【寒暖差疲労 対策】 副交感神経を優位にする方法/健康カプセル! ゲンキの時間
春先に起こる体調不良の原因が、判明した!
寒暖差により → 自律神経が乱れ → 活性酸素が増えて → 体調が崩れる。
花粉症じゃないに、鼻水が止まらない。
これは、血管運動性鼻炎。
対策は、副交感神経を優位にすること!
<切り替えスイッチ>
・目元温め法。
・指先揉み法(井穴というツボ)。
・腹式呼吸。
ドクネット:東京有明医療大学 保健医療学部 鍼灸学科 川嶋朗 教授。
ゲンキスチューデント:片岡安祐美。
ゲンキリサーチャー:深沢邦之。
2018年3月18日放送の「健康カプセル! ゲンキの時間」より、「~ 春の不調の真犯人! ~ 寒暖差疲労を撃退!」からのメモ書きです。

□ 春先の体調不良

さあ、今回のテーマは何でしょうか?

「寒暖差疲労」について。
春先に体調を崩したり、ダルくなってしまうこと、ありませんか?
中には、めまいを起こしたり、関節が痛くなる人も、いるそうな。
その原因なんですが、最も可能性があるのが、「寒暖差疲労」なのだという。
この時期は、1日のうちでも 寒暖差が激しい季節。
昼はポカポカ陽気でも、朝晩はグッと冷え込むなんてこと、ありますよね。
1週間のうちでも、暖かい日と寒い日があったり。
専門家は言いました。
「寒暖差に身体が ついていかないで、体調を崩してしまって、それが病の引き金になる場合があります」
「この時期の寒暖差での体調不良はですね、夏バテのきっかけになる場合もあるんです」
でも、寒暖差がなぜ、不調を生むのでしょうか?
花粉症じゃないのに、鼻水がダラリ。その原因は?
寒暖差疲労を予防する、スイッチ。
これらについて、学んでいきましょう!
まずは恒例の基礎クイズから。
1日に10℃以上の寒暖差があると、疲労を感じる人が多いといいます。
Q)昨年4月の東京で、1日の気温差が10℃以上あった日は、30日中、何日でしょう?
答えは、「15日」。
2日に1日は、激しい寒暖差に見舞われていたようです。
寒暖差疲労の意識調査を首都圏で行ったところ、結果はこうでした。
不調を感じなかった:9.5%
不調を感じた:90.5%
春に不調を感じる人は、こんなにも多いのだ。
でも、なぜ、寒暖差で体調を崩してしまうのでしょう?
答えを求めて向かったのは、東京都は渋谷区にある「東洋医学研究所附属クリニック」。
東京有明医療大学 保健医療学部 鍼灸学科の 川嶋朗 教授に、お聞きしました。
「(寒暖差疲労の)主な原因というのは、活性酸素という物質が原因であることが多いんです」
活性酸素とは、殺菌力が強く、細菌などを攻撃する役目をしてくれる物質。
しかし、増えすぎると、正常な細胞なども攻撃してしまい、人体を酸化させ、害を及ぼしてしまうこともあるのだ。
この活性酸素が、寒暖差と、どう関係しているのでしょう?
次に向かったのは、神奈川県は厚木市にある「東京工芸大学」。
学術フロンティア 風工学研究センター。
ここで実際に、寒暖差を感じた時の身体の酸化具合を、計測することになりました。
使用するのは、「酸化還元確認計 アラ! 元気」という名前の機器。
唾液の成分から、酸化度を計測することができます。
まずは、平常時の値を測定。
次に、室温の違う2つの部屋に、交互に入ってもらいます。
一方は 21.5℃ で、もう一方は 7.4℃。
これは、2017年4月14日の東京の最高気温と最低気温。
この2つの部屋を、交互に15分ずつ、2往復してもらいました。
実験後の感想は、こちら。
「寒さが身体に残ってて、すごい疲労感を感じました」
「身体が、だるいです」
みなさん疲労感があるようですが、数値的にはどうでしょう?
その結果が、こちら。
<酸化度の変化>
+32 → +51
+42 → +54
+18 → +53
+20 → +69
4人全員が、増加していました。
しかも、注意が必要になる「酸化ゾーン(+40~+100)」の範囲にまで。
川嶋先生の解説。
「その理由にはですね、自律神経が大きく関わっているんです」
自律神経とは、無意識のうちに、身体の各機能を調節するように働く神経のこと。
内臓が正常に働くのも、この神経のおかげです。
ご存知の通り、種類は2つ。
緊張状態の時に優位になる「交感神経」と、リラックスしている時に優位になる「副交感神経」があります。
「自律神経っていうのはですね、寒いと感じる場所では 交感神経が優位になって、暖かいと感じる場所では 副交感神経が優位になって」
「体温をそうやって調節する働きも、あるんですね」
「寒暖差が激しくなると、それが大きなストレスになってですね、実は、交感神経が優位になりっぱなしになるような、そんなことがあるんですよ」
「そうすると、その影響で、活性酸素が増えるということになってしまいます」
つまり、寒暖差が激しい春は、自律神経が乱れて、活性酸素が多くなりやすいため、体調を崩す人が多くなるのだ。
さらに、川嶋先生は言いました。
「春はですね、寒暖差以外にも、自律神経を乱す要因があるんです」
「例えば、気圧。冬は安定していたのに、春になると、クルクル変わりますよね」
「こうやって変わってしまうことで、自律神経が乱れてきてしまうということも、あります」
また、このような要因も。
「春は異動の季節ですから、動いたこと(環境が変わったこと)によって、それがストレスになったりして、それがまた自律神経を乱す要因にもなります」
<自律神経を乱す要因>
・寒暖差。
・気圧の変化。
・異動や転勤
[川嶋先生が診断したケース]
53歳の男性、Aさん。
最初に症状が出たのは、2年前の4月でした。
朝起きてみると、鼻水が止まらない。
前日の夜 冷え込んでいたため、風邪かな? と思い、熱を測ってみたところ、平熱で問題なし。
しかし、その後も、時々ではあったものの、昼夜を問わず 鼻水が止まらない症状に襲われてしまいました。
これはおかしいと思い、今度は、花粉症の市販薬を服用。
しかし、症状が治まることは、ありませんでした。
やがて、原因が判明した。
病名は、「血管運動性鼻炎」。
通常、鼻の毛細血管は、鼻付近の体温などを調整するため、寒いと交感神経の働きで縮み、暖かいと副交感神経の働きで広がります。
ところが、早朝など、急激な寒暖差を感じると、自律神経が乱れて機能しなくなり、鼻水が止まらないなどの症状を引き起こすことがあるのだ。
<血管運動性鼻炎の主な特徴>
・冷え込んだ夜の翌朝に、症状が出る。
・発熱がない。
・目がかゆかったり充血しない。
気になる人は、病院を受診してください。
川嶋朗先生のお話。
「気管支ぜんそくとか、アトピー性皮膚炎のような、アレルギーの病気。そういったものが悪化する可能性もあります」
「そして、最悪の場合はですね、うつ病を引き起こすこともあるんです」
緊張やストレスがかかり、交感神経が優位になると、脳を活性化させるドーパミンやセロトニンが分泌され、活動状態になります。
そんな時に、寒暖差などの影響でストレスが加わり、限界を超えると、いきなりスイッチが切り替わることがあるらしい。
異常に張り詰めていた交感神経が、副交感神経に傾き、今度は、元に戻らなくなってしまうんです。
副交感神経が優位の状況では、頭の中でやる気を起こさせるようなドーパミンやセロトニンが減って、うつ病と同じ状態になるのだという。
寒暖差って、いろんな影響があるんですね。
□ ドクネット
引き続き、東京有明医療大学 保健医療学部 鍼灸学科の 川嶋朗 教授に、教えていただきます。
<寒暖差に強い人と弱い人はいるの?>
「寒暖差に強い弱いっていうのはですね、もちろん体質も関係しているんですけど、生活習慣が影響していることも多いんです」
体質と生活習慣、両方があるんですね。
<寒暖差に弱い人の特徴>
(1) 手足が冷たく感じることが多い。
(2) 熱中症にかかったことがある。
(3) 普段の生活が不規則。
(4) お酒を週2回以上で飲む量が多い。
(5) ストレスや心配事を抱えている。
お酒を飲み過ぎると、それを分解するために、余分なエネルギーを消費。
その分、寒暖差に影響を受けやすい身体になってしまうのだそう。
また、冷え症や熱中症の経験がある人は、体質的に、寒暖差に弱いのだとか。
不規則な生活習慣の人は、自律神経が整いにくくなるので、寒暖差に弱い。
ストレスは交感神経を優位にさせるため、これも寒暖差に弱い。
<寒暖差に負けないための方法はないの?>
「それにはですね、自律神経のバランスを整えるということが大切になるんです」
それには、自律神経を整える3つのスイッチが関係します。
□ 自律神経を整える3つのスイッチ

自律神経を整え、寒暖差疲労を予防する、スイッチ。
交感神経と副交感神経、どちらに切り替えると、よいのでしょう?
川嶋先生によれば、「日頃から副交感神経を優位にするようにして、自律神経のバランスを整える、それが大事なんです」とのこと。
「現代社会はストレス社会で、どちらかというと、常に交感神経にスイッチが入って、疲れてしまうんです」
川嶋先生おススメの方法がこちら。
<3つの寒暖差疲労対策スイッチ>
・ 目の奥にある動眼神経という、脳神経。
目の奥にある動眼神経は、副交感神経。
動眼神経を刺激することによって、副交感神経にスイッチが入る。
[目元温め法]
(1) タオルを水で濡らします。
それを軽く絞ってください。
(2) 500Wの電子レンジで、約40秒温める。
タオルの温度は、人肌より少し熱いぐらいの 40℃が適温です。
(3) 目の上に、2分間ほど、のせましょう。
(温めすぎてヤケドしないように注意してください)

これだけで、副交感神経に切り替わるのだとか。
さらに、女性が眠る前にやると、翌日の化粧ノリが良いという話も。
番組では、本当に副交感神経に切り替わるのか、検証しました。
指先の脈で自律神経の状態を数値化する「加速度脈波計」で測定。
通常の状態と、目元温め法を行った後で、比べてみた。
結果、二人とも、目元温め法を行ったことで副交感神経が優位になっていました。
続いてのスイッチは、こちら。
寒暖差疲労対策のスイッチ、2つ目は「指先」。
指の爪の生え際にある「井穴(せいけつ)」というツボ。
これが、自律神経を切り替えるスイッチなのです。
身体の末端である指先は、動脈から静脈へと、血管が切り替わるポイントなんですね。
この部分の血行がよくなると、心臓へと巡る血流も、促進されるのだ。
結果、身体全体が温まり、リラックスできます。
[指先揉み法]
(1) 爪の両側を、指で強めに揉みます。
爪の両側を指で挟み、左右に少しひねる感じ。
(2) 指1本に対し、10秒から20秒 、行ってください。

これも、番組が検証してくれました。
サーモグラフィで、身体の表面温度を計測します。
その結果が、こちら。
(左:平常時 → 右:指先揉み法 実施後)

指1本につき 50秒 行ったところ、こんなに変化していました。
井穴ですが、薬指を除く4本の指が、副交感神経になります。
薬指だけは、交感神経のスイッチになっている。

シャキッとしたい時は、薬指を揉んでください。
自律神経の副交感神経を優位にする、寒暖差疲労対策スイッチ。
3つ目は、これだ。
「呼吸」
呼吸の中でも、深い呼吸である、腹式呼吸。
息を吐くことによって、副交感神経を優位にするスイッチが入るのだそう。
[腹式呼吸]
(1) おへその下に、両手を置きます。
(2) お腹と共に手が上がるように、鼻から息を、3秒 吸ってください。
(3) 吐き出す時は、6秒 で吐く。
姿勢が良い状態で行い、10回ほど繰り返すと、効果が期待できる。

川嶋先生からのアドバイス。
「根本的に体質を(寒暖差に対し)改善するには、適度な運動がおススメです」
「適度な運動っていうのはですね、自分にとって、少しだけキツイ運動をいいます」
例えば、こんなもの。
・1.5倍ぐらいのスピードで歩く。
・階段を使う。
・電車などでは座らない。
知らない間に身体が不調になる、寒暖差疲労。
スイッチを切り替えて、副交感神経を優位にしてはどうでしょうか。


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