【卵】 1日何個まで? 認知症に効く鶏肉は?/ゲンキの時間
<卵の新常識>
◆1日1個は間違い?
◆コレステロールは大丈夫?
◆旬はあるの?
◆赤いのと白いの、栄養価が高いのはどっち?
◆おいしい卵かけごはんの作り方は?
◆カラザは、取る? 取らない?
◆ゆで卵の むきにくさの理由。
◆腹持ちがいい卵料理は?
◆認知症予防になるという、鶏肉の部位は?
◆鶏むね肉を、やわらかくする方法。
ドクネット:東京家政大学 大学院 栄養学科 峯木眞知子 教授。
ゲスト:遼河はるひ。
ゲンキスチューデント:滝裕可里。
ゲンキリサーチャー:チャンカワイ(Wエンジン)。
2017年9月24日放送の「健康カプセル! ゲンキの時間」より、「~ 1日1個は もはや都市伝説!? ~ 完全食 卵 200%効果UP」からのメモ書きです。

□ 卵パワー

さあ、今回のテーマは何でしょうか?

「卵」です。
1日1個までなど、今まで持っていたイメージは正しいのか、専門家に教えてもらいましょう。
後半では、認知症予防になるという鶏肉の部位も。
卵は、とっても身近な食材。
風邪の時には、玉子酒。
大涌谷の黒たまごは、1つ食べれば 7年寿命が延びると、言われています。
でも、同時に、こんなイメージも。
・摂り過ぎると、コレステロールが気になる。
・1日1個までにしています。
これって、本当なのだろうか?
ちなみに、ゲンキスチューデントの滝裕可里さんは、多い時だと 1日に5個くらい食べてしまうそう。
ゲストの遼河はるひさんは、宝塚を退団する前、卵かけごはんに凝っていたそうな。
今は、卵にマヨネーズを入れて、スクランブルエッグのように焼くらしい。
まずは、恒例の基礎クイズから。
Q)卵にも様々な食材と同じく、旬がある。
これは「〇」でしょうか「×」でしょうか?
答えは、「〇」。
卵にも、旬があるんです。
卵の新常識を求めて、チャンカワイさんが向かったのは、長野県松本市。
農事組合法人「会田共同養鶏組合」です。
ここには、約24万羽のニワトリがいるという。
国産品種の親鶏から、毎日20万個近くもの、高品質でおいしい卵を生産しています。
内閣総理大臣賞や農林水産大臣賞も、受賞してるんですよ。
さっそく、鶏舎の中を案内してもらいました。
中は、自遊空間。
たくさんのニワトリが、自由に地面を歩き回っています。
これを、「平飼い」という。
卵はちゃんと、小さく仕切った中に産まれています。
というのも、暗いところで産む習性があるのだとか。

卵1つで、鶏が生まれてくるための、すべての栄養素が凝縮されています。
では、人間にとっては、どのくらい健康的な食材なんでしょう?
食品と健康の関係に詳しい専門家に、教えてもらいましょう。
お茶の水健康長寿クリニックの 白澤卓二 先生。
「卵は、たんぱく質、脂質、炭水化物、そして、ビタミンとミネラル、この 5大栄養素が、すごくバランスよく整ってる完全栄養食品なんですね」
中でも、たんぱく質は、高齢者の健康を支える強い味方。
養鶏組合の会長、中島学さんに、そのヒントがありました。
中島さんは、昭和4年生まれ。88歳になります。
その1日は、卵かけごはんでスタート。
活動量だって、すごいのだ。
自ら率先して力仕事に励み、足取りだって、実に軽やか。
姿勢も、シャキっとしています。
1日中、動きっぱなし。
見た目も、若々しい。
88歳にして この肉体を維持できる理由の一つが、卵のたんぱく質にあるようですよ。
白澤先生の解説。
「たんぱく質というのは実は、アミノ酸から構成されているんですけども、アミノ酸のバランスというのは、(食品ごとの)たんぱく質によって、まちまちなんです」
「卵のアミノ酸組成は、非常にバランスがいいんですね」
たんぱく質を構成するアミノ酸のバランスは、食品ごとに、「アミノ酸スコア」という数値で評価されます。
食品に含まれる必須アミノ酸のバランスを数値化したもので、高いほど良質なたんぱく質ということになる。
卵は、アミノ酸スコアが 100点なのだ。
また、肉や魚に比べても、たんぱく質の利用効率が高いんです。
つまり、筋肉が衰えがちな高齢者にとって、卵は、最適なたんぱく源というわけ。
しかも、ますます卵がおいしくなるシーズンが、これからだという。
旬になり、栄養価も高くなってくる。
涼しくなり、親鶏にとって快適になるこれからが、卵のシーズンなのだ。
□ コレステロール

おいしくて健康にいい卵ですが、やっぱり気になるのが、「コレステロール」。
含有量は、食材の中でも、トップクラスです。
<高コレステロール食材>
卵:420mg
しらす干し:390mg
たらこ:350mg
豚レバー:250mg
(100gあたり)
あまり食べない方が、いいのだろうか?
でも、会長は、1日に3~4個は食べているという。
60年前からそうらしいですが、今もこんなに健康。
卵の品質管理をしている人も、多い時は 1日に5~6個を食べるらしい。
こんなに食べるのに、会長のコレステロール値は、正常範囲の真ん中よりちょっと下だという。
品質管理の人も、健康診断で正常範囲です。(LDLコレステロール値)
専門家の解説を聞いてみましょう。
白澤先生のお話。
「血液中のコレステロールの約8割は、肝臓で自分で作っているものなんですね」
「ですから、食事由来のコレステロールは約2割で、それほど影響が大きくないんです」
また、食事から多く摂ったとしても、その分、肝臓が作り出す量を減らし、コレステロールの全体量を、一定に保っているんです。
卵の摂取頻度と血清総コレステロール濃度には、関連が無いというデータも。

ただし、遺伝的に体内のコレステロールを、うまくコントロールできない人もいます。
気になる場合は、お医者さんに相談してくださいね。
□ 白い卵と赤い卵

卵といえば、白いのと、赤っぽいのが、ありますよね。
これに、差はあるのでしょうか?
Q)白い卵と赤い卵、より栄養価が高いのはどっち?
A:白い卵。
B:赤い卵。
C:どちらも変わらない。
答えは、「C:どちらも変わらない」。
卵は、殻の色と栄養成分は、関係ありません。
殻の色を左右するのは、親鶏の品種。
一般的に、羽の色と同じ色の卵を産むと言われているそうです。

では、「卵黄の色の濃淡」は、どうでしょう?
こちらも、栄養価とは無関係。
エサの色素が反映されているだけなのだとか。
□ おいしい卵かけごはん

続いては、卵の食べ方について。
まずは、卵かけごはんです。
おいしく食べるコツは?
<割り方>
角ではなく、平らなところで、割る。
その方が、殻が入りにくい。
<作り方>
まず、白身と黄身に分ける。
次に、卵白を軽くかき混ぜ、ごはんにかけます。
勢いよく、かき混ぜましょう。
卵白が全体にいきわたったら、真ん中に卵黄を落とし、醤油をたらす。
卵黄をからめて、召し上がれ。

□ 卵の新常識
<卵白と卵黄の違い>
卵白は、脂質を含まないため、低カロリー。
筋肉増加に最適な、たんぱく質の「アルブミン」が豊富。
一方、卵黄には、高血圧を予防改善する「コリン」や、眼病予防効果のある抗酸化物質の「ルテイン」が含まれる。
どちらにも、利点があるようです。
<カラザは、取り除いた方がいいの?>
卵を割った時に出てくる、白いひも状のやつ。
これを、「カラザ」と言います。
カラザは、黄身を中心に支えているバネの役割をしている。
料理する時、これは取った方がいいのでしょうか? 取らない方がいいのでしょうか?
白澤先生によれば、「取らない方がいい」。
カラザには、シアル酸という成分が含まれています。
シアル酸には、体内に侵入したウイルスと結合し、活性を抑える働きがあるんです。
つまり、風邪やインフルエンザの予防になるのだ。
<むきやすいゆで卵>
むきやすい ゆで卵もあれば、薄皮がなかなか取れないものも、ありますよね。
その差は、何なのでしょう?
どうも、鮮度が関係しているらしいぞ。
卵の構造や性質に詳しい専門家に、聞いてみましょう。
東京都は板橋区にある、東京家政大学。
大学院 栄養学科の 峯木眞知子 教授です。
「産みたての卵っていうのは、卵白に 二酸化炭素が多く含まれているんですね」
「そして、時間が経つにつれて、二酸化炭素が抜けていきます」
新鮮な卵をゆでると、卵白に含まれる二酸化炭素が膨張。
すると、表面が殻に張り付き、むきづらくなるんです。
一方、産まれてから時間が経った卵は、二酸化炭素が抜けた分、卵白と殻の隙間が広くなり、むきやすくなるのだ。
この二酸化炭素の差が、食感の違いにも、つながるんですよ。
時間が経った卵の方が、二酸化炭素が抜けたことで、プリッとした食感になるのだそう。
ここでまた、クイズです。
Q)生卵、半熟玉子、ゆで玉子、玉子焼き。
上記の卵料理を、胃での消化時間が長い(腹持ちが良い)順に、並べてください。
答えは、「ゆで玉子 → 玉子焼き → 生卵 → 半熟玉子」。
腹持ちの良さ第1位は、ゆで玉子。3時間半です。
2位は玉子焼きで、3時間。
どちらも、加熱で完全に固形になっているため、消化が緩やかになります。
第3位は、生卵。2時間半。
4位は半熟玉子で、2時間。
生の卵白には、消化酵素の働きを抑える たんぱく質が含まれているのだとか。
そのため、半熟より、消化時間が長くなる。
□ ドクネット
引き続き、東京家政大学 大学院 栄養学科 教授の 峯木眞知子 先生(農学博士、管理栄養士)に、教えていただきます。
<保存期間>
生卵は、冷蔵保存で加熱調理が前提なら、賞味期限が切れても、ゆうに1か月は大丈夫だそうです。
(生卵は、生鮮食品なので、なるべく早く食べ切るのが理想です)
ただし、ゆで卵にすると、日持ちはせいぜい、4~5日になる。
調理した場合には、早めに食べましょうね。
□ 鶏肉と認知症

鶏肉のある部位には、認知症予防の効果があるという。
鶏肉の健康効果について、専門家に教えてもらいます。
女子栄養大学 栄養学部の 西村敏英 教授です。
「鶏肉は、豚肉や牛肉と比べて、脂肪が少なくヘルシーな食材です」
「たんぱく質も多く含まれていて、中でも、必須アミノ酸であるロイシンやトリプトファンがたくさん含まれているのが特長です」
ロイシンは、筋肉量を増やしてくれるアミノ酸。
基礎代謝を上げ、ダイエット効果が期待できます。
トリプトファンは、心を落ち着かせてくれる脳内物質「セロトニン」の材料になります。
鶏肉は、心身ともに健康へと導いてくれる食材なのだ。
さあ、最後のクイズです。
Q)認知症の予防効果が最も期待できる鶏肉の部位は、どこでしょうか?
A:もも肉。
B:むね肉。
C:レバー。
答えは、「B:むね肉」。
むね肉には、「イミダゾールジペプチド」が豊富に含まれている。
イミダゾールジペプチドは、体内に入ると、いったん分解され、脳で再合成されます。
その際、記憶力アップや脳機能を向上させるということが、近年、分かってきたのだとか。
また、イミダゾールジペプチドには抗酸化作用があり、脳疲労の原因となる活性酸素を除去してくれる働きもあります。
そんな健康パワーたっぷりの鶏むね肉ですが、パサつくのが嫌という人もいるかもしれません。
そういう場合には、こんな方法はどうでしょう。
<鶏むね肉をジューシーにする方法>
材料:
鶏むね肉:200g
水:100cc
砂糖:小さじ1/4
塩:小さじ1/4
水に砂糖と塩を溶かし、鶏むね肉を1時間以上浸す。
(鶏肉をあらかじめ切って浸せば、時間を短縮できます)
あとは、焼くだけ。

砂糖と塩には保水性があるため、筋繊維の間に水分が入り込み、ジューシーでプリッとした食感になるとのこと。
「帰って、親子丼作ろうかなって思いました」と、遼河はるひさん。
すると、三宅さんが言った。
「あのね、温かいごはんに白身をかけて、かき回して、黄身をのっけて、そこにむね肉」
なるほど、新しい親子丼だ!


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