【片づけられない理由】 セルフネグレクト&ADHD/ゲンキの時間




片付けられない人には、どんな特徴があるんだろう?


部屋が散らかっていることで起こる、健康被害。

チャタテムシが、アレルギーの原因に。


<アドバイス>

大掃除は、秋にすべし。

玄関を片付けて、気持ちを外へ。



セルフネグレクト予備群チェック。

いろんなきっかけで、ゴミ屋敷になってしまう可能性が。


ADHDの女性の体験談。



ドクネット:杏林大学 精神神経科 古賀良彦 名誉教授。

 相模原病院 臨床研究センター 川上裕司 特別研究員。

 東邦大学 看護学部 岸恵美子 教授。

 市ヶ谷ひもろぎクリニック 精神科診療部長 本郷誠司。

ゲンキスチューデント:春香クリスティーン。

ゲンキリサーチャー:深沢邦之。



2017年8月27日放送の「健康カプセル! ゲンキの時間」より、「~ なぜ片付けられない?? ~ 部屋の状態で分かる心と身体」「部屋乱雑に潜む心身の問題」からのメモ書きです。




ゲンキの時間 片付けられない理由




部屋が散らかる理由と健康被害


エノキ
さあ、今回のテーマは何でしょうか?

ササミ
「部屋を片付けられない原因」についてです。

散らかった部屋が及ぼす意外な健康被害の原因や、なぜ片づけられないのかを、学んでいきましょう。

誰でもゴミ屋敷になってしまう可能性があるらしいですよ。





まずは、恒例の基礎クイズから。


Q)片付けられない原因の一つに、「認知症」があります。その特徴は、次のうちのどれでしょう?

 A:どこから片付けていいかが分からない。

 B:部屋が散らかっていても気にならない。

 C:片付けたくても、片付ける意味が分からない。











答えは、「B:部屋が散らかっていても気にならない」

認知症の人は、部屋が散らかっていること自体が理解できないため、片付けようという意欲が起こらないのが、大きな特徴なんです。





深沢さんが、片付けられない人のお宅を訪問。

58歳女性、Aさん。

ご主人と二人暮らしで、買い物好きだという。


片付けが苦手だというAさんの家を、覗かせてもらいます。


すると、玄関先に、いきなり、荷物の山が。

聞いてみると、効率を優先しているらしい。

よく使うものを、使いやすいように、置いてるんです。


 チェック(1):見た目よりも効率優先。



リビングは、観葉植物がいっぱいだ。

気に入った植物を買い足していくうちに、ベランダに はみ出すまでになってる。

ペンや筆なども、たくさん。

使わないものでも、集めてしまうようです。


 チェック(2):集めるのが好き。



部屋をつなぐ廊下も、物置き状態。

これでは通れませんね。

「ここに置いとけばいいか」の積み重ねらしい。


 チェック(3):面倒くさいので、後でまとめて…。



この家が散らかっているのには、この3つの理由があるようです。


家が散らかる理由




ここで、専門家の先生が登場。

相模原病院 臨床研究センター 特別研究員の、川上裕司 先生です。

先生は、生物アレルゲンの権威なのだ。


川上先生には、片付けられない家の健康被害について、調査してもらうことになりました。


まず気になったのは、観葉植物。

見ると、お皿に水が溜まっています。

これが室内を湿気させるのだという。


高い湿度は、アレルゲンの代表格である「ダニ」や「カビ」の大好物。

気温25℃、湿度70%を超えると、ダニの繁殖・カビの発生は、大幅に増加するのだそう。


ちなみに、この部屋は、エアコンをつけているのに、湿度が 64% ありました。

エアコンなしだと、もっと、高温多湿になりそうです。



ここから、本格的に調査開始だ。

1㎡ あたり どのくらいダニがいるのか、3分間掃除機で吸って、ダニの量を測定します。


先生が都内近郊を調査した結果は、一般住宅の平均で、「51匹」でした。

でも、この家は、「1701匹」。30倍以上だ。



さらに、空気中に浮遊している 目に見えないカビの量もチェック。

結果、リビングは、一般家庭の「2.7倍」。

寝室は、「4倍以上」でした。



ダニやカビが原因となって、高齢者が発症しやすいアレルギーもあるので、要注意です。

さらに、この大量のカビが、新たな恐怖の引き金になることも。

最近の研究で、大人になってから かかるアレルギーは、ダニやカビとは違うある物質が原因で引き起こされるケースが多いことが、分かってきているのだという。


そのアレルゲンがこの部屋にあるのか、先生にチェックしてもらいます。

ターゲットは、通路に置かれた紙類。


作業を始めて10分後、それは見つかりました。

ちいさいのが、動いてますねぇ。

これが、「チャタテムシ」


チャタテムシ


この虫そのものも、アレルギーの原因になるのだとか。

本に生えるようなカビを、食べているらしいですよ。

ダニなど小さな虫は、さらに小さいその糞が、肺の気道の奥まで、すぐ入ってしまうんです。



チャタテムシの数は、一般住宅の平均で、「29匹」。

でも、この家では、「552匹」でした。


今年の7月、埼玉の病院では、チャタテムシが原因で、予定されてた38件の手術が中止になっています。




<川上先生のアドバイス>


 大掃除は、秋にすべし。



6月の梅雨から 8月9月は、虫やダニ、カビが、猛烈に増えます。

どんなに掃除しても、増えるピーク。

だから、10月に、本格的な大掃除をすると。


掃除機の排気口から、アレルゲンが出てしまうこともあるそうなので、窓は全開にしましょう。




気持ちを外へ


ササミ
さらに、専門家が登場。

杏林大学 精神神経科の、古賀良彦 名誉教授です。


Aさんの心理状態から、片付けのアドバイスをしてもらうことになりました。


話を聞くと、物が増え始めたのは、5年前だという。

「歳と共に、捨てるのも億劫になった」と、Aさん。



<古賀先生のアドバイス>

 気持ちを外に向けるべし



年を取ると、どうしても片付けきれなくなります。

そうすると、ますます物が増えて、部屋の中に縛られた生活に。


そうならないためにも、気持ちを外に出す。

外と接点を持つと、「あれ? これでいいのかな?」と今の状態に気づけるようです。

内と外を、比べられる。


年を取って、片付けが億劫になると、物が多くなり、部屋の中に閉じこもる生活になりがち。

そこから、気持ちを外に向けましょうというわけ。



<古賀先生のアドバイス>


 外部と積極的に接触し、自分の状況を客観的に見ることができるようにすべし。



それにより、自主的に、片付けの必要性を感じるようになると。




具体策として、外部との接点である「玄関」を片付けるよう、提案されました。


必要だからと玄関に置いていたものを、整理します。

「作業効率優先」から、「せめて人を招くことができるくらい」に、お片付け。


これまでは物が雑然と置かれていた玄関先のスペース。

要らないものは、この際、捨てて、見栄えのいいものだけを残しました。


玄関の片付け


印象が、だいぶ変わりましたね。


玄関を片付けて、気持ちを外へ!




セルフネグレクト


ササミ
ここで、古賀先生から、片付けに関するキーワードが。


「ゴミ屋敷というと、特別なもののように、お思いになると思うんだけど」

「実はね、そんなに特別な物じゃないんですよ」

セルフネグレクト、この言葉をご存知でしょうか?」



専門家に、詳しく教えてもらいましょう。

東邦大学 看護学部の、岸恵美子 教授です。


「セルフネグレクト」とは、どういうものなのでしょう?


人の生活に必要な行為、「食べる」「入浴」「病院の受診」などをしない、あるいは、できないことで、生命や健康、安全が損なわれる状態に陥ることだという。



【セルフネグレクト】

成人が通常の生活を維持するために必要な行為を行う意欲・能力を喪失し、自己の健康・安全を損なうこと。

必要な食事をとらず、医療を拒否し、不衛生な環境で生活を続け、家族や周囲から孤立し、孤独死に至る場合がある。

防止するためには、地域社会による見守りなどの取り組みが必要とされる。自己放任。

(大辞泉より)




ある調査では、セルフネグレクトに陥った人のおよそ 6~7割が、ゴミが散らかったままの部屋で生活していることが分かっているらしい。

さらに、最近よく耳にする「孤独死」の8割が、セルフネグレクト。

大きな社会問題になってきているのです。



そんなセルフネグレクトは、誰でも陥ってしまう可能性が。




[体験談]


奥さんを亡くし、一人になってしまった男性、Bさん。

これまで、奥さんに家事を頼りきりだったので、食生活は荒れるようになったという。

ゴミの分別もよく分からず、おざなりになってしまいました。


ある日のこと、ご近所から、苦情が来ました。

ゴミの分別対するクレームです。

それまで仲良く付き合っていましたが、このことで周囲の目が気になるようになってしまった。

徐々に外出も減り、家の中に こもることが多くなりました。


結果、セルフネグレクト状態に。

室内にゴミが溜まっていき、ゴミ屋敷になってしまったといいます。


配偶者が亡くなってしまったショックだけでなく、このように、周囲とのちょっとした行き違いから、セルフネグレクトに陥ってしまうこともあるんです。




そんな人々と接する機会が多いのが、清掃会社の人々だ。

東京都は江戸川区にある、株式会社まごのて。

スタッフさんによると、セルフネグレクトは、年配の方だけでは ないのだという。


ある女性が、彼氏と別れて片付ける気もなくて死にたいです、と話したことがある。

失恋がきっかけて、セルフネグレクトになったんですね。

部屋の清掃を依頼された際、そんな彼女に元気を取り戻してもらうため、積極的に話しかけたのだそう。

そうしているうち、最初はあまり話をしなかった彼女が、少しずつ口を開くようになりました。

作業が進むと、会話以外にも変化が。

部屋がきれいになると、顔色も変わってきた。

朝、死にそうな顔してたのが、笑顔が出るようになったんです。


その後、女性は結婚。

子どもも生まれました。



単に片付けるとか、ゴミを捨てるだけではなく、人と人がつながることが、とても大事なんですね。

できれば、誰かに思いを打ち明けられるのがよい。

共感してもらえることが、救いになります。
 



ドクネット


ササミ
引き続き、杏林大学 精神神経科の 古賀良彦 名誉教授に、教えていただきます。



片付けられなくなる理由の一つに、「人との交流、コミュニケーションが少ない」というのがあるそう。

そうすると、他人に自分の部屋を見られないので、片付けることに対する基準が低くなってしまいます。


古賀先生いわく、「部屋は心の鏡」

部屋を見ると、人の心の疲れや痛みが、現れて見える。




<セルフネグレクト 予備群チェック>


 (1) 昔のカレンダーが、貼りっぱなし。

 (2) いつか捨てようと思って、ゴミを溜めてしまう。

 (3) 賞味期限切れのものが、複数ある。

 (4) トラブルがあっても、周囲に相談せず、自分で解決しようとする。



当てはまる数が多いほど、何かのきっかけで、セルフネグレクトになる可能性が高いそうです。


セルフネグレクト予備群チェック




<セルフネグレクトのきっかけ>


 ・転職や転勤。

 ・リストラ。

 ・多忙。

 ・引っ越し。

 ・人間関係のトラブル。

 ・失恋。

 ・病気やケガ。

 ・配偶者を含めた親しい人の病気や逝去。

 



ADHD


ササミ
心の状態やセルフネグレクトの他にも、その人のある特徴から、片付けられない場合も、あるようです。


この言葉を、ご存知でしょうか?

「ADHD(注意欠如多動性障害)」


市ヶ谷ひもろぎクリニック 精神科診療部長の 本郷誠司 先生に、教えてもらいます。


 AD=不注意

 HD=多動性


ADHDとは、脳の働きに偏りがあり、それが様々な特性として現れること。

思いつきで衝動的に行動したり、じっとしていることが苦手で落ち着きがない、気が散りやすく片付けが苦手、などの特徴があります。




【ADHD】


注意欠陥多動性障害。小児期に出現する、注意力散漫と多動を特徴とする症候群。学習障害に通じる。
(大辞林より)


幼児期に現れる発達障害の一。不注意(物事に集中できない、忘れ物が多い)、多動性(落ち着きがない、じっとしていられない)、衝動性(突飛な行動を取る、順番を守れない)などを特徴とする。脳の器質的または機能的障害が原因とされる。注意欠陥・多動性障害。注意欠如・多動症。
多く、年齢が上がるとともに多動の症状は減少するが、不注意と衝動性は成人になっても残る場合があり、これを成人ADHDという。
(大辞泉より)





[体験談]


ADHDと診断された女性、Cさん。

アルバイトをするようになってから、仕事の順序が分からなくて、注文ミスをしてしまったり、周りの人と同じように、どう努力してもできないという悩みが。


片付けに関しても、苦労があるという。

本棚を片付けていたのに、今度は机が散らかっているから、机を片付けなきゃとか。

机を片付けていたら、床が散らかっているから片付けなきゃとなって、なかなか進まないのだという。

目に映るものが気になってしまうようです。

誰でも できそうな簡単な片付けも、次々に注意が移ってしまって、ひと部屋分の片づけですら、半日かけても、まったく進んでいない時があるそうです。


人が簡単にやっていることが、できない。

自分がADHDだと気づいていなかった時は、そんな自分自身を責めてしまうこともあったのだそう。


ある日、思い切って、自分の状態をインターネットで検索したところ、一致したのが、ADHDでした。


原因が分かって安心したと、Cさんは振り返ります。

病院から薬が処方されましたが、薬はあくまで補助的なものだと、本郷先生は言う。


本郷先生の解説。

「ADHDは、泳げない子どもと同じようなものですよねと」

「泳ぎが得意な子もいれば、泳ぎが苦手な子もいる」

「薬は浮き輪でね、泳ぐのを助けてくれて」

「薬を飲みながら、いろいろなことをやっていって、今までうまくできなかったことができるようになると、薬は減らせるかもしれない」


現在、Cさんは、メモ帳を常に持ち歩き、大切なことは、色を付けたり、図を描くなど、工夫しています。

なくしやすいものは、場所を決めておくようにするなど、日々、改善に向けて努力を続けているそうです。



古賀先生のお話。

「ADHDというのはですね、広い意味では病気なんですけど、ある意味で、その方の個性というか、そういうものなんですよね」

「そういうような個性が、もし誰かから指摘されたりとか、何か自分がちょっと個性が強すぎるなと思った方は、専門医に相談していただくことが必要です」



また、一方で、ADHDの人は、「感受性の豊かさ」や「行動的」なところ、「好きなことには高い集中力を発揮する」などの長所もあります。

有名な芸術家、職人、医師にも、数多くいることが分かっているのだそう。




ひと口に片付けられないといっても、その原因や理由は、様々なんですね。

自分の個性に合わせて、片付けやすい方法を、見つけていきましょう。





ルポ ゴミ屋敷に棲む人々 (幻冬舎新書)



マンガでわかる大人のADHDコントロールガイド






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tag : 健康カプセル!ゲンキの時間 掃除


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