むくみモドキ 甲状腺機能低下症/ためしてガッテン
今週のテーマは、「脚のむくみ」。
むくみモドキの見分け方。
(1) 声 (2) 指で判定(へこむか、へこまないか)
甲状腺ホルモンとヒアルロン酸。
病名「甲状腺機能低下症」。
薬は?
うつ病との関係。
すみれクリニック 岡本泰之 院長の解説。
2015年6月3日放送の「ためしてガッテン」より、「脚のむくみがサイン! 潜むホルモンの大乱調」からのメモ書きです。

□ 怖いむくみ

今回のテーマは、女性の大敵、「脚のむくみ」。
なんでも、通常のむくみではない、「むくみモドキ」があるのだという。
一般的なむくみは、重力により、足に水分がたまったもの。
では、むくみモドキは、何によるものなのでしょうか?
放っておくと、こんなことになるといいます。
抜け毛、冷え、しつこい便秘、肥満、動悸、息切れ、しまいには、内臓むくみまで。
その予備軍は、300万人以上らしい。
[体験談(1)]
24歳の女性、Aさん。
3年前、脚に症状が表れ始めたといいます。
なぜか、朝も夜も関係なく、脚がむくむようになった。
Aさんは血流をよくするため、毎日、入念なストレッチをしました。
でも、治らない。
むくみ解消ストッキングも、効果がありません。
どんどん、ひどくなるばかりだった。
驚きの事実は、5ヵ月後に、判明しました。
健康診断の総合判定が、D2。要精密検査だったのです。
[体験談(2)]
東京都にお住いの女性。
Bさんも、しつこい脚のむくみに、悩んできました。
そしてやがて、不思議な症状が。
まぶたがむくんで、視界にまで影響が出てきたのです。
細い感じにしか見えない。
さらに、脚も手も むくんで、巨大化。
ついには、命にまで危険が…。
息ができなくなり、横になっても、苦しくて眠れない。
Bさんは、すぐに入院。
1ヵ月にわたる治療を、余儀なくされました。
AさんとBさんの共通点は、むくみ対策が効かないこと。
Aさんが健康診断で問題とされたのは、「心陰影の拡大」。
心臓が大きくなるという症状でした。
すみれクリニックの岡本泰之 院長は、こう教えてくれました。
この病気になると、心臓が大きく腫れてくるのだという。
そうなると、心臓から送り出される血液が、3割ないし5割程度、重症になると低下する。
そのためか、Aさんは、こんな経験を。
普通に寝ている時に、呼吸ができなくて、目が覚めた。
声を上げることも、できなかったそう。
そのまま死んでしまうんではないかと、怖かったといいます。
Bさんが息苦しくなったのも、心臓のむくみが原因だと考えられる。
□ 見分け方と原因物質

むくみに悩む街のみなさんと一緒に、金地病院へ。
山田恵美子 院長に、普通のむくみか、むくみモドキか、判定してもらいます。
<むくみモドキを見分ける方法>
(1) 声
むくみモドキは、声帯にも及ぶ。
声がしわがれたり、低くなることが、よくある。
(2) 指で判定
むこうずねの辺りを、5秒ほど、強く押します。
へこむ(跡がくっきりと残る)のは、普通のむくみ。
へこまないのは、むくみモドキ。

へこまず、戻るのは、水分ではなく、違う物質が入っているから。
それは意外なものでした。
実は、ヒアルロン酸だったんです。
ヒアルロン酸はゼリー状の物質、だから、すぐに戻るんですね。
<ヒアルロン酸>
ヒアルロン酸は、細胞が作っているものです。
何のためかといえば、細胞と細胞の隙間を埋めて、湿り気を与える。そして、クッションとして細胞を守る役割を果たしています。
むくみモドキは、ヒアルロン酸が脚にたまりすぎて、むくんでいる状態。
では、なぜ、たまりすぎてしまうのでしょう?
むくみモドキの可能性があると判定された方が、精密検査を受けることになりました。
超音波エコーで、首を調べています。
すると、腫れが見つかりました。
甲状腺の働きが低下している可能性があるとのこと。
むくみと甲状腺の関係は?
甲状腺は、喉仏の下の方にある、5cmほどの臓器。
全身60兆の細胞に必要な、甲状腺ホルモンを作っています。
□ メカニズム

甲状腺の衰えが、体の不調を引き起こす。
その訳とは?
前述のとおり、甲状腺の仕事は、甲状腺ホルモンを作ること。
甲状腺ホルモンは、全身の細胞に届いて活発にさせる働きがあります。
活発になった細胞Aは、ヒアルロン酸を作る。
でも、細胞Bは、ヒアルロン酸を分解する酵素を作るんですね。
細胞Aがヒアルロン酸を作る一方で、細胞Bは古くなったヒアルロン酸を処分しているんです。
健康な状態では、このバランスがいい。
しかし、甲状腺に元気がなくなると、違ってきます。
まず、甲状腺ホルモンが不足してきくる。
すると、細胞が不元気に。
けれど、ヒアルロン酸は体に欠かせないものなので、細胞Aは何とか頑張って、作り続けるんですね。
でも、細胞Bは、分解酵素を作り出しません。
結果、古くなったヒアルロン酸が、どんどん、たまってしまうんです。
これが、むくみの原因になる。
というわけで、原因は、甲状腺ホルモンの量が減ってしまったから、でした。
病名は、「甲状腺機能低下症」。
<むくみモドキの見分け方>
(1) むくんでいる脚のむこうずねの横を、5秒ほど、強く押します。
普通のむくみであれば、へこみます(へこみが残る)。
危険なむくみモドキの場合、へこみません。
甲状腺の機能が低下している可能性がある。


むくみモドキがあれば、甲状腺機能低下症の恐れが!

ガッテン! ガッテン!
□ 甲状腺機能低下症の治療
甲状腺機能低下による全身のむくみに悩まされた、Bさん。
薬を飲むようになって、たったひと月で、むくみが解消しました。
Aさんも薬を飲むようになってから、むくみが取れて、体も軽くなったそう。
体重が減って、安心した。
薬の名前は、「甲状腺ホルモン剤」。
[体験談(3)]
東京都にお住いの、Cさん。
3年間、重度のうつ状態に苦しんできました。
家事もままならないほど、気力が低下。
時には、洗濯物が片付けられなくなるほどだったという。
病院をいくつも回り、抗うつ薬も飲みましたが、効果がありません。
しかし、甲状腺の専門病院で、ようやく本当の原因が分かった。
お医者さんは、こう説明してくれました。
「たいへん、うつに似たような症状が出て、うつ病に間違われてしまうことも多いです」
「抗うつ剤であまり効果が無い場合は、甲状腺の病気も疑って、検査していただくといいと思います」
□ 岡本泰之 先生の解説
ここでスタジオに、専門家の先生が登場。
大阪にある甲状腺の専門病院、すみれクリニックの 岡本泰之 院長です。
甲状腺機能低下症は、女性の方がなりやすい病気だという。
原因は、自分自身の免疫が甲状腺を傷つけること。
遺伝的なところも、少しあるそう。
へこまない むくみがあったら、甲状腺の検査を。
うつに似た症状ですが、甲状腺ホルモンが不足すると、脳内の神経細胞間のやり取りの元気がなくなり、ものを考えにくくなったり、意欲がなくなったりと、うつ状態になると考えられている。
<甲状腺機能低下症の症状>
・うつ状態。
・冷え。
・抜け毛。(特に、眉毛の外側半分が抜けやすくなる)
・発汗減少。(汗をかきにくくなる)
・乾燥肌。
・便秘。(腸の動きが悪くなる)
・疲労。(全身の疲れ)
・心機能低下。
・関節痛。(古いヒアルロン酸が、たまりすぎるため)
甲状腺ホルモンは、全身の60兆個の細胞に働いて、元気にしているホルモン。
なので、不足すると、様々な症状が出てくるんです。
むくみモドキがあり、上の症状があるようなら、病院を受診し、一度、甲状腺の検査を。
甲状腺ホルモンは、簡単な血液検査で診断が可能らしい。
甲状腺機能低下症の疑いがあれば、保険が適用されるそうです。
□ 今週の色紙
つらい症状が出る、むくみモドキ。
へこまない むくみは、甲状腺機能低下症の疑いがあることを知りました。
なので…
「もう、へこまない」
![NHKためしてガッテン 2015年 05 月号 [雑誌]](http://ecx.images-amazon.com/images/I/61iFvL0elCL._SX220_.jpg)

□

危険なむくみが、あるんですね。

内臓まで むくむなんて、ビックリしました。

うつ状態になることまで、あるとか。

指で押して、チェック。
むくみモドキと症状があったら、ぜひ、検査を。
次回は、「食べて糖尿病大改善! 医師も驚がく最新ワザ」。
運動でも、薬でも、食事制限でもなく、食べて血糖値を下げる?
![健康プレミアム Vol.8 2015年 07 月号 [雑誌]: NHKためしてガッテン 増刊](http://ecx.images-amazon.com/images/I/61o772v37BL._SX220_.jpg)

→ 「女性の薄毛と甲状腺機能低下症」
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