【鶏むね肉】 柔らかくする方法は マイタケと切り方だった/ガッテン
今週のテーマは、「鶏むね肉をやわらかくする方法」。
(1) 爆薬によるパルスパワーで。
(2) 電気を流して。
(3) やわらか三銃士(ショウガ、重曹、ヨーグルト)。
(4) 世界一やわらかくするのは、マイタケ。
ヒミツは、分解酵素の豊富さにあり。
(5) ベトナムにいた、幻の超高級ニワトリ。
まるで怪獣、「ドンタオ鶏」。
(6) 熟成肉に、できるのか?
(7) 実習コーナー。
密閉袋でマイタケと、冷凍保存。
<しっ鶏ナゲット>のレシピ。
2016年4月27日放送の「ガッテン」より、「新発見! 鶏むね肉が こんなにも やわらかくなるとは!!」からのメモ書きです。

□ 衝撃波で!

アスリートにも人気な、「鶏むね肉」。
たんぱく質が豊富です。
カロリー低めなので、ダイエットの味方にもなる。
皮なしなら、さらに効果的だ。
<カロリー比較>


最近、ちょっと鶏肉が高くなっていますが、それでも 胸肉はお安めですよね。
家計的にも、助かります。
コンビニのサラダチキンも、大人気。
発売1年ほどで、累計6000万個を突破したのだとか。
牛肉や豚肉の消費量は横ばいですが、鶏肉は上昇しているんです。
ただ、一つだけ、難点も。
そのまま焼くと、パサパサになったり、硬くなったり。
こうなると、よっぽどソースやタレにこらないと、おいしく食べられません。
そこでガッテンは以前、鶏むね肉をジューシーに変身させるスゴ技を、紹介してくれたのでした。
1つは、フォークで刺して穴を開け、水と砂糖、塩でもみこむ方法。
もう1つは、切り方。繊維がバラバラになるように切る。

今回紹介するのは、別の方法。
中には、驚くべきやり方も。
爆発? 電気ビリビリ?
さてさて、どうなるやら…。
さて、もう一度、鶏むね肉のいいところを。
<鶏むね肉の栄養>
・高たんぱく。
・低カロリー。
・ビタミンAで、免疫力UP。
・不飽和脂肪酸で、コレステロール減。
そしてもう一つ、注目の栄養成分が。
それが、「イミダゾール・ジペプチド」。
疲労回復に効果があると、言われています。
サプリメントにも、なっている。
こんなにいい鶏むね肉なんですが、あのパサパサが…。
あれさえなければ、完璧なのに。
まずは、こんな研究から。
向かったのは、熊本大学工学部のパルスパワー研究所。
伊東繁 名誉教授に、教えていただきます。
なんと、鶏むね肉を豆腐並みに、やわらかくする方法があるのだという。
それに使うのが、パルスパワー。
伊東先生は、赤いヒモを取り出したけど、何に使うんだろう?
え?
大きな水槽の中に、鶏肉をセットしちゃいましたよ。
みんな実験室の外に出て、警戒ランプまで発動。
!!
すごい爆発音がしました。
実は、赤いヒモは、高性能爆薬だったのだ。
パルスパワーとは、爆発による衝撃波。
100万分の1秒の間に、1千気圧もの圧力を加えることで、肉を細胞レベルで、一気にやわらかくするのだ。
実験した鶏むね肉は、外見は同じなのに、指が刺さるぐらい、やわらか。もう、ぐにゃぐにゃ。
しかも、パルスパワーが ばい菌まで破壊するので、生のまま食べられるのだとか。
胸肉のやわらかさは、実験前の半分近くに。

でも、あまりにも強烈すぎて、家庭では無理ですね。
ちなみに、伊東先生たちは、「衝撃波」を応用して 食品の栄養を損なわずに加工するという方法を、研究中です。
実は、もう一つ研究が。
麻布大学 獣医学部の 坂田亮一 教授。
坂田先生は、電気を使って鶏むね肉をやわらかくする研究をしているのです。
人呼んで、「エレキの肉大将」。って、本当かな?
でも、実験自体は、本当。
肉に釘(クギ)を刺して、電気を流します。
なんと、1万2千ボルトも。
条件を変えながら 胸肉に電気を流しまくったところ、数分でやわらかくなることを発見した。

電気を流せば、強制的に筋肉が縮みます。
ただ縮みっぱなしではなく、刺激が収まれば、また戻ろうとする。
それがやわらかさに、つながるのだとか。
でも、さすがに、1万2千ボルトはな…。
ということで、9Vの角型乾電池を3個使い、実験です。
釘を刺して、電気を流してみる。
すると、やわらかくなっていました。
しか~~し、電池買ってたら、割高じゃん。
研究は意味あるけど、家でやるには向いてなさそう。
□ 胸肉をやわらかくする食材。

本やインターネットで話題になっているのが、「やわらか三銃士」だ。

冗談はさておき――
これらの食材に胸肉を漬け込んでおくと、やわらかくなる。
から揚げだと、ショウガを もみ込んだりしますよね。
やったことある人も、多いかもしれません。
街の投票では、混戦ながら、ヨーグルトが気に入られたようです。
でも、今回、ヨーグルトよりも 鶏むね肉を やわらかくする食材が登場。
なんでも、その食材をカマボコに入れて新製品を作ろうとしたところ、うまくいかなかったのだという。
カマボコが、固まらなかったのです。
茶碗蒸しも、この食材を入れたら、固まらない。
さあ、その食材とは何だ?
と、その前に、実験です。
近畿大学 農学部 応用生命化学科の 白坂憲章 教授。
植物などの研究をされている先生だ。
実験するのは、酵素の強さ。
この食材のほか、パイナップル、キウイ、ショウガ、大根、パパイヤなどは、「たんぱく質分解酵素」を含んでいる。
これらの食材で、たんぱく質を分解する力が強いのは、どれなんだろう?
実験結果では、ヒミツの食材が、たんぱく質を一番溶かしていました。
続いて、鶏むね肉の硬さを調べました。
生のままだと、19.42N。これを100%とします。
パルスパワーだと、12.23Nで 63%に。
これがヒミツの食材を使うと、9.91Nで 51%までに。
なんと、パルスパワーより、やわらかくなっちゃいました。
そのヒミツの食材は、四文字。
○○○ケ。
コロッケ? シイタケ?
いえいえ、「マイタケ」でした。
マイタケには、たんぱく質分解酵素が たくさん含まれているのです。
スタジオで食べ比べたところ、マイタケに漬けた鶏むね肉と、ヨーグルトに漬けたものでは、マイタケに漬けたものの方が、やわらかかった。
ゲストの大島麻衣さんは、「噛む前から、違います」と。
唇に当たった瞬間に、違うことが分かるのだとか。
それはまるで、キッス。
<マイタケで漬ける方法>
(1) マイタケを、みじん切りにする。
(2) ジップロックなどの密閉袋に、マイタケのみじん切り、刻んだ鶏むね肉、水 大さじ1を加え、1分間、よくもみましょう。
(3) 90分、常温に置いておくだけ。

これを使った料理は、後ほど紹介しますよ。

鶏むね肉は、マイタケの酵素で、簡単に超やわらかくなる!

ガッテン! ガッテン!
□ ベトナムの高級鶏は、まるで怪獣!

ベトナムには、世界で3千羽しかいない、珍しい鶏がいるらしい。
今週も、ガッテン海外特派員が登場。
トラン・クアン・フィさんだ。
さっそくハノイ市で、幻の鶏について聞いてみました。
すると、こんな返事が。
「ああ、知ってるよ。あれ、怪獣みたいだよね」
「香りがよくって、とっても おいしいのよ」
怪獣で、おいしい?
ツインテールか?
幻の鶏がいるのは、ハノイの市外から、車で2時間ほどの場所。
ドンタオ村だ。
すると、いた!
ほっ、ホントに、怪獣みたいだぞ。
足なんか、もう…。

目は鋭く、顔はいかつい。
つ…強そう。
名前を、「ドンタオ鶏」という。
ドンタオ鶏がいるのは、世界でもこの村だけ。
生息数は、たった3000羽だ。
希少なため、1羽 30万円以上で取引されることも。
調理法も、特別なのだという。
とろ火を使って、とっても低い温度で、蒸し上げるのだ。
1回蒸した後、皮を外して、もう1回蒸す。
合計5時間も、低温で調理。
地元でもお正月しか口にできない、特別なごちそうだそうです。
世界最高の鶏料理、「ドンタオ鶏の ガー・ハップ・ラチャン(香草蒸し)」。

もう、プリンプリンで、トロントロン。
やわらかい。
□ 熟成肉を作れるか?

最近、ブームになっているのが、「熟成肉」。
よく耳にしますよね。
濃厚な味わいで、とっても やわらかいらしい。
熟成肉のお店を訪ねたところ、厨房の奥に、巨大な冷蔵庫が。
肉の熟成庫ってわけですね。
中は、4℃弱。普通の冷蔵庫と同じですが、湿度は4倍も高い80%以上。
28日間、大事に保存すると、たんぱく質が分解されて、肉がやわらかくなる。
ここでも、やわらかさのヒミツは、たんぱく質の分解なんだ。
熟成しているので、うまみも たっぷり。
熟成肉ステーキ店の店長、川島敏さんは、胸を張ります。
「最高の状態です」「お肉の熟成のピーク」
上手に熟成させるには、もう一つポイントがあります。
それは、「まんべんなく回る風」だという。
なるほど、冷蔵庫の中には、たくさんの扇風機が。
常に風を当てることで、ばい菌を寄せ付けずに、熟成できるのだそう。
ここからが、本題。
鶏むね肉も、熟成できないだろうか?
そうすれば、超やわらかくなるんじゃない?
が、ダメでした。
同じような状態にしましたが、完全に腐っちゃった。
もう、えずくぐらいに。
実は、牛や豚の肉は、出荷前に熟成させています。
牛肉で、最低2週間。
豚肉で、1週間ほど。
やわらかくするために保管した後、出荷するのだ。
映画「ロッキー」で肉を殴ってた、あの吊るした状態がそう。
これもいわば、熟成ですね。
じゃあ、鶏はどうなんだろう?
朝びきどり専門店「松本かしわ店」の達人に、教えてもらいました。
と、驚きの事実が判明!
鶏肉は、足が早いのだそう。
傷みが早いんです。
この専門店では、その日の朝にさばいた鶏を、すぐに加工。
新鮮さが命なのでした。
ヒミツは、肉の水分量にあった。
牛肉で、水分量は 約60%。
これが鶏肉だと、約75%。
水分の割合が高いんですね。
なので、雑菌が繁殖しやすく、傷みが早いのだ。
でも、ご安心を。
他にも、いい方法があるんです。
実は、「冷凍すればいい」。
熟成してやわらかくなるのは、酵素の働き。
保存期間に酵素が働いて、お肉の たんぱく質を分解するため、やわらかくなる。
冷凍すると、たっぷりある水分が膨らんで、細胞を壊します。
結果、肉の組織はボロボロの状態に。
それが、鶏肉のやわらかさを生むのでした。
冷凍すると、鶏肉は21%やわらかくなるのだそう。
安いだけに大量買いすることもある、鶏むね肉。
なので冷凍することも度々ですが、向いていたのか。
□ 実習コーナー

スタジオに登場したのは、タレントでシャンソン歌手でもある、料理愛好家の平野レミさんだ。
やわらか鶏料理、作っちゃいましょう!
<鶏むね肉とマイタケの冷凍保存>
材料:
鶏むね肉 1枚:250g
まいたけ:20g
水:大さじ1
砂糖:小さじ1
塩:小さじ1/4
(1) マイタケをみじん切りにします。
分量は、鶏むね肉1枚 250g に対し、マイタケ 20g。
鶏むね肉は皮をむき、1センチ幅の そぎ切りにしておきましょう。
(2) 刻んだマイタケを、密閉袋に入れる。
そこに、水、砂糖、塩を加え、よくもみ込みます。
(3) さらに、切った鶏むね肉を入れて、1分間 よくもんでください。
(4) 次に、肉同士が重ならないように、まんべんなく広げます。
それから、冷凍庫へ。
凍ったものは、ポキッと折って、必要な分だけ使う。
残った分は、また冷凍庫へ。
(冷凍しない場合は、もみ込んだあと、室温で90分以上置いてから使う)

続いて、「ナゲット」を作ります。
<やわらか鶏むね肉のナゲット>
衣の材料:
卵:1個
粉チーズ:大さじ1
マヨネーズ:大さじ1/2
(1) 凍ったままの鶏むね肉をバラし、まわりに軽く、小麦粉をまぶします。
(2) ボウルで、卵、粉チーズ、マヨネーズを混ぜる。
これに、小麦粉をまぶした胸肉を入れ、この衣をつけて、揚げていきます。
(3) 180℃に温めたオリーブオイルに、衣をつけた鶏むね肉(凍ったまま)を入れる。
2分加熱したら、ひっくり返して、さらに2分、加熱しましょう。
油から上げたら、2分間放置し、余熱を行き渡らせる。
器に盛りつけたら、完成です。
名づけて、「しっ鶏ナゲット」。

マイタケのたんぱく質分解酵素は、80℃近くまで働くため、調理中や調理後にも、肉をやわらかくしてくれます。
働き者だ!
□ 切り方
最後に、復習です。
鶏むね肉には、正しい包丁の入れ方がある。
<胸肉をやわらかくする切り方>
胸肉の繊維は、中心から葉っぱのように、放射状にのびている。
この繊維を切ることがポイント。
(1) 肉をまず、2つに切り分けましょう。
(2) 丸くなっている方は、横方向に切る。
尖っている方は、縦方向に切ります。

これで繊維がほぐれやすくなり、やわらかさが格段にアップ!
次回は、「血液のチカラ向上作戦 脳梗塞・心筋梗塞で死なないために」。
血栓を溶かす、自分の力で。
費用0円で、効果は21倍?
(来週はお休みで、放送は5月11日になります)
[関係する記事]
→ 「鶏むね肉をパサパサからジューシーに」
→ 「重曹パワー スルメをもどす 袋麺を生麺に!」
→ 「冷凍肉の解凍しない調理、冷凍卵&もやし酢」
→ 「食パンの冷凍保存法+トーストは耳を切ってから焼く」
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