尿トラブルには 我慢と筋トレ/健康カプセル! ゲンキの時間
今回のテーマは、「尿トラブル」。
1日に8回以上トイレに行ったら、頻尿。
原因の一つは、前立腺肥大症。
<夜間頻尿改善法>
アルコールとカフェインは、寝る3時間前までに。
<尿漏れ>
男性の尿道括約筋。
<過活動膀胱>
女性の骨盤底筋。
対策は、肛門締め筋トレ。
怖い、<前立腺がん>。
男性は、50歳になったら、PSA検査を。
ドクネット:日本大学医学部付属 板橋病院 副院長 泌尿器科部長 高橋悟 先生の解説。
2015年10月25日放送の「健康カプセル! ゲンキの時間」より、「~ 年だからとあきらめない ~ 尿トラブル大改善」からのメモ書きです。

□ 夜間頻尿

尿トラブルに悩んでいる中高年の数は、約1000万人。
今回は、頻尿や尿漏れの原因と効果的な改善法を、紹介しちゃいます。
訪れたのは、東京都は板橋区の 日本大学医学部付属 板橋病院。
副院長であり泌尿器科部長である、高橋悟 先生に、お話を伺います。
「1日に8回以上トイレに行ったら、頻尿ということになるんですよ」
頻尿の検査には、「尿流量測定装置」を使います。
これは、尿の勢いや時間を測ることができる機械なんです。
正常な場合、排尿最大速度は 15cc 毎秒以上。
排尿時間は 40秒以内。
これが基準となります。
番組で、頻尿に悩む男性が測定したところ、尿の勢いが弱く、排尿時間も長くなっていました。
これは、典型的な「前立腺肥大症」の排尿パターンだという。
前立腺とは、膀胱の下にある男性固有の臓器。精液の一部を作っています。
その前立腺が大きくなってしまうのが、前立腺肥大症。

男性の尿トラブルのほとんどは、これが原因なのだという。
前立腺が肥大すると、膀胱を圧迫。膀胱が刺激されて、頻尿の症状が出てしまう。
エコー検査で、前立腺が肥大しているかどうか、確認できます。
健康な人のものはクルミ大なのに対し、肥大している人は、ゴルフボール大になることも。
<夜間頻尿改善法>
前立腺肥大症の治療法としては、薬や手術もありますが、それほど困っていなければ、生活習慣を変えることから始めるとよい。
高橋先生のアドバイスは、「アルコールとカフェイン断ちをする」。
ただし、全くダメというわけではありません。
寝る3時間前までに飲んで、それ以降は控える。
番組で相談した男性は、この方法で、夜間頻尿が改善しました。
スッキリ眠れたと、笑顔に。
□ 尿漏れ

続いては、尿漏れです。
オシッコをし終わって、しばらくして、あるいは、ズボンにしまった後に、じわっとくる感じ。
これも、前立腺肥大症の可能性が。
尿漏れに悩む男性のエコー検査をしたところ、やはり、前立腺がゴルフボール大になっていました。
肥大した前立腺は、膀胱だけでなく、尿道も圧迫、尿の勢いが弱まり、尿漏れの原因になってしまうのです。
男性の尿道は、膀胱から少し下にカーブし、外につながっています。
尿に勢いがないと、カーブした部分に尿が溜まってしまうため、排尿後、残った尿が 漏れ出てしまうのです。
<尿漏れ改善法>
尿道括約筋(にょうどうかつやくきん)の筋トレをする。
尿道括約筋とは、排尿をコントロールしている筋肉。
尿をためる時は収縮し、排尿の時は緩む。
また、尿道に残った尿を押し出したり、勢いをつける役割も。
筋トレのやり方は、もう少し後で。
□ 尿の回数が多い

3人目のお悩みは、尿の回数が多すぎて困っている女性。
昼間、トイレに行きたくなると我慢するのがつらいなど、強く我慢しがたい尿意があって、そのために頻尿とか尿漏れが起こってしまう状態を、「過活動膀胱(かかつどうぼうこう)」という。
女性の尿トラブルで、多い症状です。
個人差はありますが、膀胱の容量は、400cc 程度。
膀胱に尿がいっぱいになると、脳へ指令が送られ、人は尿意を感じます。
しかし、過活動膀胱の場合、それほど尿がたまっていなくても、膀胱が過剰に反応し、強い尿意に襲われ、我慢できなくなるんです。
過活動膀胱の主な原因は、膀胱と脳を結ぶ神経のトラブル。
神経回路の障害により、膀胱が収縮。尿量に関係なく、尿意を感じさせてしまいます。
<過活動膀胱の対処法>
(かかりつけのお医者さんの指導のもと、行ってください)
(1) 我慢する。
強い尿意切迫感を、グッとこらえる治療法です。
尿意を感じたら、あせらず落ち着いて、5分程度 我慢する。
(自宅などで、無理をしない程度に行ってくださいね)
少しずつ時間を伸ばし、30分程度 我慢できるようになるのが理想。
(2) 骨盤底筋(こつばんていきん)の筋トレ。
骨盤底筋は、文字通り、骨盤の底にあります。
尿道、膣、肛門を、締める働きがある。
この筋肉が衰えると、尿をコントロールできなくなり、尿トラブルを起こしやすいと言われています。
女性の骨盤底筋の鍛え方と、男性の尿道括約筋の鍛え方は、同じ。
<女性の骨盤底筋 男性の尿道括約筋 トレーニング>
名付けて、[肛門締めトレーニング]。
肛門を、オナラをこらえる時の要領で、ギュ~ッと締める。
3秒かけて締めて、2秒かけて緩める。
1回5秒として、1日の合計を5分間行う。
これなら、周りに気づかれずに行えます。
仕事中や家事をしている時など、こまめにやって、毎日続けましょう。
□ ドクネット
日本大学医学部付属 板橋病院 副院長で泌尿器科部長の 高橋悟 先生に、解説していただきます。
なぜ前立腺が大きくなるかについては、正確にはまだ解明されてないそう。
ただ、最近のデータを見てみると、肥満や高血圧、糖尿病など、生活習慣病を持っている患者さんが、なりやすい傾向が。
女性は男性と違って、前立腺がないので、尿道が短い。
あと、出産の後に骨盤底筋が、どうしても緩んでしまうのだそう。
また、閉経期になると、女性ホルモンが下がってしまうので、尿道の支えが弱くなって、尿失禁が増えると言われている。
早い人で、30代から40代ぐらいから、尿漏れ等のトラブルを感じるのですが、骨盤底筋のトレーニングで、6割から7割の人が、かなりよくなるのだそうです。
□ 前立腺がん
尿トラブルだと思っていたら、がんであるケースも。
前立腺に悪性の腫瘍ができる、前立腺がん。
膀胱や尿道を圧迫するため、尿トラブルを起こします。
前立腺がんは、10年後には、がんの中でも、患者数が1位になるのではないかという予想もある。
主な原因は、食生活の欧米化らしい。
比較的 高齢の男性がなる がんで、60代ぐらいから患者さんが増えてくる。
そんなに進行は早くなく、亡くなる人は多くないそう。
ただ、前立腺がんは、骨盤や背骨など、骨に転移しやすいという性質も。
そのため、骨を通じて、全身に広がる可能性もあります。
困ったことに、前立腺がんは、最初の頃は症状が出にくい。
排尿のトラブルが出て、そこで初めて病院に行くと、すでに進行していたり、転移しているということも、少なくないのだという。
高橋先生は、「男性は50歳になったら、PSAという検査を受けてほしい」といいます。
PSAとは、前立腺で作られるタンパク質を調べる血液検査。
早期のがんでも、かなりの確率で、見つけることができます。
地域によって差はありますが、住民健診の中にPSAを取り入れている所は増えているらしい。
尿トラブルが起きる前に、ぜひ、PSA検査を。
[関係する記事]
→ 「尿の色 泡立ち トイレ回数 腎臓病チェックリスト」
→ 「夜だけ頻尿と隠れ心不全」
- 関連記事
-
-
竹井仁先生の筋膜リリース/健康カプセル! ゲンキの時間 2015/12/08
-
【糖尿病】メリーゴーランド血糖値とは/健康カプセル! ゲンキの時間 2015/11/10
-
尿トラブルには 我慢と筋トレ/健康カプセル! ゲンキの時間 2015/10/27
-
【薄毛】板羽忠徳 髪様シャンプー/健康カプセル! ゲンキの時間 2015/10/20
-
ひざ痛に 正座ストレッチ、膝にたまる水とは?/健康カプセル! ゲンキの時間 2015/10/06
-
tag : 健康カプセル!ゲンキの時間 尿トラブル
<スポンサードリンク>


