【毛細血管】ゴースト化を防ぎ増やす方法は、スキップ/ガッテン


今週のテーマは、「アンチエイジングの新常識」


毛細血管は、何%?

スコープで大調査。


年齢と共に減り、肌トラブルの原因に。

ゴースト化とは?

むくみがサイン。


<漏れと病気>

ぜんそく、糖尿病性網膜症、認知症・アルツハイマー病。


<血管新生>

漏れを防ぐカギは、血流。


<増やす方法>

その場スキップ。

シナモンで。



解説:大阪大学教授 血管生物医学会 理事長 高倉伸幸 先生。



2016年7月13日放送の「ガッテン」より、「アンチエイジングの新常識 毛細血管ケアSP」からのメモ書きです。




ためしてガッテン 毛細血管ケアSP




毛細血管の世界


ササミ
今週のテーマは、「アンチエイジングの新常識」

カギは、「毛細血管」にありました。


毛細血管が、年齢と共に、死んでしまう?

その結果、シミやシワが!

痴呆症やアルツハイマーの原因にも?

呼吸器や肝機能の障害にまで、関係?


でも、朗報です。

毛細血管は、復活できる!

よみがえらせる、その方法とは?



スタジオに登場したのは、全身が真っ赤な「血管マン」。

人間の毛細血管を、データをもとに、プリントアウトしたものだ。

実は、人間の血管は、これでも足りないくらい、細くて、たくさんあって、緻密なんです。



ここで、クイズ。

Q)毛細血管は、血管全体の何%でしょう?











答えは、「99%」

血管のほとんどが、毛細血管なのだ。



大阪大学大学院 基礎工学研究科の 鈴木貴 教授。

コンピューターを使ったシミュレーションで、リアルな血管網を再現しようと、研究に励んでおられる先生です。

その力で、こんなにすごいCGが完成した。


毛細血管のCG


全身の毛細血管を合わせると、一人の人間で「10万km」ある。

これは、およそ、地球2周半分だという。


毛細血管は、肺でもビッシリ。

肺では、酸素と二酸化酸素を交換しています。

臓器も、毛細血管で覆われているんですね。



驚くべきは、量の多さだけではなかった。

細さも、すごい。

なんと、動脈の「1000分の1以下」なのだ。




自治医科大学 分子病態治療研究センターの 西村智 教授。

顕微鏡に独自の改良を重ね、誰にもマネできない毛細血管の映像を捉えることに成功しました。

生きている血管の中の、1つ1つの細胞が見えるようになっている。


特殊な光を使い、高解像度の顕微鏡で撮影。

動脈では、赤血球が流れているのが見える。

毛細血管の中でも、黒い粒(赤血球)が一列に並んで流れ、酸素を運んでいるのが見えます。


血管と赤血球




毛細血管には、身体の隅々まで 酸素と栄養を届かせるための、すごい仕組みが。


毛細血管が生まれ、酸素の足りない場所へ、自ら伸びる。

向こうからも伸びてきて、やがて、つながるのだ。


伸びる毛細血管


張り巡らされた毛細血管は、まるで森のよう。

生命の循環ですね。





ここから一転、ショックなデーターが。


人間の皮膚にある毛細血管の量を、実際に調べた研究結果。

それによると、20代と60~70代の平均を比べたら、毛細血管の量は、4割も少なくなっていたんです。


年齢と共に減っていく、毛細血管。

その影響が大きいのは、何といっても、身体の一番外側にある「お肌」です。

これが、シミやシワなど、様々なトラブルの元凶になるのだそう。


他にも、例えば、肝臓の毛細血管が減れば、その働きが低下してしまう。

肺や脳などの毛細血管が減ると、様々な病気の引き金になることも。


普段、見えない毛細血管ですが、それが減ることは、身体にとっての一大事なのだ。




実験とゴースト化


ササミ
ここでスタジオに、毛細血管を観察する装置が登場。

なんでも、数か月前にできたばかりのシステムらしい。


「毛細血管スコープ」

毛細血管を画像解析し、その減り具合を測定できる。


装置と共に、測定機器メーカーの社長、武野團さん(あっと株式会社代表取締役)が来てくれました。

この機器の特徴は、リアルタイムで毛細血管を見られるところ。

薬指の爪の下のあたりを、見るようです。


血管美人による測定


毛細血管スコープは、0.7×0.5mm の狭い視野を観測する。




目を凝らして毛細血管を見ると、赤血球が一列になって流れているのが分かります。

こうした画像を詳しく解析すると、健康な毛細血管がどれだけあるか、分かるのだという。



というわけで、ガッテン大実験!

たくさんの人に協力していただき、ひたすら調べる。

東京と神戸の2か所で、10代から80代までの男女 100人以上に、毛細血管を測定させてもらいました。


分析に協力してくれるのは、こちらの4人。


大阪大学大学院 医学系研究科 循環器内科学の 増田大作 特任助教。

心臓や動脈硬化の専門家だ。

「毛細血管の環境を見るということによって、病気の前の段階で、身体の変化を見つけ出すと」


大阪大学大学院 医学系研究科 保健学の 中根和昭 准教授。

血管画像を医療データとして扱えるようにした、数学者。

「もし、これが定量評価できるんだったら、他の健康状態と結びつけることができるだろうと」


大阪大学大学院 医学系研究科 臨床統計疫学の 新谷歩 教授。

データを解析する、医療統計のスペシャリストです。

「自分の体の中で何が起こっているのか、あれだけ鮮明に出る」

「今までにないような指標として、すごく期待をしています」


そして、この調査を率いるのが、日本の血管研究のトップ。

大阪大学 微生物病研究所の 高倉伸幸 教授だ。




まず、注目するのが長さ。

先生たちは、「足」と呼ぶそう。

血管の足が長いのが、血管美人の状態だという。


血液の流れが悪くなってたら、要注意。

酸素や栄養がうまく運ばれていない可能性も。


一口に毛細血管といっても、人によって、いろんな特徴があるようです。


そして、怖いのが、「ゴースト化」と呼ばれる状態。

毛細血管が、消えかかる。

血流が、見えたり、見えなかったり。


ゴースト血管


ゴースト状態の血管を見ると、管だけになって、血流が見えなくなっている。

これでは、酸素や栄養が、うまく運ばれません。


血液が来なくなると、管はどうなるか?


実は、退化しちゃうのだ。

血管の輪切り画像を見ると、途中でバラバラになり、消えている。

最悪の場合、血管自体がなくなってしまうことがあるのだという。



でも、なぜ、血液が届かなくなるんだろう?



スタジオに、毛細血管の模型が登場しました。


1つ1つの細胞が数珠つなぎのようになって、連なってできてますね。

その周りを補強してくれているのが、「壁細胞(へきさいぼう)」。

毛細血管を外側から補強し、血管の構造を丈夫に保ってくれています。


あれ?

その模型から、水が垂れてる。


実はこれ、故障ではなく、正しい状態なんです。

毛細血管というのは、周りの細胞に酸素や栄養を届けるため、適度に漏れるようにできているのだ。



じゃあ、ゴースト血管のような状態は、どうして起きるの?


壁細胞が剥がれ、内側の細胞の接着がゆるんで、漏れる。

なので、先まで届かないんです。




高倉伸幸先生の解説


ここでスタジオに、専門家の先生が登場。

大阪大学教授で、血管生物医学会の理事長、高倉伸幸 先生。



さて、どうして、壁細胞が剥がれちゃうんでしょう?


<毛細血管劣化の原因>

(1) 加齢に伴う細胞の寿命。

(2) 血糖値やコレステロールの上昇が、血管の細胞にダメージを与える。



 壁細胞が剥がれる → 血管の構造が弱まる → 細胞同士の接着がゆるむ → 隙間から血液成分が漏れる



今回の実験では、290人の毛細血管を調べました。

(測定機器メーカーの140名も追加)

それによって、毛細血管の量の、各年齢の平均値が出た。


基本的に男性の方が多いのですが、40代までに一気に減っています。

一方、女性の方は、減り方が緩やかだ。




さて、毛細血管が衰える自覚症状ですが、「むくみがサイン」らしい。

外から見て分かりやすいのが、むくみ。

皮膚の下の毛細血管で漏れが起こると、むくんで、やがて、たるみに。



<漏れと病気の関係>

(1) ぜんそく : 肺で漏れがひどいと、悪化する。

(2) 糖尿病性網膜症 : 網膜の毛細血管の漏れが原因で、失明の可能性も。

(3) 認知症・アルツハイマー病 : 脳の毛細血管から神経細胞に、害のある物質が漏れることが一因。




今までは、なかなか容易に毛細血管を観察することができませんでした。

しかし、技術の進歩で、見えるようになってきた。

すると、毛細血管というのは比較的もろい構造だと、分かってきたんです。

いろんな外的要因で、かなり潰れてしまう。

しかも、加齢でどんどん減ってしまうというデータも、出てきました。

臓器の加齢による機能低下は、これが原因なんじゃないかと。


しかし、毛細血管には、「血管新生」というメカニズムも。

新たに血管を伸ばしてくれるんです。


じゃあ、漏れを防ぐポイントとは?


重要なのは、「血流」

血流があると、細胞が動いて、きれいに並ぶのです。

結果、細胞同士が接着し、漏れなくなるのだ。


血流の効果


細胞は、流れを認識すると、細胞同士がくっつく作用が働くのだという。

「血流UPが、毛細血管の漏れを防ぐカギ」




復活させる方法


ササミ
年と共に減っていく、毛細血管。

それを復活させるカギは、血流アップにあった。


では、具体的には、どんな方法が?


3つの方法を、試してみましたよ。


 (1) お風呂。

 (2) ウォーキング。

 (3) お酒。



お風呂は、心臓病の権威である 獨協医科大学 特任教授で和温療法研究所の 鄭忠和(てい ちゅうわ)さんが、すすめてくれた。

自分が一番いい湯だなと思う温度に、10分間、肩までしっかり入ってもらう。

温度は、40℃~41℃が おススメです。

汗をかいた分だけ、水分を補給してくださいね。


ウォーキングにも、一工夫が。

3分ゆっくり歩いた後に、3分間の早歩き。

これを交互に繰り返す。



結果は、こうなりました。


 <毛細血管の変化量>

 (1) お風呂:+8%。

 (2) ウォーキング:+27%。

 (3) お酒:-6%。



お酒は一人しか調べてないので、あまり参考にはならないかも。




今回紹介する方法は、一歩先を行ったもの。

簡単にやれる方法です。


それは、「スキップ」


ポイントは、第2の心臓とも呼ばれる「ふくらはぎ」に。

スキップすると、ふくらはぎのポンプ作用で、下半身に溜まった血液が、上がっていきます。

すると、全身の血流が、よくなるのだ。


でも、外でスキップは、恥ずかしい。

そこでおすすめなのが、「その場スキップ」

一度に20回、手と足をしっかり上げて、スキップする。

朝・昼・晩の3回、やりましょう。


その場スキップ



座り作業の多い現代人は、血液が下に溜まりがち。

そこで、1日に3回、こまめに血流を戻してあげれば、よい状態を長く保つことができる。



さっそく、毛細血管の数値が悪かった4名に、この方法を実践してもらいました。

そして1週間後、このような変化が。


血流が増えた分、毛細血管の姿が、はっきりと見えます。

ある男性は、血管の量を示す数値が、39%もアップ。

寝る前まで温かくなり、寝つきがよくなったという。


スキップの効果


4人の平均でも、51%アップ。

血流が増えて、毛細血管も増えた。



スキップの代わりになるのが、「かかとの上げ下げ」です。

1日に20~30回。

朝・昼・晩に分けて、行いましょう。




ササミ
ふくらはぎのポンプ機能を鍛えることで、血流を上げる。

すると、毛細血管が復活するんです。

エノキ
ガッテン! ガッテン!




シナモンの効果


ササミ
食べ物で毛細血管を若返らせることができたら?

そんな研究も、進んでいるのだとか。


資生堂 ライフサイエンス研究センターの加治屋健太朗 博士が、紹介してくれました。

「ケイヒエキス」

一般的には、「シナモン」として知られています。



医療の現場でも、シナモンを取り入れているところがある。

漢方薬として、血流改善に効果があることが、昔から知られていたんです。


金沢医科大学 総合内科学 赤澤純代 准教授。

「シナモンの一種は とっても効果があって、毛細血管の内皮と内皮がひっついて、流れやすくて漏れない血管ができるんですね」


シナモンは、少しの量でも効果が期待できるそうです。

(シナモンの健康効果は、まだ研究段階。摂り過ぎないように、注意してください)


コーヒーや紅茶にちょっと混ぜて、シナモンティーに。

シナモントーストという手も。


毛細血管を大切にし、健康と美をゲットしましょう。





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次回は、糖尿病予防になり、ダイエットにも役立つ。

「オクラ! ネバネバパワー新伝説」。


来週はお休みで、放送は 7月27日に。




[関係する記事]

 → 「毛細血管が消える? 壁細胞と静脈マッサージ ピーヤシとは?」
 → 「血栓を溶かす方法+脳梗塞の特効薬 t-PA」

 → 「足のむくみ(下肢静脈瘤)はストッキングで改善」
 → 「効果的なウォーキング 病気を予防できる歩数は?」




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