【スタンフォード式(1)】 疲労回復法/ビーバップハイヒール
スタンフォード大学 専属アスレチックトレーナー「山田知生」さんから、最新の疲労回復法を勉強します。
今までの常識が、ひっくり返るかも。
・ 疲れた時は、寝る前に運動?
・ 食べるなら、フルーツ?
・ 疲れの原因は、乳酸ではない。
・ 寝だめは、効果なし。
・ ストレッチで疲れは取れない。
・ 歪みを治す、IAP呼吸法。
・ バテない体作り。
・ 疲れない立ち方。
2018年8月23日放送の「ビーバップ! ハイヒール」より、「一流アスリートが実践! スタンフォード式 疲れない体」。

□ スタンフォード大学の疲労回復法

さあ、今回のテーマは何でしょうか?

ズバリ、「疲労回復」について。
よく寝たはずなのに、疲れが取れない。
そんなこと、ありませんか?
文部科学省の調査によると、日本人の約4割が、「慢性的な疲労」を感じているのだとか。
そんな疲労に対し、科学的にアプローチした方法が、今、注目されています。
その名も、「スタンフォード式 疲労回復法」。
1885年に創立された、スタンフォード大学。
言わずと知れたアメリカの名門校ですが、スポーツ部門でも 強豪として 名を馳せています。
2016年、リオ オリンピックでは、スタンフォード大学の学生だけで、27個ものメダルを獲得している。
スゴイですね。
そんな世界最強ともいえるアスリートたちを支えているのが、「最新の疲労回復法」だという。
それはいったい、どんなものなのでしょうか?
当たり前だと思っていた認識が、覆されるかもしれませんよ。
<疲れていても、すぐには寝ない>
疲れて帰宅し、もう クタクタ。
そんな時、すぐ 床に入りたくなりますよね。
でも、これ、よくないのだそう。
そのままベッドに入っても、なかなか寝付けないこと、ありませんか?
ストレスで、眠れないのです。
身体は疲れていても、脳は興奮状態。
では、どうすればいいのか?
スタンフォード式だと、こうなる。
・ 軽い運動。
長時間のデスクワークなどで疲れた日は、身体を動かせていない場合も多い。
そんな時は、自律神経やホルモンのバランスが崩れていがち。
そのまま床に入っても、なかなか眠れません。
そこで、軽めの有酸素運動を 20分ほどする。
すると、血流が改善し、筋肉のコリも ほぐれるってわけ。
これが快適な睡眠につながり、疲労回復につながるのです。
しかし、強い運動は、脳や身体を興奮状態にするので、逆効果。
軽めを心がけましょう。
また、心身ともに疲れている場合は、例外的にすぐ寝てしまうのも、悪くないかもしれませんね。
ケースバイケースで実施しましょう。
<疲れた時に食べるのは?>
疲れているし、甘いケーキやお菓子を食べよう!
そんな女子も、多いかもしれません。
でも、スタンフォード式では、これも NG。
ケーキやお菓子などは、人工的に糖度を高めたもの。
ビタミンやミネラルに欠け、疲労回復に つながらないのだとか。
むしろ、糖質の分解にビタミンが消費されてしまい、逆効果だという意見も。
おススメのおやつは、栄養価の高い 皮付きのフルーツ。
(例:リンゴ、梨など)
フルーツには、疲労回復に役立つ「ビタミン類」が豊富。
しかも、内臓に負担がかかる脂質も少ないときている。
ビタミンを高速チャージできるので、うってつけってわけ。
スタンフォード大学 スポーツ医局 専属アスレチックトレーナー 山田知生さんは、言います。
「年を取っているから、仕事が忙しいから、(だからといって)疲労回復を諦める必要はありません」
「正しいステップを踏めば、疲労は必ず防げます」
「今までは、技術向上のためや パフォーマンス向上のための研究が、多く行われてきました」
「しかし、今はそれと同じぐらい、疲労回復のための研究が行われています」
その研究とは?
<疲れの原因は、乳酸ではない>
疲労の要因は、筋肉に溜まった乳酸によって引き起こされる。
そんな説、聞いたことありませんか?
しかし、最近の研究で、それが 間違い であることが 判明したのだ。
むしろ、乳酸には、筋肉の細胞炎症を抑え、修復を促す働きがあり、疲労回復のエネルギーとして使われていると、考えられています。
× → 乳酸は疲労の原因。
〇 → 乳酸は 筋肉の細胞炎症を抑え 修復してくれる。
〇 → 乳酸は 疲労回復のエネルギー源。
じゃあ、疲労の原因は、何なのだろう?
その原因とは、「脳」だという。
最新のスポーツ医学では、疲れは、脳と神経の連携が崩れて起きる現象だと、考えられている。
肉体だけでなく、神経の使い過ぎで、ストレスを招くというわけ。
多くの人が抱える疲労の原因は、「精神的疲労」が ほとんど。
仕事や人間関係など、日常のストレスで、脳が疲弊してしまっているのです。
疲れを溜め込んでいるのは、身体だけでなく、むしろ、脳。
なので、スタンフォードでは、選手の疲労度合いを測るため、トレーニングの前後で、必ずあることを行っているのだそう。
それは、「脈拍の測定」。
人間の身体は、疲労が溜まると、脈拍がいつもより早くなったり、遅くなったりするのだ。
これは、アスリートだけの話ではありません。
自覚症状が無くても、脈が乱れていたら、要注意。
そのまま脳や筋肉を酷使し続けると、慢性疲労に陥る可能性が。
脈は、疲労のバロメーター!
脈が乱れていたら、身体を休めましょう。
身体のサインを無視すると、大きなツケを払うことになるかもしれませんよ。
<寝だめは、疲労回復の敵>
不規則な睡眠は、副交感神経の働きを悪化させるのだ。
結果、寝付きが悪くなり、慢性的な睡眠不足を引き起こしてしまうのです。
さらに、スタンフォードでは、選手の健康状態を医学的に把握するため、定期的に ある脳のテストを実施しているのだそう。
すると、寝不足の水泳選手や陸上選手に、ある共通点が見つかりました。
それが、「脳震盪(のうしんとう)」。
寝不足の時に、何だか身体がダルいと感じるのは、実は、脳震盪と同じくらいダメージを受けているというシグナル。
この状態が続くと、疲れを通り越し、「肥満」 や 「心臓病」 のリスクを高めてしまうのだという。
<ストレッチで疲れは取れない>
疲れの根本的な原因は、「身体の歪み」だというのだ。
知らず知らずのうちに、歪みをかばうため、身体が無理な動きを取ろうとし、ダメージが蓄積する。
例えば、肩をかばい、本来使う必要のない腰を使うなど、疲れやすい身体になってしまうのです。
では、どうやればいいのだろうか?
対策として紹介されたのが、これだ。
<IAP呼吸法>
息を吸う時も、吐く時も、常にお腹を膨らませた状態で、呼吸します。
ポイントは、中から外へ圧力をかけ、お腹を硬くすること。
こうすることで、体幹が安定し、姿勢が良くなる。
そのおかげで、身体の歪みが解消されるというわけ。

スタンフォード大学では、この呼吸法を取り入れたことで、腰痛などのケガが激減したのだという。
<IAP呼吸法 実践編>
(1) イスに座ります。
手のひらを上にして、それを内側に回し、お腹に当てる。
(2) その状態で、指に刺さるように、お腹を膨らませます。
お腹が膨らんだところで、硬さを感じてください。
(3) この圧を保ったまま、ゆっくりと息を吐く。
(4) 5秒で吸って、5秒で吐く。
日常生活で できるようになるのが、ポイント。
(5) 朝夜に、吸って吐いて 10秒をワンセットとし、これを6回が目安。

身体の軸(体幹)が しっかりしたのを感じませんか?
□ 疲労を溜めない生活習慣

続いては、バテない身体作りを。
<水分補給>
基本となるのが、水分補給だ。
人間の身体の「70%」は、水分。
水分が不足すると、血行が悪化。
神経の伝達に支障をきたし、身体が思うように動かなくなる。
これが、疲労につながる。
人間は、1日に 1リットルほど、汗をかきます。
それを補うためには、1日に「1.5リットル」の水が必要。
(もちろん、スポーツや作業などで多く汗をかく人は、もっと必要になります)
<朝食には生野菜>
朝食に、甘い菓子パンなどの糖質を摂取すると、血糖値が乱高下。
スタンフォード式では、生野菜を勧めているのだそうな。
野菜は極力、生で食べる。
日本では茹でるのが当然な、ブロッコリーやカリフラワーも、スタンフォードでは、生で食べる。
マッシュルームやカボチャも、薄切りにして、加熱せずに食べるのだとか。
ストレスに強い身体を作る「野菜のビタミンC」は、茹でると流れ出ちゃうんです。
なので、できるだけ、生で食べるようにしている。
<疲れにくい立ち方>
コツは、揺れながら立つこと。
立ったまま待つ時など、人は大体、右足に重心をかけがちです。
実は、これにも理由がある。
人間の内臓は、左右非対称。
右側には、最も大きな臓器である「肝臓」があります。
そのため、無意識に、右に体重をかけてしまうのだ。
いつもの癖で 右側にばかり体重をかけていると、当然、身体のバランスは崩れてしまいます。
これが、疲労の原因に。
だから、立っている時は、こうすればいい。
ゆっくりと、軽く、左右に体重移動させる。

揺れる意識を持つと、疲労の蓄積が避けられます。
<肩こりの治し方>
肩こり対策というと、肩を揉んだり、ほぐしたりしがち。
あるいは、叩いたり。
でも、本当にアプローチすべきなのは、「肩甲骨」なのだ。
例えば、パソコンなどで 前屈みの作業を続けていると、肩甲骨の間が開き、身体のバランスが崩れる。
やがて、肩まわりの筋肉が緊張し、肩こりに つながってしまうというわけ。
対策には、この方法を。
開いてしまった肩甲骨を、寄せていきます。
<肩甲骨ムービング>
(1) 手を肩の上に置き、胸を開いて、前から後ろへと回す。
肩甲骨を中心に寄せるイメージです。
(2) 両腕を、10回から12回、回しましょう。

<30分に1回は立ち上がる>
日本の成人は 1日に 7時間座っているという、研究があるのだそうな。
もちろん、世界一の長さだ。
座り過ぎると、下半身の血流が滞り、狭心症、心筋梗塞、脳梗塞、糖尿病など、たくさんの病気のリスクを高めると言われています。
それを避けるためには、30分に1回は立つことが必要。
でも、会議中など、どうしても立ち上がることができない場面もありますよね。
そんな時は、この方法がある。
<レッグタップ>
(1) イスに座ったまま、踵(かかと)を 15秒かけて、ゆっくりと上下させる。
(2) 次に、つま先を 15秒かけて、ゆっくりと上下。
こうすることで、疲労物質の滞留を防ぐことができる。
□ 〇×クイズ

最後は、疲労回復に関する 〇×クイズです。
効果があれば、〇。
効果が無ければ、×。
Q)肉大盛りの牛丼を食べる。
答えは、「〇」。
お肉は、疲労回復に効果あり。
ただし、ごはん(炭水化物)の食べ過ぎには注意しましょう。
Q)電車の中では、短時間でも座る。
答えは、「〇」。
短時間でも座った方が、疲労回復には効果あり。
座れない時は、両手で つり革を握って立つのがよい(迷惑にならない範囲で)。
Q)身体のダルさを感じたら、スキップする。
答えは、「〇」。
バランスよくスキップすることで、身体の歪みを整えるだけでなく、脳や中枢神経に刺激を与え、リフレッシュ効果も期待できる。
Q)疲れを感じたら、昼寝する。
答えは、「×」。
昼寝は、慢性的な睡眠不足の原因にもなり得るので、注意が必要。
規則正しい睡眠を心がけましょう。
(もし、するなら、短時間で)

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