【目覚めのゴールデンタイム】 時計のセット方法/ガッテン
気持ちよく目覚めることができる「ゴールデンタイム」のサインは、「体動」。
スマートフォンのアプリも、これを利用している。
<アプリ無しの方法>
音量を調節できる目覚まし時計を使う。
耳を澄まさないと聞こえないようなボリュームがカギに。
自然にスッキリ起きることができる。
アメリカはソルトレークシティーの早起き家系。
89年間、毎朝 3時に起きている。
スタンフォード大学 睡眠生体リズム研究所 所長 西野精治。
解説:睡眠評価研究機構 代表 白川修一郎。
2017年12月13日放送の「ガッテン」より、「あなたの朝が変わる! “目覚め”解明SP」からのメモ書きです。

□ 目覚めのゴールデンタイム

これまで、レム睡眠といえば、浅い眠りだと思われてきました。
しかし、そこにも、誤解があったようです。
東北大学教授 大熊輝雄さんの「睡眠の臨床」という本。
その中に、1967年に行われた実験が、載っている。
睡眠中に音がした時、どれくらい反応できるかという実験です。
目が覚めている時(覚醒時)に音が聞こえたら、もちろん、反応できます(100%)。
では、ノンレム睡眠(深い睡眠)の時はというと、10%の人しか反応できませんでした。
そして、レム睡眠の時は、6%。

あれ?
浅い睡眠であるレム睡眠なのに、ノンレム睡眠の時より低くなってる。
そこで、ガッテンでも実験をすることに。
協力してくれたのは、江戸川大学 社会学部 人間心理学科の 福田一彦 教授です。
被験者は、亀井賢治くんだ。
深いノンレム睡眠の場合、アラームを鳴らしても、なかなか起きませんでした。
15秒後に、ようやく目覚めた。
では、レム睡眠の場合は、どうなるか?
これまで、浅い睡眠と言われてきましたが…。
おや? なかなか起きません。
15秒を越えても、目覚めない。
<メカニズム>
人はレム睡眠の間、多くの時間、夢を見ています。
その時、脳は活発に働いているのですが、夢の世界に入り込んでいるため、外の情報からは、遮断されているんです。
そのため、アラームの音にも気づきにくく、無理に起こしても、目覚めはよくないことが多いのだとか。
というわけで、このような結論になります。
深いノンレム睡眠も、レム睡眠も、目覚めのタイミングとしては、ふさわしくない!
なるほど、90分サイクル説が正しくないから、スマホのアプリが登場することになったのか。
実は、先ほどの実験には、もう一つ条件があります。
その状態だと、90%の応答率で、音刺激に反応する。
ガッテンの命名では、「ゴールデンタイム」。
これは、周期に関係なく起こっています。
そのゴールデンタイムに、亀井くんを起こしてみました。
その感想は、こうだった。
「寝てなかったです」
「なんか、意識があるかたちで、寝てました」
「意識があるので、すぐ、スッて起きられました」
寝てはいるけど、気配はすぐに感じられるぐらいの状態だという。
□ 白川修一郎先生の解説
ここでスタジオに、専門家の先生が登場。
睡眠評価研究機構 代表の 白川修一郎 先生です。
白川先生によると、ゴールデンタイムは、昔からよく分かっていることだという。
かなり目覚めに近い状態。
例えば、電車で、居眠りをする。
けれど、降りる駅が近づくと、パッと目が覚める。
よく経験する、ああいうような状態。
パッと目覚めるのは、外に何となく、意識を向けているから。
でも、ゴールデンタイムは、自分では気づくことはできないのだそう。
なので、昔は、見つけることが難しかった。
けれど、今は、身近にスマホがあります。
目覚めのアプリは、「体動(睡眠中に身体が動くこと)」があった時に、音を鳴らすシステムになっているのだそう。
ゴールデンタイムの亀井くんの様子を見直してみると、無意識に身体を動かしていました。
確かに、体動がある。
この体動こそが、ゴールデンタイムのサインなのだ。
「ゴールデンタイムの直前は、体動が頻繁に起きる!」
ゴールデンタイムとは、神出鬼没に現れる「短時間のごく浅い睡眠」のこと。
(* 医学的な正式名称ではありません)
これまでは、家庭でこのタイミングを捉えて起きることは、ほぼ不可能でした。
そこに登場したのが、スマホの目覚ましアプリってわけ。
スマホを枕元に置いて寝ると、スマホの中のセンサーが、振動や音を頼りに、体動を感知。
朝、ゴールデンタイムの前触れとなる体動を捉えると、アラームがスタートする仕組みです。

これで、スッキリ起きられる確率が、アップするってわけ。
ただし、すべての目覚ましアプリが、この機能を持っているわけではありません。
使ってみたい人は、説明書きを、よ~く読んでくださいね。
白川先生の解説。
「このアプリはですね、ある時間帯の枠を設けて、この間に体動があった時に、音を鳴らすようなシステムなんですね」
例) 7:00~7:30にアラームが鳴るようセットする。
「基本的にはですね、ゴールデンタイムは、朝方になると、だんだん増えてくる」
「ある程度の睡眠時間は いっているというのが、大切なんですね」
「でも、本来的には、アプリが無くてもですね、いつも同じような時間帯にちゃんと起きてると、ゴールデンタイムがうまくその時間に来やすくなるような、学習している可能性もあるんですよね」
「それもある程度、6時間以上、ちゃんと寝ているような人。そして、睡眠負債があんまり蓄積していないような状態だと、いい時間にポンと起きてくれる」
スッキリ目覚めるためには、睡眠時間は最低でも 6時間以上確保すること!
(* 必要な睡眠時間は、個人差・年齢差があります)
□ アプリが無くてもスッキリ目覚める方法

さあ、次は、アプリ無しでもスッキリ目覚められる方法についてだ!
世界最高峰の睡眠研究機関と言われるのが、アメリカのスタンフォード大学。
これまで、あまたの研究者たちが、睡眠という謎の世界の解明に、挑み続けてきました。
その中にある、睡眠生体リズム研究所の所長を務めるのが、この方。
日本人研究者の 西野精治さんです。
30年以上、睡眠の覚醒に関する研究を重ねてきた、目覚めのスペシャリストだ。
西野先生は今、50年ほど前の睡眠学の基礎研究に注目し、そこから、目覚めの秘訣を導き出そうとしているのだとか。
そんな先生が見せてくれたのが、目覚まし時計。
これをうまく使えば、目覚めのよい朝を迎えられるのだという。
一見、何の変哲もない目覚まし時計に見えますが、ある特徴が。
実は、ボリューム機能がついていて、音量を小さくできるんです。

最小の音量にすると、耳を澄まさないと聞こえないレベルになる。
なので、熟睡している時には聞こえず、ゴールデンタイムには聞こえることに。
なるほど、これなら、ゴールデンタイムに目覚めることができそうだ。
今までの目覚まし:無理やり起こされる。
この目覚まし時計:ゴールデンタイムに自然と起きる。
ゴールデンタイムに入ると、ごく少量のアラームでも聞こえるようになる!
この目覚ましを、番組冒頭に紹介した、朝起きられない人に試してもらいました。
毎朝、二度寝、三度寝は当たり前だという、Aさん。
布団を出るまで、30分以上かかるという。
そんな Aさんがこの目覚ましを使ったところ…。
おお、すんなり起きられちゃったぞ。
「スッキリと起きられて、気持ちのいい目覚め」との感想。
では、小学1年生の Bくんは、どうだろう。
毎朝、お母さんに起こされても、なかなか起きることができません。
なんと、あの目覚ましを使うと、ちゃんと一人で、起きられちゃった。
朝から元気いっぱいです。
<スッキリ目覚ましワザ>
(1) 起きたい時間の20分前に、アラームをセットします。
(10分前にもセットすると、目覚めスッキリの確率がアップ!)
(2) 音量は、耳をすませば聞こえるくらいに、小さくする。
音量調整ができない目覚まし時計の場合は、スピーカー部分にテープを貼るか、厚手のタオルで時計をくるんで、音量を調節してください。
(3) アラームに気づかず寝坊してしまうことを避けるため、もう1個 起きたい時刻に 大音量のアラームをセットすることを忘れずに!

さらに、スッキリ目覚めるために大切な睡眠の基本も、押さえておきましょう。
<睡眠の基本>
・睡眠時間は、最低でも6時間以上を確保。
・目覚めたら、朝の光を浴びて、朝ご飯を食べる。
こうした習慣が、睡眠のリズムを整えてくれるんです。

ゴールデンタイムで自ら目覚め、気持ちよく1日をスタートしましょう!

ガッテン! ガッテン!
□ 朝型 夜型のナゾ

なんと、生まれてから一度も、朝起きるのに困ったことがない人が、いるらしい。
アメリカはソルトレークシティー。
ベッツィ・トーマスさん89歳が、その人だ。
ベッツィさんは言います。
「生まれて89年間、朝起きるのに困ったことは、一度もないわ」
「毎朝、3時に起きているのよ」
なんと、89年の人生の間、ほぼ毎朝、3時に起きてきたらしいのです。
特に理由があるわけではなく、自然と朝3時に目覚めるとのこと。
「目覚まし時計は、一度も使ったことがないわ」とも。
孫のキャリーアンさんも、同じ。
毎朝3時に起きている。
47年間、目覚まし時計を使ったことがありません。
朝寝坊の心配も、したことがないという。
そして、ベッツィさんの娘で キャリーアンさんの母親である、キャンディさんも同じ。
生まれて65年間、毎朝3時に起きている。
ベッツィさん一家は先祖代々、みんな朝起きるのが得意な、「早起き家系」なのです。
亡くなったベッツィさんのお母さんも、毎朝3時に起きていたらしい。
実は今、世界中で、ベッツィさん一家のような「早起き家系」の発見が、相次いで報告されているのだとか。
報告例は、日本にも。
いったいなぜ、こうした家系が存在するのでしょう?
それには、去年のノーベル賞で話題になった、「時計遺伝子」が関係していると考えられているのだそうな。
私たちの細胞の中には、時計遺伝子が存在し、その違いが「朝型」「夜型」に関係していることが、分かり始めています。
まだまだ謎の多い、眠りの世界。
これから、どんな発見がなされるでしょうか?



次回は、来年になります。
細胞を長生きさせる、新星ビタミンの力!
脳卒中や認知症が減る?
「血管ボロボロ&認知症から カラダを守る! ビタミン“M”の正体」。
2018年1月17日放送予定です。
前編 → 【睡眠の90分サイクル説】 本当なの?
[関係する記事]
→ 「熟睡感を得る方法 睡眠日誌&筋弛緩法」
→ 【不眠対策】 認知行動療法+筋弛緩法
→ 【睡眠の悩み解消】 質を良くする枕やお風呂
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