尿の色 泡立ち トイレ回数 腎臓病チェックリスト/健康カプセル! ゲンキの時間
今回のテーマは、「腎臓病」。
<尿チェックリスト>
(1) トイレの回数。
(2) 尿の色。
(3) 泡立ち。
健康診断結果報告書で分かる、リスクチェック方法。
(a) 尿たんぱく。
(b) 血液検査のクレアチニン。
腎臓病の可能性を上げる、意外な症状とは?
ドクネット:東京慈恵会医科大学附属病院 川村哲也 教授。
2015年3月22日放送の「健康カプセル! ゲンキの時間」より、「~総点検! チェックで分かる!~ 腎臓からのSOS!」からのメモ書きです。

□ 腎臓と尿

今回のテーマは、「腎臓病」。
慢性腎臓病の患者数は、2012年の調べで、推定1300万人。
しかも、その多くは、病気に気づかないまま生活していると言います。
腎臓の別名は、「沈黙の臓器」。
痛みが出にくく、気づいた時には病気が進行していることも多い。
さらに、一度機能を失うと、再生できません。
腎臓を守るには、早期に気づくことが大事。
そこで今回は、チェックリストを紹介します。
さっそく、クイズ。
Q)腎臓病のきっかけになる意外な症状は、次の3つのうち、どれでしょう?
(a) 関節痛
(b) のど痛
(c) 頭痛
正解は、「 (b) のど痛 」。
詳しくは、後半で。
<腎臓病 尿チェック>
(1) 最近、トイレの回数が増えた。
(2) 尿の色が赤い。
(3) 尿の泡立ち。
東京都港区にある、東京慈恵会医科大学附属病院。
川村哲也 教授に、解説していただきます。
腎臓の働きは、ろ過機能。
人工透析機に牛乳を通すと、透明な液体になります。
ただ、味は間違いなく、牛乳。
牛乳を白くしているタンパク質や乳脂肪が、取り除かれたのです。
腎臓には、「糸球体(しきゅうたい)」がある。
これは、毛玉のように丸まった、毛細血管。
糸球体に血液が流れると、粒子が小さい老廃物や余分な水分は通過します。
逆に、粒子が大きい血球やタンパク質などの栄養分は、そのまま。
こうして血液がろ過され、尿が作られるんですね。
<トイレの回数が増える理由>
腎臓は、血液から毒素をろ過して、尿に捨てています。
また、それと同時に、尿を濃くする、濃縮する力を持っている。
腎臓の働きが悪くなると、この濃縮力が低下。
これが、トイレの回数が増える原因に。
腎臓は、1日に1500リットルの血液から、1.5リットルの尿を作っている。
まず、糸球体で血液をろ過し、尿の元ができます。
そして、尿細管(にょうさいかん)という管の中で、必要な成分を再吸収。
尿の元が、濃縮される。
腎臓が病気になると、濃縮する能力が低下し、薄い尿が作られ続けることになります。
その結果、尿の回数が増えてしまう。
健康な人の尿の量は、1日に 1リットルから1.5リットル。
回数にすると、5回程度。
「尿の回数が10回以上」、特に、「夜中に4~5回 トイレに行く人」は、慢性腎不全の可能性が。
病院を受診した方がよいそうです。
<尿の色>
健康な腎臓では、粒子が大きい血球はフィルターを通らず、体内に残ります。
ところが、フィルターの機能が低下すると、血球がフィルターを通過してしまい、尿に混ざって、色が変わってしまう。

左から1番目と2番目の色なら、腎臓は健康だそうです。
3番目の色だと、黄色信号。
4~6番は、血尿の可能性が高い。
<尿の泡立ち>

左は、大丈夫。
真ん中も大きな泡なので、問題なし。
右はきめ細かい泡が混じっているので、危険。
腎臓のフィルター機能がやられてしまうと、ある成分が尿に出るようになり、きめ細かい泡が出る。
泡立ちの正体は、タンパク質。
右のように、細かい泡が立って、3分たっても消えないなら、タンパク質が尿に出ている可能性が。
ぜひ、尿検査を。
腎臓の機能低下は、まず尿に現れやすい。
なので、日頃から、尿の異常を確認することが、大切になります。
<腎臓病 尿チェックリスト>
(1) 1日10回以上(夜間4回以上)尿が出る。
(2) 血尿(赤っぽい色の尿)が出る。
(3) 細かい泡が立ち消えにくい。

腎臓の機能が停止してしまうと、身体の中の老廃物を、排出できなくなります。
そうなると、人工透析をしなくてはならなくなる。
□ 人工透析
人工透析とは、正常に機能しなくなった腎臓の代わりに、血液の老廃物や毒素をろ過するもの。
週に3回は病院に通い、1回に4時間から5時間かけて、治療を受けねばなりません。
主な原因は、生活習慣病の糖尿病や高血圧。
これが腎臓の機能を低下させ、やがて腎不全に。
透析をすると、長時間の治療以外にも、水分や食事の制限など、生活の自由が奪われてしまいます。
そうならないために大事なのは、まずは、食事の管理を。
腹八分が基本だと言います。
暴飲暴食、睡眠不足、不規則な生活に注意。
特に、ずっと続けるのは危険です。
生活を見直しましょう。
あとは、健康診断や定期検診。
甘く見ずに、医師のアドバイスをしっかり聞くこと。
□ ドクネット
引き続き、東京慈恵会医科大学の 川村哲也 教授に、解説していただきます。
食事では、塩分とたんぱく質を摂り過ぎないことも、大事だという。
塩分を摂り過ぎると、腎臓がろ過すべき塩分・水分の量が増えて、負担がかかってしまいます。
(1日の塩分摂取の目安は、8~10g)
(また、医師の指導がある場合は、それに従ってください)
タンパク質の燃えカスである窒素成分が、身体の中に老廃物として溜まるので、これも腎臓の負担になります。
(1日のタンパク質の摂取目安は、60~70g)
(体重や運動量によっても、変わります)
激しい運動をすると、血尿が出ると聞くことがあります。
これは、血尿ではなくて、筋肉の一部の「ミオグロビン」という物質が、尿に漏れている状態。
茶褐色なので、血尿に間違われるのだそうです。
血圧と腎臓は、すごく関係がある。
血圧が高いと、糸球体にすごく負担がかかります。
塩分の摂り過ぎには、要注意です。
□ リスクチェック

健康診断の結果報告書からも、腎臓病のチェックができるそうです。
<健康診断の結果報告書で分かる>
<腎臓病 リスクチェック法>
(1) 尿検査の尿たんぱく
(2) 血液検査のクレアチニン


クレアチニンは、血液の老廃物と言われるもの。
上の2つの結果から、リスクが分かります。
<腎臓病リスク早見表>

クレアチニンを規定する因子として、「筋肉量」があります。
運動している人は筋肉量が多いので、クレアチニンが少し高く出る可能性があるそう。
□ リスクが高まる症状の組み合わせ

血尿は、腎臓病以外にも、膀胱炎など、他の病気でも現れることがあります。
血尿だけだと、腎臓病の可能性は、約20%。
ところが、ここにある症状が加わると、80%にまで跳ね上がる。
それが、冒頭のクイズに出てきた、「のどの痛みや腫れ」。
腎臓とのど、どういう関係があるのでしょう?
のどに菌が入ると、これを排除するために、身体は免疫物質を作ります。
その免疫物質の一部が腎臓にくっついて、炎症を起こして、「腎炎」を起こすことがある。
のどが腫れて痛い時に、血尿が出る場合は、腎炎の可能性が。
続いては、3つの組み合わせ。
1つ目は、尿の泡立ち。
尿の泡立ちだけだと、腎臓病の可能性は 約20%。
ここにある症状が加わると、可能性は50%にまで上昇。
その症状とは、「脚のむくみ」。
腎臓の働きが低下すると、水分の調節ができなくなって、脚がむくむんです。
<むくみチェック>
すねの骨の部分を10秒間押します。
指の跡が残ったら、むくみのサイン。

腎臓病の人は、くっきりと跡が残ります。
3つ目は、下痢。
脚だけでなく、腸もむくむそうなのです。
そうすると、腸から必要な水分が身体の中に吸収されなくなって、下痢になる。
尿の泡立ち+脚のむくみ+下痢で、腎臓病の可能性は、90%に。
この3つの症状が重なったら、腎臓の専門医への受診を。

[感想]

尿の状態を見るのって、大事なんですね。

のどの痛みや脚のむくみが関係するなんて、思ってもみませんでした。
沈黙の臓器だけに、気をつけないと。

チェック項目、覚えておこうっと!

[に関する記事]
→ 「尼崎市の人工透析対策 腎機能はクレアチニンでチェック」
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