【鼻の力・嗅覚の衰え】 回復させる方法/ガッテン


洗剤の香りで、掃除する?

ニオイは、無意識の行動にも影響を与える。


食欲がない、外出が面倒、元気が出ない、人付き合いが億劫。

そんな体調不良の原因は、嗅覚の衰えかも。


カレーやメンソール(ミント)のニオイが分からなかったら、耳鼻咽喉科に相談を。


<対策>

数種類を嗅ぐことで、センサー(嗅神経細胞)に刺激を与え、回復させる。

ポイントは、意識して嗅ぐこと。



解説:兵庫医科大学 耳鼻咽喉科 都築健三 准教授。



2017年11月22日放送の「ガッテン」より、「あなたは大丈夫? “鼻の力”最新報告」からのメモ書きです。




ためしてガッテン鼻・ 嗅覚の衰えを回復させる方法




香りの力


エノキ
さあ、今回のテーマは何でしょうか?

ササミ
「鼻の力」「嗅覚」についてです。




見て、聞いて、嗅いで。

ニオイも、大切な要素ですよね。


番組冒頭に登場したのは、「香り発生器」。

スタジオが、森の香りに包まれました。

ニオイだけで、そこに行ったかのような気になりますよね。


実は、嗅覚は五感の中で、最も謎に包まれていた感覚なのだとか。

今も、いろんな研究の真っ最中。

嗅覚の解明に貢献した研究が ノーベル賞を受賞したのも、2004年と、21世紀に入ってから。

(コロンビア大学のリチャード・アクセル博士とフレッド・ハッチンソン・がん研究センターのリンダ・B・バック博士が、嗅覚系の研究で 受賞した)

近年、驚きの研究結果が、続々と出ているらしいですよ。



最近、何だか、食欲がない。

やる気も出ない。

そんな時は、嗅覚の低下が原因である可能性も。


嗅覚と健康は、実は密接に、関係しているんですね。




まずは、こんな報告から。


<香りで行動が変わる?>


オランダのある実験を、行ってみることになりました。

用意したのは、2種類の部屋。

一方にだけ、ある仕掛けをして、こっそりモニタリングします。

参加者には、2枚のクッキーを食べて 制限時間内に味の違いを見つけてほしいと、伝えました。


仕掛けのない部屋では、食べ比べに集中しています。

でも、仕掛けありの部屋だと、口にした後、食べかすを掃除し始めましたよ。


実はこれ、食べ比べが目的ではなく、「食べかすを掃除するか?」を見ていたのだ。

でも、なぜ、この差が出たのだろうか?


掃除した秘密は、机の下にありました。

テーブルの下に、「お湯に洗剤をちょっとだけ混ぜたもの」を置いていたのです。

そのニオイを明確に意識した人は、いませんでした。

けれど、本人たちは洗剤のニオイに気づかなくても、無意識のうちに、掃除を始めてしまったんですね。

掃除した人の数は、それぞれ10人中、ニオイ無しの部屋が 2人で、ニオイ有りでは 7人。


実はこれ、オランダの科学者が論文にした、れっきとした研究なんです。

「Smells Like Clean Spirit. Nonconscious Effects of Scent on Cognition and Behavior.」

洗剤の香り。無意識のうちに、認識や行動に影響。


 洗剤のニオイ無し → 掃除しない

 洗剤のニオイ有り → 掃除した


22人を調べたところ、洗剤の香りの部屋にいた人は、香りのない部屋にいた人に比べて、3倍も多く掃除したのだとか。


でも、なぜ、気づかないくらいの洗剤の香りで、掃除するようになったんだろう?


その秘密は、ニオイと脳の関係にあります。


ニオイを嗅いだ時と、目で見た時。

それぞれ、脳の反応の違いを、見てみましょう。

まず見せたのは、バラの写真です。

直後に、活発に動いたのは、脳の後ろ、視覚を処理する部位でした。

次に、バラのニオイを嗅いでもらいました。(目は閉じた状態)

この時、すぐに活発に働いたのは、脳の真ん中、記憶をつかさどる海馬や、感情や行動を起こさせる偏桃体でした。

嗅覚には、こうした場所を直接刺激する、強い働きがあるんです。



街の人たちからは、こんな話が…。


「虫よけ(家具に入れる衣服の防虫剤)の、ショウノウのニオイ。ショウノウのニオイを、妊娠中、嗅ぎたくて、嗅ぎたくて。なので、ショウノウを見ると、妊娠初期を思い出します」


「付き合ってた時につけてた香水とか、一瞬で、(その人を)フラッシュバックします」


ニオイって、人間の記憶や感情と、強く結びついてるんですね。



<洗剤実験のメカニズム>


まず、洗剤のニオイ物質が鼻の奥に入り、センサーの細胞に、くっつきます。

すると、その信号が、海馬と偏桃体を、直接 刺激。

多くの人が持つ「洗剤でキレイにする」という記憶が呼び起こされ、キレイにしたいという無意識の行動につながったと、考えられています。



昔だと、路地でカレーのニオイを嗅いで、日曜日の夕方を思い出したりとか。

昭和だな~。




<街頭 嗅覚チェック>


目隠しした状態で、いろんなニオイを嗅いでもらって、「これが何だか分かりますか?」と聞いてみました。

用意したのは、12品。

カレー、炒めたニンニク、焼き魚。

粉チーズ、みかん、バナナ。

線香、醤油、納豆、コーヒーなど。


(なんでも、このような食べ物などのニオイを、検査や問診で使っている病院も、あるんだって)


さて、結果はというと、ニオイの強いカレーは、割と分かるようです。

でも、他は、分からないようでした。間違える人が続出した。


実験に協力してくださったのは、36名。

その年代別正解数は、こうなりました。


におい当て正解数


30代をピークに、下がっています。

(一般的に、ピークは20代と言われている)


このグラフを見ると、嗅覚が年齢と共に、衰えることが伺える。

(若い人は軒並み、高得点。高齢者は、正解率が低かった)




<鼻の老化>


衰えるのは、鼻の奥にある「においセンサー(嗅神経細胞)」

若い時は たくさんあって、いろんなニオイ物質をキャッチできます。

ですが、年を取ると減っていき、くっつけない(キャッチできない)物質が出てきてしまう。

さらには、脳へ送る信号も、弱くなっちゃうんですね。

こうして、年と共に、ニオイを感じる力が、衰えてしまうのでした。


下の画像は、においセンサーの細胞の、断面です。

若い人の場合は、黒っぽく染色された部分、細胞が数多く並んでいることが確認できます。

しかし、高齢者など、嗅覚が衰えた人では、細胞が まばら。


においセンサー(嗅覚神経細胞)


人によって、老化のスピードは違いますが、誰でも嗅覚は衰えていくとのこと。

(さだめじゃ…)






続いては、こんな写真が。


ネズミに気づかないネコ


すぐ近くにネズミがいるのに、ネコは気づいていません。

仲良くケンカする仲だとしても、これはちょっとねえ。


実は、このネズミ、嗅覚を失ってるんです。

(ヘンなのは、ネズミの方)

ネズミの場合、ニオイを感じないと、恐怖心を失ってしまうそうなのだ。


もともと、動物にとって、嗅覚は、見えない敵を察知して、いち早く逃げるための、重要な感覚。

それを失ってしまうと、このような(恐怖心を失うといった)影響が出てしまうんですね。



では、人の嗅覚が衰えると、どうなってしまうんだろう?




嗅覚低下の影響


ササミ
嗅覚が衰えた場合、人によっては、次のような体調不良の原因となることが、分かってきました。


 ・食欲がない。

 ・外出が面倒。

 ・元気が出ない。

 ・人付き合いが嫌だ。



「鼻の力の衰え」で、こうなる可能性がある。


でも、食欲への影響は分かるとして、他との関係は、どうなってるんだろう?

外出、元気、人付き合い。

これらとニオイ、嗅覚との関係は?




[体験談(1)]


高知県は四万十市。

鼻の力が落ちてしまったという、71歳の男性、Aさん。


異変が襲ったのは、3年前。

大好物の ゆで卵も、魚も、食べたくない。

突然、食欲がなくなってしまったのです。

体重も、3か月ほどで、5kg 減ってしまいました。

それはもう、友人が心配するほどだったという。


病院で検査を受けたところ、嗅覚が低下していました。

お医者さんの話では、加齢が原因とのこと。


その後も、様々な症状が、Aさんを襲いました。

何をしていても、やる気が出ない。

前は、2週間に一度は友人と飲むのが楽しみでしたが、一人で居たいと、飲み会を避けるようになりました。

当時、生きていく上での勢いや覇気がなくなるような気分だったと、振り返ります。


さらには、時間感覚まで、おかしくなりました。

1日がひどく、のんべんだらりん。

のっぺらぼうのような、時間感覚に。


「食欲不振」「覇気がない」「時間が歪む(1日のメリハリがない)」


いったいなぜ、このようになってしまったのでしょうか?



他にも、(60歳以上)141人の調査から、次のようなことが起きることも、分かってきました。


 ・筋肉量が減る。

 ・虚弱体質になる。

 ・地域活動への参加が減る。



これは、問題ですね。

家族も心配しちゃう。




都築健三先生の解説


ここでスタジオに、専門家の先生が登場。

兵庫医科大学 耳鼻咽喉科の 都築健三 准教授です。



<筋肉が減る理由>


ニオイが分からない → 味が分からない → ごはんが美味しくない → 食欲がなくなる → 食べないから、筋肉量が減る。


虚弱体質になるのも、同じですね。

食欲不振から、様々な影響に、つながってしまうようです。



ニオイの力が低下すると、覇気がなくなったり、やる気が出なくなったり。

その結果、うつ状態になることも。


また、外の朝のニオイだとか、夜のニオイ、雨のニオイなども、分からなくなります。

これにより、時間と空間を認識する機能が落ちてしまう。

時間感覚がおかしくなるのは、このため。


嗅覚が衰えることで、悪循環に陥る危険があるようです。


とはいえ、体調に影響が出ない人もいるので、過度の心配は不要だとも。




危うく火事に


ササミ
嗅覚の衰えで、健康に影響が出る人と、出ない人がいる。

しかし、実は、思わぬ命の危険につながることも、あるのだとか。



[体験談(2)]


嗅覚が衰えて危険な目に遭った人がいます。

東京都は豊島区にお住いの80歳女性、Bさん。

今、ニオイの強いドクダミの香りも、分からないという。


それは、4年前の秋。

夕食の準備をしながら、食器の片付けをしていた時のこと。

2階にいた旦那さんが、異変に気づきました。

何か、焦げ臭い。

慌てて台所へ行くと、サンマが真っ黒コゲ。

Bさんは、焦げのニオイに、気づけなかったのです。

何度も、こうしたことを繰り返し、危うく火事になりかけたことも。


また、別の危険も、ありました。

ある日、ビスケットを食べていた、Bさん。

これまた、旦那さんが気づきました。

ニオイがおかしい。

旦那さんが 恐る恐る口にしてみると、油が酸化した状態。

そう、Bさんは、食べ物の傷みにも、気づけなかったのです。


いつ嗅覚が衰えたのか、Bさんに心当たりはありません。



実は、Bさんのように、「嗅覚の低下は、気づきにくい」のだ。


というのも、私たちはニオイを感じていなくても、目で見ることで、脳が錯覚。

ニオイを感じた気になってしまうことが、あるんです。




都築先生は言いました。

「早くニオイがしないことを、ご自身で気づいてもらうことが、非常に重要になります」


嗅覚の確認を家庭でするなら、このようなものを。


 ・カレー

 ・メンソール(ミント)



こうしたニオイが分からない人は、耳鼻咽喉科に相談してください。

嗅覚の力が落ちているかもしれません。




嗅覚の回復 最新治療


ササミ
ここで、朗報!

実は、嗅覚を回復させる方法が、ちゃんとあるんです。


嗅覚が落ちていた Aさんですが、あることを始めて 1年、嗅覚が戻ってきたのだ。

おかげで、食欲も、すっかり回復したといいます。



別の女性も、同じ方法で、嗅覚が回復しました。

去年まで、ほとんどニオイが感じられなかったという74歳の女性、Cさん。

ある方法を 1年続けたところ、嗅覚が戻ってきました。

今では笑顔で、ハッピー、ハッピー。



二人の担当医に、話を聞いてみましょう。

高知大学 耳鼻咽喉科の 奥谷文乃 医師。

「犬になったつもりで、何でもニオイを嗅いでください」と、言ったのだそうです。


ん?

どういうこと?


その方法とは、違うニオイの入った数種類の瓶に、鼻を近づけ、嗅ぐだけ。

AさんとCさんは、それを実践したのです。


実はこれ、ドイツで開発された、最新の治療法なのだ。

日本でも、一部の患者さんに協力してもらい、研究が進められているとのこと。

(* 現在、日本では研究中の治療法で、保険適用ではありません)


嗅覚の衰えがある人、ない人、50人ほどの高齢者に、何のニオイか当ててもらう実験を行いました。

3か月間、同様のトレーニングをしてもらったところ、全体として正解数が、平均1.3倍に。


嗅覚の回復



都築先生の解説。

「ニオイの刺激をすることによって、嗅神経細胞という細胞の生存が高まってですね、数が元に戻っていくことが、期待されて、推測されています」

「何のニオイか意識して嗅いでいただくことによって、感情的なことと、記憶的なことと、脳内回路のネットワークが強まると言われています」


センサーに ニオイ刺激を当てて、細胞の数を増やす試みなんですね。

何のニオイか意識すると、脳内回路のネットワークが強まるのだ。




<嗅覚回復のメカニズム>


しっかりニオイを嗅ぐ → ニオイ物質が たくさん鼻の中に入る → 老化で一度減ったセンサーの細胞が刺激される → 再び 増える。




この方法なら、日常生活でも、簡単にできそうですね。


 食べ物や花など、身の回りのニオイを意識して、嗅ぐだけ。


大事なポイントは、何のニオイか意識して嗅ぐことです。


例)

 これはリンゴだなと、意識して嗅ぐ。

 コーヒーのいい香りだと思いながら、嗅ぐ。

 いつものパンだと意識してから、嗅ぐ。


すると、センサーの細胞が増えるだけでなく、脳が刺激されて、脳の中の信号が強まると、考えられています。


日常から意識して嗅げば、嗅覚の衰えの予防や改善になる。






ササミ
嗅覚が落ちると、心身に様々な影響が出ることがあります。

しかし、意識してニオイを嗅ぐことで、嗅覚がよみがえる可能性もある。

エノキ
ガッテン! ガッテン!




ニオイと動物


ササミ
人間よりもすごい嗅覚を持つのが、動物たち。


例えば、ブタさんは、地面に埋まっているアレを、ニオイだけで見つけ出してくれます。

そう、世界三大珍味のひとつ、「トリュフ」だ。


実は、トリュフの香りは、発情した雄ブタのフェロモンのニオイと、そっくりなのだそう。

だから、本能的に、引き寄せられてしまうんですね。




お次は、ラブラドルレトリバー。

嗅ぎ分けるのは、がん患者の吐いた息だという。


最新の研究で、がん患者の人には、特有のニオイがあることが分かってきたんです。

30種類以上の がんを、ほぼ100%的中させるらしい。

まだ研究の真っ最中ですが、「がん探知犬」は、世界から注目されています。




タンザニアからは、こちらの動物が。

アフリカオニネズミ。

何を探すのかというと、なんと、地雷。

火薬のニオイを手掛かりに、埋まった地雷を見つけ出します。


アフリカオニネズミは体重が軽いので、地雷にのっても大丈夫ってわけ。

人間が2日間で探す100平方メートルを、たった30分で探せるらしい。

優秀です!

みんなは、「ヒーローラット」と呼んでいるとのこと。

まさに、カンボジアやラオスでも仕事した、ヒーローなのでした。





健康プレミアム(13) 2017年 12 月号 [雑誌] (NHKガッテン! 増刊)



アノスミア わたしが嗅覚を失ってからとり戻すまでの物語



よくわかる最新療法  病気が治る鼻うがい健康法  体の不調は慢性上咽頭炎がつくる


 



次回は、これ。

ジャムなのに、イクラ?

「あのジャムが大進化! 秋の恵みフル活用術」。




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 → 「鼻づまりの原因 鼻甲介とネイザルサイクル」

 → 「鼻ポリープと鼻茸は、醤油でチェック」

 → 「鼻づまり解消は ペットボトル・足湯・タオルで」




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