酒粕が悪玉(LDL)コレステロールを減らす/健康カプセル! ゲンキの時間
今回のテーマは、「コレステロール」。
食事は関係あるの?
肝臓が調整してくれる?
善玉(HDL)と悪玉(LDL)の比率が大事!
HDLを増やすウォーキング(有酸素運動)。
LDLを減らす酒粕。
ドクネット:東京女子医科大学 高血圧・内分泌内科 市原淳弘
2015年5月17日放送の「健康カプセル! ゲンキの時間」より、「~悪玉減らして善玉増やそう!~ 決定版コレステロール調整法」からのメモ書きです。

□ コレステロール

さっそくですが、問題です。
Q)卵は、たくさん食べてもいい? 悪い? どっちでしょう?
街でも、意見が割れています。
・コレステロールが気になるので、食べ過ぎはよくないと聞く。
・1日 1個までにしている。
・たくさん食べても、コレステロールは上がらないと思う。
・最近、変わってきたと聞いた。
今回は、知っているようで知らない、コレステロールの謎を徹底解明。
<コレステロールを多く含む食材>
・いくら:480mg
・卵:420mg
・しらす:390mg
・レバー:370mg
・いか:320mg
・明太子:280mg
(100g あたり)
これらコレステロールを多く含む食品は、これまで、摂り過ぎるとよくないとされてきました。
しかし、アメリカでは今年、政府の諮問委員会が、「コレステロール摂取制限の必要はない」と報告。
日本でも、厚生労働省の定める「食事摂取基準」で、動きがありました。
これまで設定されていたコレステロールの食事摂取の目標量が、2015年版には、無くなっています。
厚生労働省の見解はこう。
「コレステロールには様々な研究があり、十分な科学的根拠が得られなかったため、目標量の算定は控えた」
東京女子医科大学 高血圧・内分泌内科の市原淳弘 主任教授は、こう教えてくれましたよ。
「コレステロールを食事からたくさん摂っても、血液中のコレステロールが 上がる人と上がらない人がいるんです」
コレステロールを多く含む食品を食べても、上がらない人がいる。
その理由は、「肝臓が身体のコレステロールをコントロールしてくれているから」。
人間の身体の中のコレステロールは、食事から摂取されたものが 約30%、肝臓で合成されたものが 約70% なんです。
さらに、肝臓には、体内のコレステロールを調整する機能があり、コレステロールの多い食品を食べたとしても、肝臓で作りだす量を減らしてくれるので、数値が上がらない人がいる。
イタリアのご長寿、エマ・モラノさん(115歳)は、毎日 卵を3個食べるのを欠かさないそう。
悪者にされがちなコレステロールですが、実は、健康のために必要なもの。
身体の中の細胞膜やホルモンの材料になる、欠かせない成分なんですよ。
では逆に、コレステロールの値が高い人は、どうして、そうなってしまうのでしょうか?
市原先生によれば、様々な原因があるのだという。
血液中のコレステロールには、大きく分けて2つあります。
1つは「LDL」で、もう1つは「HDL」。
LDLは、身体の材料となるコレステロールを、必要な場所に運ぶ役割。
HDLは、余ってしまったコレステロールを、持ち去ってくれる役割。
この両者のバランスが取れている時はいいのですが、LDLだけが増えすぎると、問題が生じてきます。
材料が多すぎて、血管内にコレステロールが溜まり、これが血液の流れを止める原因に!
そうなると、狭心症や心筋梗塞など、怖ろしい病気を引き起こしかねません。
このため、LDLは「悪玉コレステロール」と呼ばれる。
一方、余ったコレステロールを運んでくれるHDLは、「善玉コレステロール」と呼ばれるんですね。
ということで、「大事なのは LDLとHDLの比率」ということになります。
LDLをHDLで割った値が、「3」を超えると危険域。
「2~3」が注意。
「2」以下が、正常値になります。

<LDL(悪玉)コレステロールが高くなる原因(1)>
・カロリーオーバー。
消費エネルギーを上回ってカロリーを摂り過ぎてしまうと、余分なエネルギーが「アセチルCoA」という物質を生みます。
食べ過ぎると、肝臓でアセチルCoA が増えて、コレステロールを作り出してしまう。
その結果、コレステロールの量を肝臓で調節できなくなり、血液中のLDL(悪玉)が増加してしまうんです。
また、食べ過ぎによって内臓脂肪が溜まることも、LDL(悪玉)を増やす原因になる。
女性の場合は、こんなことも。
典型的な更年期。閉経後に起こってくる、高コレステロール血症。
女性は閉経すると、エストロゲンというホルモンが減ってくる。
エストロゲンには、LDLを下げる働きがあるんですね。(LDLを肝臓に取り込み、分解を助ける働き)
なので、閉経後、血中のLDLが増えてしまう。
体質に原因があるケースも。
食事で摂ったコレステロールは、腸管から吸収されます。
この吸収が非常にいい体質を持った方がいる。
日本人の約3割が、そうなのだそう。
やせていたり、生活習慣に問題が無い場合、LDLの数値が高いのは体質のせいである可能性がある。
こういった体質の人は、コレステロールの多い食品を摂り過ぎないように注意した方がいい。
□ ドクネット
引き続き、東京女子医科大学の市原先生に、お話をうかがいます。
食品による血中コレステロールの影響は、個人差が大きいのだという。
前述のように、体質が原因でLDLの数値が高くなってしまう人は、コレステロールを多く含む食品を控えた方がいい。
けれど、生活習慣や閉経などが原因の人は、食品については、それほど気にしなくてもいいそう。注意する点は、コレステロールよりも他にある。
<LDL(悪玉)コレステロールを増やす生活習慣>
(1) 飽和脂肪酸(動物性脂肪)
(2) 食べ過ぎ・肥満
(3) 運動不足
(4) 睡眠不足
(5) 飲酒・喫煙
LDLの数値が高い人は、牛乳やヨーグルトなどの乳製品にも、注意が必要。
これは、乳製品にも動物性脂肪が多く含まれているためです。
数値が高い人は、牛乳だと 1日に200~400cc までにしたり、低脂肪乳にするとよい。
□ 血管を若返らせる

コレステロールが溜まると、血管に「プラーク」というコブができてしまいます。
今までは「一度できてしまうと小さくすることはできない」と考えられてきました。
ところが、最近、新しい報告が。
[体験談]
東京都にお住いの、83歳の男性。
65歳の時、体に異変が起こりました。
最初、腕が上がらなくなったといいます。
荷物を担ごうとすると、肩に痛みが。
その後、顔色が悪いと指摘され、ある日、急に、胸に痛みが走った。
病院を受診したところ、「狭心症」だと言われました。
心臓の冠動脈が狭くなり、血液が流れにくい状態になったことで、様々な症状が出ていたのです。
その後、薬で治療はしたものの、改善はせず、心筋梗塞を引き起こしてしまいました。
以前の健康診断表を見てみると、当時は LDLの項目はなかったのですが、総コレステロールは正常範囲。
ただ、HDL(善玉)コレステロールの値が、低かった。
コレステロールの回収役であるHDLが少ないため、コレステロールを減らせずに、血管が狭くなってしまったようです。
HDLを減らした原因は、徹夜の麻雀など、不規則な生活や喫煙だと考えられます。
治療の結果、一命は取り留めたものの、血管はボロボロで、再発の可能性が。
ところが、医師から2つのことをするように言われ、それを続けたところ、1年半後には、プラークが小さくなり、症状も大幅に改善しました。
1つは、「ウォーキング」。
ウォーキングなどの有酸素運動は、HDL(善玉)コレステロールを増やすのに効果的なんです。
血管内の余った材料を持ち去ってくれるHDLコレステロールには、プラークを除去してくれる働きもある。
男性は、脈が上がるくらいのスピードで、40分から1時間程度のウォーキングを、週に4回行っています。
おかげで、HDLの値が、大幅に増えた。
2つ目は、食事。
例えば、LDLを下げてHDLを上げる働きのある 大豆料理や青魚を食べるようになった。
さらに、とっておきなのが、「酒粕(さけかす)」。
実は、酒粕にも、LDL(悪玉)を下げる効果があるんです。
酒粕のタンパク質は消化されにくいので、小腸で余分なコレステロールを排出してくれるんです。
<酒粕料理>
酒粕を軽く焼き、オリゴ糖やハチミツをかける。

酒粕は、1日 約50gを目安に食べると効果的。
粕汁や甘酒などに調理しても、よいそうですよ。
コレステロールの数値が高くて、薬を飲んでもなかなか改善しない場合、腎臓や甲状腺などホルモンの病気が潜んでいることがあります。
早めに診察を!

[感想]

食べ物に注意した方がいい人と、そうでもない人、どっちもいるんですね。

自分がどのタイプか知ることが、まず大事だと。
あとは、毎年 検診を受けて、値をチェック。
お医者さんの指導をよく聞く。

酒粕か。
食べてみようかな。

[コレステロールに関する記事]
→ 「善玉コレステロールとは? 血管とプラーク」
→ 「内臓脂肪とコレステロール」
→ 「酒かす(酒粕)でコレステロールを減らす」
- 関連記事
-
-
ストレスとセロトニン活性術/健康カプセル! ゲンキの時間 2015/06/08
-
潰瘍性大腸炎と腸内細菌移植療法/健康カプセル! ゲンキの時間 2015/06/01
-
酒粕が悪玉(LDL)コレステロールを減らす/健康カプセル! ゲンキの時間 2015/05/23
-
いびきアゴ&闘魂ストレッチ/健康カプセル! ゲンキの時間 2015/05/18
-
斑目先生の首コリほぐし&チェック方法/健康カプセル! ゲンキの時間 2015/04/27
-
tag : 健康カプセル!ゲンキの時間 コレステロール 生活習慣病
<スポンサードリンク>


