【こんにゃく 後編】 丹野益夫さんの しらたき料理/ガッテン
コンニャクで、デザートまで作れる。
「コーヒーゼリー風」。
あく抜き不要?
パッケージの原材料で、確認できるぞ。
粉にすることを発明した、中島藤右衛門さん。
おかげで保存ができるようになり、えぐみもなくなった。
イタリアで大人気の「シラターキ」。
<丹野益夫さんの実習コーナー>
2時間凍らせ技で、アルデンテの食感。
◆ クラゲ風酢の物。
◆ そうめん風しらたき。
◆ コールスロー。
◆ バンバンジー。
◆ めかぶの和え物。

□ コーヒー漬け

スタジオでは、またまた試食。
「こんにゃくのコーヒー漬け」
1人前 100g で 46kcal。
コーヒーの中で、一晩、漬けただけ。

初めは半信半疑といった顔をしていましたが、食べるや一変。
みなさん、「おいしい!」と口元がゆるみました。
<作り方>
コンニャクを食べやすい大きさに切り、ポリ袋に入れる。
100g あたり 5g の砂糖を加え、2~3分、よくもみましょう。
そこにコーヒーを加えて、漬け込みます。
冷蔵庫で、一晩ほど、置いてください。
他にも、同じ方法で、「こんにゃくの はちみつレモン漬け」も作れる。
コンニャクには、加熱が大敵なんですね。
でも、袋には、「沸騰したお湯で、ゆでてからご使用ください」と書いてたりするぞ。
実は、それは、原材料に「こんにゃく芋」と書かれているものだけなんだって。
今、ほとんどのコンニャクは、「こんにゃく粉」が使われています。
このタイプは、あく抜きが不要なのだそうです。
パッケージで、確認しましょう!
□ 中島藤右衛門さん

茨城県 大子町(だいごまち)。
街を見下ろす小高い丘に、「蒟蒻神社(こんにゃくじんじゃ)」があります。
そこで祭られているのが、中島藤右衛門(1745~1825)。
この人こそ、コンニャク作りに革命をもたらした、大発明家なのだ。
当時、コンニャクは重くて、運ぶだけで一苦労。
そこで知恵を絞ったのが、藤右衛門さんだったのです。
重いから、流通に不向き。
さらに、えぐみがあるので、そのままじゃとても食べられません。
そこで発明されたのが、「粉こんにゃく」でした。
1776年、藤右衛門さんは、コンニャクを輪切りにして乾燥させ、臼(うす)で粉にする方法を思いついたのでした。
藤右衛門さんの発明より前、コンニャクは、芋をそのまま すり潰して、作っていたのだそうな。
でも、それには大きな問題が。
試食した宮森くんが、顔を歪めましたよ。
「う…あ…ピリピリする!」
こんにゃく芋には、「シュウ酸カルシウム」という強烈なえぐみ成分があるんです。
でも、カラカラに乾燥させて、細かい粉にすれば、えぐみは ほとんど残りません。
粉をお湯で溶かしただけで、えぐみは、ほぼなくなるそうです。
しかも、粉にしたおかげで、保存ができるようになった。
貴重だったコンニャクを、いつでも誰でも、食べられるようになりました。
今、世界中でコンニャクが食べられるのも、中島藤右衛門さんのおかげなんですね。
□ 食感

続いては、食感です。
シコシコ、コリコリの歯触りに変えちゃう、魔法のような裏技を紹介しちゃいます。
まったく食感が違うという、謎のコンニャク。
そのヒントを求めて向かったのは、意外なことに、イタリアでした。
なんと、今、イタリアでは、コンニャクが大人気なのだ。
この5年で消費量は、5.5倍に急増。
スーパーには「KONJAC」と書かれた商品が並んでいます。
ミラノ市にお住いの、クラウディア・カザノーヴァさん。
コンニャクが大好きで、週に1~2回は、必ず食べるといいます。
でも、日本から持ってきたコンニャクとシラタキを見て、驚いていました。
「何これ?」
「ニオイが、全然ダメ」
そうなんです。実は、イタリアのコンニャクは、日本とは全く別物。
パスタの形にして乾燥させたコンニャクを、使います。
その名も、「シラターキ」だ。
調理方法は、普通のパスタと一緒。
沸騰したお湯に入れて、8分ほど ゆでます。
クラウディアさんいわく、「シラターキは、誰が作っても絶対にアルデンテになるから、素晴らしいのよ」。

このパスタ風の、シラターキ。
イタリアでは、とってもポピュラーな存在に。
若者に人気のカフェチェーン「ZERO FASTFOOD」では、12種類ものパスタ風シラターキが販売されています。
1皿450g と牛丼特盛なみのボリュームですが、カロリーは 100kcal ほど。

日本とは違う、イタリアのコンニャク。
そこには、山形の達人が食感を変える技と、共通したものがあるらしいぞ。
達人・丹野益夫さんの言葉。
「コンニャクは、骨までできる」
アルデンテ=歯ごたえが残る=芯が残る=骨、ということか。
丹野さんは、歯ごたえを変えたいコンニャクを、冷凍庫で保管します。
中には、まるで板のようになったコンニャクが、吊るしてある。
「2時間ぐらい凍らせると、食感が全然違うんです」
「ちょうど、ふぐの皮を食べた感じ」
「芯まで凍ってないし、2時間ぐらいの凍り方だから、コンニャクが残ってるんですよ」
凍らせると、何が変わるのでしょうか?
生のコンニャクを顕微鏡で見ると、透明に見えます。
しかし、2時間冷凍すると、何だか白っぽく見えてきました。
ヒビのようなもの(白い線)が、ありますね。
これは、食物繊維が氷の粒に圧縮されて、できたもの。
これを常温に戻すと、水分が抜けて、この ひも状のものが、いわば「コンニャクの骨」になるのだそう。

アルデンテの芯の部分ですね。
□ 実習コーナー
さあ、ついに、達人がスタジオに登場します。
丹野益夫さんだ。
さて、こんにゃくの骨ですが、長く凍らせてはダメだという。
「凍みコンニャク」というのはありますが、それとは別物になります。
2時間凍らせ、解凍してから使う。
解凍すると、けっこうな水が出ます。
この水が出た分、味がしみやすくなるのだ。
<2時間凍らせ技>
(1) 板コンニャクを袋から出し、水で洗います。
(2) 5ミリ幅で短冊に切り、金属バットに重ならないように並べ、ラップをして、冷凍庫で 2時間冷凍保存する。
(3) 調理する時は、解凍し、水をよく絞ってから、使いましょう。

スライスしたタマネギとベーコンと炒めると、食感だけでなく、風味まで、まるでお肉に。
グラタンや、青椒肉絲などの炒め物にも、おススメなのだとか。
<クラゲ風酢の物>
材料:2人前
こんにゃく(白):250g
きゅうり:1本
ポン酢しょうゆ:大さじ2
ごま油:少々
塩:2g
砂糖:6g
白ごま:少々
(1) 上記のように、5ミリ幅に切ったコンニャクを、2時間冷凍保存。
(2) 解凍したら、縦半分に切ります。
(3) キッチンペーパーで包み、しっかり水気を絞りましょう。
(4) キュウリも、同じ大きさに切っておきます。
塩でもんでから、砂糖を加えて軽くもみ、少し置いたら、水気を軽く切る。
(5) ボウルに、キュウリとコンニャクを入れ、調味料(ポン酢、ごま油)と白ごまを加えて、和えます。
(6) 器に盛りつけたら、できあがり。

1人前(125g)で、43kcal。
<そうめん風しらたき>
材料:2人前
しらたき:200g
砂糖:10g
めんつゆ:適量
薬味:お好みで
(1) しらたきを水洗いし、食べやすい大きさに切ります。
(2) 200g あたり 10g の砂糖を加え、2~3分、ポリ袋で、もみましょう。
(3) 袋から出したら、水洗い。
(4) 水気を切ったら、氷の上にあげます。
(5) めんつゆで、召し上がってください。
お好みの薬味を、お供にとうぞ。

カロリーは、10~12kcalほど。

砂糖でもんだり、凍らせることで、コンニャクは一変します。
新たな世界を、楽しんでくださいね。

ガッテン! ガッテン!
□ 新たに期待される健康効果

コンニャクに、新たな健康効果が期待されているといいます。
岐阜大学 応用生物科学部の 早川亨志 先生。
食物繊維を研究しています。
早川先生が注目するのが、これ。
「実はですね、我々のお腹の中にいる腸内細菌が、コンニャクを分解して、エネルギーのもとを作っているということが、最近、分かってきたんです」
いくつかの腸内細菌が、コンニャクの一部を分解し、そこからオリゴ糖を作っていることが分かったのだ。
オリゴ糖は、他の腸内細菌、中でも善玉菌のエサになってくれる、非常にありがたい存在。
さらに、コンニャクから、小腸の機能を改善する成分や、美肌効果のあるビタミンB6など、大事な栄養素が作られている可能性があるらしい。
□ 達人ワザ おすすめレシピ
しらたきは、砂糖で 2~3分もんだあと、しっかりと水洗い。
キッチンペーパーで絞って、よく水を切ります。
そのまま野菜やドレッシングと和えれば、ヘルシーなサラダに。
<コールスローしらたき>
材料:2人前
しらたき:200g
砂糖:10g
キャベツ:200g
ハム 薄切り4枚:40g
粒マスタード:大さじ1.5
塩:小さじ1/3

他にも、こんな料理が。
<棒々鶏(バンバンジー)しらたき>
材料:2人前
しらたき:200g
砂糖:10g
鶏むね肉:100g
酒:少々
きゅうり:1/2本
トマト:1個
ゴマだれ:大さじ1

<めかぶしらたき>
材料:2人前
しらたき:100g
砂糖:5g
めかぶ 1パック:40g
おろししょうが:小さじ1
ポン酢:大さじ1

しらたきは、冷凍や加熱しない方が、ノド越しのよさが味わえ、おススメです。


次回は、これ。
腰痛改善の通算9回目だ。
「腰痛改善の新たな一手! 珍体操で劇的改善SP」。
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