【命を守るドリル】 鎖骨上窩のリンパマッサージ/ゲンキの時間
<後編>
心筋梗塞の予兆である、放散痛。
歯や肩、みぞおちに等に痛みが出る。
家族が倒れているのを発見した時、してはいけない対処は?
注意したい、血圧が上がる瞬間。
意外と要注意なのが、洗濯物の取り込みなのだ。
上着なしで外に出ると、寒暖差により、急激に上がってしまう。
血圧の急上昇を防ぐ 簡単マッサージも、紹介する。
解説:東京女子医科大学 東医療センター 内科 渡辺尚彦 教授。
2018年1月21日放送の「健康カプセル! ゲンキの時間」より、「~ 命を守るドリル ~ 脳梗塞・心筋梗塞編」からのメモ書き。
その後編です。

□ 心筋梗塞の予兆

命を守るドリル、続いては、心筋梗塞の予兆について。
[体験談(4)]
84歳の女性、Dさん。
7年前、77歳の時に、心筋梗塞を発症しました。
当時の健康状態はというと、血圧が高かったらしい。
というのも、塩辛いものが好きで、よく食べていたのだ。
上の血圧が「145」を超えることもあったという。
Dさんにも、心筋梗塞を発症する数日前に、ある予兆が…。
3~4日前から、胸のあたりを打たれるような、激しい痛みがあったのです。
ただ、時間はそんなに続かなかったので、心配していなかったらしい。
しかし、その数日後、胸の痛みと共に、ひどい冷や汗をかき、顔面蒼白に。
救急車を呼び、病院へ搬送されました。
診断は、「急性心筋梗塞」。
急性心筋梗塞とは、心臓に栄養を与えている冠動脈に、血栓が詰まってしまう状態のこと。
これが30分以上続くと、酸素や栄養分が補給されなくなり、心臓壁の一部が壊死してしまうんです。
脳梗塞に比べ 予兆は少ないものの、一時的に血流が悪くなり、激しい痛みを感じることがある。
しかもそれは、胸の痛みに限らないのだ。
市原先生の解説。
「例えば、左肩であるとか、歯であるとか、みぞおちであるとか、時に、右肩にも起きることがあるんですね」
「このように、病変となる部位とは かけ離れたところで、痛む」
「このことを、放散痛(ほうさんつう)と言うんですね」
放散痛とは、心筋梗塞の予兆が、歯や肩、みぞおちなど、心臓以外の部位に現れる症状のこと。
心臓には痛覚神経が少ないため、その周辺の部位に痛みとして表れるのだと考えられています。
<注意点>
胸以外であっても、異常な痛みを感じたら、心筋梗塞を疑うことが大切。
□ 家族が倒れた時の対処

万が一、家族が倒れてしまったら、どうしたらよいのでしょう?
ここで問題です。
Q4)家族が倒れているのを発見した時、してはいけない間違った行動は、次のうち どれでしょう?
A:声をかける。
B:つねって、反応を確認する。
C:仰向けに寝かせる。
D:ベルトを緩める。
E:布団をかける。
F:口にハンカチをあてがう。
答えは、こうなります。
A:声をかける → 〇。
B:つねって、反応を確認する → 〇。
C:仰向けに寝かせる → ×。
D:ベルトを緩める → 〇。
E:布団をかける → ×。
F:口にハンカチをあてがう → ×。
返事がない時に真っ先にすべきことは、横向きに寝かせること。
特に、脳血管のトラブルでは、嘔吐する場合があります。
また、布団で身体を温めるのは、血流の刺激になることもあるので、要注意。
口にハンカチをあてがうのも、窒息の原因になります。
声をかけることは、大切です。
呼びかけて、返事があるかどうか、確認しましょう。
もし、返事がなかったり、意識がなかったりしたら、つねって 「痛み刺激」に反応するかどうかを確認する。
体を揺するよりは、つねる方が安全です。
□ 血圧が急上昇する時

心筋梗塞と脳梗塞、ともに気をつけたいのが、「血圧の急上昇」。
<血圧の分類>
正常値:上が130未満。
注意を要する正常高値:上が130以上~140未満。
高血圧:上が140以上。

冬場は急激な温度変化が多く、正常な人でも、血圧の急上昇が起こりやすい季節。
血圧が高めの人には、大きなリスクがあるといいます。
時には、命に関わることも。
では普段、どのような時に、血圧は急上昇するのでしょうか?
血圧が少し高めだという 59歳女性に、協力していただきました。
日頃から、減塩醤油を使うなどして、気をつけているとのこと。
24時間の血圧測定器で、実験だ。
協力しくださったのは、東京女子医科大学 東医療センター 内科の 渡辺尚彦 教授です。
ちなみに、平常時の血圧は、上が「137」で、下が「84」でした。
上の血圧が「180」を超えると、危険ゾーンになります。
実は、それが、3日間で 9回も起きていました。
<血圧が急上昇する瞬間>
(1) 暗い夜道を歩く
大通りから暗い道に入った時で、緊張しながら早足で歩いたとのこと。
(2) 外出の準備。
(3) トイレ。
慌ただしく外出の準備をしている時や、トイレに行った時にも、血圧の急上昇が見られました。
(4) くまモンのイベントで、興奮。
上が「180」で 下が「85」に。
大好きなゆるキャラに会えたので、大興奮したようです。
(5) 洗濯物の取り込み。
時間は、午後3時半。
血圧は、上が「225」で 下が「97」に。
最も上がった瞬間でした。
少しの間だからと、コートなど上着を着ることなく、外に出て取り込んだようです。

渡辺先生の解説。
「暖かい部屋から、急に寒い部屋に行った時に、コートを着てないということがございますと、その時に、血圧が上がってしまいますので…」
「寒暖の差が激しいところに行く時は、気を付けなくてはいけません」
<注意点>
入浴時だけでなく、洗濯やゴミ捨て、新聞を取りに行くなどの際にも、防寒着を着ること。
□ 血圧マッサージ

最後は、血圧の急上昇を抑える、自宅で簡単にできる簡単マッサージを紹介します。
<鎖骨上窩のリンパマッサージ>
鎖骨上窩(さこつじょうか)とは、鎖骨の上のくぼみのこと。
(1) 鎖骨上窩を、2本の指で、少し痛くなるぐらいの強さでマッサージする。
(2) 1日、左右 10回ずつ。

鎖骨上窩にはリンパがあるため、マッサージをすることで、全身のリンパ流が改善。
すると、血管の周囲の老廃物が取り除かれ、血管にかかる圧力が減少するんです。
その結果、血管の柔軟性が改善され、血圧の急上昇が和らぐ効果が期待できるのだ。
このマッサージは、お風呂上りが効果的なのだとか。
何より、継続することが大切です。
血圧の急上昇に気をつけながら、健康を維持しましょう。

前編 → 【脳梗塞の予兆】 一過性脳虚血発作
[関係する記事]
→ 【血圧を下げるツボ】合谷(ごうこく)
→ 【血圧サージ 前編】 危険度チェック
→ 【嗜好品外来】 高血圧にダークチョコレート
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