【睡眠の悩み解消】 質を良くする枕やお風呂/ゲンキの時間
眠りが浅い、朝 身体が痛い。いろんな睡眠の悩みが、ありますよね。
不眠の悪影響は、がんやアルツハイマー型認知症の発症率にも関係するんです。
時間が確保できないなら、睡眠の質を高めることが、解決方法に!
<睡眠改善法>
適度な運動。
朝、日光を浴びる時間。
お風呂の温度と浸かる長さ。
寝だめのコツ。
枕の影響で、睡眠時無呼吸症候群に。
ドクネット:慶應義塾大学 医学部 特任教授 スリープクリニック調布 院長 遠藤拓郎。
ゲンキスチューデント:春香クリスティーン。
ゲンキリサーチャー:TKO 木本武宏。
2017年10月29日放送の「健康カプセル! ゲンキの時間」より、「~ 眠りが浅い・朝身体が痛い ~ 睡眠の悩み 解決します!」からのメモ書きです。

□ 睡眠の質の影響

さあ、今回のテーマは何でしょうか?

「睡眠」です。
「睡眠時間の国際比較」というグラフがあります。

日本は、国民の平均睡眠時間が 7時間43分と、世界でも2番目の短さなのだ。
ちなみに、アメリカだと、8時間45分。
フランスだと、8時間29分。
勤勉そうなドイツでも、8時間14分。
また、日本人の場合、睡眠時間が6時間未満の人は、40%近くもいるんです。
いわば、不眠大国。
(適切な睡眠時間は、個人差はあるものの、6時間半~7時間半と言われているとのこと)
睡眠不足になると、いろんな怖ろしいことが…。
・注意力低下。
・がん。
・認知症。
命に関わることとも、関係するんですね。
では、満足な睡眠をとるには、どうしたらよいのでしょう?
専門家は、こう言います。
慶應義塾大学 医学部 特任教授 スリープクリニック調布 院長の 遠藤拓郎 先生。
「十分な睡眠時間を確保できないならば、睡眠の質を高めるということが、解決方法になります」
まずは、恒例の基礎クイズから。
Q)質の良い睡眠に導いてくれる夕食のメニューは、次のうち、どれでしょう?
A:鍋。
B:天ぷら。
C:刺身の盛り合わせ。
答えは、「A:鍋」。
寝る前に、暖かい汁物などで体温を上げるのが、ポイントです。
暖かい食べ物で上がった体温が、就寝前に下がることで、眠気が訪れます。
質の良い睡眠をとるには、就寝の3時間前までに食事を終えること。
睡眠の質は、眠っている時以外の過ごし方に、大きく左右されるようですね。
今週のゲンキチャレンジャーは、3名。
みなさん、睡眠に関する悩みがあります。
56歳男性、Aさん。
寝付きが悪く、朝早くに目が覚めてしまう。
おかげで、昼間 睡魔に襲われることも。
実際に、Aさんの睡眠時の様子を、観察することになりました。
なかなか寝付けないようで、布団に入ってから 1時間で、トイレへ。
入眠してからも、何度も大きな寝返りを打っていました。
そして、夜中に目が覚め、またトイレへ。
朝早くに目が覚め、再びベッドに戻るも、眠ることができず、やがて、無理やり身体を起こしました。
結局、深くは眠れなかったようです。
55歳女性、Bさん。
家事のため、起きるのは毎朝8時だという。
7時間程度は布団の中にいるらしいのですが…。
ただ、寝付きがすごくよくない。
目が覚めてそのまま眠れないのが、悩みです。
Bさんの睡眠時の様子も、見てみることに。
布団に入って30分後、やっと眠りについたみたいです。
と思ったら、その10分後、トイレへ。
眠れていなかったようですね。
ベッドに戻るも、なかなか寝付けず、ようやく眠りについたのは、さらに1時間以上あとでした。
明け方には目が覚め、またトイレへ。
Bさんも、睡眠の質は、良くなさそうですね。
というか、こういう人、多そう。
なかなか寝付けない、トイレに起きてしまう、寝床の中でモソモソ。
40歳女性、Cさん。
睡眠そのものに悩みは無いといいますが…。
朝起きた時に、頭が痛かったり、首や肩が痛かったり。
こちらも何か、ありそうです。
さてさて、3人の睡眠には、どんな問題点が潜んでいるのでしょうか?
この3名のゲンキチャレンジャーには、活動量計を装着してもらいました。
時間毎にその人がどんな動きをしているか、活動量を記録できる。
そのデータを持って向かったのが、東京都は千代田区有楽町にある、「ねむりの相談所」。
睡眠に関する知識を持ったスタッフの渡邉さんに、解析してもらいます。
(* 医療機関で受けられる睡眠解析とは、内容が異なるとのこと)
[Aさんの睡眠]
睡眠時間は、5時間30分。
しかし、「覚醒」といって眠りがすごく浅い状態が、いくつも見られます。
大きな寝返りは、眠りが浅い証拠だったんですね。
睡眠の質が良いと、覚醒は睡眠中、1~2回程度だといいます。
でも、Aさんは回数が多く、5時間半の睡眠の内、合計1時間以上 覚醒していました。

Aさんのように十分な睡眠がとれてないと、身体にはどのような影響があるのでしょうか?
遠藤拓郎先生に、教えてもらいましょう。
「最近の発表で、睡眠時間が短いと、がんの発症率が高くなるという報告があります」
人間の身体には、がん細胞から守ってくれる「免疫機能」が備わっています。
しかし、睡眠が足りないと、この機能が低下するんですね。
結果、がん細胞が活性化してしまうのだ。
睡眠時間が6時間以下の人は、7~8時間の人と比べ、男性の前立腺がんが 1.34倍。
また、7時間の人と比べて、女性の乳がんが 1.62倍というデータもある。
さらに、遠藤先生は言います。
「睡眠が悪いと、アルツハイマー型認知症になりやすいという報告があります」
アルツハイマー型認知症は、脳が活動する際に発生する老廃物「アミロイドβ」が神経細胞を傷つけることで起こる。
このアミロイドβは、眠っている間に、脳の外へ排出されることが分かっています。
つまり、十分な睡眠がとれていないと、その分、アミロイドβが蓄積し、アルツハイマー型認知症の発症リスクを高めてしまうのだ。
睡眠不足は、その他にも、肥満や糖尿病、心疾患、高血圧や うつなど、様々な病気のリスクを上昇させてしまうんです。
ところで、Aさんの睡眠の質を悪くしてしまっている原因は?
1日の活動量を見ると、動いているのは買い物している時ぐらい。
他は、ほとんど動いていません。
Aさんの職業は、パソコンを使っての自営業。
1日のほとんどが、座っての作業なんですね。
ねむりの相談所のスタッフさんは言いました。
「適度に身体が疲れていた方が、入眠しやすくなりますので」
「できれば、お休みの日とかでもいいので、適度な運動を心がけていただいて」
また、こんなことも。
「朝日を浴びないでいると、寝たい時間に眠れなかったりというのは、あります」
質の良い睡眠のためには、朝10時までに日光を浴びることが大切なんです。
午前10時までに日光を浴びると、体内時計がリセットされます。
すると、夜に「メラトニン」という睡眠を促すホルモンが、しっかり分泌されるのだ。
朝10時までに外に出なくても、窓から差し込む光の中で 30分以上過ごすだけで、効果があるそうですよ。
また、メラトニンは、バナナや大豆製品、乳製品に多く含まれる、「トリプトファン」からも、作られます。
睡眠にお悩みの方は、積極的に食事に取り入れてはどうでしょう?
(例:バナナ、牛乳、ヨーグルト、チーズ、豆腐、納豆)
□ 睡眠の質を悪くする原因

さて、続いては、Bさんの睡眠を解析してもらいます。
データを見ると、Bさんも、覚醒の回数が多いようだぞ。
また、お風呂に入っている時間が、15分程度と短いようです。
本人いわく、カラスの行水。
湯船に入るのは、5分くらいらしい。
ねむりの相談所 スタッフさんのお話。
「お風呂もけっこう、睡眠には重要でして」
「人間の体温が下がり始めた時に、眠気が訪れるようになっているので」
「眠る1時間前に、ぬるめのお湯にゆっくり浸かっていただくというのが、おススメです」
水温の目安は、38℃から40℃。
10分以上かけて ゆっくりと浸かることが、質の良い睡眠につながります。
もう一つ、Bさんのデータで注目したい場所が。
午後5時ごろ、ちょっと疲れて、昼寝したようです。
午後3時以降の昼寝は、夜間の睡眠の妨げになります。
どうしても眠くて つらい時は、15分間だけ、仮眠を取るようにしましょう。
他にも、睡眠の妨げになるものがあります。
それが、アルコール。
2016年3月27日の放送でも、お伝えしました。
寝酒をした日としてない日を比較する実験を、行いましたよね。
寝酒をした翌朝は、スムーズに眠ることができたにもかかわらず、心拍数は、寝酒をしていない日と比べ、常に高い状態でした。
これは起きている時と同じくらいの数値で、睡眠が浅くなっている証拠なんです。
アルコールは寝付きがよくなる反面、睡眠の質を大幅に低下させてしまうのだ。
遠藤先生に、睡眠の質を悪くする他の原因を、教えてもらいましょう。
「寝る直前の行動が、特に大きく影響します」
これは、Bさんにも当てはまりました。
ベッドの上で、スマホを見てたのです。
寝る前のスマホは、言語道断だといいます。
というのも、ブルーライトが、睡眠ホルモンである「メラトニン」の分泌を、抑制してしまうのだ。
また、就寝前に気持ちが昂(たかぶ)ると、覚醒するホルモン「ドーパミン」が分泌されるので、要注意。
スマホなどの影響で眠りが浅くなってしまうと、わずかな尿意でも目が覚めてしまうという話もあります。
トイレをきっかけに、なかなか寝付けなくなる人も、多いのでは?
□ 朝の疲れの原因は?

Aさんに関して、睡眠中の様子を見た遠藤先生から、ある指摘が…。
「仰向けに寝ると、寝相が悪くなる」
データを見ても、仰向けを示す付近で、覚醒が多く見られました。
「仰向けで寝ていると、アゴが落ちて、舌が落ちて、気道を閉塞して、呼吸が止まる」
「もしかすると、睡眠時無呼吸症候群になっている可能性が」
睡眠時無呼吸症候群とは、睡眠中に気道が狭くなり、呼吸が止まってしまう病気です。
仰向けは気道が狭くなりやすいため、無呼吸に陥りやすい姿勢らしい。
無呼吸は酸素が不足し、当然、寝苦しくなります。
この時、仰向けから解放されるため、大きく寝返りを打ち、目が覚めてしまうことも。
また、大きな「いびき」も、睡眠時無呼吸症候群のサインだという。
重症化すると、眠りを妨げるばかりか、動脈硬化や脳梗塞、心筋梗塞を、招いてしまいます。
その対処法としておススメなのが、「抱き枕」。
抱き枕を使うことで、仰向けの時間を減らし、横向きの時間を長くしようってわけ。

最後は、Cさんですね。
朝起きると、頭や肩が痛いといいますが…。
3日間の睡眠を解析してもらうと、ある傾向が見えてきました。
睡眠中の身体の向きが、ほとんど仰向けなのです。
他の人は適度に寝返りを打っているのに、Cさんは ほとんど動かず 仰向けのまま。
しかも、いびきをかいているので、睡眠時無呼吸症候群の疑いも。
寝起きの頭痛は、無呼吸で脳に十分な酸素が運ばれていないため起きている可能性があるとのこと。
Cさんが寝返りを打たないわけを、ねむりの相談所スタッフさんは、こう推測しました。
「お使いの枕が影響しているってことは、考えられますね」
「高さが合わなかったりすると、寝返りに影響が出てきます」
枕が適正な高さでないと、寝返りを打ちづらくなるんです。
そもそも人は、自然な立ち姿が、最も身体に負担のかからない姿勢だと言われています。
したがって、それをそのまま横にした形が、理想的な睡眠時の姿勢になるのだ。
つまり、枕の高さが適正であれば、真横から見た時、アゴの角度は立ち姿と変わりません。

Cさんの場合、枕が適正よりも高いようです。

<高い枕の影響>
・仰向けから寝返りが打てない。
・アゴが下がり、気道が狭くなる。
また、枕が適正な高さでないと、肩や首筋に負担がかかり、コリの原因になってしまいます。
みなさんも、普段使っている枕が 適正な高さかどうか、チェックしてみてはどうでしょう。
□ ドクネット
引き続き、慶應義塾大学 医学部 特任教授 スリープクリニック調布 院長の 遠藤拓郎 先生に、教えていただきます。
<休日の寝だめは?>
睡眠が足りてない時は、休日にたくさん眠ること自体は、良いことだという。
ただ、例えば、日曜日に昼過ぎまで寝ちゃうと、夜 2時3時まで眠れなくなり、月曜の朝、寝不足になっちゃうことも。
たくさん眠ることはいいのですが、休日の朝は、いつも通りの時間か、いつもより1時間遅い時間までに、起床することが大事になる。
寝だめするなら、遅く起きるのではなく、早く寝ましょうね。
<いびき>
「いびきをかいていたら、まず、無呼吸だと考えていただいて大丈夫です」と、遠藤先生。
気道が狭くなると、いびき。
気道が完全に詰まる(閉塞する)と、無呼吸。
なので、いびきは、睡眠時無呼吸症候群の弱いもの、と考えていいのだとか。

□ まとめ
<睡眠の質を高めるコツ>
・適度な運動を心がける。
・午前10時までに日光を浴びて、体内時計をリセット。
・寝る1時間前に、38~40℃のお湯に、10分以上浸かる。
・昼寝は15分まで。
・寝る前は、スマホやパソコンを使わない。
・休日に寝だめするなら、早く寝ること。
・枕を、適正な高さに。
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