「大動脈瘤 MMPと中心血圧/ためしてガッテン」
時々、ニュースなどで耳にする“大動脈瘤”。
でも、大動脈って、どこだろう?
破裂してしまうと 3人に2人は助からないと言われますが、気がつかない人も多いのだとか。
一説には、16~26万人の人が気づいていない可能性もあるとか。
では、どうやって気をつければいいのでしょう?
12月15日放送の「ためしてガッテン」より、「バン!おなかの血管が突然破裂する日」からのメモ書きです。

□ 大動脈って、どこにある?
街の人に大動脈の位置を質問したのですが、知ってる人は少ないみたい。
名前は知ってても、位置までは知りません。
大動脈は、全身に血液を送る大循環(体循環)の本幹をなす動脈。直径2~3センチの人体でも最も太い血管です。
それが心臓の左心室から上に出たのち、弓のように曲がって下降し、おへその辺りまで伸びる。
参考(図あり) → 大動脈瘤/大動脈解離 - 日本動脈硬化学会 一般啓発サイト
こんな極太血管が、体の中心を通ってたんですね。
1分間に流れる血液は約4リットルといいますから、この血管が破れたらたいへん。大量出血を起こしてしまいます。
この大動脈、何と、伸び縮みするそうです。
“弾性繊維”という物質が含まれていて、心臓の動きに合わせて伸び縮みし、ポンプの役割もするのです。
なので、“第2の心臓”とも呼ばれる。
血液を全身に送るのに、一役買っています。
□ 気づきにくいのが、怖い
大動脈瘤の瘤(りゅう)とは、“コブ”のこと。
大きいものだと、7~8センチになるらしい。
正常な胸部大動脈の直径が2~3センチだといいますから、コブが倍以上の大きさになってしまう。
ならばすぐ気が付きそうなものですが、どうも、そうではないらしい。
コブができても、痛みなどの自覚症状がない場合が、多いのだそうです。
胸部大動脈瘤だと、胸のX線写真で影が映って気づくこともあるとか。その時に、初めて気づく。また、腹部の物だとコブの存在にまれに気づくこともあるものの、やはり痛みがないので、見逃されることが多いそうです。
あるいは、大動脈瘤が周囲を圧迫して、別の症状が出ることもあるらしい。気管を圧迫すると呼吸困難になるし、食道を圧迫すると、飲み込むのが困難になるともいいます。
痛みがした時は破裂した時だった、なんてことになったら、怖いですよね。
また、検査機器が発達した昨今ですが、健康診断や人間ドックを受けていても、大動脈瘤は確実に見つかるわけではないそうです。
それ用の検査をしないので、発見されないことも。
定期検診の項目を見ても、大動脈瘤の検査は、書いてませんものね。
□ 大動脈瘤の原因(1)
原因として考えられるのが、まずは“動脈硬化”。
余分なコレステロールを掃除してくれるマクロファージですが、MMP(マトリックスメタロプロテアーゼ)という酵素を生産することがあります。コレステロール処理に忙しくなりすぎると、炎症が起きてしまい、マクロファージはMMPを出す。
そしてこのMMP、何と、大動脈の弾性繊維を壊す性質を持っているんですね。
すると、どうなるか。
マクロファージが出したMMPで、弾性繊維が壊される。
↓
すると、その部分の血管壁が脆くなって、弾性がなくなる。
↓
弾力がないので、血液の圧力をもろに受け、コブのようにふくらんでしまう。
(弾力で押し戻すことができない)
↓
そこで炎症が起こり、またマクロファージがMMPを出し続ける。
↓
どんどん弾性繊維が薄くなり、コブが大きくなってしまう。
↓
そしてある日、血圧に耐えきれなくなって、破裂。
(* これは、原因と考えられている仮説の一つとのこと)
□ 大動脈瘤の原因(2)
もう一つは、“高血圧”。
その血圧ですが、上と下だけでなく、他に○○血圧というものがあるらしい。
それは、中心血圧。
通常の血圧は腕で測った血圧ですが、中心血圧は、心臓から出たばかりの大動脈での血圧。
これが高いと、大動脈瘤ができやすくなるらしい。
では、なぜ、中心血圧だけが高くなることがあるのか?
健康な人の場合、心臓が血液を押し出す力はスムーズで、末端まで伝わります。
ところが、動脈硬化を起こしている人の場合、血液が通りにくいので、押し戻す力が働いてしまう。
この、血液を流そうとする力と 押し戻そうとする力がぶつかり、中心血圧が上がる。
そしてその部分に、大動脈瘤ができやすくなると。
中心血圧は心臓を出たばかりの血管の血圧ですが、押し戻す力に抵抗するため、高くなるんですね。
最近では中心血圧を測る病院もあるそうですが、まだ普及しているとはいえないそう。
でも、あくまでも目安ですが、以下のようなことが。
・そもそも高血圧の人は、要注意!
・また、最高血圧-最低血圧=60以上 の人は、中心血圧が高くなっている可能性があるそうです。
ただ、あくまで、目安。
気になる人は、病院へ。
→ 中心血圧│オムロン技術用語集
□ 予防と治療
動脈硬化や高血圧を悪化させ、血管を脆くする要因としては、喫煙もあるとのこと。
お酒は、ほどほどであれば、問題ないらしい。あくまで、ほどほど、適量なら、ですよ。
あとは、男性の方がなりやすいそうです。
というのも、女性ホルモンには、動脈硬化を抑制する効果があるらしい。
大動脈瘤が見つかった場合、コブの大きさで手術するかどうかを判断するとのこと。
一般には、
腹部で5センチ
胸部で6センチ
になると破けやすくなるので、手術適応。
手術で、患部を人工血管に置き換えます。
また最近では、ステントグラフトという方法があって、折りたたまれた人工血管をカテーテルで送り、動脈瘤のある部位で広げて固定するという手術法もあるそう。
→ ステントグラフト内挿術│東京医科大学
ところで、大動脈瘤をどうやって見つければいいの?
胸部の大動脈瘤は、胸のX線写真を撮る機会が多いので、意外と見つけやすいとのこと。
健康診断でも、撮影しますよね。
腹部の大動脈瘤はX線では見つけにくいので、エコー検査が基本。
なので、胆石や肝臓の検査の時に、「大動脈はどうですか?」と、聞いたらいいそうです。
一言、一手間で、安心できる。
キーワードは、「ついでに診てください」。
検査する人はたいへんかんもしれないけど、よろしくお願いします。
番組HP → バン!おなかの血管が突然破裂する日 : ためしてガッテン - NHK

□
自覚症状のないものは、怖いですね。
そしてけっこう、大事な器官がそうであることが多い。
肝臓は沈黙の臓器といわれるし、腎臓だってそうですよね。
大動脈も、そうだったか。
しかも、どの器官も、見えないところで頑張って働いていてくれるんですね。
意識しないところで、支えてくれている。
だから、時にはケアしないと、申し訳ないかも。
全部自分に返ってくるわけだし。
結局、生活習慣という気がするなあ。

でも、大動脈って、どこだろう?
破裂してしまうと 3人に2人は助からないと言われますが、気がつかない人も多いのだとか。
一説には、16~26万人の人が気づいていない可能性もあるとか。
では、どうやって気をつければいいのでしょう?
12月15日放送の「ためしてガッテン」より、「バン!おなかの血管が突然破裂する日」からのメモ書きです。

□ 大動脈って、どこにある?
街の人に大動脈の位置を質問したのですが、知ってる人は少ないみたい。
名前は知ってても、位置までは知りません。
大動脈は、全身に血液を送る大循環(体循環)の本幹をなす動脈。直径2~3センチの人体でも最も太い血管です。
それが心臓の左心室から上に出たのち、弓のように曲がって下降し、おへその辺りまで伸びる。
参考(図あり) → 大動脈瘤/大動脈解離 - 日本動脈硬化学会 一般啓発サイト
こんな極太血管が、体の中心を通ってたんですね。
1分間に流れる血液は約4リットルといいますから、この血管が破れたらたいへん。大量出血を起こしてしまいます。
この大動脈、何と、伸び縮みするそうです。
“弾性繊維”という物質が含まれていて、心臓の動きに合わせて伸び縮みし、ポンプの役割もするのです。
なので、“第2の心臓”とも呼ばれる。
血液を全身に送るのに、一役買っています。
□ 気づきにくいのが、怖い
大動脈瘤の瘤(りゅう)とは、“コブ”のこと。
大きいものだと、7~8センチになるらしい。
正常な胸部大動脈の直径が2~3センチだといいますから、コブが倍以上の大きさになってしまう。
ならばすぐ気が付きそうなものですが、どうも、そうではないらしい。
コブができても、痛みなどの自覚症状がない場合が、多いのだそうです。
胸部大動脈瘤だと、胸のX線写真で影が映って気づくこともあるとか。その時に、初めて気づく。また、腹部の物だとコブの存在にまれに気づくこともあるものの、やはり痛みがないので、見逃されることが多いそうです。
あるいは、大動脈瘤が周囲を圧迫して、別の症状が出ることもあるらしい。気管を圧迫すると呼吸困難になるし、食道を圧迫すると、飲み込むのが困難になるともいいます。
痛みがした時は破裂した時だった、なんてことになったら、怖いですよね。
また、検査機器が発達した昨今ですが、健康診断や人間ドックを受けていても、大動脈瘤は確実に見つかるわけではないそうです。
それ用の検査をしないので、発見されないことも。
定期検診の項目を見ても、大動脈瘤の検査は、書いてませんものね。
□ 大動脈瘤の原因(1)
原因として考えられるのが、まずは“動脈硬化”。
余分なコレステロールを掃除してくれるマクロファージですが、MMP(マトリックスメタロプロテアーゼ)という酵素を生産することがあります。コレステロール処理に忙しくなりすぎると、炎症が起きてしまい、マクロファージはMMPを出す。
そしてこのMMP、何と、大動脈の弾性繊維を壊す性質を持っているんですね。
すると、どうなるか。
マクロファージが出したMMPで、弾性繊維が壊される。
↓
すると、その部分の血管壁が脆くなって、弾性がなくなる。
↓
弾力がないので、血液の圧力をもろに受け、コブのようにふくらんでしまう。
(弾力で押し戻すことができない)
↓
そこで炎症が起こり、またマクロファージがMMPを出し続ける。
↓
どんどん弾性繊維が薄くなり、コブが大きくなってしまう。
↓
そしてある日、血圧に耐えきれなくなって、破裂。
(* これは、原因と考えられている仮説の一つとのこと)
□ 大動脈瘤の原因(2)
もう一つは、“高血圧”。
その血圧ですが、上と下だけでなく、他に○○血圧というものがあるらしい。
それは、中心血圧。
通常の血圧は腕で測った血圧ですが、中心血圧は、心臓から出たばかりの大動脈での血圧。
これが高いと、大動脈瘤ができやすくなるらしい。
では、なぜ、中心血圧だけが高くなることがあるのか?
健康な人の場合、心臓が血液を押し出す力はスムーズで、末端まで伝わります。
ところが、動脈硬化を起こしている人の場合、血液が通りにくいので、押し戻す力が働いてしまう。
この、血液を流そうとする力と 押し戻そうとする力がぶつかり、中心血圧が上がる。
そしてその部分に、大動脈瘤ができやすくなると。
中心血圧は心臓を出たばかりの血管の血圧ですが、押し戻す力に抵抗するため、高くなるんですね。
最近では中心血圧を測る病院もあるそうですが、まだ普及しているとはいえないそう。
でも、あくまでも目安ですが、以下のようなことが。
・そもそも高血圧の人は、要注意!
・また、最高血圧-最低血圧=60以上 の人は、中心血圧が高くなっている可能性があるそうです。
ただ、あくまで、目安。
気になる人は、病院へ。
→ 中心血圧│オムロン技術用語集
□ 予防と治療
動脈硬化や高血圧を悪化させ、血管を脆くする要因としては、喫煙もあるとのこと。
お酒は、ほどほどであれば、問題ないらしい。あくまで、ほどほど、適量なら、ですよ。
あとは、男性の方がなりやすいそうです。
というのも、女性ホルモンには、動脈硬化を抑制する効果があるらしい。
大動脈瘤が見つかった場合、コブの大きさで手術するかどうかを判断するとのこと。
一般には、
腹部で5センチ
胸部で6センチ
になると破けやすくなるので、手術適応。
手術で、患部を人工血管に置き換えます。
また最近では、ステントグラフトという方法があって、折りたたまれた人工血管をカテーテルで送り、動脈瘤のある部位で広げて固定するという手術法もあるそう。
→ ステントグラフト内挿術│東京医科大学
ところで、大動脈瘤をどうやって見つければいいの?
胸部の大動脈瘤は、胸のX線写真を撮る機会が多いので、意外と見つけやすいとのこと。
健康診断でも、撮影しますよね。
腹部の大動脈瘤はX線では見つけにくいので、エコー検査が基本。
なので、胆石や肝臓の検査の時に、「大動脈はどうですか?」と、聞いたらいいそうです。
一言、一手間で、安心できる。
キーワードは、「ついでに診てください」。
検査する人はたいへんかんもしれないけど、よろしくお願いします。
番組HP → バン!おなかの血管が突然破裂する日 : ためしてガッテン - NHK

□
自覚症状のないものは、怖いですね。
そしてけっこう、大事な器官がそうであることが多い。
肝臓は沈黙の臓器といわれるし、腎臓だってそうですよね。
大動脈も、そうだったか。
しかも、どの器官も、見えないところで頑張って働いていてくれるんですね。
意識しないところで、支えてくれている。
だから、時にはケアしないと、申し訳ないかも。
全部自分に返ってくるわけだし。
結局、生活習慣という気がするなあ。

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