赤いシミは危険?/ためしてガッテン
冬こそ大事になる、シミのケアについて紹介します。
特に気をつけたい、赤いシミ。これが、「がんのタネ」になることがあるんです。
<シミが消える塗り薬> イミキモドクリームの効果。
<冬の日焼け対策> UV-A対策すること。
<茶色いシミ対策> 顔への刺激を減らすこと。
ひふのクリニック人形町 上出良一 院長の解説。
2016年1月20日放送の「ためしてガッテン」より、「戻れ! シミの消えた肌 冬こそ徹底対策!」からのメモ書きです。

□ 赤いシミ

番組冒頭、形成外科の先生から、衝撃の事実が。
「色素沈着ということについていえば、冬の方ができやすい可能性が高いです」
「その時期に、ケアを怠ったり、誤ったケアをすれば、色素沈着を助長すると」
冬は、シミのケアがとっても大切な季節なんです。
そして、あることが、シミを悪化させる落とし穴になることも。
いきなりスタジオに運ばれてきたのは、「シミの特効薬」。
なんと、シミが消えるのだという。
「ぬり薬」と書いてありますねえ。
続いて登場したのは、ワッキーさんの どアップ写真。
でも、本当に見せたいのは、皮膚の中に潜んでいる「シミのタネ」です。

これが全部、表面にまだ出てきていないシミのタネ。
お肌の下には、こうしたダメージが蓄積しているのです。
これらのタネは、将来、いろんなシミになって出てくる可能性がある。
その中でも、特に対策した方がいいのが、「赤いシミ」と「茶色いシミ」だという。

この「赤いシミ」、絶対に見逃してはいけないシミらしいですよ。
そこに登場したのは、赤いシミハンター。
神戸大学 名誉教授の 市橋正光 先生だ。
拡大鏡で、赤いシミを見つけてもらいます。
赤いシミでも、全部が全部、問題あるものというわけではないらしい。
赤く膨らんだものも、悪性ではなかった。
先生によると、血管の周りの皮膚が弱くなって、薄くなって、だから、血管が膨らむのだそう。
「老人性血管腫」というもの。
問題なのは、こちら。
かさぶたのような赤いシミ。
少しへこんでいるように見えます。

市橋先生によれば、「ぜひ、皮膚科に行って、検査してもらった方がいい」とのこと。
他の方にも、発見されました。

赤いシミの正体とは、何なのでしょうか?
実はこれ、「前がん症」の初期。
がんの一歩手前らしい。
言い方を変えれば、「日焼けによる がんのタネ」になる。
<メカニズム>
表皮は、大体 0.2ミリくらいで、とっても薄い。
そこに「がんのタネ」があると、免疫細胞が集まってきます。
そして、がん細胞と戦ってくれるのですが、その時、血管が太くなるんですね。
この太くなった血管が透けて見えるのが、赤いシミというわけ。
「赤いシミ」=「ガンのタネを知らせてくれるサイン」
<がんになるシミ>
日焼けによる がんのタネは、赤色が多い。
茶色いシミが がんになる可能性は低い。
再びスタジオに登場したのは、「シミを消す薬」。
言い方を変えれば、がんのタネを消す薬ということになります。
いったい、どんなパワーを秘めているのでしょうか?
□ ぬり薬の効果
[体験談]
この薬のすごさを体験した女性がいます。
3年前、額の赤いシミに気づきました。
その時は、「皮膚が荒れているのかな?」という感じだった。
家にある薬を塗ったのですが、なかなか治りません。
そこで、きちんと診察してもらうため、病院へ。
すると、「湿疹」だと診断され、塗り薬を出されました。
これは、湿疹を抑える一般的な塗り薬。
言われたように塗ったのですが、症状は一向に治まりません。
そこで2か月後、別の病院を受診しました。
が、そこでも、「湿疹」だとの診断。
同じような薬が、処方されました。
結局、治らないまま、2年が経過。
4件目の皮膚科を、受診することに。
すると、初めて違う薬が出されました。
スタジオで紹介された、あの薬です。
さっそく塗ってみたのですが、なんと、悪くなった。
赤かったのが、ぐじゅぐじゅに。
他のケースでは、増えちゃってます。

これは、どういうことなんでしょう?
薬を処方した先生に、聞いてみました。
信州大学 名誉教授の 斎田俊明 先生。
赤いシミ研究の第一人者です。
「一見、正常に見えるタネみたいな病変のところにも効果を発揮して、そういう細胞を攻撃することができる」
「あぶり出し効果といいます」
「ひとつあれば、他のところにも隠れた状態で、がんの始まりのタネみたいなものがあると考えた方がいいと思います」
なんと、赤いシミができている場合、その周りに、まだ目に見えていない「がんのタネ」がたくさんできていると予想されるのです。
そこで使うのが、例の薬。
名前は、「イミキモドクリーム」という。
この薬には皮膚の中の免疫細胞を、活性化させる力があります。
免疫細胞たちに、がん細胞と戦わせるわけですね。
すると、どうしても、炎症が起きちゃうんです。
なので、ぐじゅぐじゅになったり、増えたりした。
治療の途中で ぐじゅぐじゅになりますが、やがて、シミは消えます。

医師の指示通り、1か月 薬を塗り続けたところ、すっかり赤みがおさまり、きれいになりました。
かゆみもなく、すべすべした状態に。
□ 冬の日焼け対策

赤いシミは、日焼けによる ガンのタネである可能性が。
というわけで、日焼け対策が大切になります。
特に、「冬の日焼け対策」が重要に。
日焼けは日焼けでも、意外な落とし穴があるようですよ。
神戸大学附属病院。
皮膚科講座 助教の 国定充 先生に、お話を伺います。
まずは、紫外線を出す機械で、スタッフさんに体感してもらう。
背中の一部分だけに、紫外線を30分当てます。
すると、当てた部分だけ、色が変わってました。
でも、普通の日焼けとは違う感じですね。
これを、「即時型色素沈着」というそう。
明日になれば、消えるそうです。
確かに、次の日には、ほとんど消えていました。
でも、この「目に見えていない反応」というのが、重要らしい。
見落としてはいけないポイントになる。
紫外線を出す機械ですが、出していたのは、「UV-A」というもの。
一方、肌を赤や黒に日焼けさせるのは、「UV-B」です。
日焼けクリームに書いてある「PA++++」の「A」は、「UV-A」の「A」。UV-A対策。
「SPF50+」などと書かれている方が、UV-B対策。
UV-A:日焼けが起きにくい
ならば、UV-A はいくら浴びてもいいじゃないかと思うかもしれませんが、それこそが落とし穴。
UV-Bは、冬になると、夏の約1/5に減ります。
でも、UV-Aは、夏の約1/2程度にしか減らない。
<メカニズム>
UV-Bは、黒く日焼けさせます。
また、それと同時に、細胞のDNAを破壊。
それによって、がんのタネができてしまう。
しかし、人間の体には、修復機能が備わっています。
なので、ちょっと日焼けしたぐらいでは、皮膚がんにならない。
困ってしまうのは、UV-Bで細胞のDNAが壊されてダメージを受けたところに、UV-Aが差し込む時。
UV-Aは、肌の奥深いところまで届いてしまうんです。
さらには、活性酸素を発生させてしまう。
この活性酸素が、修復システムを弱くしてしまうんですね。
そうなると、治せないので、どんどん壊れた細胞が増えて、がんのタネができてしまう。
というわけで、見た目には日焼けしてなくても、がんのタネが生まれている場合があるということに。
□ 上出良一 先生の解説
ここでスタジオに、専門家の先生が登場。
ひふのクリニック人形町 院長、上出良一 先生。
<冬の紫外線対策>
冬になると肌が白くなり、紫外線の影響を受けやすくなります。
UV-Aの量はUV-Bほど減りませんから、対策すること。
冬、日焼け止めを選ぶときは、「PA++++」という表示に注目。
「+」の数が多いほど、UV-Aを防ぐ働きが強いことを表している。
<目安>
散歩などの日常生活:PA+~PA++
屋外レジャー:PA++~PA+++
赤いシミですが、「日光角化症」という。
<日光角化症の特徴>
・触ると表面がザラザラしている。
・2~3か月たっても、赤みがひかない。
・冬でも赤みが増える。
少しザラザラしたものがあって、かつ、赤い。
触ってみると、指先に、チクッと感じることもある。
また、赤みが、ず~っと続く。
冬でも、赤みが広がっていくそう。
<赤いシミができやすい人>
日焼けすると赤くなるだけで、黒くなりにくい人。
長期間日光に当たる生活をしてきた人は、要注意。
赤いシミは、かゆみや痛みなどの自覚症状が少ないのですが、放っておくと、皮膚の奥まで進行してしまう場合も。
早期発見、早期治療ができれば、きれいに治すことができるそうです。
塗り薬「イミキモドクリーム」ですが、場合によっては、細胞の検査などを行い、病院で処方されます。
一般的なシミの薬ではありません。
こんな治療もあります。
赤須医院の 赤須玲子 院長に、治療の現場を見せてもらいました。
なんと、使うのは、「液体窒素(えきたいちっそ)」。
液体窒素に浸した綿棒を、数回、患部に当てます。
これで、終わり。
治療時間は、1分ほど。
マイナス196℃の液体窒素で、わざと皮膚を凍傷(とうしょう)にかけるんですね。
すると、薄くはがれる。
<液体窒素での治療>
がんのタネがまだ小さく少ないと診断された場合、皮膚の表面を凍傷させ、薄くはがす。

ザラザラしていて いつまでも赤いシミがあったら、日焼け対策と共に、まずは皮膚科へ!

ガッテン! ガッテン!
□ 茶色いシミ

最後は、茶色いシミの対策を。
まさかの原因が、そこにありました。
教えてくださるのは、東京高輪病院 形成外科の 久野慎一郎 先生。
シミ対策のエキスパートだ。
シミの意外な原因は、スキンケア。
スキンケアや洗顔の時に、顔をこすってしまうことなのだとか。
摩擦で、肌の内側に、赤い炎症が起きる → そこにメラニンがたまる → 茶色いシミに。
習慣が強い刺激となって、茶色いシミを生んでしまう。
・化粧を落とす時、強くこする。
・重ね塗り。
・髪が肌に当たる。
・髪を触る時、顔をこする。
・目の周りを触る癖など。
久野先生の言葉。
「色素沈着の世界においては、『クセ』『習慣』が一番大事というか、一番問題になってくるところです」
「気がついたら、できるだけ早くやめていただいて、改善の方向に向かっていくのがいいと思います」
できるだけ刺激しないようにするには、「泡洗顔」がおススメ。
顔への摩擦が減ることで、徐々に炎症が治まっていき、シミの改善につながります。
癖をなおし、顔への刺激を減らせば、効果が出るようです。
肌の赤みが、大きく減る。
摩擦による炎症が、治まるんですね。
そうすれば、シミの濃さも軽減されてくる。
(例)
・化粧落としは、拭かないで、洗い流せるものに変更。
・化粧道具を、柔らかい素材に。
・こすらないように意識する。メモを活用。
癖を修正することで、すぐによくなるかは、個人差があります。
摩擦を減らす生活は、すぐに効果が見えなくても、続ければシミ改善の期待大。


□

冬こそ、日焼け対策が必要なのか。

癖や習慣も、怖いな~。
こすりすぎないようにしないと。

気になったら、皮膚科へゴー。
次回は、「足の疲れ&むくみ撃退 一番効くのはコレだ!」。
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[関係する記事]
→ 「シワの原因 UV-Aと ふっくらメイク」
→ 「紫外線対策 日傘は黒で?」
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