【認知症 Q&A】 もの忘れ・うつ病との違いは?/きょうの健康




認知症に関する質問。


 ・もの忘れは、年相応でしょうか?

  (老化によるもの忘れとの違い)

 ・海馬の萎縮が心配です。

 ・認知症ではなく、性格ではないでしょうか?

  (以前との変化に注目する)

 ・うつ病との違いは?

  (高齢者は特に、見分けにくい)

 ・ショックやストレスの影響。



解説:認知症予防学会 理事長 浦上克哉。

司会:岩田まこ都、黒沢保裕。



2017年12月21日放送の「きょうの健康」より、「Q&A特集 認知症」からのメモ書きです。




きょうの健康 Q&A特集 認知症




老化によるもの忘れとの違い


エノキ
さあ、今回のテーマは何でしょうか?

ササミ
「認知症」です。



5つの質問に対し、専門家の先生に、詳しく解説していただきます。

お答えいただくのは、日本認知症予防学会の 浦上克哉 理事長。






<年相応のもの忘れなのでしょうか?>


女性からの質問。


94歳の父は、一人暮らしです。

「もの忘れをする」と言うので、病院に連れて行きました。

しかし、脳の検査と認知症テストを受けたところ、認知症ではなく、「スーパーおじいさんですね」と褒められました。

しかし、私には、もの忘れは ひどいように見えます。

認知症のもの忘れと、年相応のもの忘れの、違いが知りたいです。




浦上先生の解説。

「(こういうことは)よくあるんですね」

「特に、こちらの『スーパーおじいさんですね』と言われておりますけども、もともと知的レベルの高い高齢者の方でありますと、認知症のことをよく勉強していらしゃって、自分のもの忘れを、ふと心配されて、早めにやって来られると」

「しかしながら、認知症のテスト、おそらくスクリーニングテストだと思うんですけども、こういったテストをやると、認知症ではありませんと、安心していただいていいですよと、言われたんではないかと思います」


「質問にある、認知症による もの忘れと、老化現象による もの忘れといったものを、少し整理させていただきたいと思いますけども」

「老化によるもの忘れというのは、道であった知人の名前が出てこない、というようなことが、よくあります」

「一方、認知症の もの忘れになりますと、名前が分からないだけではなくて、相手との関係性も分からなくなってしまうということになります」

「また、老化の もの忘れでは、朝ご飯に何を食べたか思い出せないと」

「ところが、認知症の もの忘れになりますと、朝ご飯を食べたこと、そのこと自体を すっかり忘れてしまう

「まとめますと、体験したことの一部を忘れるというのが、老化のもの忘れであって、認知症のもの忘れになりますと、体験したことの全部を忘れてしまうということになります」


老化のもの忘れと 認知症のもの忘れ


「ですから、もの忘れが増えた増えたといっても、このような老化によるもの忘れが増えてるだけであれば、これは心配いらないという風に、判断してよろしいかと思います」

「ただ、そうは言いましても、やはりご心配であれば、半年後とか1年後に、もう一度 受診して調べていただくということがよろしいかと思います」




海馬の萎縮 認知症が心配


ササミ
続いては、海馬の萎縮について。




74歳女性からの質問。


脳ドックの検査を受けたところ、「海馬が委縮している」と言われました。

しかし、認知症のテストは、満点でした。

生活にも、異常はありません。

料理を毎日作り、スポーツジムにも通っています。

認知症になるのかと、心配でストレスが溜まります。

どうしたらいいでしょう?




浦上先生の解説。

「海馬というのは、記憶とたいへん密接に関係のある組織でありまして、私は記憶の貯金箱という風に呼んでおります」

「正常の場合には、(海馬という貯金箱は)大きい訳でありますけども、これが委縮してまいりますと、小さくなりまして、貯金箱に記憶を入れておくことができない」


例えるなら、記憶が貯金箱から、こぼれ落ちてしまうんです。


「さっき聞いたことなのに、入れておけませんので、忘れてしまうということが起こってまいります」



「実際に、MRIの画像検査をやってみますと、正常な方であれば、黒いところが小さい訳でありますけども、アルツハイマー型認知症のような認知症になりますと、この黒いところが 大きくなってくるんですね」


海馬の萎縮


「これが、海馬の萎縮を表しているわけなんですね」

「ですから、海馬の萎縮というのは、非常に重要な所見ではあります」


「ただ、気をつけないといけないのは、海馬の萎縮というのは、とても重要な所見ではありますけども、海馬の萎縮=認知症ではありません」

「なので、この質問をされている方のように、実際に認知症のスクリーニングテストとは思いますけども、そういったテストで異常がありませんし、また、日常生活に ほとんど支障がないということでありますから、海馬が委縮しているというだけで、即、認知症ではありません」

「この方の場合には、ご安心していただいていいのではないかと思います」



海馬の萎縮と認知症は、密接に関係している。

しかし、だからといって、必ずしも、「海馬が委縮している=認知症」というわけではない。

割合は別にして、海馬が委縮していても認知症を発症していない人もいる。

医師の指導のもと、経過を見ていくことが大事。




認知症ではなく性格では?


ササミ
続いての質問は、認知症ではなく、性格の問題ではないかというもの。




52歳女性の質問。


義理の父が、認知症と診断されました。

しかし、私には、認知症と思えません。

簡単なことなら、新しいことも覚えます。

時間も、時計を見れば分かります。

一方、気に入らないと、嫌がらせをします。

ウソをついたり、芝居をしたりします。

性格による問題行動に見えますが、これらも認知症の症状なのですか?




浦上先生の解説。

「確かに、こういった性格による問題行動というのは、あるんではありますけども、ただ一方で、認知症の症状として、こういったことを起こしてくるのは、よくあることなんですね」

「認知症になりますと、神経細胞のネットワークが おかしくなってまいりまして、別々の話題がネットワークによってですね、ヘンなつながり方をしてしまって、その2つが結びついてしまって、それが実際にはあり得ないことなのに、まことしやかに ご本人はしゃべっていらっしゃる」

「それを周りから見ると、ウソをついているとか、あるいは、作り話をしているという風に、判断されてしまう」

「そういった面での注意は、必要かと思います」


神経細胞のネットワークの問題で、性格ではなく、認知症によるウソや作り話も、あり得る。




<その人本来の性格なのか、それとも認知症の症状なのか、見極めるポイントは?>


「性格によるものだけであればですね、例えば、若い頃と現在とが、あまり大きな変化がないはずであります」

「ただ、認知症による症状でありましたら、以前よりひどくなったりとか、頻繁になったりとか、そのような変化が見られると思います」

「もし、変化が以前とは違って見られてるようであれば、性格に加えて、やはり、認知症という症状が加わっていると、考えた方がいいんではないかと思います」


 性格によるものだけならば → 若い頃とあまり変わらないはず。

 以前よりひどくなった、頻度が多い → 認知症の可能性が。


急に性格が変わってしまった。

ウソや作り話が以前と比べ、多くなった。

そんな時は、専門医に相談した方が良いのかもしれません。




浦上先生が経験した例)


とても仲の良い義理の母親とお嫁さんがいたのだが、急に義理の母親がお嫁さんに、意地悪をしたり、つらく当たるようになった。

お嫁さんは急な変化に思い悩んでいたが、先生が義理の母親を診断すると、認知症が始まっていることが分かった。

誰もそれに気づいてなかったというわけ。

つらい思いはしたものの、それが早期発見につながり、適切な対応をすることで、また良い関係がよみがえったとのこと。
 



うつ病と認知症の違いは?


ササミ
次は、うつ病との違いについて。




70代女性からの質問。


身近な人が、認知症と診断されました。

うつ病だと思っていたので、意外でした。

高齢者のうつ病と認知症の違いを、知りたいです。




浦上先生の解説。

「こういったこともよくありまして、うつ病だと診断されていたんですけども、実際には 認知症であったと」

「あるいは逆に、認知症だと思っていたら、実は うつ病であったというような場合」

「あるいは、うつ病と認知症が合併しているような場合というような、いろいろな場合がありまして、非常に これは難しいところであります」


 うつ病だと思ったら → 認知症だった。

 認知症だと思ったら → うつ病だった。

 うつ病と認知症が合併しているケースも。




「(高齢者のうつ病と認知症というのは)見分けにくいんです」

「若い方の うつ病でありますと、けっこう、うつ症状を前面に押し出して訴えてこられますので、我々も分かりやすいんですけども」

「高齢者のうつ病になりますと、あまり 抑うつ症状を訴えられなくて、物事に興味や関心がなくなるというような、認知症と似たような症状を呈してきて」

「また、もの忘れも訴えられますので、非常に 認知症と区別がつきにくい場合があります」



<高齢者のうつ病>


 ・抑うつを、あまり訴えない。

 ・物事に興味や関心がなくなる。

 ・アルツハイマー型認知症に似ている。





<違いは?>


「うつ病の場合には、うつ病の症状に伴って、急に始まってくることが多い」

「認知症による場合には、ゆっくりと徐々に増えてくると」


「うつ病の場合には、自分でも、割合、もの忘れに気がついておられる場合が多いです」

「それに対しまして、認知症の場合では、自分でもの忘れを自覚していないということが多いです」


「それから、うつ病の場合には、それを非常に苦にしておられるんですけども」

「認知症の場合には、何らかの理由をつけて、うまく取り繕ったようなお話をされるということが、よくあります」


うつ病と認知症の違い



「ただ、これで自己判断をしていただくと、よくない場合もありますので、専門の医療機関を受診して、きちっとした診断を受けていただくということを、おすすめ致します」

「認知症の場合、専門医療機関としましては、神経内科・精神科・老年科といったような科が、主に担当しております」

「ただ、もの忘れ外来というような所に行っていただくと、間違いが少ないのではないかと思います」
 



ショックやストレスの影響


ササミ
最後の質問です。




19歳女性からの質問。


配偶者の死別などの大きなショックやストレスで、認知症が発症したり、悪化したりすることはありますか?

もしそうなら、ショックやストレスで、認知症の人に何が起こるのですか?




浦上先生の解説。

「(ショックやストレスは)影響すると言われております」

「例えば、東日本大震災のような大災害が起こった後に、仮設住宅で生活されているような方の認知機能を調べさせていただいたデータがあるんですけども、そういったものを見ると、普通の地域で暮らしておられる方の 1.5倍 認知機能が低下していらっしゃる方が 多いという報告があります」


東日本大震災の仮設住宅では、認知機能が低下した人が、通常より1.5倍多いという報告が。


「また、動物実験なんかでも、ラットとかマウスを使った実験なんですけども、ストレスを与えると、やはり、認知症の原因物質の一つといわれておりますアミロイドβたんぱくが、脳の中にたまってくるということが分かっております」


ラットやマウスにストレスを与えると、認知症に関係するアミロイドβたんぱくが増える。




<ショックやストレスを和らげる対策は?>


「なかなか大きな大震災の後のショックに対していうのは、適切な方法はないかと思うんですけど、周囲の方が寄り添って、悩みを共有してあげる。そういうことが重要ではないかと思います」


ため込まずに、できれば、外に出す。

話せる人がいれば、話す。

書くことができるなら、書く。

(この場合、安易な批判者が出ないような、保護された空間が望まれる)


内側にため込まないで、何とか少しずつでも、外に出す方法を見つけると良い。

場合によっては、カウンセラーなどプロを頼る。



「ただ、個人である程度 解決できるようなストレスに関しては、ネガティブに考えるんではなくて、ポジティブに考えて、そして乗り越えていただくというのが、いいんではないかと思っております」





NHKきょうの健康 2017年12月号 [雑誌] (NHKテキスト)



新版 認知症よい対応・わるい対応  正しい理解と効果的な予防






[関係する記事]

 → 【認知症】 接する時のポイント
 → 【アルツハイマー病】 原因は アミロイドβの排出だった

 → 【認知症】 初期サイン&指タップ検査
 → 【瞑想】 マインドフルネスで 認知症&うつ病改善




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