脱糖尿病 野菜と腸内細菌 腸のスイッチを増やす/ためしてガッテン

今週のテーマは、「糖尿病」


運動、薬、食事制限ではない、新しい方法。

食べて、血糖値を下げる。


腸のスイッチを増やす。

便を移植する、「便微生物移植」。


野菜を食べる → 腸内細菌が増える → インスリンが多く出る。

一品加えるオススメ食材。

水溶性食物繊維が多いものを。


まず魚を食べる。

それから、ごはん。


慶應義塾大学 医学部 腎臓内分泌代謝内科 伊藤裕 教授の解説。



2015年6月10日放送の「ためしてガッテン」より、「食べて糖尿病大改善! 医師も驚がく最新ワザ」からのメモ書きです。




ためしてガッテン 脱糖尿病 野菜と腸内細菌 腸のスイッチ




糖尿病が治る?


ササミ
今回は、「糖尿病」について。

なんと、糖尿病をブロックする体質に、変えられるのだという。


今まで、治療の基本は、「運動」「薬」「食事制限」でした。

それなしで、血糖値が下がる。


キーワードは、「毎日、ペットのためにエサを与える」、そんな考え方。





[体験談(1)]


Aさん(男性)は、4年前、糖尿病と診断されました。

当時の血糖値は、250近くもあった。

なので、毎日、薬や注射で下げていたといいます。


ところが、3年前、ある治療をしたことで変化が。

今では、血糖値は、何の問題もない状況です。

薬も、インスリンも、必要ない。

血糖値が 88mg/dLまで下がりました。

しかも、基本的には、食事制限なし。

何を食べても血糖値がきちんと下がる、そんな体質に変わっちゃったんです。

体重も、100kg超から、70kgまで減少。



いったい、どんな魔法を使ったのでしょうか?



治療を行ったのは、四谷メディカルキューブの 関洋介 先生 (減量外科、消化器外科、内視鏡外科)。

関谷先生は、手術で糖尿病を治療しています。


まず、胃を半分ほど切除。

そして、小腸を中抜きして、短くする。


実はこれ、肥満の人のための手術。

それが、糖尿病と関係があることが、分かってきたんですね。


問題は、なぜこの手術が、糖尿病に大きな効果をもたらしたのか。

それが分かれば、手術なしで改善する方法も、見えてくる。




どうして下がる?


ササミ
糖尿病で使われるものといえば、「インスリン」。

インスリンとは、すい臓で作られる 血糖値を下げるホルモン。

でも、腸にも、あるものが存在する。

それは、スイッチだという。

このスイッチが押されると、「インスリンを出せ!」という指令が出るんです。


<腸のお知らせ>

血糖値が上がる前に、「インスリンを出せ!」という指令を すい臓に送り、血糖値の上昇を抑えてくれる。



このスイッチは、腸の後ろの方に集中しています。

先ほどの手術ですが、胃を半分ほど取って、小腸を短くすることで、食べ物があまりよく消化されずに、スイッチまで早く届くことになるんですね。

それにより、インスリンがちゃんと出るようになる。


先述したように、この手術は、肥満の人のための手術。

なので、手術を受けるには、「BMIが30以上」「手術が受けられる年齢であること」「肥満に伴う症状がある」などの条件が必要です。



今回のテーマは、手術なしで、腸のスイッチを増やし、糖尿病体質を脱しようというもの。

さて、どうやるのでしょう?




腸内細菌の移植


ササミ
腸のスイッチは、どうやったら作れるのでしょうか?

慶應義塾大学病院で、研究が進められているようです。


医学部 腎臓内分泌代謝内科の 入江潤一郎 先生の診察を、見せていただきました。

患者さんに、検査キットを渡しています。

これで、腸の状態が分かるのだという。


実はこれ、検便キット。

便を少し採取して、提出するんです。


便は、水分と食べカス、腸の粘膜、腸内細菌からできている。

腸内細菌とは、乳酸菌や大腸菌など、お腹の中にいる細菌のこと。

100兆個以上あって、1~2kg ほどの重さがある。


エノキ
細菌だけで、そんな重さが!



ササミ
慶応義塾大学病院では、糖尿病患者の便を集めて、腸内細菌を分析しています。

入江先生は、こう教えてくれました。

「腸内細菌の中には、ご自身がお持ちの血糖値を下げる力を引き出すような 腸内細菌が存在するということが分かってまいりましたので、そのような細菌が多いか少ないかを、調べております」


血糖値を下げる力を持つのは、「バクテロイデス」の仲間などだとされている。


腸の中には、たくさんの腸内細菌がいます。

その中で、腸のスイッチを作ってくれるような細菌が増えれば、理想的。

インスリンも多く出るはずです。


でも、いい腸内細菌を増やすには、どうしたらいいのでしょうか?



2012年、オランダの研究者が、ある衝撃的な方法で、腸内細菌を増やす研究を行いました。

それは、健康な人の腸内細菌を、血糖値が下がりにくい体質の人に、移植するというもの。

いい腸内細菌を増やせば体質が改善される、という考えです。


方法は、欲しい腸内細菌を持っている人の便を、水に溶かして、内視鏡で腸の奥に入れるというもの。

「便微生物移植」という。

アメリカでは、大腸の病気の治療として、行われています。

糖尿病の治療としては、まだ研究段階。



便の移植は、なかなかできません。

普段の生活で簡単にできる方法は、ないのでしょうか?




腸のスイッチを増やす方法


ササミ
腸内細菌と糖尿病の関係について研究しておられる、慶應義塾大学 医学部 腎臓内分泌代謝内科の 伊藤裕 教授。日本内分泌学会の会長でもあります。

伊藤先生は、こう教えてくれましたよ。

「腸内細菌は 我々が飼っているペット。彼らに対して我々は、エサを毎日、与えないといけない」

「イヌリンっていうものは、食物繊維の一つなんですけども、これが我々の飼っている腸内細菌の非常によいエサになる」


どうやら、野菜を食べるのがいいようです。



ここで、ガッテン大実験。

血糖値が気になる方々に、参加してもらいました。

普段はあまり、野菜を摂ってないようです。

みなさんには2週間、少なくとも野菜を一品、食事に加えてもらいました。


調べたのは、2週間の血糖値の変化の平均値、「グリコアルブミン」。

それが3名とも、下がっていたんです。

ある方は、血糖値が 154mg/dL → 118mg/dL と、36も下がっていた。


以前お伝えした野菜のメリットは、「食物繊維が糖の吸収をゆるやかにさせる」というもの。

でも、今回は、「腸内細菌の様子を変えること」です。

野菜を食べる → 腸内細菌を変える → 血糖値を下げる

もう少し加えると、

野菜を食べる → 腸内細菌(腸内環境)を変える → 腸のスイッチが増える → インスリンが多く分泌される → 血糖値が下がる




伊藤裕先生の解説


ここで、専門家の先生が登場。

慶應義塾大学 伊藤裕 教授です。


血糖値を下げるために、腸内細菌を増やす。

それに適したオススメの食品を、教えていただきました。


<一品加えるなら>

水溶性食物繊維が豊富なもの。

 ・ゴボウ
 ・ニンニク
 ・タマネギ
 ・ニンジン

 ・キノコ類
 ・トマト

 ・オクラ
 ・納豆

 ・海藻類(ワカメ、ヒジキ)

 ・大麦入り玄米ごはん
 ・五穀米



イモ以外の根菜類、キノコ類、海藻類、ネバネバした食材など、水溶性食物繊維が多い食品がよい。

水溶性食物繊維が多い食品を一品加えることで、糖質や脂肪が多い食品が自然に減らせるという効果も。


腸内細菌は、お腹に飼っているかわいいペット。

それにエサを与えるつもりで、水溶性食物繊維が多い食品を一品食べる。

毎日、少しずつでもいいから、ちゃんと与えること。



これは体質改善なので、効果が現れるには時間がかかります。

なので、現在行っている薬物治療などは、急にやめると危険。

お医者さんの指導に従いましょう。




ササミ
腸内細菌に水溶性食物繊維を与えることで、糖尿病になりにくい体質に変えられます。

エノキ
ガッテン! ガッテン!




魚を先に


ササミ
最後は、増やした腸のスイッチを、パワーアップさせる方法です。


腸のパワーを引き出す食べ物、それは「魚」

ただ、一つ守らないといけない、大事なコツがある。


関西電力病院の 清野裕 院長が、教えてくれました。

「一番大事なことは、まず魚を食べておいて、そのあとで、ゴハンを食べていただく」

「これ、逆にすると、まったく効果がないので、それに尽きると思います」


魚には、腸のスイッチを強く押し、「インスリンを出せ!」という指令を、たくさん出させる働きがあるんです。

スイッチに先に到達するものに この性質があると、この働きが増幅される。


「野菜や魚を食べた後に、ごはんを食べるのがコツ!」




今週の色紙


食事の際は、腸内のペットのために、野菜を一品つける。

ごはんを食べる時には、自分の分とペットの分、2回唱える。


「いただきます。いただきます」





健康プレミアム Vol.8 2015年 07 月号 [雑誌]: NHKためしてガッテン 増刊



腸!  いい話 (朝日新書)


 





ササミ
腸内細菌が糖尿病にまで つながるなんて、ビックリですね。

エノキ
野菜一品だけなら、何とかなりそうだな。

作り置き惣菜を、冷蔵庫に入れておくとかね。

納豆でもいいか。

ササミ
「魚を先に」も、覚えておきたいですね。

ごはんは、その後。

エノキ
付箋でも、貼っておこうかな。





次回は、たった100mgで、死亡率を激減させる、長寿ビタミン?

「肌 ホネ 血管 若さのカギ ビタミンパワー決定版」。





NHKためしてガッテン 2015年 05 月号 [雑誌]



関西電力病院のおいしい糖尿病レシピ (主婦の友実用№1シリーズ)






 → 「糖尿病・インクレチン関連薬」

 → 「潰瘍性大腸炎と腸内細菌移植療法」




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tag : ためしてガッテン 糖尿病 生活習慣病


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50歳代に突入し、健康の話題を口にすることが多くなりました。老眼が始まったり、白髪もチラホラ。筋肉痛は、2~3日遅れる。

老化は止められないけど、緩やかにしたい。できるだけ健康でいたい。できれば、生活を楽しみたい。そういう気持ちで、情報を集め、分かりやすく記録に残しています。

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