【レンコン】 部位による食感の違い/ガッテン 前編
まったく性格が違う、レンコン三兄弟。
長男、次男、三男で、食感や味に違いがあるんです。
モチモチ、ホクホクなら、長男。
シャキシャキなら、三男。
2017年10月25日放送の「ガッテン」より、「ビタミンC&食物繊維! レンコンが信じられないほど美味になる」。
その前編です。

□ レンコン引き上げプロジェクト

さあ、今回のテーマは何でしょうか?

食材から、「レンコン」です。
刺身でもOKのシャキシャキタイプから、まるで焼き芋みたいな ほっくほくタイプまで。
レンコンの魅力に迫ります。
向かったのは、日本で2番目に大きな湖、茨城県は「霞ヶ浦」。
その周辺に広がっているのが、蓮畑(はすばたけ)だ。
いや~、これがもう、広大なんだな~。
上空から見たら、ビックリするぐらい。
それもそのはず、国内生産量のおよそ半分が、茨城県で作られてるんだって。
今日の主役「レンコン」は、蓮の葉のずっと下。
分厚い泥の中で、収穫の時を待っています。

今回、協力してくれたのは、レンコン農家の 宮本貴夫さん。
レンコンを育てて16年、良質なレンコン作りで知られる名人です。
収穫に使うのは、強力な水流。
これで泥を飛ばし、手探りでレンコンを、一つ一つ掘っていくんですね。
そんな宮本さんが、蓮の葉を見せてくれました。
茎の切断面を見てみると、穴が開いてますねえ。
実は、泥の中でレンコンは、この穴を通して、地上の空気を取り入れてるんです。
ガッテンボーイの宮森右京くんが、実験することに。
葉っぱを切り落として、ビューと吹く例の玩具(吹き戻し)を装着。
別の茎から、空気を送り込むと…。
ピュ~~~っと、伸びました。
蓮畑の水面には、たくさんの葉っぱが。
泥の下では、すべての茎が、つながり合っています。
その複雑なネットワークのどこかに、レンコンがあるはずだ。

でも、レンコン作りの名人・宮本さんから、こんな言葉が。
「全体像は、見たことないです」
ということで、プロジェクトが発進したのでした。
一続きになった「茎とレンコン」を、泥の下から、引っ張り出す。
たいへんな作業なので、二人だけでは無理!
なので、応援が到着しました。
弟さんたちが駆け付け、宮本さん兄弟の集合だ。
なんでも、三兄弟でレンコン作りをしているのだとか。
(長男 貴夫さん、次男 昌治さん、三男 昭良さん)
さらに、農家仲間も、集まってくれました。
1本まるまる引き上げるという、初の試み。
さながら、ジャングルの開拓ですね。
果たして、成功するでしょうか。
茎を手に取り、たどっていきます。
水流で泥を飛ばすと、レンコンが出てきたぞ。
これが、どこまで、つながっているんだろう。
作業を続けると、どんどん、どんどん、出てくる。
折れないように、やさしく、丁寧に、やらないとね。
途中、複雑すぎて、分からなくなることも。
泥の中で、茎がいくつも、絡み合っているようです。
作業を続けること、1時間。
ついに、その時が来ました。
レンコン引き上げプロジェクト、無事に成功!!
それが、スタジオに運ばれてきました。

長さ、6メートル70センチ。
実はこれ、スタジオ撮影のために、再度、取り出してくれたものなんです。
本当に、ご苦労さまでした。
元になるのは、黒っぽい部分。
「タネバス」と呼ばれるもの。
ここから、すべてが始まるんですね。
レンコンは、こうして作られます。
毎年、春に、レンコン農家の方が、タネバスを泥に埋める。
すると、芽が出て、茎が伸びてゆく。
タネバスが蓄えていたエネルギーを使って、伸びるんですね。
伸びたところに、葉ができる。
葉が大きいのは、「巨大なソーラーパネル」の役割をするから。
そこで光合成して、作ったエネルギーを、さらに先へと送っていきます。
秋ごろ、その先の方で、新しいレンコンが生まれると。

節で区切られているのにも、理由があります。
というのも、一つの大きな塊だと、傷が付いたら、一巻の終わりですよね。
でも、節でいくつかに分かれていれば、仮に1つダメになっても、他は生き残れる。
いや~、自然て、よくできてるな~。
□ レンコン三兄弟

スタジオには、店頭に並んでいるレンコンが登場。
運んでくれたのは、宮森右京くんだ。
お店にあるレンコンは、節で切られて、バラバラになって、パックされてますよね。
でも、八百屋さんに届いた状態は、違います。
売り場に並ぶ前は、節がつながってる。
ガッテンでは、これを「兄弟」と表現しました。
すなわち、「長男」「次男」「三男」。

驚くべきことに、レンコンの長男・次男・三男は、まったく性格が違うそうなのです。
つまり、それぞれの部分で、食感や味が違う。
まずは、食べてもらうことになりました。
一番特徴が出るように、長男と三男を食べ比べてもらいます。
一方は、厚めに切って、蒸したもの。
もう一方は、薄く切って、しゃぶしゃぶに。
どちらかが長男で、どちらかが三男というわけ。
蒸したものは、ホクホク。
やわらかくて、甘いらしい。
お芋みたいという意見も。
もう一方は、シャキシャキだ。
梨のような食感だという人もいるくらいだぞ。
このように、長男と三男の差は、すごくあるようです。
知りませんでした。
そんなこと考えずに、今まで買ってた。
この差を、見事に使い分けているお店があります。
レンコンの専門店。
東京都は上野にある居酒屋。
その名も、「れんこん」。
メニューは、20種類以上。
例えば、揚げ物だと、こんな感じだ。
・れんこんと海老のはさみ揚げ。
・れんこんのコロッケ。
・ハッシュドレンコン。
・フライドレンコン。
・れんこんと明太餅の揚げだし。
他にも、ありますよ。
「レンコンのおひたし」は、シャキシャキした歯ごたえが抜群です。
「ふろふきレンコン」は、ホクホク食感。箸で切れるやわらかさ。

こうした千差万別の料理を生み出すために、絶対必要なのが、レンコンの兄弟選びらしい。
レンコンの目利き・柴拓也さんによれば、おひたしに適した部位もあれば、フライド用の部位もあるのだという。
「おいしいものを作ろうと思ったら、レンコンそれぞれに合った料理がありますので、見極めは大事かなとは思いますね」「それに限ると思います」とのこと。
岐阜県羽島市にも、こだわりの店があります。
れんこん料理・和食の「竹扇(ちくせん)」。
羽島れんこん友の会の、馬場文親さん。
20年にわたり、レンコン料理を作ってきた、達人だ。
「れんこんのかば焼き」は、すりおろしたレンコンを、海苔にのせ、カラッと揚げたもの。
もっちり食感が人気とのこと。

モチモチの かば焼きには、どんなレンコンを使うのでしょうか?
馬場さんによると、モッチリ感が出る部位もあれば、出にくい部位もあるとのこと。
さてさて、シャキシャキとモチモチ。
どっちが長男で、どっちが三男なのでしょうか?
小野文惠アナが、スタジオで実験してくれました。
長男と三男、それぞれのレンコン(輪切り)に、ヨウ素液をかける。
(小学校の理科の実験で、ジャガイモにかける、あれ)
ヨウ素液というのは、でんぷんに反応するんですね。
しばらくすると、色が変わりました。
長男の方が、でんぷんが多いみたいだ。
ということで、こうなる。
モチモチ、ホクホクしているのが、長男。
その秘密は、レンコンの長い姿にあるという。
レンコンにできる、たくさんの葉っぱ。
その光合成によるエネルギーで、レンコンは育っていきます。
実は、このエネルギーの正体こそ、でんぷんなのだ。
長男は、一番最初にできるため、もっともたくさんの でんぷんを、受け取るんですね。
でんぷんの量は、三男の2倍以上!
だから、ホクホク、モチモチになるってわけ。
この兄弟には、もう一つ、決定的な違いがあります。
レンコンに切れ目を入れて、パカッと割ると、糸を引く。
このレンコンは、三男。
シャキシャキなのは三男なのですが、その秘密は、糸にあるようです。
長男を折っても、あまり糸は出ません。
ところが三男なら、糸がいっぱいだ。
電子顕微鏡で確認しても、その差は歴然です。
三男は若い組織なので、新しくしなやかな糸が、たくさん。
それが、シャキシャキ食感につながるのだとか。

![NHK きょうの料理 2017年 10月号 [雑誌] (NHKテキスト)](https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/61HjdPtdvEL._SX270_.jpg)
後半に続きます。
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