【赤味噌】 本当はコク増し調味料/ガッテン 前編
東海地方以外では あまり食べられない赤味噌ですが、すごいものを秘めていたんです。
カレーなどに入れることで、コクが増す。
さらには、減塩効果まで。
色が濃い、しょっぱそう等、街の人たちのイメージは散々です。
そんな濡れ衣を払拭!
イメージ回復作戦の開始だ!
2018年1月24日放送の「ガッテン」より、「アナタの知らない万能調味料“赤みそ”真の実力」からのメモ書き。
その前編です。

□ 東海の赤味噌 イメージと実際

さあ、今回のテーマは何でしょうか?

食材から、「赤味噌」について。
赤味噌のイメージを街の人たちに聞いたら、こんな結果に…。
・色で、もうダメ。
・しょっぱい。
・論外ですから。
・不健康に思う。
もう、散々ですね。
言われたい放題だ。
しか~し、赤味噌のスープ(煮込み・どて煮)を、正体を隠して試食してもらうと、一転、このような意見に。
・おいしい!
・牛タンシチューみたい。
・デミグラスソースかな?
・ホイコーロー(回鍋肉)の味。
・焼き肉のたれ。
・ステーキ。
ずいぶんコクがあるのかな?
評価が一変しました。
ということは、イメージと実際の味に、差があるということなのだろうか?

どて煮は、甘味を加えた赤味噌で モツなどを煮込んだ、郷土料理です。
他にも、このような赤味噌を使った料理が…。
・味噌カツ。
・味噌煮込みうどん。
赤味噌を普段使ってないという、みなさん。
様々な料理に赤味噌を入れることで、激うま料理に変身するといいますよ。
しかも、減塩効果まで期待できるという。
スタジオに、全国のお味噌が登場!
地域の名前がついている味噌など、代表的な17種だ。
北海道、津軽、秋田、仙台。
会津、越後、加賀、信州。
江戸甘味噌、関西白味噌。
讃岐、瀬戸内、御膳みそ。
府中、九州麦みそ、沖縄のものまで。
ここに、東海の赤味噌が加わります。

赤味噌が使われているエリアは、三重、愛知、岐阜。
全国で売っていますが、消費の9割は、この3県なのだそうです。
番組冒頭にあったように、赤味噌のイメージは、あまりよくないみたい。
これに対し、怒っている人がいる。
河村たかし 名古屋市長だ。
濡れ衣だと、憤ってますよ。
そんな河村市長は、東海の赤味噌は 他の味噌に比べ、あることが違うのだと言います。
さて、何が違うのでしょうか?
ラベルを見ると、違いが分かります。
米みその原材料は、大豆、米、食塩と書かれてある。
麦みそだと、大麦、大豆、食塩。
ところが、東海の赤味噌(豆みそ)は、大豆と食塩だけだ。

実は、これが大きなことなんです。
いきなり バク転で登場したのは、ガッテンボーイの常住富大くん。
シャチホコポーズまで見せてくれました。
向かったのは、愛知県豊田市。
およそ100年続く味噌蔵、「桝塚味噌」です。
3代目(4代目?)の 野田好成さんが、案内してくれました。
蔵の中には、大きな桶(おけ)が並んでいます。
高さはおよそ、2メートル。
1つの桶に仕込んだ味噌は、12トンにも上る。
材料は、大豆です。
大豆だけで造る東海の赤味噌は、「豆みそ」と呼ばれます。
工程はというと、まずは、大豆を釜で蒸す。
蒸した大豆は、すでに茶色だ。
次に、すり潰した大豆を、塊(かたまり)にします。
そして、大豆に直接 麹菌(こうじきん)をつけるのが、豆みそ最大の特徴。
米みその場合、麹菌は 直接 米につけます。
麹菌が 米のでんぷんを食べて、糖や香りをたくさん出すのが 特徴だ。
米は分解が早いので、醸造期間は、短いものだと5日ほどだという。
それで味噌が出来上がるんだって。
一方、豆みそだと、大豆には雑菌が生えやすいという弱点があります。
そのため、温度や湿度が徹底管理された場所で、麹菌を注意して育てるのだとか。
さらに、大豆を「みそ玉」という塊にする独特の製法で、3日後に やっと 「豆こうじ」は出来上がる。
みそ玉を触った、常住くんの感想。
「かつお節みたいなイメージです」
「あ~、ネコの足の裏のニオイがします」
おいおい…。
さてさて、工程に戻りましょう。
その後、みそ玉を砕いて、塩と合わせます。
そして、巨大な桶に仕込むんですね。
発酵が進むと 色は濃さを増していきますが、完成するまでに、5か月以上かかるのだとか。

時間がかかる上に、香りも甘みも ほどんどない 豆みそ。
その魅力は、いったい、何なんでしょうね?
こんなグラフがあります。

香りも、甘味も、豆みそは米みそに比べ、ずいぶん低いですね。
でもでも、ちゃんと高いものもあるんです。
ある一点が、豆みその方が勝っている。
その項目とは、「コク」。
豆みその方が、米みそより、2倍くらいある。

河村市長も、こう言っています。
「こりゃ~、うみゃ~ですよ」
「コクが違うもん」
豆みその濡れ衣を晴らすには、ここに注目すればいいと。
<豆みその濡れ衣>
・色が濃すぎる。
・いろんな料理に使いすぎる。
・しょっぱそう。
□ 豆みそのコク

豆みそのコクには、1つの物語がありました。
愛知県にある、日本最大手の豆みそメーカー「イチビキ」。
創業は、江戸時代(安永元年 1772年)です。
250年近く、豆みそを造り続けてきました。
色が濃すぎるという、豆みその濡れ衣。
その裏にある真実が、ついに 明らかに。
会社は、平成に入って、販売が伸び悩んでいました。
そんな中、8年前、研究開発部 部長の 西村篤寿さんに、重大な任務が課せられた。
「全国に販路を拡大せよ」
売り上げを伸ばそうと思うと、全国に出ていくしかありません。
まずは、徹底的なリサーチを実施。
そこで、色が不評であることが判明した。
ならば、色の薄い豆みそを開発すればいい。
西村さんたちの挑戦が始まりました。
入社以来、研究一筋だった、西村さん。
ある秘策がありました。
豆みそは通常、大豆を蒸して造ります。
それを、煮ることにしたのでした。
さらに、麹菌の改良にも取り組みました。
醸造期間が短くなれば、色は濃くならないはず。
試行錯誤し、ついに、新しい豆みそが完成!
確かに、色が薄くなっている。
しかし、すぐに問題が発覚してしまいます。
味が薄いのだ。
実は、豆みその赤い成分こそが、深いコクを生み出してるんです。
西村さんはこの時、色が濃すぎるという裏にある真実に、辿り着いたのです。
そして、悟った。
豆みそは赤いもの。そうあるべき。
ここでスタジオに、パウダー状のものが運ばれてきました。
実はこれ、赤味噌のコクを生み出す成分を突き止めて、それを調味料にしたもの。
市販はされてませんが、業務用として販売しているらしい。
試食したところ、これがすごくおいしいとの評価。
コクの正体は、「メイラードペプチド」。
大豆の割合の多い 東海の赤味噌に、多く含まれています。
そして実は、この粉を、私たちは知らず知らずのうちに、食べているのだとか。
ピザ、ラーメン、味噌汁、コーンスープなど、インスタント食品や冷凍食品に、コクを出すため、使用されているらしいのです。
赤味噌に関して、もう一つ、分かったことがあります。
料理であることをすると、コクがさらにアップする!
しかも、それは、他の味噌では あまりしないことらしい。
味噌汁を作る時って、煮えばなで 火を止めますよね。
というのも、米みそは、2分加熱するだけで 香りが半分以下になるという実験結果があるくらいなんです。
一方、豆みそはというと、どて煮なんかでも、長時間 煮込みますよね。
味噌煮込みうどんなんか、名前の通り。
実際、こんなデータがあります。
実は、豆みその苦味や雑味は、煮込むほど、どんどん減っていく。
逆に、コクは、どんどんアップするというのだ。

ここでスタジオに、カレーライスが運ばれてきました。
そう、カレーの中に少量の赤味噌を加え、煮込んだものなんです。
赤味噌を入れることで、コクが増して、別物に。
みなさん、驚いていました。
(詳しい作り方は、後編で)

豆みそを「チョイ足し調味料」として使えば、いろんな料理でコクがアップします!

ガッテン! ガッテン!


後編では、豆みそレシピを紹介!
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