【血糖値を下げる体操】 桃色筋肉を増やすピントレ/ガッテン
ちょっとの運動を3か月続けると、血糖値が下がる。
しかも、食後に上がりにくくなる。
そのカギとなるのが、白でもなく赤でもない、「桃色筋肉」。
それを増やす体操を、紹介します。
* 最後に、ピントレのGIFを追加しました。
2018年10月03日放送の「ガッテン」、「血糖値がみるみる下がる! 謎のポーズで体質改善SP」より。

□ 運動で血糖値が下がる?

さあ、今回のテーマは何でしょうか?

「血糖値を下げる体操」について。
糖尿病とその予備軍の数は、2000万人と言われています。
それだけに、気になる人も多いのでは?

40代、50代ともなると、気にかけちゃいますよね。

中には、対策している人も、いるかもしれません。
糖質を制限したり、お酒を控えたり。
生活の中に運動を取り入れたり。

でも、できない人も多いんですよ~。
なかなか続かない。

そんな人に、朗報です!
短い時間で、しかも毎日やらなくてもいい。
そんな運動があるのだ!
しかも、食後に血糖値が上がりにくい身体になる。

それは、夢みたいな話ですね~。

血糖値対策といえば、「運動」がありますよね。
有酸素運動や筋トレがそれ。
でも、その目安が問題です。
けっこう、ハードルが高いのだ。
有酸素運動 : 30分を週5日
筋トレ : 45分を週3日

これは厳しいな~。
筋トレ45分は、本格的じゃないですか~。
歩くのも、週に5日となると…。

それが、今日紹介する方法だと、「20分を週に2回」でいいんです。

それなら、生活に組み込めるかも。

福島県 郡山市にある、「うさみ内科」。
夕方になると、人が集まり始めます。
ホールにマットを敷いて、運動が始まりましたよ。
ゆっくりと、スクワットのようなことをしてますね~。
実は、この運動を、20分 週2回することで、症状が改善したのだとか。
利点は、毎日やらなくてもいいこと。
しかも、室内で、できます。

確かに、「毎日外で」となると、たいへんなんですよ。
雨が降ったりとか。
花粉が飛ぶ季節もあるし。

ちゃんと、効果も検証されてるんですよ。
福島県で、62人の糖尿病患者さんに、入院してもらいました。
そこで 8週間(2か月)、この運動を実施してもらいました。
すると、「ヘモグロビンA1C(HbA1C)」が、平均で「9.9→7.5」に下がったんです。
(ヘモグロビンA1C=過去1~2か月の血糖値を反映する数値)
そのうち、3割の人が、基準値まで改善したといいます。
参加者の男性に協力していただき、さらに詳しい調査をしました。
「24時間血糖値計測器」で、15分ごとに、自動で測定します。
この1週間のデータから、興味深い発見があったのだ。
以前なら、食後に200ぐらい血糖値が上がっていたのではないかと、推測されます。
しかし、3か月 運動を実施した後では、血糖値の上昇がすごく少なくなったんです。
つまり、血糖値の上がりにくい身体になった ということ。

今日紹介する運動を実施すれば、血糖値が上がりにくくなるんですか?

そうです。
もちろん、個人差はあると思いますが、やってみる価値はあると思いますよ。
この運動を広めている先生に、お話を伺いました。
内科医の 宇佐美啓治 院長です。
始めたのは意外と早く、30年前。
当時(80年代後半)は、糖尿病の治療法として、有酸素運動が注目を集め始めた頃でした。
ただ、有酸素運動は、長くやらないと効果がありません。
残念ながら、長く続けられる人は、そんなにいなかったそうです。
宇佐美先生は考えました。「なるべく短い時間で、もっと効率のいい運動は、ないだろうか?」
そんな時、先生自身の趣味が、役に立ったのだそう。
その趣味とは、「ボディービル」。
宇佐美先生は、大会入賞の経験まであるんですよ。
とはいえ、器具を使ったハードな運動を、患者さんに勧めるわけにはいきません。
そこで考案されたのが、今回の運動なのだ。
具体的には、1回に10秒かける、超スロースクワット。
10回行って、休憩。
また10回行って、休憩。
これを30回行います。
□ 桃色筋肉

スクワットとなると、筋肉がつきすぎませんか?
女性は気になると思うんですが。

その心配はないようです。
筋肉の量に、大きな変化はない。
むしろ、筋肉の「質」が変わるんです。
魚の「身」を思い浮かべると、分かりやすいかもしれません。
白身 : 瞬発力。
赤身 : 持久力。
ヒラメなど白身の魚は、普段じっとしていて、ピュッと動く。
一方、カツオなど赤身の魚は、ずっと動いています。
これは人間の筋肉にも、いえるんですね。
白い筋肉(速筋) : 瞬発力。
赤い筋肉(遅筋) : 持久力。

でも、筋肉の種類と血糖値が、どう関係するんでしょう?

その答えは、デンマークにありました。
なんと、コペンハーゲン大学では、実際に筋肉を「生検」として切り取って、研究しているのだ。
人間の筋肉は、赤(遅筋)と白(速筋)が交じり合っています。
魚のように、片方だけというわけではない。
デンマークで今回紹介する運動と同じ効果のある運動をした人の筋肉を調べました。
すると、赤でも白でもない、「第3の筋肉」があることが分かったんです。
それが、「桃色筋肉」。
赤い遅筋は変わらないのだけれど、白い速筋は、ほんのりピンクになったり、少し濃いめのピンクになったりするのだ。


私はお酒を飲むと、ほんのりピンクになりますけどね~。

そんなエノキさんは放っておいて、話を戻しましょう。
今回紹介するのは、いわば、超スロー筋トレ。
これを繰り返し行うと、白い筋肉に変化が起きるんです。
筋繊維の中に、赤いものが増えていく。
だから、ピンクっぽくなるんですね。
その赤いものとは、「ミトコンドリア」。
ミトコンドリアは、酸素を使って、脂肪を燃やし、エネルギーを生み出します。
本来、白い筋肉は、糖を燃やすもの。
そこに、ミトコンドリアが持つ、脂肪を燃やす力が加わるってわけ。

脂肪と糖を燃やす、ダブルパワーだ!
ダブルタイフーンの 仮面ライダーV3 みたいだ!

桃色筋肉があるかどうかは、筋肉中の酸素濃度で分かるといいます。
ミトコンドリアは、脂肪を燃やす時に、酸素を使います。
なので、桃色筋肉がある人では、運動後の酸素量が、大きく増えるんだって。
至学館大学 光岡かおり 准教授のお話。
「(運動中)十分酸度を取り込んで、消費して、運動後には すみやかに酸素が供給される」
「ピンクの筋肉が、非常にトレーニングすることで活性化されることが、よく分かります」
有酸素運動する時、主に使うのは、赤い筋肉(遅筋)。
この赤い筋肉には、もともとミトコンドリアの数が多く、脂肪を多く消費してくれる。
ハードな筋トレで主に使われるのは、白い筋肉(速筋)。
この白い筋肉は、糖を消費する働きがあります。
スローな筋トレでは、白い筋肉にミトコンドリアが増えて、桃色筋肉になる。
すると、糖と脂肪を消費するようになるのだ。
これが血糖値対策になるヒミツ。
□ 坂根直樹先生の解説
ここでスタジオに、専門家の先生が登場。
京都医療センター 予防医学研究室長の 坂根直樹 先生です。
有酸素運動、筋トレ、スロースクワット、どの運動でも、続けていれば、血糖値は下がるそうです。
なので、自分に合った運動を見つけて、続ければいいと。
問題になるのは、続けられないこと。
外に出ないといけない、ジムに行かないといけない、そうなると、なかなか続きませんよね。
そんな人には、今回の方法はどうですか? というわけ。
ただし、自己流でやるとダメ だそうです。
ちょっとしたコツが、重要になる。
では、お待ちかねの方法を、紹介しますね。
□ 桃色筋肉を増やす ピントレ

指導してくれるのは、この方。
京都医療センター 研究員の 松井浩さん。
<注意点>
次に該当する人は、医師に事前に相談してから、実施してくださいね。
・ 高血圧の人。
・ ヒザの悪い人。
<ピントレの方法>
(1) 足を、肩幅より広く開きます。
つま先は、30度くらい、外に向ける。
(2) そのままゆっくり、曲げていきます。
10秒かけて、ゆっくり腰を下ろす。
ヒザは、つま先と同じ方向に。
この時、ヒザがつま先より前に出ないよう、気をつけること。
お尻を後ろに引く感じ。
背中は丸めない。
手は前に出して、バランスを取ってください。
(3) できる人は、90度くらい しゃがみ込む。
(できる範囲で、けっこうです)
(4) 息を止めないようにして、声を出して数えましょう。
(5) 10秒数えたら、その姿勢のまま 2秒我慢してから、立ち上がる。
(6) 10回やったら、3~4分 休憩。
それを3回。
目標は、10回×3 の 計30回です。
これを、週に2日。

運動に不慣れな人は、脚を大きく開いて、行ってみてください。
負荷を軽くして、10回を目指しましょう。
高齢者や足腰が不安な人は、このやり方で。
<イスを使う方法>
(1) 安定したイスを、2脚用意します。
(2) イスを後ろに置いて、転倒防止にする。
その状態で、ピントレをやる。
(3) もう一つのイスを前に置いて、支えにします。
テーブルでも、いいですよ。
補助として、使いながら、行います。

ウォーキングが続かない、筋トレが続かない。
そんな人には、ピントレがあります。
続けてみませんか?
とりあえず、3か月!
効果を実感してみましょう。

10秒かけて、腰を下ろし、2秒キープ。
10回 → 休憩 → 10回 → 休憩 → 10回。(計30回)
これを週に2回。


[関係する記事]
→ 「脱糖尿病 野菜と腸内細菌 腸のスイッチを増やす」
→ 「効果的な筋トレ、ウォーキングと心拍数」
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