【乾燥肌対策】 かゆみの原因&入浴法/健康カプセル! ゲンキの時間


乾燥する冬は、かゆみを訴える人が急増。

肌を拡大して見ると、まるで ひび割れた地面だ。

乾燥肌と潤いのある肌、その差はどこにあるんだろうか?


お風呂でのゴシゴシ洗いは、要注意!

熱いお湯も、あまりよくない。

入浴後すぐに保湿剤を塗りましょう。


<静電気を抑える方法>も、紹介。



ドクネット:順天堂大学 名誉教授 大学院特任教授 高森建二。

ゲンキスチューデント:滝裕可里。

ゲンキリサーチャー:ヴェートーベン(久保&青井)。



2018年2月11日放送の「健康カプセル! ゲンキの時間」より、「~ 静電気も原因だった!? ~ 冬のかゆみ&乾燥肌対策」「冬のかゆみ撃退術」からのメモ書きです。




ゲンキの時間 冬のかゆみ&乾燥肌対策




お風呂と乾燥肌


エノキ
さあ、今回のテーマは何でしょうか?

ササミ
「冬のかゆみと乾燥肌」について。



気象庁の発表によると、東京の平均湿度は、ここ100年で 20%以上も低下しているのだとか。

1922年には70%あったのが、2017年では50%を下回っている。


冬は、肌が乾燥する季節。

かゆみを気にする人は、少なくないですよね。

そこで今週は、乾燥肌とかゆみについて、学んじゃいます。



まずは、乾燥とかゆみに関する基礎クイズから。


Q)加齢による乾燥が 最も大きい部位は、次のうち どれでしょう?

 A:頬。

 B:背中。

 C:すね。











答えは、「B:背中」

60歳未満と それ以上の人で、肌の潤いを守る皮脂の量を比べると、背中の割合が最も下がるとのデータがある。

60歳未満の人を100%とした場合、60歳以上の人は何%になるか? との調査。

Aの頬は 80%、Cのすねは 60%、Bの背中は 50%だった。

背中は 保湿剤を塗るなど 肌のお手入れがしづらいのが理由だと、考えらえています。




ゲンキリサーチャーのヴェートーベンが向かったのは、千葉県浦安市。

順天堂大学医学部附属浦安病院 皮膚科の 高森(髙森)建二 先生(名誉教授で大学院特任教授)に、教えていただきます。

先生は、世界で初めて かゆみのメカニズムを解明した、肌のスペシャリストなのだ。

「冬になると、空気が乾燥して、湿度が低くなります」

「そうすると、身体の中の水分がどんどん蒸発して、肌がカサカサに乾燥していくんですね」

「そうすると、かゆくなる」



今回 参加してくれたゲンキチャレンジャーは、冬になると肌がかゆくなるという3名。

さっそく、肌が乾燥しているのか、拡大して見てみることになりました。


潤っている肌は、きめが細かく、三角形の模様がきれいに並んでいるのが特徴です。

しかし、ゲンキチャレンジャーの肌には 三角形がなく、線が縦に並んでいるような状態。


潤っている肌と乾燥肌


これは、乾燥などにより、肌のきめが壊れかかっている証拠なのだとか。


さらに、足のすねをよく見ると、粉を吹いていました。

そこを拡大すると、三角形はおろか 線もない状態だった。


3名のゲンキチャレンジャー全員が、同じような結果に。


そして、高森先生が、さらにミクロの世界を見せてくれましたよ。

肌の電子顕微鏡写真。


健康な肌


健康な肌では、細胞と細胞がしっかりと、くっついています。

この構造を、「バリア構造」という。

バリア構造が保たれた健康な肌は、外部からの雑菌が入りにくく、また、体内の水分も蒸発しにくいのだそう。

バリアによって、守られてるってわけ。


しかし、乾燥肌では、肌の表面に 大きな ひび割れが。


乾燥肌


この状態だと、異物がどんどん皮膚の中に入っていってしまう。

水分も、蒸発してしまいます。

この構造はまるで、田んぼの水が干からびた状態。

カラカラです。


そこで、どのくらい干からびているのか、「肌水分・皮脂量測定器」で測定してみました。

基準値は 部位にもよりますが、水分量が 30%以上、皮脂量が 18%以上です。


3名のゲンキチャレンジャーの結果は、こうでした。


 Aさんのすね:水分量26.0%、皮脂量11.7%。
 Aさんの腕:水分量28.6%、皮脂量12.8%。
 Aさんのかかと:水分量10.6%、皮脂量4.7%。


すべて基準値以下ですが、特に かかとが すごいことに。


他の2人も、Cさんのすねの水分量以外は、基準値以下です。


 Bさんのすね:水分量28.8%、皮脂量12.9%。
 Bさんの腕:水分量28.6%、皮脂量12.8%。
 Bさんのかかと:水分量11.1%、皮脂量4.9%。

 Cさんのすね:水分量32.2%、皮脂量14.4%。
 Cさんの腕:水分量29.3%、皮脂量13.1%。
 Cさんのかかと:水分量29.5%、皮脂量13.2%。



肌の水分量や皮脂量は、加齢と共に減少します。

でも、年齢のせいだと諦めてしまうのは、大間違い。

こんな方もいるのだ。


お肌のケアは欠かさないという、58歳の女性、Dさん。

測定結果は、このようになりました。


 Dさんのすね:水分量39.3%、皮脂量17.6%。
 Dさんの腕:水分量42.7%、皮脂量19.2%。
 Dさんのかかと:水分量56.9%、皮脂量25.6%。


水分量が、かなり多い。

皮脂量も、すねが若干 下回っているだけです。

自信がないと言っていた かかとですが、一番よい結果に。


でも、この差はいったい、どこから来ているのでしょうか?


ここで高森先生が、あることを指摘しました。

「皮膚の表面には、脂の膜があるんですね」

「これを皮脂膜(ひしまく)といいます」


潤いを保つうえで重要なのが、皮脂の表面にある「皮脂膜」と、その下にある「角質層」。


皮脂膜と角質層


この膜と層で、水分や皮脂を保つことができるんです。


しかし、お風呂に入った時、ゴシゴシこすると、角質層がなくなってしまうのだという。

お肌に悩むゲンキチャレンジャーにも、心当たりが…。


高森先生は、特に垢(あか)すりタオルは要注意だと言います。

垢すりで汚れが取れたというのは、角質層が全部取られた結果。

そんなに汚れがたまるはずないと。


ナイロンタオルでゴシゴシ洗うのは、乾燥肌の元

皮膚表面の大切なものを、たくさん そぎ落としてしまう可能性があるのだ。



では、しっとりお肌のDさんは、普段、どのようにしているのでしょうか?

「私はタオルとかは使わないで、手で」

「それで軽く汚れている部分を洗う感じで、週3回ぐらいです」


これを聞いた高森先生も、「素晴らしいですね」と。



<肌の乾燥を防ぎ かゆみを撃退する洗い方>


手に直接 石鹸をつけ、軽く洗うのがコツ。

石鹸で洗うのは、週に2~3回でいい。


ただし、頭・顔・わきの下・足・局部などは、毎日 石鹸洗いしてくださいね。



さらに、お風呂の温度も重要です。

熱いお湯に入ると、皮脂膜が溶けだしてしまいます。


というわけで、実験で検証することに。

まず、入浴前の 腕の水分量と皮脂量を測定します。

そして、43℃の熱めのお湯に、15分間つかる。

その後、30分間、部屋で休憩。

そして再度、お肌の状態を計測しました。


その結果が、これ。


 入浴前:水分量 31.7%、皮脂量 14.2%。

 入浴後:水分量 28.9%、皮脂量 13.0%。



入浴前より、水分量も皮脂量も、下がってしまってますね。



続いて、同じ実験を、38℃で行いました。

お風呂から出たら、すぐに保湿剤を塗ります。


その結果が、これ。


 入浴前:水分量 33.5%、皮脂量 15.0%。

 入浴後:水分量 33.6%、皮脂量 15.1%。



水分量、皮脂量 共に、下がっていませんでした。


やはり、熱いお湯は 皮脂膜を溶かし、入浴後の乾燥を招くようです。




でも、どうして、乾燥すると かゆくなるのでしょう?


乾燥肌の断面の画像。

真ん中にある細い線が、神経です。


神経とC繊維


健康な肌では、神経は表皮より下の部分にあります。

しかし、肌が乾燥し、角質層などが壊れると、神経が表面近くまで伸びてくるんですね。

この伸びた神経は「C繊維」と呼ばれ、皮膚に加わる刺激に とても敏感なのです。

つまり、この状態だと、かゆみを感じやすいのだ。



高森先生の解説。

「感じるということは、どういうことかというと、あなたの皮膚のバリアが壊れてますよということを、私たちに教えてくれてるんですよ」

「だから、早く処理しなさいということ」

「早く保湿剤を塗って…そうすると、この神経は、また元に戻るんですよ」


保湿剤を塗れば、C繊維は元に戻る。


冬の乾燥とかゆみに立ち向かうには、まず、全身に保湿クリームをこまめに塗ること。

背中などの届かない部分には、器具があるので、それを使って塗るなどの方法もあります。


背中に塗る器具




<保湿剤の塗り方>


保湿剤は、入浴後すぐに塗るのがポイント。

より効果的にしたいなら、皮膚の線維に沿って塗るのが良い。


 前腕 → 縦

 上腕 → 横

 唇 → 縦

 ヒザ → 横


保湿剤の塗り方



乾燥肌の正体を知り、対策しちゃいましょうね。




ドクネット


引き続き、順天堂大学 名誉教授 大学院特任教授の 高森建二 先生に、教えていただきます。



<乾燥しやすい体質は?>


「(体質というのは)一応、あります」

「ありますけれども、一番大きいのはですね、日本人の女性は 特に 潔癖症ですので、お風呂に入って、ゴシゴシ洗うんですね」

「そうすると、最も大事な皮脂膜とか、あるいは角質細胞間脂質とか、そういうものが剥がれちゃうんです」


入浴時のゴシゴシ洗いは、皮脂膜・角質細胞間脂質などを剥がす。


さらに、長時間の入浴も、乾燥肌を招く可能性が。



「若い人は、例えば、お風呂に入った時なんかは、水滴ができますよね」

「しかし、年を取ってくると、水滴ができない」

「そういう場合は、皮脂膜がなくなっているということを示しています」




<かゆい時は?>


「手っ取り早いのは、冷やすことですね」

「冷やすとですね、神経の伝達速度が遅くなり、一時的に、かゆみを抑えられます」

続けて、保湿剤や軟膏を塗るのも、忘れずに。




かゆみと静電気


ササミ
誤った入浴法以外にも、肌のかゆみを悪化させる原因があるといいます。


それが、「静電気」

肌が静電気を帯びていると、C繊維を刺激。

かゆみをより悪化させるのだという。


では、静電気をためないようにするには、どうすればよいのでしょうか?


長年、静電気を研究しているスペシャリストに、教えてもらいましょう。

蒲池正之介さんです。


まずは、ヴェートーベンの青井さんに、静電気を体験してもらいます。

静電気を起こす機械で、人工的に、静電気をためる。

その数値は、2万2千ボルトだ。


ドアノブに指を近づけると、パチンッ!という音が。

スロー映像には、火花が映っていました。


静電気




でも、あることをするだけで、この静電気を防ぐことができます。


そのヒントは、足元にありました。


ゴムは、電気を通しにくい素材。

ゴム製の靴やサンダルを履いていると、電気の逃げ場がないため、身体に静電気がたまりやすいのだ。

でも、ゴムのスリッパを履いていなければ、静電気が床や地面に逃げるため、バチッとしにくいのだとか。

(ただし、床や地面の素材によっても、異なります)


肌が かゆくなる人は、ゴム底の靴ではなく、底が革など、天然素材の靴にするのが おススメらしい。




さらに、静電気を生む要因があります。

それが、「肌着の素材」


高森先生によると、下着は綿素材のものが良いのだそう。

逆に、化学繊維は避けた方がよいとのこと。


さらに、素材の組み合わせにもポイントが。


ウールの服と、アクリル製の機能性下着を、こすってみる。

そして、静電気を測定。

この時、ウールの服に、6000ボルトの静電気が発生していました。


次に、ウールの服と綿のシャツをこすってみます。

すると、ウールの服に発生した静電気は、3100ボルトでした。


ウールとアクリルの組み合わせより、ウールと綿の組み合わせの方が、静電気が起きないようです。


実は、下の表で、「離れている素材と組み合わせるほど、強い静電気が起きやすい」のだという。


静電気が起きやすい素材


例えば、ウールとナイロンでは、静電気は起きにくい。


というわけで、服の素材や組み合わせに気を配れば、静電気をため込まず、結果、かゆみを抑えることができるのだ。
 



かゆみを増長させる食べ物


ササミ
身体の内側から気をつける方法は、あるのでしょうか?


高森先生の解説。

「ストレスですね」

「ストレスは、皮膚の新陳代謝を低下させる。それによって、乾燥が起きると」

「特に、睡眠不足は、乾燥がより顕著になることが知られています」


「あと、食べ物ですね」

「例えば、かゆみがある時には、ヒスタミンを含んだ食べ物、ココアとかチョコレートとか、コーヒーとかホウレンソウとか」

「これらは、ヒスタミンっていう かゆみ物質を、大量に含んでいるんですね」

「ですから、そういうものを たくさん食べたりすると、かゆみが増長されます」

「適度に食べることが大切です」




高森先生からのアドバイス。

「いろんなことをしても、かゆみが止まらない場合には、内臓から来ていることが考えられます」

「例えば、肝硬変など、肝臓が悪い場合」

「あるいは、腎炎とか、腎不全とか、腎臓が悪い場合」


他にも、内臓系のがん、悪性リンパ腫、HIVなどでも、かゆみを感じることがあるそうです。


「かゆみは、内臓の異常を知らせるサインであると。いわゆる、警告反応であると」

「それを無視しないで、ちゃんと検査する必要があるということです」





世界に「かゆい」がなくなる日 (ナツメ社サイエンス)






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tag : 健康カプセル!ゲンキの時間 スキンケア かゆみ 皮膚科


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50歳代に突入し、健康の話題を口にすることが多くなりました。老眼が始まったり、白髪もチラホラ。筋肉痛は、2~3日遅れる。

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