ダニは50℃で死ぬ 布団乾燥機&炎天下の車中/ためしてガッテン
今週のテーマは、「ダニ撃退法」。
一番多い場所は、布団。
洗濯や掃除機がけ、布団干しなどで、効果があるのは?
プロフェッショナル、兵庫県西宮市 環境衛生課の中田浩二さん。
乾燥機や自動車(炎天下の車中)を使う方法。
50℃ 20~30分で死ぬ。
60℃ 一瞬で死ぬ。
布団乾燥機を使う時のコツ。
ミモレットというチーズ。
西岡アレルギークリニック、西岡謙二 院長の解説。
ダニのエキスを注射する、アレルギー免疫療法。
2015年7月22日放送の「ためしてガッテン」より、「今こそ! ダニ撲滅宣言」からのメモ書きです。

□ ダニが多い場所

鼻炎でお困りのみなさん。
調べてみると、20人中 14人(70%)が、ダニアレルギーでした。
全国的に見ても、ダニによる鼻炎の人は、約2900万人。
しかも、ダニが引き起こす喘息(ぜんそく)で、毎年、多くの人が命を落としているのだという。
高温多湿の今の時期は、ダニの繁殖には、うってつけ。
ダニが産む卵は、1日に1個だという。
たくさんのダニが毎日産めば、たいへんな数に。
ちなみに、ダニの種類は、約5万種類。
いつからいるのかというと、4億年前の化石が発見されています。
我々哺乳類の祖先が地球上に誕生する、さらに2億年も前から、いたことになる。
地球の様々な大変動にも絶滅せず、生き残ってきたんですね。
南極にもいれば、サハラ砂漠にもいる。深海にまで、いるそう。
そんなにしぶといダニを、撃退することは可能なんでしょうか?
兵庫県西宮市。
環境衛生課に、ダニのプロフェッショナルがいます。
中田浩二さん。
後輩たちは、彼についてこう話した。
「市民からの持ち込みの虫とか、分からないことは全部、中田さんに聞きに行きます」
「ダニに関してのスペシャリストと言っても過言ではありません」
中田さんがダニ対策チームに入ったのは、今から31年前。
小児アレルギーの原因として、ダニが注目され始めた時代でした。
4年にわたり、布団たたきや掃除機がけなど、ダニを駆除するための実験が、ひたすら繰り返されたといいます。
そんな苦労もあって、ついに、ダニを死滅させる方法に たどり着きました。
その前に、一般的なダニ対策は、どうなっているでしょうか?
除湿機、ダニシート、布団干し、布団乾燥機、ダニよけスプレー、掃除機がけなど。
その効果が、気になりますね。
群馬県にお住いの、ある家族。
奥さんは、中学生の時から、ダニアレルギーに悩まされてきました。
透明な鼻水が垂れてきて、鼻づまりとクシャミが、特に、朝起きた時に多いのだという。
そのため、ダニ対策には、人一倍、気を遣ってきました。
(対策1)
週に1度は布団カバーや枕カバーを外して、タオルケットと一緒に、丸洗い。
敷布団は、日光によく当て、しっかり干す。
(対策2)
ソファは念入りに掃除機をかける。
ダニよけスプレーも噴射。
(対策3)
フローリングには、掃除機とワイパーの両方を使う。
こんなに気を遣っているのですが、ショッキングな出来事が起こってしまいました。
息子さんが、ダニアレルギーだと診断されたのです。
いろいろと対策を行っているのに、どこにダニがいるというのでしょう?
ここは、専門家の力を借ります。
都市居住環境研究所の、吉川翠(よしかわ みどり)さん。
30年以上にわたり、ダニ調査を続けておられる、エキスパートだ。
約1億匹のダニを、飼育しているのだとか。
さっそく、チェックしてもらいました。
家じゅうのダニがいそうな場所を掃除機で吸って、1平方メートルあたりのダニの数を調べます。
これで、どこに多いか、分かりますね。
<ダニが多い場所>
(1平方メートルあたり)
フローリング:4匹
テレビの裏:6匹
畳:59匹
ソファ:84匹
布団:108匹
布団が一番多いようです。
福島県にある「暮らしの科学研究所」。
ここには、空気中のホコリやチリの量を、詳細に計測できる実験室があります。
寝返りを打つと、ホコリがたくさん、舞い上がりました。
これは、アレルギーの原因となるダニの死骸や糞が、大量に舞うことを意味する。

舞い上がったホコリは、口や鼻の中へ。
ダニが一番多い場所は、布団。
なので、布団のダニ対策が、最重要になる!
もうひとつ、分かったことが。
この家に多かったダニは、日本で今、最も一般的な、「ヒョウヒダニ」という種類。
<ヒョウヒダニ>
体長:0.2~0.5mm
寿命:およそ3か月
仲間:クモやサソリ
攻撃力:刺したり噛んだりしない
大好物:人の表皮
ヒョウヒダニが増えると、このヒョウヒダニを食べる「ツメダニ」が増える。
噛むのは、このツメダニです。
□ 対策で効果があるのは?

ダニ撃退大作戦の発動だ。
どれが一番、効果があるかな?
<洗濯>
まずは、毛布に、約3000匹の生きたダニをまく。
それを洗濯機で、洗濯します。
洗い → すすぎ → 脱水と、40分。
さて、どのくらい減っているのでしょうか?
調べた結果、ダニは81%も残っていました。
流れ落ちるのは、20%弱にすぎない。
<布団干し>
カンカン照りの太陽の下で、布団を干します。
30分後、布団周辺の温度は、35℃を突破。
4時間、干しましたよ。
効果のほどは、どうでしょう?
結果は、ほぼ100%、生き残ってました。
ひえ~!
熱くない方へ、逃げちゃうようだ。
<冷凍>
暑さがダメなら、冷やしたらどう?
というわけで、今度は、-13℃で冷凍してみた。
それも、24時間も。
でも、ダニは、元気そのもの。
強い~!
<紫外線>
じゃあ、殺菌力バツグンの紫外線でどうだ。
4時間連続で、照射したぞ。
でも、やっぱり、元気なんだな~。
<乾燥>
ええい、最後は、乾燥攻めだ!
ダニの周りの湿度を、徐々に 0%に近づけます。
あっ!
ペッチャンコになって、動かなくなりました。
でも、これには続きが…。
通常の湿度に戻すと、また動き出したんです。
もう、強いにもほどがある。
湿度を60%以下にすると、ダニは動き回れなくなります。
よって、繁殖を止めることができる。
ただ、殺すことはできないようですね。
湿度60%以下を維持するのは、この季節、難しいし。
とんでもない生命力を持つ、ダニ。
マダニを使った、宇宙での実験があります。
なんと、30分間、まったく空気がない状態(真空)なのに、動き続けたのだとか。
酸素は、自分の体の中にためている分を、使っているらしい。
<掃除機>
掃除機を使うと、吸い込んだ衝撃で、ダニは死ぬそう。
でも、掃除機に吸い込まれるのは、ダニの死骸や糞。
生きているダニは、奥に溜まっているので、吸いづらい。
しかも、かぎ状になった足で、しっかりと繊維にしがみつきます。
生きているダニを掃除機で完全に吸い取るのは、難しいようですね。
とはいえ、死骸や糞はダニアレルギーの原因になりますから、そういう意味では、必要なこと。
じゃあ、ダニ撃退の達人・中田浩二さんは、どうしているのでしょう?
□ 乾燥機で駆除

中田さんは、100%殺せると断言しました。
さて、それは、どんな方法なんでしょう?
ちなみに、空き家には、ダニはいないそう。
なぜなら、エサ(人間の表皮)がないから。
意外ですね。
中田さんは、ある装置を見せてくれました。
それは、「高周波処理機」。
これで、100% ダニを殺せる。

でも、家庭に、高周波処理機はありませんよね。
家では、どうやったらいいの?
中田さんが、方法を紹介してくれました。
それは、「乾燥機を使う」という方法。
ダニは、温度を上げると死にます。
50℃だと、20~30分で死ぬ。
60℃だと、一瞬で死ぬのだそう。
この「50℃」という温度が意味を持ちます。
以前、バナナを50℃のお湯につけ、甘くする方法を紹介しましたよね。
ダニの場合、50℃になると、体を構成するタンパク質が変性(ヤケド)し、死んでしまうのです。
<ダニ駆除>
50℃ 20~30分で死ぬ
60℃ 一瞬で死ぬ
というわけで、「家庭用衣類乾燥機」で、55℃以上。
自宅にない場合は、「コインランドリー」へ。
コインランドリーの乾燥機は大きいので、毛布やタオルケットはもちろん、設備によっては、かけ布団まで入れられます。
「布団乾燥機」も、使えますよね。
ただ、使い方にコツがある。
布団乾燥機を横にして、敷布団で包むようにする。
その上に、かけ布団をかけてください。
これで、隅々まで、50℃以上にできます。(図2)

<ダニ撃退の目安時間>
衣類乾燥機:30分~1時間程度
布団乾燥機:1時間以上
(注意:ウール素材など、衣類乾燥機や加熱が向かない製品があります。あらかじめ確認してください)
もう一つ、方法が。
それは、「炎天下の車中」。
真夏だと、炎天下の車中は、50℃以上になる。これを利用。
2時間程度で布団をひっくり返すことで、すみずみまで50℃以上に。

車中は、ものすごく熱くなります。
なので、布団以外のものは置かないでください。
ヤケドにも、注意を。

ダニを完全に撃退するには、50℃以上の熱で!

ガッテン! ガッテン!
□ 西岡謙二さんの解説
ここでスタジオに、専門家の先生が登場。
アレルギー専門クリニックの院長、西岡謙二さんです。
ダニを殺す方法は、分かりました。
でも、そのままでは、死骸や糞が残ってしまいます。
まず敷布団を、掃除機がけします。
大人の布団で、片面40秒が目安。
子どもの布団で、片面20秒(布団が小さいから)。
最近では、布団専用ノズルが発売されています。
あるいは、使わなくなったストッキングを使う方法も。
ストッキングをノズルにかぶせると、布団を吸い込まずに掃除できる。

<ガッテン流 ダニ対策>
加熱:3か月に1回
掃除機:週に1回程度
ダニは、7月から8月に、一番繁殖します。
なので、この時期に、一気に死滅させるといい。
掃除機がけも、忘れずに。
<一平方メートルあたりのダニの数>
敷布団:64匹
かけ布団:32匹
枕:101匹
布団だけでなく、枕の掃除も行うこと。
ダニは、頭側に移動します。
東京アレルギー・呼吸器疾患研究所の白井秀治さんは、こう教えてくれました。
「おそらく、人のフケのニオイに誘引されたと考えられます。(ダニは)フケが大好物なんです」
枕は、鼻と口に一番近い。
したがって、死骸や糞を吸い込みやすいので、その意味でも、注意が必要。
□ ダニのチーズ?

人の役に立っているダニもいます。
「ミモレット(Mimolette)」というチーズがある。
カットする前のミモレットの表面は、ボコボコ。
その中に、ダニがいるそうなのです。
これは、「チーズダニ」と呼ばれるダニ。
チーズを熟成させるお手伝いをしているのだとか。
フランスで、およそ300年前から続く、伝統的な製法なのだそうな。
(ミモレットを食べても、ダニアレルギーを発症することはないそう)
食べるのは、ダニのいないオレンジ色の部分。
濃厚で、深い味わいだと、チーズ通の間で、評判です。

フランスのオーベルニュ地方では、ダニを「神様の贈りもの」と呼ぶ人もいるそうな。
□ 最新治療
【体験談】
東京都にお住いの、67歳の女性。
ダニアレルギーによる ひどい鼻炎と喘息に、悩まされていました。
四六時中、セキやクシャミが出続ける。
夜は、しばしば呼吸ができなくなり、死を意識したこともあったという。
でも、今は、かなりよくなりました。
どんな治療法を行ったのでしょう?
日本医科大学 多摩永山病院 耳鼻科の後藤穣さんに、教えてもらいました。
なんと、ダニによる鼻炎を抑えるために、ダニの注射を打っているのだという。
使うのは、ダニのエキス。
注射で体に投与することによって、体をダニに慣らしていく治療法。
「アレルギー免疫療法」といいます。
さらに、これからは、ダニのエキスの錠剤ができるそうです。
それを舌の下で溶かすという方法も。
これを「舌下免疫療法」という。
(メカニズムは、花粉症と同じですね)
まず血液検査をしてみて、ダニアレルギーのみが陽性の場合、劇的に改善する可能性がある。
ただ、カビや花粉症も陽性の場合、ダニ単独で陽性の人に比べ、効きにくい傾向が。
主治医の先生とよく相談して、治療法を選んでください。


□

これからの季節、ダニによく噛まれるんですよ。
あれ、なかなか治らないし、かゆくて。

今回、いい方法が紹介されてましたね。
布団乾燥機や車を使う方法。
あと、ストッキングを使って掃除機がけも。

今年は被害を、最小限にしてやる!
次回は、「高血圧を撃退! 塩を減らさない ハッピー減塩法」。

→ 「お好み焼き粉とダニ、お風呂のカビ、女性の水虫」
→ 「花粉症に 舌下免疫療法」
一番多い場所は、布団。
洗濯や掃除機がけ、布団干しなどで、効果があるのは?
プロフェッショナル、兵庫県西宮市 環境衛生課の中田浩二さん。
乾燥機や自動車(炎天下の車中)を使う方法。
50℃ 20~30分で死ぬ。
60℃ 一瞬で死ぬ。
布団乾燥機を使う時のコツ。
ミモレットというチーズ。
西岡アレルギークリニック、西岡謙二 院長の解説。
ダニのエキスを注射する、アレルギー免疫療法。
2015年7月22日放送の「ためしてガッテン」より、「今こそ! ダニ撲滅宣言」からのメモ書きです。

□ ダニが多い場所

鼻炎でお困りのみなさん。
調べてみると、20人中 14人(70%)が、ダニアレルギーでした。
全国的に見ても、ダニによる鼻炎の人は、約2900万人。
しかも、ダニが引き起こす喘息(ぜんそく)で、毎年、多くの人が命を落としているのだという。
高温多湿の今の時期は、ダニの繁殖には、うってつけ。
ダニが産む卵は、1日に1個だという。
たくさんのダニが毎日産めば、たいへんな数に。
ちなみに、ダニの種類は、約5万種類。
いつからいるのかというと、4億年前の化石が発見されています。
我々哺乳類の祖先が地球上に誕生する、さらに2億年も前から、いたことになる。
地球の様々な大変動にも絶滅せず、生き残ってきたんですね。
南極にもいれば、サハラ砂漠にもいる。深海にまで、いるそう。
そんなにしぶといダニを、撃退することは可能なんでしょうか?
兵庫県西宮市。
環境衛生課に、ダニのプロフェッショナルがいます。
中田浩二さん。
後輩たちは、彼についてこう話した。
「市民からの持ち込みの虫とか、分からないことは全部、中田さんに聞きに行きます」
「ダニに関してのスペシャリストと言っても過言ではありません」
中田さんがダニ対策チームに入ったのは、今から31年前。
小児アレルギーの原因として、ダニが注目され始めた時代でした。
4年にわたり、布団たたきや掃除機がけなど、ダニを駆除するための実験が、ひたすら繰り返されたといいます。
そんな苦労もあって、ついに、ダニを死滅させる方法に たどり着きました。
その前に、一般的なダニ対策は、どうなっているでしょうか?
除湿機、ダニシート、布団干し、布団乾燥機、ダニよけスプレー、掃除機がけなど。
その効果が、気になりますね。
群馬県にお住いの、ある家族。
奥さんは、中学生の時から、ダニアレルギーに悩まされてきました。
透明な鼻水が垂れてきて、鼻づまりとクシャミが、特に、朝起きた時に多いのだという。
そのため、ダニ対策には、人一倍、気を遣ってきました。
(対策1)
週に1度は布団カバーや枕カバーを外して、タオルケットと一緒に、丸洗い。
敷布団は、日光によく当て、しっかり干す。
(対策2)
ソファは念入りに掃除機をかける。
ダニよけスプレーも噴射。
(対策3)
フローリングには、掃除機とワイパーの両方を使う。
こんなに気を遣っているのですが、ショッキングな出来事が起こってしまいました。
息子さんが、ダニアレルギーだと診断されたのです。
いろいろと対策を行っているのに、どこにダニがいるというのでしょう?
ここは、専門家の力を借ります。
都市居住環境研究所の、吉川翠(よしかわ みどり)さん。
30年以上にわたり、ダニ調査を続けておられる、エキスパートだ。
約1億匹のダニを、飼育しているのだとか。
さっそく、チェックしてもらいました。
家じゅうのダニがいそうな場所を掃除機で吸って、1平方メートルあたりのダニの数を調べます。
これで、どこに多いか、分かりますね。
<ダニが多い場所>
(1平方メートルあたり)
フローリング:4匹
テレビの裏:6匹
畳:59匹
ソファ:84匹
布団:108匹
布団が一番多いようです。
福島県にある「暮らしの科学研究所」。
ここには、空気中のホコリやチリの量を、詳細に計測できる実験室があります。
寝返りを打つと、ホコリがたくさん、舞い上がりました。
これは、アレルギーの原因となるダニの死骸や糞が、大量に舞うことを意味する。

舞い上がったホコリは、口や鼻の中へ。
ダニが一番多い場所は、布団。
なので、布団のダニ対策が、最重要になる!
もうひとつ、分かったことが。
この家に多かったダニは、日本で今、最も一般的な、「ヒョウヒダニ」という種類。
<ヒョウヒダニ>
体長:0.2~0.5mm
寿命:およそ3か月
仲間:クモやサソリ
攻撃力:刺したり噛んだりしない
大好物:人の表皮
ヒョウヒダニが増えると、このヒョウヒダニを食べる「ツメダニ」が増える。
噛むのは、このツメダニです。
□ 対策で効果があるのは?

ダニ撃退大作戦の発動だ。
どれが一番、効果があるかな?
<洗濯>
まずは、毛布に、約3000匹の生きたダニをまく。
それを洗濯機で、洗濯します。
洗い → すすぎ → 脱水と、40分。
さて、どのくらい減っているのでしょうか?
調べた結果、ダニは81%も残っていました。
流れ落ちるのは、20%弱にすぎない。
<布団干し>
カンカン照りの太陽の下で、布団を干します。
30分後、布団周辺の温度は、35℃を突破。
4時間、干しましたよ。
効果のほどは、どうでしょう?
結果は、ほぼ100%、生き残ってました。
ひえ~!
熱くない方へ、逃げちゃうようだ。
<冷凍>
暑さがダメなら、冷やしたらどう?
というわけで、今度は、-13℃で冷凍してみた。
それも、24時間も。
でも、ダニは、元気そのもの。
強い~!
<紫外線>
じゃあ、殺菌力バツグンの紫外線でどうだ。
4時間連続で、照射したぞ。
でも、やっぱり、元気なんだな~。
<乾燥>
ええい、最後は、乾燥攻めだ!
ダニの周りの湿度を、徐々に 0%に近づけます。
あっ!
ペッチャンコになって、動かなくなりました。
でも、これには続きが…。
通常の湿度に戻すと、また動き出したんです。
もう、強いにもほどがある。
湿度を60%以下にすると、ダニは動き回れなくなります。
よって、繁殖を止めることができる。
ただ、殺すことはできないようですね。
湿度60%以下を維持するのは、この季節、難しいし。
とんでもない生命力を持つ、ダニ。
マダニを使った、宇宙での実験があります。
なんと、30分間、まったく空気がない状態(真空)なのに、動き続けたのだとか。
酸素は、自分の体の中にためている分を、使っているらしい。
<掃除機>
掃除機を使うと、吸い込んだ衝撃で、ダニは死ぬそう。
でも、掃除機に吸い込まれるのは、ダニの死骸や糞。
生きているダニは、奥に溜まっているので、吸いづらい。
しかも、かぎ状になった足で、しっかりと繊維にしがみつきます。
生きているダニを掃除機で完全に吸い取るのは、難しいようですね。
とはいえ、死骸や糞はダニアレルギーの原因になりますから、そういう意味では、必要なこと。
じゃあ、ダニ撃退の達人・中田浩二さんは、どうしているのでしょう?
□ 乾燥機で駆除

中田さんは、100%殺せると断言しました。
さて、それは、どんな方法なんでしょう?
ちなみに、空き家には、ダニはいないそう。
なぜなら、エサ(人間の表皮)がないから。
意外ですね。
中田さんは、ある装置を見せてくれました。
それは、「高周波処理機」。
これで、100% ダニを殺せる。

でも、家庭に、高周波処理機はありませんよね。
家では、どうやったらいいの?
中田さんが、方法を紹介してくれました。
それは、「乾燥機を使う」という方法。
ダニは、温度を上げると死にます。
50℃だと、20~30分で死ぬ。
60℃だと、一瞬で死ぬのだそう。
この「50℃」という温度が意味を持ちます。
以前、バナナを50℃のお湯につけ、甘くする方法を紹介しましたよね。
ダニの場合、50℃になると、体を構成するタンパク質が変性(ヤケド)し、死んでしまうのです。
<ダニ駆除>
50℃ 20~30分で死ぬ
60℃ 一瞬で死ぬ
というわけで、「家庭用衣類乾燥機」で、55℃以上。
自宅にない場合は、「コインランドリー」へ。
コインランドリーの乾燥機は大きいので、毛布やタオルケットはもちろん、設備によっては、かけ布団まで入れられます。
「布団乾燥機」も、使えますよね。
ただ、使い方にコツがある。
布団乾燥機を横にして、敷布団で包むようにする。
その上に、かけ布団をかけてください。
これで、隅々まで、50℃以上にできます。(図2)

<ダニ撃退の目安時間>
衣類乾燥機:30分~1時間程度
布団乾燥機:1時間以上
(注意:ウール素材など、衣類乾燥機や加熱が向かない製品があります。あらかじめ確認してください)
もう一つ、方法が。
それは、「炎天下の車中」。
真夏だと、炎天下の車中は、50℃以上になる。これを利用。
2時間程度で布団をひっくり返すことで、すみずみまで50℃以上に。

車中は、ものすごく熱くなります。
なので、布団以外のものは置かないでください。
ヤケドにも、注意を。

ダニを完全に撃退するには、50℃以上の熱で!

ガッテン! ガッテン!
□ 西岡謙二さんの解説
ここでスタジオに、専門家の先生が登場。
アレルギー専門クリニックの院長、西岡謙二さんです。
ダニを殺す方法は、分かりました。
でも、そのままでは、死骸や糞が残ってしまいます。
まず敷布団を、掃除機がけします。
大人の布団で、片面40秒が目安。
子どもの布団で、片面20秒(布団が小さいから)。
最近では、布団専用ノズルが発売されています。
あるいは、使わなくなったストッキングを使う方法も。
ストッキングをノズルにかぶせると、布団を吸い込まずに掃除できる。

<ガッテン流 ダニ対策>
加熱:3か月に1回
掃除機:週に1回程度
ダニは、7月から8月に、一番繁殖します。
なので、この時期に、一気に死滅させるといい。
掃除機がけも、忘れずに。
<一平方メートルあたりのダニの数>
敷布団:64匹
かけ布団:32匹
枕:101匹
布団だけでなく、枕の掃除も行うこと。
ダニは、頭側に移動します。
東京アレルギー・呼吸器疾患研究所の白井秀治さんは、こう教えてくれました。
「おそらく、人のフケのニオイに誘引されたと考えられます。(ダニは)フケが大好物なんです」
枕は、鼻と口に一番近い。
したがって、死骸や糞を吸い込みやすいので、その意味でも、注意が必要。
□ ダニのチーズ?

人の役に立っているダニもいます。
「ミモレット(Mimolette)」というチーズがある。
カットする前のミモレットの表面は、ボコボコ。
その中に、ダニがいるそうなのです。
これは、「チーズダニ」と呼ばれるダニ。
チーズを熟成させるお手伝いをしているのだとか。
フランスで、およそ300年前から続く、伝統的な製法なのだそうな。
(ミモレットを食べても、ダニアレルギーを発症することはないそう)
食べるのは、ダニのいないオレンジ色の部分。
濃厚で、深い味わいだと、チーズ通の間で、評判です。

フランスのオーベルニュ地方では、ダニを「神様の贈りもの」と呼ぶ人もいるそうな。
□ 最新治療
【体験談】
東京都にお住いの、67歳の女性。
ダニアレルギーによる ひどい鼻炎と喘息に、悩まされていました。
四六時中、セキやクシャミが出続ける。
夜は、しばしば呼吸ができなくなり、死を意識したこともあったという。
でも、今は、かなりよくなりました。
どんな治療法を行ったのでしょう?
日本医科大学 多摩永山病院 耳鼻科の後藤穣さんに、教えてもらいました。
なんと、ダニによる鼻炎を抑えるために、ダニの注射を打っているのだという。
使うのは、ダニのエキス。
注射で体に投与することによって、体をダニに慣らしていく治療法。
「アレルギー免疫療法」といいます。
さらに、これからは、ダニのエキスの錠剤ができるそうです。
それを舌の下で溶かすという方法も。
これを「舌下免疫療法」という。
(メカニズムは、花粉症と同じですね)
まず血液検査をしてみて、ダニアレルギーのみが陽性の場合、劇的に改善する可能性がある。
ただ、カビや花粉症も陽性の場合、ダニ単独で陽性の人に比べ、効きにくい傾向が。
主治医の先生とよく相談して、治療法を選んでください。


□

これからの季節、ダニによく噛まれるんですよ。
あれ、なかなか治らないし、かゆくて。

今回、いい方法が紹介されてましたね。
布団乾燥機や車を使う方法。
あと、ストッキングを使って掃除機がけも。

今年は被害を、最小限にしてやる!
次回は、「高血圧を撃退! 塩を減らさない ハッピー減塩法」。

→ 「お好み焼き粉とダニ、お風呂のカビ、女性の水虫」
→ 「花粉症に 舌下免疫療法」
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