【脳梗塞の予兆】 一過性脳虚血発作/ゲンキの時間 命を守るドリル 前編
命を守るドリルの第2弾。
体験談から、クイズ形式で紹介します。
Q1:脳卒中の発生率が高い時間帯は?
Q2:脳梗塞の予兆は?
放置しては危険な、一過性脳虚血発作。
発症前に、日本語が話せなくなったり、性格が変わってしまうこともある。
予兆に気づいたら、放っておかずに、病院へ。
ドクネット:東京女子医科大学 高血圧・内分泌内科 市原淳弘 教授。
ゲンキスチューデント:春香クリスティーン。
ゲンキリサーチャー:深沢邦之。
2018年1月21日放送の「健康カプセル! ゲンキの時間」より、「~ 命を守るドリル ~ 脳梗塞・心筋梗塞編」からのメモ書き。
その前編です。

□ 脳梗塞の予兆

さあ、今回のテーマは何でしょうか?

「命を守るドリル」から、「脳梗塞」「心筋梗塞」について学んでいきます。
寒さの本格化と共に 増えてくるのが、脳梗塞や心筋梗塞などの血管系疾患。
その要因は、血圧の急上昇だといいます。
さて、どのような瞬間に、血圧は上がってしまうのでしょうか?
数か月前から表れることもある、脳梗塞の予兆。
体験者から、当時の様子を聞いてみることになりました。
[体験談(1)]
都内にお住いの、67歳男性 Aさん。
18年前、49歳の時に、脳梗塞を発症したといいます。
当時は、血圧も高く、暴飲暴食だったのだそう。
発症したのは、寒い時期、1月20日でした。
ここで問題です。
Q1)脳卒中の発症率が最も高い時間帯は、いつでしょう?
A:早朝~昼 午前4時から正午まで。
B:昼~夜 正午から夜の8時まで。
C:夜~早朝 午後8時から午前4時まで。
答えは、「A:午前4時から正午まで」。
Aさんが脳梗塞を発症したのも、明け方 午前5時頃でした。
目が覚めて トイレに行こうとすると、右半身に力が入らず、立ち上がれなかったそうです。
片方の手と足で立とうとしましたが、バランスを崩してしまう。
なので、布団の上で、グルグル回ってしまったといいます。
その様子を見て、横で寝ていた奥さんは驚きました。
奥さんに介護してもらって、なんとか洗面所へ。
トイレで倒れて、救急車で運ばれました。
Aさんは今思えば、発症する1か月前ほどから、ある予兆があったらしい。
車を運転中に、右手右足の感覚がなくなってきたということがあったのだ。
その時は、路肩に車を停めて休憩したら、平常に戻ったという。
そのため、一時的な麻痺症状だと思い、あまり気に留めませんでした。
しかし、それから1週間ぐらい後に、もう一度麻痺した。
前は10分くらいで回復したのですが、2回目は 15分くらいかかったのだという。
その次、3回目は、20分くらいかかりました。
そして、4回目か5回目くらいで、発病したのです。
病院に行こう行こうと思っていたらしいのですが、そのままにしてしまったとのこと。
脳梗塞の危険を知らせる、予兆。
それを見極めるポイントは、どういった点にあるのでしょうか?
高血圧による疾患に詳しい専門家に、教えていただきます。
東京女子医科大学 高血圧・内分泌内科の 市原淳弘 教授です。
身体の半分が動かなくなるのは、脳梗塞の典型的な予兆だという。
「車の運転中に、そういった症状が出ていたということは、車の運転というのは過度な緊張状態にありますから、血圧が上昇しており、その時に、脳への血流が悪くなって、脳梗塞の予備段階の兆しが、起きてきたのではないかと思います」
「そのような状態を、一過性脳虚血発作と呼びますね」
一過性脳虚血発作とは、一時的に脳の血管が詰まってしまう状態のこと。
それには、主に2つのパターンがあるといいます。
1つは、心臓などで できた小さな血栓が 脳に流れ、一時的に血管を詰まらせてしまうもの。
もう1つは、悪玉コレステロールや高血圧などが原因で、脳の動脈硬化が起こり、血流が滞ってしまうもの。
いずれも、脳の機能に、一時的な障害を起こします。
Aさんの場合、左の脳の血管が詰まったため、右半身に異常が出たのだと考えられる。
ただし、血栓が溶け、血流が元に戻ると、症状はすぐに治まるため、多くの人が油断しがち。
そこが盲点に。
市原先生のお話。
「これを放っておきますと、15%から20%の患者さんが、脳梗塞、つまり、元に戻らない状態になっていくと言われています」
一過性脳虚血発作、この予兆を放置しておくと、15~20%の人が 脳梗塞になるとのデータがあるのです。
では、予兆の症状が出て、すぐに病院に行けば、脳梗塞は防げるのでしょうか?
市原先生の解説。
「はい、防げます」
「ですので、予兆の段階で、きっちりと診断をして治療をしておくということが、大切なんです」
<注意点>
一時的に片方の手足が痺れたり、麻痺するのは、脳梗塞の典型的な予兆。
肩や腰のコリと感じることもある。
脳梗塞の予兆には、さらに見落としがちなケースもあるという。
[体験談(2)]
56歳の男性、Bさん。
脳梗塞を発症したのは、8年前、48歳の時だという。
思いもよらぬ予兆を体験しました。
Bさんの場合、お医者さんから、元の身体の機能に戻る可能性は 0% だと言われた。
九州大学の最新の研究結果では、脳卒中発症後 後遺症が全くなく回復する人は 約27%。
しかし、Bさんは人一倍リハビリに取り組み、奇跡的に後遺症を克服。
今では、大学の講師を務めるまでに回復しました。
そんなBさんには、脳梗塞になる3年前から、ある予兆があったらしい。
起こったのは、海外(インドネシア)に赴任していた時のこと。
ここで問題です。
Q2)Bさんも体験した脳梗塞の予兆は、次のうち どれでしょう?
A:下痢と便秘を繰り返す。
B:日本語だけ話せなくなる。
C:幻覚や幻聴がでる。
答えは、「B:日本語だけ話せなくなる」。
Bさんは外国語がいくつか話せるのですが、不思議なことに、日本語だけ話せなくなったんです。
そういうことが、時間をおいて、3回ぐらいあったのだそう。
この症状は、3日から1週間ほどで改善しました。
しかし、脳梗塞 発症前の3年間で、合計3回 経験したそうです。
市原先生の解説。
「日本語をつかさどる言語中枢の部分が、一過性脳虚血発作を起こしてしまい、そのような症状が出たんだろうと思われます」
日本語だけ話せなくなる。
これは、母国語と後から学んだ言語をつかさどる中枢が異なるために、起こる症状。
「人によってはですね、例えば、パピプペポだけ言えないとか、ラリルレロだけ言えないとか、そういう予兆が起きることもありますので」
<注意点>
脳梗塞の予兆には、様々な言語障害がある。
脳梗塞には、さらに見逃しがちな予兆があるのだという。
[体験談(3)]
70歳男性、Cさん。
脳梗塞を発症したのは10年前、60歳の時です。
娘さんが、当時の話を聞かせてくれました。
現在、お父さんには、後遺症があるとのこと。
片目が見えない状態で、右足が動かないらしい。
お父さんには、脳梗塞になる約3か月前から、ある変化が。
でも、当時、家族は、それが予兆だとは思いもしませんでした。
ここで問題です。
Q3)脳梗塞の意外な予兆は、次のうち どれでしょう?
A:アルコールの量が増える。
B:性格が変わる。
C:白髪が増える。
答えは、「B:性格が変わる」。
娘さんによると、2~3か月前から急に、ガラリと性格が変わったのだそう。
もともとは頑固で、歩く活火山のようでした。
それが急に、いろんな人にニコニコし始めた。
市原先生の解説。
「大脳辺縁系(だいのうへんえんけい)という場所があるんですが、そこが人の性格を決めている場所なんですね」
「そこの部分が一過性の脳虚血発作に陥れば、当然、性格が変わる。十分、考えられる予兆だと思います」
<脳梗塞の予兆 まとめ>
・半身の痺れや麻痺。
・性格の変化。
・様々な言語障害。
・あくびを連発。
・片方だけの強いコリ等。
脳梗塞の予兆は、多岐にわたります。
不安がある場合は、病院へ。

後編は、心筋梗塞の予兆について。
また、血圧の急上昇を和らげる簡単なマッサージも紹介!
- 関連記事
-
-
【喜界島】 長寿ホルモンを増やす食べ物/健康カプセル! ゲンキの時間 2018/01/29
-
【命を守るドリル】 鎖骨上窩のリンパマッサージ/ゲンキの時間 2018/01/22
-
【脳梗塞の予兆】 一過性脳虚血発作/ゲンキの時間 命を守るドリル 前編 2018/01/22
-
【爪の病気】 がんのサイン メラノーマ/健康カプセル! ゲンキの時間 2018/01/15
-
【2017 年末SP(3)】 オーソモレキュラー&薬膳鍋/ゲンキの時間 2018/01/10
-
tag : 健康カプセル!ゲンキの時間 動脈硬化 脳卒中
<スポンサードリンク>


