【マスク】 正しいつけ方と漏れ率100% メガネが曇る時は?/ゲンキの時間
正しいマスクの着け方とは?
抜群の効果に驚き! 抹茶と線香を使った実験。
不織布フィルターの実力。
間違った付け方だと、漏れ率100%になる可能性も。
そうならないための注意点。
<お悩み解決法>
・メガネが曇る。
・耳が痛い。
・化粧が落ちる。
ドクネット:日本医科大学 多摩永山病院 耳鼻咽喉科 後藤穣 教授。
東京工業大学 環境・社会理工学院 リサーチアシスタント 飯田裕貴子。
ゲンキスチューデント:片岡安祐美。
ゲンキリサーチャー:ずん(飯尾&やす)。
2017年3月19日放送の「健康カプセル! ゲンキの時間」より、「~ 花粉・ウイルスから身を守れ! ~ 賢い予防法&マスクの使い方」からのメモ書きです。

□ マスクの実力

春の空気は、意外と汚れてるんです。
花粉に黄砂、PM2.5などが飛んでくる。
そんな時は、マスクをすることが、非常に重要!
でも、残念な着け方をすると、効果が台無しです。
そこで今回は、マスクを着ける時の注意点と予防法について、紹介しちゃいますよ。
まずは、恒例の基礎クイズから。
Q)次のうち、PM2.5の成分は、どれでしょう?
A:炭素。
B:硫酸塩。
C:金属。
答えは、「全部」。
PM2.5とは、成分を特定しているわけではなく、大気中の粒子の大きさを示すものなんです。
PMは、particulate matter の略。
大気中の浮遊物質で、粒子の大きさが「2.5μm」以下のものすべてのことなのだ。
2.5μm は、1mm の400分の1。
非常に細かいため、肺の奥に入りやすく、肺がんや ぜんそくの原因となる可能性があります。
そんな怖いものから身を守ってくれるのが、マスク。
でも、意外と、見落としがちな点が、あるみたいですよ。
いつもの着け方、実は、間違ってるかも。
ずんの二人が向かったのは、東京工業大学。
環境・社会理工学院のリサーチアシスタント 飯田裕貴子さんに、教えてもらいます。
飯田さんは、医療や工事などの現場で使うマスクを研究しているのだ。
マスクの用途は、主に2つ。
(1) エチケット
風邪をひいている人が、周囲にウイルスを、まかないようにする。
下の画像は、咳や くしゃみの飛沫(しぶき)が、どのくらい飛び散るのか特殊撮影したものです。

飛沫は、約2メートルも飛び散っちゃうのだ。
でも、マスクを着けると、ウイルスなどの飛散を、大幅に防ぐことができる。
(2) 捕集。
もう一つは、空気中の花粉や菌、ウイルスなどを、吸い込まないようにするためです。
そこで、マスクの捕集効果を、検証することに。
実際、どれだけ細かい粒子を、ブロックできているのでしょうか?
<実験>
2つのアクリルの筒で、マスクを挟み、しっかりと固定。
掃除機で、空気の気流を作り、そこに抹茶の粉を吸い込ませる。
そして、空気の汚れを比較できる特殊な測定器で、マスクを通過する前と後の空気を比較します。
模擬実験では、漏れ率が10%以下なら、捕集効果大ということに。
ちなみに、抹茶の粒子は、約4μm(1mm の約250分の1)。
これは、黄砂とほぼ同じなのだとか。

実験の結果、漏れ率は「6.33%」でした。
かなり優秀です。
一般的なプリーツ型のマスクの場合、何枚かのフィルターを重ね合わせてあります。
表面のプレフィルターには、抹茶がたくさん付着。
しかし、内側のメインフィルターには、わずかしか付いていない。
口に接するバックアップフィルターでは、抹茶の粉がまったく目視できません。

マスクはこのように、いくつかのフィルターを重ね合わせることで、捕集力を高めているんですね。
続いて、線香の煙で、実験です。
線香の煙の粒子は、小さいもので、約0.1μm。
これは、ウイルスとほぼ同じ大きさです。
実験結果は、漏れ率「8.92%」でした。
10%を切っています。
細かい粒子でも、ちゃんと止めてくれてるんですね。
この強力な捕集力の秘密は、フィルターの素材にあります。
マスクのフィルターは、「不織布(ふしょくふ)」で出来てるんです。
不織布について知るために向かったのは、茨城県は古河市(こがし)の日本バイリーン。
実は、不織布は、糸や繊維を織って作るのではなく、非常に細い繊維同士を特殊な針でつつくなどして、複雑に絡ませたものなんです。
その特徴を、工場長さんに、教えてもらいましょう。
「穴自体が表から裏面に、まっすぐ抜けていることは、まずない」
「そのような特徴がありますので、ホコリはまっすぐ行かないので、止まりやすい」
「空気は通すけれども、粒子とかホコリとか、そういうものはキャッチしやすいと」
不織布は、繊維が複雑に絡み合っているため、空気は通しても、チリやホコリを通しにくいんですね。

そのため、エアコンのフィルター等にも、使われています。
さらに、マスク用の不織布には、驚きの工夫があるという。
飯田さんによると、マスクの真ん中に入っているフィルターが、肝らしい。
実は、これ、帯電させてあるのだ。
帯電させることで、ウイルスなどの細かい粒子が、静電気で引きつけられて、くっつくんです。
静電気の層を入れたことで、息は楽で、捕集率は高くなったんですね。
業界では、「フィルター革命だ!」と言われたほど。
技術力アップで、心配なし!
かと思いきや、注意点があります。
飯田さんも、こう言ってた。
「ちゃんと着ければ、効果がすごく高い」
□ 恐怖の漏れ率100%

今度は、人がマスクを着けた状態で、効果を検証。
4人のゲンキチャレンジャーに集まってもらいました。
花粉症、風邪の予防など、みなさん、普段からマスクを使っています。
<実験>
(1) 普段通りに、マスクを着けてもらう。
(2) マスクの内側と外側の粉じん量を計測する。
空気中の粉じん量を100%とし、マスク内の粉じん量が30%なら、合格点。
(粉じん=空気中に浮遊する チリ状の粒子)
まずは、一人目から。
Mサイズを選択し、しっかりと顔に密着させました。
ところが、結果は、漏れ率 66.3%。
あらら…。
二人目も、Mサイズを選択。
耳が痛くなるため、大きめのマスクを使ってるそうです。
顔全体を、しっかり覆いましたよ。
その結果は、漏れ率 100%。
着けてないのと、変わらなかった。
おろろ…。
三人目は、どうでしょう。
マスクを先に折ってから、着けましたよ。
なんと、こちらも、漏れ率 100%。
あれ?
四人目は、少し小さめのマスクを選びました。
マスクで アゴの先まで、覆います。
結果は、漏れ率 36.84%。
悪くないですが、30%以内ではありませんでした。
マスクは、正しく着けないと、性能を発揮できないんです。
<正しいマスクの着け方>
(1) マスクの中心を軽く折って、目印に。
顔の中心に合わせる。
その際、ちゃんと端を合わせた状態で、折ってください。
中心からズレた所で折ってしまうと、頬の右と左がズレてしまう。
すると、脇の部分が、空きやすくなってしまいます。
(2) ノーズフィッターを、鼻の形にしっかり沿わせること。
マスクは、正しいサイズを選びましょう。
大きいと、それだけで隙間ができてしまいます。
また、着ける際は、鼻の周りの隙間に注意。
ノーズフィッターを、しっかりと鼻の形に合わせましょう。
(3) プリーツをしっかり広げて、アゴをカバーする。
マスクの下部分も、要注意。
ちゃんと伸ばして、アゴの奥まで、覆ってください。
(4) 最後に、両手でなじませ、フィットさせること。

飯田さんのアドバイスに従いマスクを着けて、再測定。
すると、こんなに改善しました。
Aさん:漏れ率 66.3% → 7.24%。
Bさん:100% → 14.68%。
Cさん:100% → 15.46%。
Dさん:36.84% → 6.89%。
見事、30%以内に。全員、合格です。
□ ドクネット
日本医科大学 多摩永山病院 耳鼻咽喉科の 後藤穣 教授に、解説していただきます。
マスク以外で、花粉やウイルスに関して予防するには、どうしたらいいのでしょう?
後藤先生によると、手洗いや うがいが、重要。
花粉対策なら、うがいは、水道水で十分です。
風邪やウイルスの予防では、ヨード液を使う人が多いですよね。
その際、より濃くすれば効果が上がると思ってしまうかもしれませんが、濃いヨード液のうがいは、粘膜を痛める可能性もあるので、注意してください。
使用上の注意をよく読んで、書いてあることを守って、希釈すること。
花粉対策では、まず、花粉を家の中に持ち込まないようにすること。
家に入る前に、服を叩く。
玄関に、空気清浄機を置くなど。
ウイルス対策としては、この時期 まだ空気が乾燥する日も多いので、加湿器を使って、50~60%の湿度を保つことが大切。
花粉症の治療には、薬で症状を抑える対症療法と、根本的に治す免疫療法があります。
最近、注目されているのは、「舌下免疫療法」。
スギ花粉などの原因物質を、少しずつ取り入れて、慣らしていく方法です。
非常に安全性が高くて、アレルギー性鼻炎や花粉症の体質を根本的に変えていく治療法として、期待されている。
いずれ、液体から錠剤になるのではないかと。
そうすれば、より、取り扱いやすくなりますね。
□ マスクのお悩み解決法

マスクを使ってるのだけれど、こんなところが困る。
そんな人のために。
<メガネが曇る>
マスクの位置が、やや低いのではないかと。
なので、鼻とマスクの間に隙間ができて、呼気が漏れ出てしまっている。
メガネが曇るのは、鼻の部分から、息が漏れている証拠。
マスクのノーズフィッターを、顔のラインにしっかり合わせて、漏れをなくしましょう。
<耳が痛い>
耳が痛くなるのは、耳に当たるゴムひもが細くて、圧がかかるため。
そんな時は――
ゴムひもにガーゼなどを巻くとよい。
一か所にかかる負荷が分散し、痛みが軽減します。
<メイクが落ちる>
最近では、メイクが落ちにくいように、形状や素材など、工夫されたマスクが出ているそうです。
メイクが落ちにくいマスクを使用する。

気になるのが、マスクを交換する頻度。
これは、「1日 1枚」。
花粉の拡散源やウイルスの感染源になるので、マスクは1日使用したら、廃棄するのが基本です。
では、食事の際など、いったん外す時には、どうしたらいいのでしょうか?
一時的にマスクを外す時は、表面についた 花粉やウイルスを まき散らさないよう、外側に折りましょう。


[関係する記事]
→ 「マスクの効果、ウイルスカット率が0%から90%に!」
→ 「風邪と線毛細胞、新型ドライマウス」
→ 「花粉症に 舌下免疫療法」
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tag : 健康カプセル!ゲンキの時間 花粉症
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