【最新 寝たきり予防法】 人に親切にする/ガッテン
寝たきり予防は、運動だけじゃない?
もっと効果の高い対策があった!
UCLA スティーブ・コール教授が実証した、行動とは?
それをし続けると、炎症物質を出させる遺伝子が、あまり働かなくなる。
2018年6月6日放送の「ガッテン」より、「筋肉&血管を強くする! 世界が証明した究極の寝たきり予防法」からのメモ書き。
その前編です。

□ アメリカ発 寝たきりにならない行動

さあ、今回のテーマは何でしょうか?

「究極の寝たきり予防法」について。
老後の不安、ありませんか?
転倒 → 身体が弱る → 寝たきりや要介護に。
自分は、大丈夫だろうか?
お父さんやお母さんは、大丈夫だろうか?
おじいちゃんや おばあちゃんは?
考え出すと、きりがありません。
寝たきり予防といえば「運動」が思い浮かびますが、なんと、もっと効果的なものがあるのだという。
カリフォルニア大学の スティーブ・コール教授は言いました。
「それがある人とない人では、年間の死亡リスクは、50%も違うんです」
要介護を防ぐ決め手とは、いったい、何なのでしょう?
ガッテンでも、過去23年間、「寝たきり予防」について紹介してきました。
2012年12月放送 「転倒を防ぐ方法」
→ 「片付ける」
つまづいた時に何もなければ、かなりいい状態で転ぶことができるらしい。
ところが、そこに何か置いてあると、それを避けようとして、思いもよらぬ形で転んでしまうんです。
あと、コードや小さな段差も、危ない。
大きいものだと明確に避けようとしますが、小さいものだとあまり意識せず、またいだつもりでも足が上がってなくて、つまづきの原因に。
なので、片付けることは、大事なのだ。
もし、何度も転びそうになってるなら、片付けてください。
リスクを減らしましょう。
2015年7月放送 「筋肉を維持」
→ 「運動後に牛乳」
運動直後は、筋肉に たんぱく質が取り込まれやすいんですね。
いわば、ゴールデンタイム。
牛乳は、痛風予防にもなるから、おススメです。
2017年2月放送 「骨折を防ぐ」
→ 「かかと落とし」
踵(かかと)を上げて、トンと落とす。
刺激により、骨を丈夫にするホルモンを出すのが、目的です。
(転倒やケガには、十分注意してくださいね)
あと、骨を丈夫にする「ビタミンK」摂取には、納豆がいいですよ。
2017年5月放送 「筋肉を維持」
→ 「肉を食べる」
高齢者は、肉(たんぱく質)の摂取が減りがち。
意識して、食べるようにしましょう。
2017年6月放送 「骨と筋肉を維持」
→ 「日光浴」
骨や筋肉の合成に必要な「ビタミンD」を、日光浴で生成するってわけ。
手だけでも、いいらしい。
2017年8月放送 「運動神経を刺激」
→ 「くねくね体操」
体幹を通る運動神経を、くねくねの動きで刺激する。
普段から刺激しておくと、とっさの時に、手や足に脳からの信号が伝わりやすくなるのだとか。
そして今回は、これらとは違う、まったく新しい情報。
世界レベルの発見とは、どんなものなのでしょう?
向かったのは、カリフォルニア大学 ロサンゼルス校(UCLA)。
スティーブ・コール教授に、お話を伺いました。
先生は、長生きの仕組みと要因の研究を続けているスペシャリストなのだ。
コール教授は、寝たきりを防ぐ「ある方法」を、ユニークな実験で実証したのだそうな。
実験に参加したのは、健康に問題のない 160人。
3つのグループに分かれてもらって、あることを毎日やってもらいました。
(1) 人に親切にする。
(2) 道端のゴミを拾うなど、世の中に役立つことをする。
(3) 好きなものを食べるなど、自分がうれしいことをする。
こうした行動を 1か月続けてもらった後、みなさんの血液を詳しく調べました。
すると、あるグループの血液にだけ、驚きの変化が!
なんと、免疫をつかさどる遺伝子の働きが、実験の前とは、大きく変わっていたんです。
コール教授のお話。
「ある行動をとったグループの遺伝子の働きに、寝たきりを防ぐ良い変化が現れたんです」
「つまり、日々の行動次第で、自分が寝たきりにならないように、遺伝子の働きをコントロールできるということなんです」
寝たきり予防につながる行動、それは、「人に親切にする」でした。
例えば、道で出会った おばあさんの荷物を持ってあげたとか。
喫茶店にいる時に、友人に コーヒーをごちそうしたとか。
焼いたクッキーを友達にプレゼントしたとか。
こうした「人に親切な行動」を、1日3回してもらったんです。
すると、このグループの遺伝子にだけ、寝たきり予防に効果的な変化が現れたのでした。
一方、他のグループは、今回の実験では、寝たきり予防の効果は、見られませんでした。
1か月間 1日3回 人に親切にしたら、身体に変化があった!
では、どんな変化があったのでしょう?
寝たきりの大きな原因の一つは、「身体で炎症が進行すること」。
コール教授の解説。
「炎症が長期にわたると、筋繊維が委縮し、全身が衰えていきます」
「それは非常に危険なことで、様々な病気へと、つながっていくのです」
そもそも免疫細胞は、病原菌などと戦う時に、炎症モードに入るんですね。
ところが、炎症モードが長く続いてしまうと、自分の身体にまでダメージを与えてしまうんです。
筋肉の他にも、血管にダメージが続けば、動脈硬化に。
脳梗塞や心筋梗塞につながることも。
さらに、脳細胞にダメージが続くと、脳が委縮してアルツハイマー病の原因にもなり得る。
コール教授は、この厄介な炎症を抑える 様々な方法を、研究してきたんです。
そして、その中で浮かび上がったのが、「1か月間 人に親切な行動を続けること」というわけ。
それにより、炎症度合いが大きく変わることを、突き止めました。
人に親切にし続けると、なぜか、炎症物質を出させる遺伝子が、あまり働かなくなったそうです。
でも、なぜ、人に親切にすると、炎症や遺伝子の働きに良い変化が現れるのでしょう?
スティーブ・コール教授の解説。
「私たち人類の進化の歴史に、答えがあると思います」
「自分の配偶者や子どもはもちろん、あらゆる人に対して親切にすることが、身体によい影響をもたらすよう、進化してきたんです」
「人類が大きな動物との戦いに勝ち残ってこられたのは、群れを作って お互いに助け合うことをしてきたからです」
「そんな人間にとって、仲間との協調性を失うことは、即、命の危険を意味します」
「そんな時、身体が自然と緊急事態を察知して、炎症モードに入るのです」
「他人に親切にすることは、より多くの人と助け合うグループを作るための、有効な手段です」
「人は親切を喜びと感じ、身体も良い反応をするよう、プログラムされているのだと、私は理解しています」

親切って、与えるだけでなく、得るものも ちゃんとあるんですね。

人に親切にすると、寝たきりの原因となる炎症物質が減るようです。

ガッテン! ガッテン!


後編に続きます。
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