【ひざ痛】 まとめと改善体操
膝痛に関する、まとめ記事です。
(1) 基本のスクワット。
(2) 関節包ストレッチ。
(3) 予備群向け対策。
(4) О脚の影響。
(5) 簡単な運動。
階段を下りる時は、どっちの足から?
(6) ヒザ伸ばし体操。

□ 基本のスクワット

さあ、今回のテーマは何でしょうか?

「ヒザ痛」です。
今まで紹介してきた記事の中から、改善法を復習しましょう。
ヒザ痛の原因は一つではありませんが、特に中高年の場合、一番多いのが「変形性膝関節症」だといいます。
他にも、関節リウマチ、痛風、スポーツなどによるケガや障害などもある。
ヒザ痛になったら、まず基本になるのが、病院を受診すること。
検査してもらい、今の状態を知ることになります。
そこからお医者さんの話をよく聞き、指導(運動や生活改善)に従う。
さらに、それでも改善しない場合は、手術を検討することになるでしょうか。
ここでは、自分でできる運動について、振り返ってみましょう。
まずは、基本となる「スクワット」から。
<正しいスクワット>
(1) 肩幅ぐらいに、脚を開く。
ヒザとつま先は、同じ方向に。
ヒザが開いたり、内側に入ってないか、確認してください。
(2) この状態で、ヒザが前に出ないようにしながら、ゆっくりと腰を下ろします。
上から見て、常に自分のつま先が見えるようにするのがポイント。
(3) 完全に90度まで曲げることはありません。
痛みの程度に合わせて、痛みが出る少し手前まで、曲げる。

(転倒に注意し、つかまる物がある場所で、行ってくださいね)
スクワットで、ヒザの負担を軽くするコツもあります。
・イスなどを使って、ヒザが前に出ないようにする。
・イスにゆっくり座り、立ち上がる。
いきなりスクワットは厳しいという方は、イスに座って立ち上がるという運動から始めては、どうでしょう。
□ 関節包のストレッチ

ヒザ痛の原因は、軟骨だけではありません。
「関節包(かんせつほう)」など周囲の組織が、痛みの原因であることも。
関節包には痛覚神経がたくさん通っているので、これが硬くなってしまうと、ちょっとした刺激でも、痛みを感じてしまうことがあるのです。
関節包が硬くなる原因は、「加齢」と「軟骨のすり減り」。
<関節包チェック>

ここで、朗報!
簡単な方法で改善できるのだという。
それが、「1日3分間のヒザ伸ばし」。
正式名を、「大腿四頭筋のセッティング」という。
注意)以下の人は、まず かかりつけ医に相談してください。
・ケガをしている。
・痛風やリウマチなどの関節炎がある。
・ヒザに腫れや熱がある。
・安静にしていても痛い。
<ヒザ伸ばし>
(1) 両足を伸ばして、座る。
(2) その状態で、太ももの前側の筋肉に、5秒間力を入れ、その後、ゆるめましょう。
これを繰り返します。
(3) 5秒間太ももに力を入れ → ゆるめる。
これを 10回繰り返して、1セットとします。
1日に 2~3セットを目安に行うとよい。

うまくやれない場合は、ヒザの下に、丸めたタオルを置いてみてください。
タオルを押しつぶすような感じで、力を入れる。
逆に、余裕がある人は、足首の下に入れると、ヒザの裏もよく伸びるとのこと。

さらには、お風呂でのストレッチも。
<お風呂で正座>
(1) 湯船に入り、腰を伸ばして、ヒザをつく。
(2) 湯船の縁につかまりながら、ゆっくりと腰を下ろし、ヒザを曲げましょう。
(3) ヒザが突っ張りを感じるまで曲げ、5~10秒間、姿勢を維持してください。
目安は、1~2分の正座です。

お皿まわりの関節包が一番硬くなりやすいので、こんなストレッチも。
<お皿のストレッチ>
(1) 足をまっすぐ伸ばして座り、お皿の位置を確認します。
足の力を抜いて、お皿が動く状態にする。
(2) 両手の親指を使って、お皿を8方向に押しましょう。
この時、指をちゃんと、お皿に当てること。
少しずつ、慣らすようにして、続ける。
(3) 1回のストレッチは、3分程度。
目安は、1日に2回。

注意)無理をすると逆効果。痛みがない時に、少しずつ行ってください。
□ ヒザ痛予備群チェック

次の項目のうち、1つでも当てはまると、ヒザ痛予備軍の可能性があります。
<ヒザ痛予備軍チェック>
・長時間歩くと、痛む。
・イスから立ち上がる時に、痛い。
・階段を下りる時に、痛む。
自分は予備軍かな? そう思ったら、次のような予防法があります。
[ ヒザを普段動かさない人 ]
仕事などで座りっぱなしであることが多い人向け。
<ボールコロコロ>
イスに座った状態で、テニスボールを床に置いて、足の裏でボールを転がします。
目安は、左右交互に 30分に1回。

ヒザを適度に動かすことで、関節液の循環がよくなる。
[ がに股の人向け ]
がに股で歩くと、ヒザ関節の内側に負担がかかり、軟骨が削れてしまうのだ。
<ベルトでトレーニング>
足を少し開き、ベルトでヒザを縛ります。
足を左右に広げるように力を入れ、そのまま10秒間キープ。
目安は、10回 1セットで、1日に3セット。

[ 筋肉がアンバランスな人向け ]
外転筋、ハムストリングス、大腿四頭筋、内転筋、これらのうち 1つでも弱いと、ヒザを正しく支えられなくなって、ヒザ痛に。
ヒザ痛の進行を遅らせるには、バランスよく筋肉を鍛えることが大切なんです。
<ゴムバンドで予防>
フィットネス用のゴムバンドを、机の脚と自分の脚にくくりつけ、机の脚を引くように、引っ張ります。
ハムストリングスを意識しながら、行うこと。
目安は、10回を1セットし、1日に 3セット。

気になる人は、まず、脚の筋力をチェックしてみては?

□ О脚の人に

ヒザ痛というのは、姿勢の影響も受けるようです。
座っている時 猫背だと → 骨盤が後傾して → 股関節が開き → ヒザも開いて → О脚に。
正常な脚の場合、負荷は、ヒザのほぼ真ん中にかかります。
しかし、О脚だと、ヒザの内側に強い負荷がかかってしまうのだ。
ヒザの内側同士が 何度も ぶつかれば、軟骨がすり減り、炎症が生じて、痛みが発生。
つまり、変形性膝関節症になってしまう。
予防としては、このようなストレッチが。
<正座ストレッチ>
(1) 正座して、しっかり ヒザを曲げて、10秒間キープします。
(ヒザが痛くて正座できない場合は、折りたたんだバスタオルや座布団などを、ヒザの裏に挟むとよい)
(2) 曲げるだけでなく、10秒間 しっかり伸ばすことも大切です。
(3) 正座して、伸ばして。これを 1日に 朝晩 2回行う。

(決して無理はしないこと。通院している人は、かかりつけ医に相談の上、行ってください)
このストレッチの目的は、関節液を循環させること。
痛いと動かさないようにしがちですが、関節は 動かさないと固まってしまうんですね。
ヒザを曲げ伸ばしすることで、軟骨の栄養成分が含まれた関節液を、隅々まで行き渡らせようってわけ。
栄養が軟骨に届けば、痛みが緩和される。
仕事上、立ちっぱなしが多い人には、こんな方法も。
<裕次郎スタイル>
(1) 分厚い電話帳や雑誌などを、台にする。
床に置いて、片脚を乗せましょう。
(2) 30分を目安に、乗せる脚を交代すればいい。

同じ姿勢だと、同じ個所に負担がかかり続けることになります。
それを解消する試み。
ちなみに、台無しで 片脚にのみ重心をかけるのは、おススメできません。
重心のバランスが崩れてしまうし、片ヒザの負担が大きくなってしまう。
また、足の筋力が低下している人には、こんな方法も。
<四股ストレッチ>
(1) 椅子に浅く座り、脚を肩幅より大きく開きます。
(2) 手をヒザの上に置き、両腕に体重を乗せて、前傾姿勢に。
(3) 息を吐きながら、肩をグッと入れ、10秒間 太ももを外側に押し出す。
すると、太ももだけでなく、骨盤や背骨まわりも、ほぐれる。
(4) 左右交互に、10回ずつを1セット。
1日に、朝晩 2セットが目安です。

□ 簡単な運動

ヒザが痛いと、運動したり ヒザを動かすのが、どうしても億劫になりますよね。
そんな時は、このような方法は、いかがでしょうか。
[ 靴下を履いて、ゆっくり滑らせるだけ ]
<足のスライド運動>
(1) 木綿の靴下を履き、イスに浅く腰かける。
(2) 片足ずつ、ゆっくりと、5秒ほどで 1往復する程度で、足をスライドさせてください。
ヒザをゆっくり動かすのがポイント。寝た状態でも、かまいません。
(3) 両方の足を、10往復させる。
片足ずつ 10往復を、3セット。
これを、朝夕の二度 行うのが目安。

関節液を分泌させるのに、こんな方法も。
<テンプラ体操>
(1) イスに座り、両手で、痛む方のヒザを抱え、宙に浮かせます。
(2) ヒザの力を抜いて、振り子のように、軽く振るだけ。
(3) 目安は、10回。痛まない範囲で。
他にも、「貧乏ゆすり」がよいという話も。
継続的に関節を動かす → 関節液から栄養を補給 → 軟骨の組織ができる。
[階段を下りる時]
ヒザが痛い時に階段を下りるのなら、痛む足から出した方がいい。
なぜなら、軸足の方に体重がかかるから。
先に出した足より、残った後ろ足の方に、負担がかかるのだ。
痛む方の足から、1段ずつ下りる。
すると、ヒザに負担が少なく、痛みが軽減するとのこと。
ちなみに、上る時は、逆になります。
痛まない方の足から、1段ずつ上る。
□ ヒザ伸ばし(2)

イスに座るタイプの「ヒザ伸ばし」もあります。
62歳の男性。
ヒザが痛くて、杖が手放せません。
階段を上ったり下りたりする時に、手すりがないこともあるので、怖いという。
きっかけは、2年前。
ヒザが痛いので整形外科に行ったら、半月板が損傷していました。
すぐに手術して、半月板を取ったのですが、そこから痛みが全然引かない。
ヒザのクッションの役割をする半月板が割れたため、手術で摘出。
その後、軟骨の損傷も進み、骨と骨が擦れるようになり、痛みが出ているようです。

現在の病名は、「変形性膝関節症」。
痛みは、日によって違うのだそう。
痛みが少ない日もあれば、寝ているだけでジンジンするような日もある。
実際に、階段の上り下りを行ってもらいました。
やはり、下りる時に、かなり痛むようです。
全く痛くないのを「0」、耐えられない痛みを「10」とした時、下りる時の痛みは「5~6」とのことだった。
そこで、銅冶英雄 先生が教えてくれたのが、これ。
<ヒザ伸ばし(2)>
(1) イスに座って、片方の脚を伸ばします。
(2) その状態で、ヒザのお皿の上に、両手を当てる。
(3) 垂直に押し、ヒザの裏を伸ばしましょう。
痛みのない程度にしてください。
伸ばしている時間は、1~2秒。
(4) 10回を1セットとし、1日に5~6セットが目安。
3時間おきが理想ですが、無理のない範囲で行ってください。

(痛みがある場合は、無理せず、病院を受診してください)
この体操後、また階段を上り下りしてもらいました。
すると、変化が!
痛くない。
前は痛みの度合いが「5~6」あったのが、「1~2」になりました。
この男性の場合、普段、ヒザを曲げていることが多い。
この体操のように伸ばすことは、ありませんでした。
これまで曲げる刺激ばかり入っていたので、伸ばす刺激が足りなかったのだ。
そこで、この体操で、普段とは逆の動きをし、ヒザの動きが改善されたとのこと。

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tag : 腰痛・関節痛
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