【カビ掃除】退治する方法は 50℃のお湯で90秒+ゴシゴシ禁止/ガッテン
今週のテーマは、「カビ退治」。
富山県南砺市の、石黒種麹店。
1日で胞子が繁殖。
ゴシゴシ掃除するのは、逆効果?
ゴムパッキンの奥に、胞子の根が。
カビが増える原因に。
メロン畑に、80℃のお湯。
ハリケーン後に、65℃の熱風。
お風呂のカビには、50℃のお湯を。
退治は90秒、予防は5秒。
天井は、お掃除ワイパーで。
<エアコンのカビ予防>
解説:カビ相談センター 高鳥浩介 先生。
2016年6月15日放送の「ガッテン」より、「カビ退治! ついに終結宣言」からのメモ書きです。

□ カビの胞子

今回のテーマは、頑固な「カビ」。
それを根こそぎ落とし、二度と生やさない方法が!
11年前、アメリカ ルイジアナ州を襲った、巨大ハリケーン「カトリーナ」。
嵐が過ぎた後、街を襲ったのが、大繁殖したカビでした。
それはもう、手の打ちようがないほど。

が、しか~し、謎の男たち(ベンチャー企業)が、ある方法で、カビを撲滅しちゃったんです。
その方法とは?
ゲストの宮本亜門さんは、沖縄に別荘を所有しているのだそう。
そこでも、カビが すごいそうですね。
ベルトも靴も、10日間で、真っ白いカビが生える。
どうも、海の真横に、家があるらしい。
と、スタジオに、カビが運ばれてきました。
これをなんと、志の輔さんが、スプーンで食べちゃった。
だっ、大丈夫なの?
1グラムに5億個とか、言ってましたよ。
カビの秘密を探るために向かったのは、富山県の南砺市(なんとし)。
あるお店のご主人が、教えてくれました。
「これは、カビの胞子です」
「私ども先祖代々ですね、これを培養してまして、カビを売るのが仕事でございます」
ここ石黒種麹店で売られているのは、食べ物を熟成させるために使われる、「麹(こうじ)」。
麹といえば、味噌や醤油、塩麹など、和食には欠かせないもの。
スタジオで志の輔さんが食べたのは、この麹=カビの胞子、なのだ。
栗っぽい味がするそうですね。
(漫画の「もやしもん」を思い出すな~)
実は、このカビの胞子は、すごい生命力の持ち主なのだ。
その様子を、見せてもらえることになりました。
まず、お米に、カビの胞子をばらまく。
カビが生えるには、温度と湿度が必要。
というわけで、ストーブを焚きます。
温度は 34.1℃、湿度は 81%、ありました。
すると、こんなことに。

しかも、1日の変化だという。
先端の丸い部分に、カビ胞子が 数千~数万個ある。
このカビ胞子は、「種麹(たねこうじ)」と呼ばれるもの。
種麹を作っているところは、日本全国でも 10軒ほどしかないのだとか。
□ カビとの闘い

続いてスタジオに登場したのが、本当の敵。
うわっ!
シャーレに、カビが…。

実はこれ、スタジオのセットに、置いておいたもの。
ちょうど、村上知子さんの席です。
なんでも、カビの胞子量は、スタジオの空気中、1立方メートルあたり、およそ120個もあるのだそう。
家庭だと、空気中 1立方メートルあたりのカビ胞子量は、およそ300~500個。
私たちの周りには、目に見えないカビ胞子が、大量に飛び交っているんです。
家の中はもちろん、高度1万メートル以上の上空でも、見つかっているぐらい。
カビの胞子が、家のどこかで根を下ろすと、どうなるか?
あっという間に、1万倍の大きさに成長するのだ。
そんな凄まじい生命力の原点は、およそ4億年前にあった。
「プロトタキシーテス」という名の、カビ(菌類)の祖先。
高さ8メートルにもなる、巨大な姿だったらしい。

そんなルーツを持つカビと戦っている男性が…。
ペルー出身のミュージシャン、ニコラス・クエヤル・ラミレスさん。
親日家の彼は、ペルーの伝統音楽の魅力を伝えようと、23年前、来日。
そんなニコラスさんにも、1つだけ、耐えられないものが。
それが、カビ。
なんでも、ペルーでは見たことなかったそう。
住んでいた首都のリマは、一年中 ほとんど雨が降らず、カビは滅多に見かけなかったのです。
カビと戦うことになった、ニコラスさん。
まず使ったのは、カビ取り剤だ。
強力な塩素の力で、カビを分解して、殺します。
確かに、カビ取り剤で、きれいになりました。
けれど、また生えてくる。
すぐに、カビは復活してしまいます。
しかも、きれいにすればするほど、カビの攻撃はしつこくなるような気が…。
ニコラスさんは、いろんなものを試しました。
洗濯用洗剤。
殺菌剤入りの歯磨き粉。
しかし、カビは消えません。
それどころか、カビはあちこちで大繁殖。
ニコラスさんは、困ってしまいました。
ところで、ゲストの皆さんは、普段、どうやっているのでしょう?
村上さんは、「お酢+水」をかけて、ブラシでゴシゴシ。
だいぶ力強い。
大島麻衣さんは、話題になる市販品が好き。
カビ取り剤も、チューブのものを使う。
亜門さんは、スプレー式のカビ取り剤。
あらゆる場所にスプレーし、腰を下ろして、じっくり、ゴシゴシ。
誰もがやっているやり方に思えますが、専門家から見ると、どうなんでしょうか?
カビの専門家、高鳥浩介さんの言葉。
「これはですね…カビを生やすための掃除みたいなもんですね」
「カビを生やしているような環境づくりを、逆にしてやってる」
え?
これは、どういう意味なのでしょうか?
□ ゴシゴシはダメ?

ここで、実験!
お風呂場のゴムパッキンと同じ素材で作った、2枚の板を用意。
これを密閉できる容器に入れ、カビの胞子を振りかけます。
お風呂と同じような状況に置いて、1週間。
片側にはカビが生えましたが、反対側には生えていません。
これは、どういうわけ?
実は、カビの生えたゴムパッキンと、生えなかったゴムパッキンでは、差があったんです。
電子顕微鏡で見ると、生えた方は、表面がデコボコだ。
それには、こんな訳が…。
<メカニズム>
本来、ゴムパッキンの表面は、ツルツルです。
この状態だと、カビ胞子がくっついても、簡単に洗い流せる。
しかし、ゴシゴシこすってしまうと、ゴムパッキンにミクロの傷がたくさんつくんですね。
そこにカビの胞子が入ってしまう。
しかも、カビの成長に欠かせない水分まで入り込んじゃうのだ。
パッキンの傷は、カビが成長するための絶好の環境。
深くまで足を伸ばして、定着してしまう。
あるディレクターさんの家の浴室。
パッキンの部分に、カビが。
その一部を切り取って、断面を見てみました。
すると、驚愕の事実が判明!
カビ取り剤の届かないところで、カビが繁殖していたのです。

奥に根を下ろしてますね。
これだと、復活してくるわけだ。
ゴシゴシこする → カビの胞子が入り込む → 奥で増殖
こうなると、カビ取り剤では届かないんです。
消えるのは、表面だけ。

カビ退治でゴシゴシするのは、厳禁なんです。

ガッテン! ガッテン!
□ 熱で退治

さあ、話を戻しましょう。
巨大ハリケーンの後の、カビ退治。
アメリカのベンチャー企業が行った方法とは、どういったものだったのでしょうか?
詳細はやはり、企業秘密なのだそう。
けれど、図柄では、教えてくれました。
まず、テレビとパソコンを、毛布で覆う。
そして、ホースから、熱風を出したんです。
と、ここで、ガッテン大実験。
(1) 乾燥で退治できる?
鳥取砂丘の真横にある、鳥取大学 乾燥地研究センター。
ここでは、湿度5%以下の超乾燥状態を再現できる。
湿度1%に丸1日、カビを置きました。
でも、カビは死んでなかった。
その後、1週間したら、増えちゃいました。
(2) 冷凍実験
北海道最高峰の、旭岳。
最低気温マイナス7℃の中に、一晩放置しました。
が、これでも、カビは死ななかった。
やはり、1週間後には、増殖。
低温でも、乾燥でも、ダメなようです。
続いて訪れたのは、鹿児島県。
メロン農家さんです。
実は、ここの畑は以前、カビに悩まされていました。
16年前、収穫前のメロンが、突然、枯れてしまった。
原因は、土の中にありました。
大量のカビが繁殖。
メロンの根っこを、腐らせたのです。
そこで行われたのが、アメリカで実績のある方法。
畑をシートで覆って、80℃のお湯を まいたのだ。
カギは、「温度」にあったんですね。
畑には、お湯。ハリケーン後のカビには、熱風。
(熱風は、65℃)
□ 高鳥浩介さんの解説
ここでスタジオに、専門家の先生が登場。
NPO法人 カビ相談センターの、高鳥浩介 先生(東京農業大学 客員教授)です。
お風呂場のカビは、熱に弱いのだそう。
それを知らないままに、「洗えば落ちる」「カビ取り剤を使えば落ちる」と、そういったイメージが強く、行われてきました。
では、いったい、何度で、お風呂のカビは死ぬのでしょうか?
実験です。
シャーレにカビの胞子を植え付けて、観察します。
40℃、45℃ときて、50℃でカビが消えてる。
というわけで、「50℃ 5秒間で、カビが死滅する」。
(クロカビ[クラドスポリウム]での実験)
ただし、50℃ 5秒 というのは、表面にいるカビです。
中に入っているカビには、時間を多くした方がいい。
表面からカビが生えている部分までは、0.2~0.3ミリほど。
「50℃で 90秒間」
これで、奥深くまで成長したカビも、退治できます。
お風呂のカビは、胞子からカビになるまで、1週間~10日間。
1週間に1回、50℃のシャワーで撃退できます。
<ガッテン流 カビ撲滅法>
(1) カビが生えた場所に、50℃のお湯を、90秒間かける。
(熱が奥まで伝わるため、頑固なカビも死滅します)
しかし、カビは、死んでも黒い色はそのまま。
(2) カビ取り剤で、カビの黒ずみをキレイにする。
(こするのは厳禁で!)
(3) それでも黒ずみが気になるなら、「目地修正グッズ」がおススメ。
(4) その後は、1週間に1回、50℃のお湯を5秒間あてましょう。
(くれぐれもヤケドに注意してください)

カビ取り剤を使う人は、カビが生えてから使う人が多い。
でも、初めから 50℃のお湯を 5秒間当てておけば、カビは生えないんです。
つまり、生える前からやっておけば、最高だと。
<シャワーでカビ撃退>
[カビ退治]
50℃で 90秒。
[カビ予防]
1週間に1回、50℃で 5秒。
ゴムパッキンは、ゴシゴシこすらない。
お酢を使う場合も、注意が必要。
原液ならいいのですが、お酢を薄めて使用すると カビが生える原因に。
薄めると、逆に、カビの栄養になってしまうのだそうです。
お風呂のカビといえば、もう一つ。
「天井」ですよね。
水滴の後に、カビが繁殖してしまう。
放っておくと、カビの胞子が降ってきて、浴室中にカビが生える原因に。
でも、天井にお湯をかけるのは、危険です。
ヤケドする可能性がある。
そこでおススメなのが、掃除用のワイパー。
消毒用のアルコールをつけたワイパーで、天井を 1か月に1回 拭く。
これで、お風呂にカビが繁殖するのを、グッと抑えることができる。

□ クーラーのカビ

もうすぐ夏が来ます。
そんな季節、家の中で、カビ対策が必要で、しかも、見落としがちな場所がある。
それが、エアコン。
「微粒子可視化システム」
特殊なライトを、エアコンに向けてセットします。
すると、吹き出し口から、大量のチリが出ているのが分かった。
実は、この中には、カビのもとになる胞子が含まれているんです。
培養すると、おぞましいことに。
エアコンの奥、手が届かない場所に、カビが発生しているんですね。

冷房を使うと、エアコンの内部は、結露してしまう。
放っておくと、カビが発生する原因になってしまうのだ。
<エアコンのカビ予防>
冷房後、1時間程度、送風運転する。
エアコンの中を乾燥させることで、カビの繁殖を防げます。
新しいエアコンには、冷房を切った後、送風を自動的にやってくれるタイプも。
あれって、大事なことだったのか。



次回は、あの調理器具の秘密。
桜吹雪や雪のような、絶品の大根おろしが。
「楽しい! 踊る! おろし器 夢調理SP」。
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