【ピーナッツの健康効果】 死亡率 2割減/ガッテン 1/2
毎日食べれば、心臓病、糖尿病、腎臓病の死亡率が、2割減に。
ハーバード大学が研究発表した、驚きの健康効果とは?
カギは、油にあった。
オレイン酸が、悪玉コレステロールを減らしてくれる。
パルミチン酸、リノール酸、α-リノレン酸が、血管を強くしてくれる。
1日に食べる量は?
落花生研究室 雨宮昭彦 室長。
2017年1月11日放送の「ガッテン」より、「血管を強くしなやかに! ピーナッツパワー解放ワザ」からのメモ書き。
前編です。

□ ピーナッツと健康

ハーバード大学で、ある研究成果が発表されました。
なんと、あるものを食べるだけで、心臓病や腎臓病のリスクが下がり、死ぬ確率が 2割も減るのだという。
理由は、血管にありました。
全身の血管を強く、しなやかに保つ効果があると、分かったんです。
研究の責任者、ハーバード大学の ウォルター・ウィレット教授のお言葉。
「その食べ物は、あなたを何年も、長生きさせてくれます」
さて、その食べ物ですが、実は、すごく身近なもの。
お酒のお供にもなる、アレなんです。
スタジオに運ばれてきたのは、「柿ピー」。
番組では、おかきとピーナッツの比率が、「5:1」と紹介されていました。
これは、数かな。
あるメーカーでは、重量で「6:4」にしているとのこと(柿の種6:ピーナッツ4)。
コンピューターで管理されているのだ。

先ほどの論文に出てくる食材ですが、「ピーナッツ(落花生)」なんです。
ピーナッツを毎日食べる人は、心臓病、糖尿病、腎臓病での死亡率が、(食べない人に比べ)2割減に。
ハーバード大学が30年かけて、12万人を追跡調査した結果だという。
(「Association of Nut Consumption with Total and Cause-Specific Mortality」)
でも、ピーナッツって、カロリーが高いですよね。
食べ過ぎると、太りそうだし、ニキビも心配。
鼻血が出るっていう俗説まである(あくまで、俗説です)。
ということで、アメリカに飛び、聞いてみることに。
ハーバード大学附属病院で、ウォルター・ウィレット教授にお話を伺いました。
「ピーナッツはこれまで、身体に悪いと信じられてきました」
「しかし、それは大きな誤解だったのです」
「ピーナッツを食べれば、長生きが期待できるうえに、生きている間も、健康でいられるんですよ」
病院内のレストランでは、今、入院患者さんを対象にした「健康メニュー」の開発が進んでいるのだそう。
その中で一番注目されている食材が、ピーナッツ。
キャベツや豆と一緒に炒めると、「たっぷりピーナッツのソテー」に。

シェフのお話。
「ピーナッツは、素晴らしい小さな食材だよ。疲れて倒れそうになった時は、手の平いっぱいのピーナッツで、生き返るんだ」
□ どこに実るの?

健康によいというピーナッツですが、どんな風に実るのか、知ってます?
向かったのは、千葉県農林総合研究センター 落花生研究室。
日本で唯一の、ピーナッツ研究所なのだとか。
品種改良を行いながら、世界中 1600種のピーナッツを育てている。
ピーナッツ博士こと、雨宮昭彦 室長に、案内してもらいましょう。
なんでも、落花生の花は、1日で しぼんでしまうのだそう。
その生態とは?
夏、ピーナッツは、黄色い花を咲かせます。
花が咲いて、しぼんだ後、1週間ほどすると、何か出てきたぞ。
それがグングン伸びて、地中へ。
もう1本、もう1本と、次々と地中へ。
地中へ入った先っぽは、40日以上かけて、ピーナッツへと成長。


そして、これこそが、ピーナッツの健康パワーを生むカギらしい。
伸びていった部分は、「子房柄(しぼうへい)」。
雌しべの付け根の部分の名称です。
マメ科の植物には、子房柄と呼ばれる部分があるんですが、地中へと伸びるのは、ピーナッツだけ。
1つの苗から、30本以上も 子房柄が伸びて、地下で実になります。
□ カギは 油

さて、では、ピーナッツの何が身体にいいんでしょうか?
薬になる部分は、どこ?
そのヒントは、本場アメリカの流儀にありました。
あるお店では、落花生の殻(から)を、みんな床に捨てる。
それにも、訳が。
その名も、「ピーナッツ・ワックス」。
油分で床が、ピカピカになるのだとか。
というわけで、ピーナッツ最大のポイントは、「油」なのだ。
ピーナッツの成分のうち、50%は油。
<落花生・バターピーナッツの栄養素>
(100gあたり)
エネルギー:592kal
たんぱく質:25.5g
脂質:51.3g
炭水化物:18.2g
食物繊維:6.9g
落花生が地中に潜るのにも、理由があるといいます。
それは、空中にぶら下がっているより、安全だから。
そして、これが効いてくる。
地中にあるミネラルが、直接入ってくることに。
そして、デンプンを油に変えてくれるんです。
これが、油が多い理由。
しかも、ただの油じゃありません。
オレイン酸
不飽和脂肪酸の一種で、悪玉コレステロールだけを減らしてくれる。
パルミチン酸
飽和脂肪酸の一種で、血管を作ってくれる。
リノール酸
α-リノレン酸
不飽和脂肪酸の一種で、血管を強くしてくれる。
ピーナッツには、人間が必要な油が、すべて含まれているのだ。
ピーナッツオイルは、飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸のバランスが、理想的なのです。
黄金バランスで含まれるこの油が、心筋梗塞や脳出血を予防して、死亡率を下げてくれるんですね。
再び、ハーバード大学の ウォルター・ウィレット教授の言葉。
「ピーナッツの油は、健康的な油です」
「しかも、たくさんのビタミンやミネラルなど、健康に良い成分のすべてが、ピーナッツ1粒に含まれているんですよ」
ちなみに、ピーナッツのすごさに いち早く気づいたのが、この人。
ジョン・ケロッグ(1852-1943 John Harvey Kellogg )。
シリアル食品でおなじみの、あの企業の生みの親です。
120年前、医師だったケロッグさんは、身体が弱った患者でも食べられる栄養食を探していました。
そこで考えたのが、ピーナッツを潰した「ピーナッツバター」。
栄養たっぷりの油のおかげで、弱った人が みるみる回復したといいます。
(チャーリー・ブラウン、聞いてるか?)
さらに、もう一人、ピーナッツの力に気づいた人が。
ルドルフ・ディーゼル(1858-1913 Rudolf Christian Karl Diesel )。
ディーゼルエンジンの生みの親です。
彼が初めてディーゼルエンジンを開発した時、燃料として使ったのが、ピーナッツオイルだったのだ。
実は、ピーナッツオイルは、油の中でも、とても燃えやすい性質があるのだとか。
滋賀県立大学 山根浩二 教授の感想。
「ディーゼルさんが ディーゼルエンジンを ピーナッツ油で最初に動かしたのが、よく分かるというか、非常に面白いなと思いましたねえ」
ところで、ピーナッツを1日に、どのくらい食べたらいいんでしょうか?
論文に書かれているのは、「An Ounce a Day」。
つまり、1日 1オンス。
グラムに変換すると、1日に 28gですね。
これは、約20粒。

<ピーナッツの健康効果>
・おススメは、1日 20粒 程度。
・ただし、カロリーに注意!
(20粒で、 150kcal=ごはんだと 茶碗半分ちょっと)
ウィレット博士のおススメは、こう。
「肉や炭水化物を、少しだけ ピーナッツに置き換える」

ピーナッツに含まれる油が、健康パワーの源でした。
毎日食べれば、血管が強くなる。

ガッテン! ガッテン!


後半では、おいしい食べ方を紹介します。
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