危険なねんざ 靴底チェック&かかと上げ/ためしてガッテン
今週のテーマは、「ねんざ」。
30年後に爆発する?
危険な足首を見分けるポイント。
靴底の減り方に左右差があったら、要注意!
カギは、前距腓じん帯にあった。
日本体育大学 女子バレーボール部に学ぶ、ねんざの正しい治療法と予防。
腓骨筋群のトレーニング。
奈良県立医科大学 整形外科 田中康仁 教授の解説。
2015年5月13日放送の「ためしてガッテン」より、「驚き! 最新ねんざ治療 『3日安静』の大誤解」からのメモ書きです。

□ 足首が爆発?

「苦しくったって~♪」と、アタックNo.1の主題歌で始った、今回。
テーマは、スポ根アニメでもおなじみの、「足首のねんざ」なのだ。
誰もが経験する、ねんざ。
軽く見がちですが、30年前のねんざのせいで、足の骨を手術することになった人もいる。
また、ねんざが腰やヒザなど、体中の痛みにつながることも。
足首に潜んでいる危険を簡単に見分ける方法とは?
カギは、足の裏にあった。
トップアスリートに聞く、正しいねんざの対策法。
再発予防にもなる、1日 たった5分の方法とは?
冒頭、お医者さんから、驚きの言葉が。
ねんざを始まりとして、加齢で爆発する!
「5年10年20年というふうに長い年月で、少しずつ少しずつバランスの悪さが、ひずみを少しずつ作っていって、それが 年がたってから爆発する」
ねんざと聞いて、どう思います?
2~3日安静にしていれば、炎症が治まる?
今日は、この常識が、覆されるようです。
まだ、その先があった。
[体験談(1)]
埼玉県にお住いの、71歳の男性。
36年前に、ねんざをしました。
仕事中に、段差で足をグキリ。
左足首が腫れ上がり、刺すような痛みがあったという。
接骨院でもらった湿布を貼り、様子を見ることにしました。
骨自体に異常はなく、痛みそのものは 2日ほどで、徐々に引いてきました。
そのうち腫れもおさまり、治療は終了。
普段の生活に戻ったという。
…
…
そして、約30年後。
定年退職をきっかけに始めたウォーキング中、激痛が走りました。
これ以上は歩けないほどです。
病院で検査を受けると、「このままだと、いずれ歩けなくなります」と言われた。
しかも、これを招いたのは、30年前のねんざだという。
X線写真を見ると、関節の間にあるはずの軟骨がすり減ってしまい、骨同士が直接ぶつかっている状態だった。
痛いはずです。
男性は、手術することになりました。
足の骨に自分の腰骨の一部を埋め込むという、大手術だった。
術後も、傷口が化膿するなど、入退院を繰り返し、半年近くも、器具で足を固定せねばなりませんでした。
しかし、30年以上前のねんざが大手術につながるなんて、どういうことなんでしょう?
[体験談(2)]
67歳の男性。
10年ほど前、左の腰から足の付け根まで、しびれるような痛みが出ました。
運転して降りようとしたら、股関節のあたりがすごく痛くて、腰が動かない。
整形外科を受診したところ、過去のねんざが原因ではないかと、言われた。
男性は、確かに過去(27年前)、左足首に 大きなねんざを経験していました。
[体験談(3)]
ある女性。
5年前、股関節が痛くなって、ヒザにまで違和感を感じるようになりました。
骨がずれているような感じがして、右脚にしびれがある。
ようやく最近になって、体の不調の原因が分かりました。
それは、過去の右足首のねんざだったのです。
ずっと前のねんざで、みなさん、たいへんなことに。
その兆しを見つけることは、できないのでしょうか?
危険な足首を見つけるポイントとは?
□ 危険な足首

ガッテン名物、大調査。
ハイキング好き、健脚自慢のみなさんに、集まってもらいましたよ。
みなさんの足をチェックしてくれるのは、慶應義塾大学 スポーツ医学研究センター 橋本健史 准教授。
ねんざのエキスパートだ。
登るのは、富士山。
ではなくて、鳩森八幡神社の富士塚。
さらに、ムカデ競争も。
足つぼ5メートル歩行まで。
最後は、足湯でしめました。
その結果、22人中、6人が危険な足首だとの判定。
でも、いったい、何を見てたんでしょうか?
橋本先生が見ていたのは、「靴の底」。
「右と左の減り方の違い」が、危険な足首のサインだったのです。
例えば、下の画像だと、右の靴底が減っています。

左右差がある状態で歩行を続けていると、今後、足首に痛みが出てくる可能性がある。
では、なぜ、すり減り方に左右差が出るのでしょう?
センサーで足圧を見ると、分かってきましたよ。
正常な足の場合、重心が踵(かかと)からまっすぐ、移動していきます。
でも、危険な足首の場合、重心の移動がまっすぐではありません。
歩く時、正常な足は、踵から足先に向かい、重心がまっすぐに移動。
危険な足の場合、踵のつき方が曲がっていて、そこから足先に向かいます。

靴底の減りに 左右の違いがある人は、足首に要注意!
□ 前距腓じん帯

危険な足首の人の足は、あるものと似ているそうです。
それは、何だと思います?
実は、ねんざする人と同じ足の動物が、いるんです。
動物園で迎えてくれたのは、元園長の小宮輝之さん。
小宮さんは、1000種類以上の動物の足跡を、とってきたんだって。
人呼んで、「足跡博士」。
ゾウの足跡だって、とっちゃう。
そして、ねんざする人と同じ足の動物ですが、「猿回しのおサルさん」だった。
実は、両者には、共通して欠けているものがあるんです。
京都大学 自然人類学研究室の中務真人 教授に、お話をうかがいました。
先生は、ヒトの二足歩行がどのように進化してきたかを、研究しておられる。
共通して欠けているものとは、「前距腓(ぜんきょひ)じん帯」。
このじん帯はサルには無いもので、ヒトが二足歩行するようになって、安定した歩行のために獲得したものだと考えられている。
そして、ねんざをしやすい人は、前距腓じん帯に何らかの異常を起こしている可能性が高いのだそう。
サルは木登りするので、足の関節がゆるやかにできている。
でも、人間は二足歩行を始めたので、足の関節は安定している方がいい。
そこで、前距腓じん帯を、進化の過程で、手に入れたんですね。
ねんざをした際、この前距腓じん帯を、切ってしまうことがあります。
知らない間に、じん帯断裂をしている可能性が!
若い頃は、他の筋肉があるので、前距腓じん帯が切れていても、問題なく歩けます。
ところが、加齢によって筋肉量が減ってしまうと、影響が出てきてしまう。
なんと、軟骨がすり減りやすくなってしまうんです。
歩き方により、ヒザや股関節、腰などに、影響が出ることもあります。
知らない間に、筋肉に負担がかかってしまう。
これが蓄積されるわけですから、やがて、たいへんなことに。

ねんざで、前距腓じん帯を損傷することがある。
すると、加齢により、思わぬ症状が!

ガッテン! ガッテン!
□ 治療と再発予防

ねんざの常識、「2~3日の安静」には、先がありました。
それは、「2週間 なるべく動かさない」。
この間に、コラーゲンが増えるのだそうです。
その後、「4週間 トレーニング」。
ここで、じん帯が再生する。

ねんざの正しい治療法を教えてくれるのは、こちらの方々。
日本体育大学 女子バレーボール部のみなさんだ。
昨年、大学日本一に輝きました。
29回の最多優勝記録を持つ、名門校。
ところが、20年以上も優勝から遠ざかっていたといいます。
その理由は、ねんざだった。
レギュラーメンバーが ねんざなどのケガで、試合に出られないことが度々あったのです。
ところが、あることを実施したら、ねんざが激減。
優勝につながったのでした。
注目したのは、「腓骨筋群(ひこつきんぐん)」。
足の裏から、くるぶしの後ろを通って、骨とつながっている筋肉です。
<じん帯再生のカギ>
(1) ねんざしたら、最初の2~3日は安静にします。
この期間で炎症が治まる。
(2) 次の2週間は、なるべく動かさない期間を作ります。
この間に、コラーゲンが増える。
(3) その後の4週間はトレーニングをして、じん帯を再生させる。
この時、腓骨筋群を鍛えます。
日本体育大学 女子バレーボール部がやっていたのは、こんな運動。
<運動(1)>
足の親指にゴムを引っかけて、手前に手で引っ張りながら、足の親指を向こうに動かします。

<運動(2)>
重心をしっかりと足指全体にのせて、かかとを上げる。
このようなトレーニングを行うと、腓骨筋群が鍛えられると共に、前距腓じん帯にも力が加わります。
前距腓じん帯の中にはコラーゲンがあって、損傷を修復する働きをしてくれる。
さらに、前距腓じん帯に力が加わると、コラーゲンの質が変わり、太くて丈夫なじん帯が復活。
しかも、腓骨筋群を鍛えると、足首をしっかり固定することになり、ねんざ予防にも つながります。
<腓骨筋群を鍛えるメリット>
(1) 前距腓じん帯の再生を促進すると考えられている。
(2) 足首が安定し、たとえ前距腓じん帯がきちんと治っていなくても、軟骨の減りを防げる。
□ 田中康仁先生の解説
ここでスタジオに、専門家の先生が登場。
奈良県立医科大学 整形外科教授の、田中康仁 先生です。
重症のねんざは、じん帯断裂。
なのでまず、炎症が治まるまで、安静にします。
次の2週間は、じん帯を修復するコラーゲンが増えるまで、サポーターなどで足首を固定。
その後、腓骨筋群を鍛える。
[体験談(4)]
この女性は、昨年の9月、ハイヒールを履いている時に、大きなねんざをした。
そこで、痛みが引いたあとに、リハビリを開始。
筋トレをすることで、じん帯が復活しました。
ねんざをした時に きちんと治療すれば、じん帯は正常に近い状態に戻るそうです。
足がつけないほど痛いねんざであれば、スポーツ整形や足専門の整形外科を受診してください。
では、昔ねんざをして、治してない人は、どうしたらいいんでしょう?
みんながみんな、なるわけではありません。
靴をチェックして、靴底の削れ方がアンバランスなら、前距腓じん帯がきちんと治ってない恐れがある。
その場合でも、腓骨筋群を鍛えれば、ねんざの再発予防になるとのこと。
□ トレーニング
<かかと上げ>
腓骨筋群を鍛えます。
(痛みや腫れがある時は、控えてください)
(1) 用意するのは、五十円玉の大きさに作った厚紙。
それを肩幅ぐらいに、床の上に置く。
さらに、親指の付け根で踏むように、立ちます。
(2) 親指の付け根を意識して、つま先立ちに。
イスなどで、体を支えてくださいね。

(親指を意識すると、外側に力がかかるので、腓骨筋が鍛えられます)
(外側に筋肉が張れば、効いている証拠)
(逆に、内側に向かないように、注意すること!)
(小指側に重心が傾かないようにする)
回数の目安は、20回。
1日 朝夕1セットずつ。
□ 今週の色紙
ねんざを侮る人には、こう言おう。
「サルになっちゃうぞ」

□

ねんざって、思った以上に怖いんですね。

靴底、思いっきり、アンバランスです。
しかも、昔に激痛が走る ねんざを経験してる。
ヤバイ、ヤバイよ~。

ここはひとつ、かかと上げで予防を。
腓骨筋群を鍛えましょう。
次回は、「早く! すい臓がん発見 自己判定ガイド初公開」。
カギは、高松康子さん。

→ 「ヒザ痛に、靴下スライド運動&お皿ストレッチ」
→ 「変形性股関節症に貧乏ゆすり」
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