の女は、長続きしない」
ウロコ雲はできてもすぐに消えて、雨雲に変わってしまう。
厚化粧は、すぐに崩れてしまいがち。(一見、きれいに見えるけど、実は…)
また、厚化粧の女性は 素顔を隠しているため、お付き合いしても長続きしない、という意味もあるらしい。
<田舎の親と南風>
また、宮崎県には、こんなことわざも。
「田舎の親と南風は、手ぶらじゃ来ない」
田舎の親は、よく土産を持ってきてくれる。
南風は、雨をよく連れてくると。
□ 天気予報あれこれ

お次は、天気予報について。
<天気予報の賞味期限>
気象庁の天気予報発表は、1日に3回。
「午前5時」「午前11時」「午後5時」
その時、最新の天気予報を確認すべし。
例えば、朝に天気予報を見たとしても、昼以降の天気が重要なら、午前11時以降に再度 確認した方がよい。
<お天気マークだけを信じるな>
新聞、テレビ、インターネットでも、お天気マークで示されていますよね。

しかし、その元になっているのは、気象庁が発表する 長文の「天気予報文」なんです。
それは複雑で、「所により」とか、「明け方まで」といった表現も多い。
つまり、すべてが天気マーク通りとは限らないのだ。
特に、気象予報士が「所により」という言葉を使った時は、要注意。
場所によって、天気が異なる可能性がある。
場所や時間は特定しづらいけれど、天候が崩れるといったケースも。
<最低気温は 最低じゃない?>
気温予想は、丸1日の気温を比較しているのではありません。
24時間をカバーしてない。
最高気温予想は、「9時~18時」の間で最も高い温度の予想。
最低気温予想は、「深夜0時~朝9時」の間で最も低い温度の予想。
つまり、9時以降に急激に冷える場合は、予報されないのだ。
でも、インターネットで調べると、24時間だったり 3時間ごとの 天気予報が掲載されてたりしますよね。
こちらには、細かい気温の変化が予想されています。
<見るべきは 降水確率より 降水量>
「降水確率」と「雨の強さ」は、関係ありません。
降水確率とは、1ミリ以上の雨が降る確率のこと。
降水確率が10%でも、大雨が降ることもある。
また、降水確率が80%でも、小雨の時もある。
「降水量」を見ないと、どれくらいの強さになるのか、分かりません。
<降水量 100mm を超えたら 危険>
1時間当たり「20mm」を超えると、「大雨注意報」が発令される。
「30~50mm」だと、「大雨警報」。
「80mm」を超えると、「猛烈な雨」と表現。
「100mm」以上になると、「大規模な災害発生の恐れ」がある。
ちなみに、1時間に降る雨の量で、表現はこうなるそうな。
3mm 未満 : 弱い雨
10~19mm : やや強い雨
20~29mm : 強い雨
30~50mm : 激しい雨
50~79mm : 非常に激しい雨
80mm 以上 : 猛烈な雨

今年は毎週のように、台風が来ましたね。
しかも、激しい奴が週末に。
来年はもうちょっと、大人しくしてほしいかな。
にしても、今年は「風予報」をよく検索したな~。

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