トリガーポイントとIMS治療/健康カプセル! ゲンキの時間
今回のテーマは、「トリガーポイント」。
腰痛、肩こり、ひざ痛の原因は、痛みがあるのとは別の場所にあった。
探し方と、ほぐす方法。
鍼(はり)で刺激する、IMS治療(筋肉内刺激法)。
ドクネット:東京慈恵会医科大学付属病院 北原雅樹 先生。
2015年6月28日放送の「健康カプセル! ゲンキの時間」より、「~関節痛・コリの真犯人発見!~ トリガーポイントを見つけよう」からのメモ書きです。

□ トリガーポイントとは?

筋肉が硬くなってませんか?
肩こり、腰痛、ひざ痛。
たくさんの人が悩まされている、慢性痛。
でも、その問題が、傷む箇所とは別の場所にあることも、あるそうなんですよ。
番組によると、「筋肉の痛みの7割は、痛いところとは違う場所に原因がある」というデータもあるのだとか。
しかも、その痛みの発信源は、放置すると増え続け、全身に痛みを広げることも。
その場所の名前は、「トリガーポイント」。
商店街にも、慢性痛を持つ方々が。おられました。
Aさん(70歳)は、腰痛歴10年。
Bさん(72歳)は、腰痛歴15年、ひざ痛歴3年。
Cさん(67歳)は、背中の痛み歴7年。
スペシャリストに、原因を調べてもらいます。
協力していただいたのは、東京慈恵会医科大学付属病院 麻酔科 ペインクリニック診療部長の 北原雅樹 先生。
まずは、Aさんから。
立ち姿からも、分かることがありました。
左の肩が上がって、右の肩が下がっているのです。
これは、私達でもチェックできます。
鏡の前に立って、肩がまっすぐか、確かめてみましょう。

肩のラインが傾いている人は、身体のどこかにトリガーポイントがあるのだそう。
腰痛があるAさんですが、触診したところ、腰の辺りを指で押しても、痛みはないようでした。
痛みがあったのは、もっと上。背中だった。
トリガーポイントは、実際に痛い腰より上にあったのです。
トリガーポイントとは、普段は痛みがなく、押されて痛みが広がる場所。
痛みを起こす引き金(トリガー)になるポイントのことをいいます。
では、なぜ、トリガーポイントができてしまうのでしょう?
北原先生は、こうおっしゃいました。
「筋肉が、同じ姿勢で長い時間いたり、疲れが溜まってきて、すごく硬くなってしまう」
つまり、何らかの理由で、筋肉に負荷がかかり続けることで、筋肉が硬直してしまうと、できちゃうようなのです。
では、腰痛持ちのAさんのトリガーポイントが背中にあったのは、なぜなんでしょうか?
同じような姿勢をずっと続けていたり、同じような反復した動作を続けていると、背中にできやすいのだそう。
Aさんの場合、長時間同じ姿勢で作業することで、腰に負担がかかり、腰をかばうことで、背中にトリガーポイントができてしまったようです。
デスクワークが多い人、料理をよくする人は、同じ姿勢でいる時間が長いので、背中にトリガーポイントができやすい。
トリガーポイントのある部分にある神経と、腰の神経は、脊髄で交わっています。そのため、トリガーポイントから、痛みが脳に送られた時、脳は、腰が痛いと勘違いしてしまうことがある。
なので、痛みがある腰だけを治療しても、うまくいかない。
もし、トリガーポイントを放置したら、次のトリガーポイントが生まれてしまい、痛みが広がってしまいます。
次は、腰痛15年 ひざ痛3年の、Bさん。
腰痛の原因であるトリガーポイントは、お尻にありました。
ひざ痛に関しては、ヒザの上、モモの内側に、トリガーポイントがあった。
Bさんは、脚を開いた姿勢で、毎日作業しています。
長年、脚を開き続けたことで、お尻の中の筋肉にトリガーポイントができて、腰痛に。
さらに、腰をかばうことで、内モモにもトリガーポイントができて、ひざ痛になっていたのです。
普段、あぐらをよくかく人も、同じように、お尻と内モモに、トリガーポイントができる可能性が。
最後は、背中に痛みのある、Cさんです。
トリガーポイントは、脇の後ろにありました。さらに、腕にも。
これは、肩こりの人にできやすいポイントなのだとか。
Cさんは、仕事で腕や肩に負担がかかり、肩こりのトリガーポイントができていたようです。
このトリガーポイントが、肩甲骨周辺の筋肉を硬直させ、背中の筋肉を引っ張ることで、痛みが生じていた。
<対処方法>
では、トリガーポイントが見つかったとして、どうやって対処したらいいのでしょう?
一番重要なことは、「トリガーポイントをほぐすこと」。
しこりがある部分を毎日もみ続けることで、痛みは改善していくそう。
□ トリガーポイントの探し方

できやすい場所から、探っていきます。
指で押したり、もんだりして、痛みがないか確かめる。
<肩こり>
正面側
(1) 肩の骨と胸の間のくぼみ
(2) 内ひじの外側

背中側
(3~7) 肩甲骨を囲むようにある
手が届かないような場所は、テニスボールで探してください。
(寝転んで、テニスボールを当て、押してみる)

<腰痛>
背面側
(1~2) ベルトから指 3~4本上の背骨の両脇
(3~4) ベルト位置すぐ下の両端
(5~6) お尻の真ん中
(7~8) お尻の真ん中から少し下

正面側
(9~10) 足の付け根の内側
(11~12) 足の付け根の外側

<ひざ痛>
正面
(1~2) 足の付け根の内側と外側
(3~4) ヒザから指 3~4本分上 内側から外側
(5) ヒザから手のひら 1つ分下の外側
これを両脚でやる。

背面
(6) ヒザ裏の外側
(7) ヒザ裏から手のひら 1つ分下の内側
これも両脚で。

<トリガーポイントのほぐし方>
トリガーポイントが分かったら、その部分を痛すぎない程度で、もみましょう。
背中やお尻など、手が届きにくい場所は、テニスボールで。
1か所 30秒程度。1日2回が効果的。
□ 10年の痛みが5回で解消?

続いては、最新治療法について。
驚くことに、10年前から悩んでいた痛みが、5回の治療で改善した人がいるそうなのです。
それが、細胞生理学講座の 福田紀男 先生(48歳)。
昨年の夏には、首から腕までしびれて、仕事も趣味も何もかも諦めるしかないと思うほど、深刻だったそう。どんな姿勢でも、しびれてしまう。
この時、10年前からの肩こりで、複数のトリガーポイントができ、筋肉の間の神経を圧迫。しびれを引き起こしていたようです。
かなり つらい状況だったのですが、北原先生の治療を受けたところ、5回で肩の痛みが改善。
その最新治療とは、どんなものなんでしょうか?
北原先生の最新治療とは、「IMS治療(筋肉内刺激法)」。
細い鍼(はり)を使って、マッサージでは届かない筋肉の奥にあるトリガーポイントを、直接 刺激します。
採血用の注射針が 0.8mm なのに対し、IMS治療用の鍼は 0.2mm。
この髪の毛ほどの鍼で、硬くなった筋肉を刺激し、血行を促進。
短期間で、痛みを緩和できるんです。
症状により、場所や治療回数は異なりますが、肩、腰、ヒザなど、あらゆる関節痛に、効果が期待できるのだとか。

治療してもらった方の話を聞くと、痛気持ちいいようですね。
治療中は「痛い」と声を上げるものの、打ってもらった後が、何とも言えないぐらいスッキリするらしい。
(もちろん、個人差はあると思いますが)
福田さんも、当時を こう振り返ります。
「最初受けて、ほんと、嘘のように、身体がやわらかくなるような感じで、しびれ感というか、重さというか、取れましたね」
「今では、悪かった方の腕は、ほとんど普通に上がります。全然、痛くないです」
□ ドクネット
東京慈恵会医科大学付属病院 麻酔科 ペインクリニック診療部長の 北原雅樹 先生に、教えていただきます。
筋肉は、鍛えるだけでなく、やわらかくすることも、重要。
筋トレも大事ですが、ストレッチやマッサージなど、筋肉をやわらかくすることも、大切なのです。
東洋医学の鍼灸(しんきゅう)というのは、経絡(けいらく)とか、経穴(けいけつ)とか、いわゆる「ツボ」に刺していくもの。
それに対し、IMS治療というのは、使っている鍼は同じですが、筋肉のトリガーポイントに刺して、筋肉由来の痛みを取るというもの。
トリガーポイントの痛みは、内臓の痛みなどに似ることがあります。
例えば、胃の痛みがあるのだけれど、いろんな検査をしても原因が分からない人が、胃に関係するトリガーポイントに打つことによって、劇的によくなった人が、何人もいるそう。
ただ、IMS治療は、北原先生のところを含めて、数か所でしかやっていないらしい。
[感想]

痛い場所が原因とは、限らないんですね。

私も腰痛持ちです。
どこかに、トリガーポイントがあるかもしれないなあ。
ちょっと、テニスボールを探してきます。
[関連記事]
→ 「腰痛の原因はストレス? 側坐核の働き」
→ 「ヒザ痛に、靴下スライド運動&お皿ストレッチ」
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