【漢方】 伊藤隆先生の診察、気逆で上熱下寒/健康カプセル! ゲンキの時間


漢方の診断を体験。

 問診 → 脈診 → 腹診 → 舌診。


「気」「血」「水」、どれが不調か?

「実証」と「虚証」、どちら?



「気逆」で「上熱下寒」の女性には、「柴胡桂枝乾姜湯」が処方された。



ドクネット:東京女子医科大学 東洋医学研究所クリニック 所長 伊藤隆 教授。

ゲンキスチューデント:滝裕可里。

ゲンキリサーチャー:深沢邦之。



2017年11月19日放送の「健康カプセル! ゲンキの時間」より、「~ 外来急増! 知らなきゃ損! ~ 漢方活用術」からのメモ書き。

その前編です。




ゲンキの時間 漢方活用術




漢方の診察


エノキ
さあ、今回のテーマは何でしょうか?

ササミ
「漢方」です。



名前は知ってるけど、中身はよく知らない。

そんな人は、多いのでは?


でも、近年、注目を浴びているようですね。

15年前(2002年)は、全国の大学病院に わずか19件しかなかった外来が、今年(2017年)では 54件に大幅増設されてるんです。


中国のイメージがある漢方ですが、専門家はこう言います。

「実は、漢方医学っていうのは、日本で育(はぐく)まれた、日本独自の医学なんです」


漢方は、7世紀頃、仏教と共に、中国より伝わりました。

しかし、その後、日本人の体質に合わせ、独自に発展したんですね。

あの徳川家康も利用していたほどで、今なお進化しながら、受け継がれているのだ。


今回は、そんな漢方を、身近にしちゃいます。




まずは、恒例の基礎クイズから。


Q)次の内、漢方に由来する言葉は、どれでしょう?

 A:元気。

 B:健康。

 C:手当。











答えは、「元気」





東京都は北区にある、東京女子医科大学 東洋医学研究所クリニック。

所長の 伊藤隆 教授に、教えていただきます。



<漢方と西洋医学は、何が違うの?>


例えば、風邪に関して。

西洋医学では、風邪をひいた場合、熱を下げる薬、痛みを抑える薬、胃薬、時には抗生物質などが、処方されます。

ですが、漢方薬の場合は、原則 1種類なのだそう。

しかし、選択肢は、10数種類あります。


漢方薬は、複数の生薬を組み合わせて、作ります。

例えば、「葛根湯」なら、桂皮、芍薬、甘草、大棗、葛根、麻黄、生姜の7種で構成されている。

原則 1種類と言ったのは、そうした組み合わせのことです。


また、西洋と同様、強い薬や間違えた服用などをすれば、副作用もあるとのこと。




<漢方の専門医になるには?>


厳密にいうと、日本には、純粋な漢方医は存在しないのだそうな。

日本は、医者となるためには、医学部に入学して、卒業して、国家試験に合格しないと、医者として認められません。

なので、日本の漢方医というのは、実はみんな西洋医で、それぞれ内科とか外科の専門医が、漢方を勉強して、漢方医となっているのだそう。




<診察方法>


西洋医学との違いは、独特な診療方法。


そこで、10年間も体調がすぐれないという57歳女性 Aさんに、体験してもらうことになりました。

いったい、どのような診察を受けるのでしょうか?


Aさんの症状は、多岐にわたります。

眠れない、疲れが取れない、手足の冷え、足がつる、便秘、胃がもたれる、ノドが渇く、肩コリ、腰痛、更年期障害、不安になる

こんなに多いので、何科を受診して、どんな薬を飲めばいいのか、長年悩み続けているという。




漢方の診察は、4つ。


 <漢方の診察>

 (1) 問診。

 (2) 脈診。

 (3) 腹診。

 (4) 舌診。



それぞれの症状から、不調の根源を見つけ出し、ベストな漢方薬 1つに絞り込むのです。




 [問診]


体内で何が起きているのか、全体像をつかみます。


Aさんの場合、問診票に書いてもらった後、次のような追加の質問がありました。

「寝付きは、悪いですか?」→ 悪い。

「疲れやすいのは、40代からですか?」→ 40代の後半ぐらいから。

「冷えがつらいのは昔から?」→ 10代の頃から、足と手が冷たい。


伊藤先生は、一通り症状を聞いた段階で、ある可能性を導き出していたのだそう。

こう話してくれました。

「気というのが、あるんですね」

「目には見えないけど、働きだけがある」

「この気というものが、エナジーと理解していただいても、いいと思うんですが、これが落ちている」


漢方には、その人の身体の状態を見極める大切なポイントが、3つあるんです。

それが、「気(き)」「血(けつ)」「水(すい)」という漢方独特の概念。


 「気」とは、元気の気で、目に見えないエネルギーのようなもの。

西洋医学でいう自律神経やホルモンの働きです。

(基礎クイズの答えが、ここに)


 「血」とは、西洋医学でいう「血液」に「栄養」が加わった、東洋医学的概念。


 「水」は、血液以外の体液のこと。

リンパ液などが、これに当たります。


この3つが、それぞれ関わり合い、バランスよく体内を巡ることで、健康が保たれているというのが、漢方の理論なんですね。


漢方の3要素


逆に、1つでもバランスが崩れると、健康に害が出るとされています。



Aさんに当てはまる総合的な原因は「気の不調」だと、伊藤先生は考えました。




[脈診]


漢方の診察では、脈の診方も、独特です。

なんと、3本指で診るのだ。


脈診


西洋医学の測り方では、通常、中指の腹だけで行いますよね。


漢方医学で診ているのは、数ではなく、「力」だという。

緊張の強さを、診ているのだとか。

それぞれの場所で、深く押したり、浅く押したりしながら、脈の強さを、個別に感じ取るのだそう。


漢方では、脈が強い人のことを、「実(じつ)・実証(じっしょう)」と言う。

実の人には、強い薬を使います。


一方、脈が弱い人は、「虚(きょ)・虚証(きょしょう)」と言います。

こちらは、弱い薬を使う。


「虚」「実」とは、人間それぞれが本来持つ、体力や、病気に対する抵抗力の強弱を示す、指標なんです。

虚の人は、病気に対する抵抗力が弱いとされます。

一方、実の人は、抵抗力が強い。


これだと、一見、「実」の方が好ましいように思えますが、そうでもないらしい。

風船で例えるなら、空気が足りないと しぼんでしまいますが、逆に膨らみ過ぎると、割れてしまいますよね。

これと同じなんです。

つまり、偏ることなく、バランスの取れた「中間タイプ」が理想的なのだ。


また、その人がどちらのタイプかによって、同じ病気でも、出る症状が異なるため、体質の見極めは、とても重要です。



Aさんの脈は、これが普段の脈なら、ちょうどよいものでした。

しかし、今回は特別で、診察と撮影で、緊張状態。

本来、脈の力は弱めで「虚」の体質だという、見立てでした。


これで、2つ分かりましたね。

気の不調で、体質は虚証。


そしてこの後、症状の根源に迫ります。




「腹診」


漢方診察の真骨頂だといいます。


腹診は、へその周りを押したり触れたりする、漢方独特の診察法。

反発力や違和感、痛みなどから、体質の確認や症状の原因を、推察します。


腹診


Aさんのお腹は、先生の見立てでは、こうでした。

「腹力は、5段階でいうと、2くらい」

「虚実でいうと、虚のお腹」


さらに、先生の指が、肋骨の下へ。

ここに、痛みがあるようです。


そして、へその上辺りを、入念に押しました。


「この時点で、一応、漢方的な診断は、ついております」と、伊藤先生。

こんな質問をしました。

「上半身に汗をかきやすい?」→ はい。

「足は冷える?」→ 冷えます。


Aさんによると、上と下で、暑いのと寒いのが同居しているような感じなのだという。


これを、「上熱下寒(じょうねつげかん)」と呼ぶらしい。

そして、先生は言いました。

「これは典型的な気・逆

「気が上にあがっている所見です」



先生の診断は、「気逆(きぎゃく)」

本来なら、体内を巡っているはずの「気」が、自律神経などの乱れによって、上にあがったままの状態になっているとのこと。

そのため、Aさんは、足は冷えるのに顔は熱いという、アンバランスな症状を抱えていたのです。

それが、熟睡できず、翌日まで疲れを引きずってしまう原因だと、伊藤先生は考えました。


これは、自律神経が関わる、気の不調による症状の典型なのだそう。





[舌診]


最後に、舌の状態を確認。

これは診断の精度を上げるためのもの。


Aさんの結果は、先生の見立て通りでした。

舌の横部分に、亀裂がある。

これは、干上がった田んぼの ひび割れと同じ。

首から上に溜まった熱で、水分を消耗しているからなのだそう。


舌診の例



Aさんの治療は、気の巡りを良くする薬で、顔は冷やし、足は温めることになりました。


処方された漢方薬は、「柴胡桂枝乾姜湯(さいこけいしかんきょうとう)」

身体の熱や炎症を取り、気の働きを整えてくれるものなのだそう。

気の流れを正常に戻すことで、手足の冷えを改善。

すると、ノドの渇きや不安、イライラも解消。

よく眠れるようになるのだという。

こうして、本来持つ免疫力を上げていき、その他の症状を段階的に消していくと。



ちなみに、意外と知られていませんが、漢方は診察を含め、処方薬も基本的に、保険適用なのだそう。



伊藤先生は言いました。

「漢方医学は、現代医学のようにですね、非常に細分化された病理概念が、ございません」

「ですので非常に、おおざっぱですけども、おおざっぱなりに、かえって見えるところというのがあって」

「私たち日本の医者は、そういう東洋の知恵と、西洋の新しい学問とミックスした、そういった診療をですね、世界の最先端で、ある意味、いるという風に、プライドを持って、やっているつもりなんです」





ココロとカラダの不調を改善する やさしい東洋医学



フローチャート漢方薬治療 (本当に明日から使える漢方薬シリーズ)






後編に続きます。




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