線維筋痛症とポイントQチェック/ためしてガッテン

今週のテーマは、「長引く痛み」

慢性痛の一種、「線維筋痛症」

脊髄の暴走で、激痛が。

ポイントQ を指で押して、セルフチェック。


東京医科大学 八王子医療センター 岡寛 教授の解説。

数値化し、痛みを理解することが大事。

新薬も登場している。


(「繊維筋痛症」ではなく、「線維筋痛症」ですね。修正しました)



2014年12月3日放送の「ためしてガッテン」より、「マッサージでも治らない 長引く痛み治療最前線」からのメモ書きです。




ためしてガッテン 線維筋痛症とポイントQ




移動する激痛


ササミ
今回のテーマは、「長引く痛み」です。

その中には、危険なものがある。

放置すると、痛みがどんどん拡大。

破局的な状況になってしまうことも。

風や水が当たっただけで、激痛が走ってしまう人までいます。

しかも、この病気、潜在する患者数は、推定で200万人なのだという。



スタジオのみなさんも、いろんな痛みを経験しています。

志の輔さんは、寄生虫の「アニサキス」。

西村知美さんは、「お腹」。ガスが溜まって、激痛につながったのだとか。

髙田延彦さんは、「虫歯」。歯医者さんが嫌いで、3年も我慢したそう。




[体験談(1)]


45歳の女性、Aさん。

5年前、体に異変が生じました。

最初に感じたのは、足先の鈍い痛みだったという。

我慢できる程度の痛みでしたが、やがて激しくなった。

さらに、肩や頭など、様々な場所に出始めます。

痛み止めを飲んでみても、効果なし。

それどころか、次第にエスカレートしていったのだという。


水道の冷たい水で、指の関節に激痛が。

包丁で野菜を切った振動で、体が反応して痛みに変わる。

「体の中にガラスの破片が入っているような。中から神経とか皮膚とかに、ズキズキ刺されているようなイメージ」と、Aさんは振り返る。

あまりの痛みに、一睡もできないことが度々あったという。


Aさんは痛みに耐えかね、病院に行きました。

精密検査を受けましたが、異常は見つかりません。

原因が何であるか、分からない。

すごく痛いのに、検査では問題なしとなる。

悲しくて泣いて帰ったことも、あったといいます。



[体験談(2)]


刺繍(ししゅう)作家の、57歳の女性。Bさん。

最初の症状は、手のこわばるような痛みでした。

それがやがて、針も持てないほどの激痛へと変わっていった。

手の全部が、ズキンズキンと痛む。


Bさんの症状には、ある特徴がありました。

片方の手がよくなってきたと思ったら、反対側の手が動かなくなる。

痛みが移っていくのです。

さらに、他にも症状が。

ドライアイに、ドライマウス。

めまいで、起き上がること自体がつらくなることも。

やがて、日常生活を送るのでさえ、難しくなってしまいました。




このお二人、同じ特徴があります。

なんと、一番痛い場所が、その日によって、移動するそうなのです。

そして、検査をしても異常なしと言われる。



ケガなどの明らかな原因がないのに、長い間、痛みが続く。

このような症状を、「慢性痛(まんせいつう)」といいます。

実は今回紹介する病気も、慢性痛の一種。

名前を、「線維筋痛症(せんいきんつうしょう)」という。

線維筋痛症は、ものすごく診断の難しい病気で、病名がつくのに、すごく時間がかかるのだそうです。

中には、診断まで30年以上かかった人も。


そんな分からないことが多い病気なのですが、上で紹介した Aさんは、現在、日常生活では痛みがなくなりました。

Bさんも、大好きな刺繍をやれるまでに回復。

痛みが改善されたことで、お二人とも、表情が晴れやかに。



線維筋痛症が取り巻く状況は、大きく変わったのです。


今回、覚えてほしい一番大事な言葉は、「ポイントQ」

さて、これは何を意味するのでしょうか?




線維筋痛症とポイントQ


ガッテン大調査!

痛みに悩む人、約100人に、アンケートを実施。

その中から、痛みの原因が分からないという、3人が選ばれました。

線維筋痛症か、チェックを受けてもらいます。


協力してくださったのは、桑名東医療センターの松本美富士 先生。

痛み治療のスペシャリストだ。


見分ける方法は、親指。

問診のあと、指で患者さんの体を押します。

これで線維筋痛症か、分かるそうなのです。


結果、3人のうち、2人が線維筋痛症だと診断されました。


注目するのは、押していた場所です。

松本先生は、痛いと言ってない場所も、押していた。

実は、チェックする場所は、決まってるんですね。

押すのは、全部で18か所。

これが、「ポイントQ」になります。


え?

9か所が左右で計18か所だから、ポイント9(きゅー)?

違います。

名前の由来は、このあと出てくる。



検査の時、押す強さにも、特徴があります。

決して、強くない。

爪の部分が、半分もいかないくらい、白く変わる程度です。

こんなに軽く押しただけなのに、線維筋痛症の患者さんは、痛がっていました。




所変わって、秋葉原。

護身術の道場だ。

でも、ポイントQと、どう関係するんだろう?


「護身術@アキハバラ」

インストラクターの、願羽マサル(がんば まさる)さん。

数々の武術に通じた達人なのだとか。


願羽先生 曰く、ポイントQは、「そんなに力を使わなくても、相手を弱らせたりとかできる、ポイント」。

ということで、ポイントQの正体とは、「急所」。

つまり、ダジャレです。

ポイントQ → Q所 → 急所。


高田延彦さん曰く、「急所とは、急いで仕留められるところ」。

(実際のところは、不明です)



ここでの問題は、どうして、ポイントQと急所が重なっているのか。

実はここに、線維筋痛症を読み解くカギがある。



ポイントQは、全部で18か所。

筋肉に沿って神経の束が集まる場所で、じかに触ることができるポイント

この神経の束がつながっている先に、今日の主役がいます。


それは、「脊髄(せきずい)」


痛みがあると、刺激が神経を伝わって、信号として、脊髄に届きます。

この時、脊髄は、痛みのメーターの目盛りを上げる。

すると、私たちは痛みを感じることになるんですね。

さらに、ずっと痛いと、耐えられないので、脊髄は痛みのメーターの目盛りを弱めます。

私たちは痛いことがあると、その時は「痛い!」と感じ、その後、痛みは自然に鎮(しず)まると思ってますよね。

実はあれ、脊髄の働きなんです。

痛みが残っていても、感じ方を弱めてくれている。


では、線維筋痛症の時、脊髄はどうなっているのでしょう?

この時、脊髄は、刺激が伝わってくると、痛みの目盛りを、最大に上げてしまいます。

これが、激痛の正体。

しかも、そのまま、目盛りを下げてくれません。

なので、痛みが長く続いてしまう。


線維筋痛症は、脳や脊髄が暴走し、痛みが鎮まらない状態 だと考えられています。


脊髄は、体の奥にあるので、調子が悪いのかどうか、見て確かめることができません。

そこで役立つのが、ポイントQ 。

ポイントQ は、脊髄に直接つながっている場所。

ここを軽く押して、その信号が伝わった先、脊髄の様子を見ます。

激痛を感じるようであれば、調子が悪いことが分かるってわけ。




岡寛先生の解説


ここでスタジオに、専門家の先生が登場。

東京医科大学 八王子医療センターの、岡寛 教授です。


線維筋痛症ですが、2009年に学会ができて、ガイドラインが作られた。

これが、進歩の理由らしい。

脊髄と脳(中枢神経)が相まって、異常を起こしているということが、分かりました。


さて、肝心のポイントQ です。


まずは、首の前方。

さらに、鎖骨の少し下。


ポイントQ 首と鎖骨


次に、ヒジの出っ張りの、ちょっと外側。

腕を曲げて、骨のコロンとした所の、ちょっと外側になります。


ポイントQ 腕の外側


健康な人でも、数か所は痛い場合があります。


ポイントQ は、全部で18か所。

詳しくは、最後で。


岡先生によると、ポイントQ を押して、11か所以上 痛みがある人は、線維筋痛症の疑いがある

ただ、重症の人になると、痛すぎて、18のツボが分からない場合も。

18のツボは目安なので、長引く全身の痛みがある人は、病院を受診してください



<痛み以外の症状>

線維筋痛症になると、全身の痛み以外にも、症状が出ます。

 ドライアイ、ドライマウス、
 めまい、息苦しさ、疲労、
 便秘、下痢、嚥下(えんげ)障害など。



中でも、「疲労」は、患者さんの9割に見られる症状。

ドライアイ、ドライマウスのように、交感神経が緊張するタイプも多いとのこと。

また、便秘と下痢を交互に起こす人も。


脊髄の調子が悪くなる原因ですが、主に「ストレス」なのだそう。

人間のストレスには、心理的なものと身体的なものがあります。

心理的なものだと、様々な人間関係であるとか、あるいは、死別であるとか。

身体的なものだと、軽い捻挫(ねんざ)から、脊椎の手術など重いものまで、様々なものを含む。

割りと弱い痛みやストレスでも、持続していると、脊髄と脳の働きが乱れてしまうのだそう。



ササミ
線維筋痛症の原因は、脊髄と脳。

ポイントQ で、セルフチェックできます。

エノキ
ガッテン! ガッテン!




痛みの測定


ササミ
ここでスタジオに登場したのは、洗濯バサミ。

何をするのかと思ったら、耳たぶを はさみました。

当然、痛い、痛い、痛い!

で、痛みを数値化してもらったんですが、これが治療と関係ある?


さらに、キーワードが示されました。

「痛みを減らす、魔法の言葉」

「イタミをミタイ」

反対から読んでも、「イタミをミタイ」。




治療の効果を上げるのに欠かせないものとは、何なのでしょう?

岡先生の治療の様子を、見せていただきました。


まずは、問診。

次に、痛みを測るのだという。

なんと、痛みの感じ方を数字で正確に表せる機械があるんです。

この患者さんが ふだん感じているのは、肩の痛み。

まず、腕に貼った電極から電流を流し、痛みを起こします。

徐々に電流を強めていき、腕に感じる痛みが、肩の痛みより強くなった瞬間に、ボタンを押す。

これにより、痛みを数値化できるってわけ。


測定が終わったら、痛みを和らげるため、患部に赤外線を30分 当てて、温めます。

この時点では、治療の効果は、あまり感じられなかったみたい。

治療のあと、もう一度、痛みを測定します。

そして、痛みの数値が下がっていることを知らせれると、どうなるか?

なんと、治療の効果を、明確に実感できるようになったんです。



スタジオで、高田さんが、痛みの測定を体験します。

耳を洗濯バサミではさみ、腕には電極をつける。

腕の痛みが耳の痛みと同じになったら、ボタンを押してもらいます。

その結果、痛みの強度は「186」だと分かった。


ちなみに、線維筋痛症の患者さんの平均値は、「790」。

ものすごい激痛であることが分かります。

こんな痛みが持続するのであれば、メンタルにも影響が出るし、自律神経が乱れるのも、納得ですね。


線維筋痛症の患者さんの主訴(しゅそ)は、痛み。

痛みを抑えることで、症状の改善は可能なのだとか。


薬もあります。

中枢の興奮経路、脊髄が痛みメーターの目盛りを上げるのを抑える薬です。

脳と脊髄の興奮を抑えてくれる薬で、認可され、保険適用されました。

(薬の効果には、個人差があります)



<痛みを数値化するメリット>

 ・治療薬の調整。
 ・周囲の理解。



数値化することで、痛みを理解することができます。

また、痛みの強度により、投薬の量を調節することもできる。

これらが、「ストレス減」につながっていく。

相乗作用で、治療効果もアップ。



じゃあ、線維筋痛症が疑われた場合、病院の何科に行けばいいのでしょう?

岡先生によると、リウマチ科やペインクリニック、整形外科など、身体の痛みを扱っている科に行けばいいそうです。

早めに病院を受診し、診断、治療すると、良くなる可能性が高まります。



ササミ
線維筋痛症は、痛みを理解することが大切。

新薬も登場して、治療できる時代になりました。

エノキ
ガッテン! ガッテン!




知っ得メモ


<線維筋痛症セルフチェック>


ポイントQ は、以下の18か所。


・のど仏の両脇の、くぼんだ部分。

・鎖骨の一番内側から、指2本分、下。


ポイントQ 首と鎖骨


・ヒジを曲げた時にできる 骨のでっぱりから、2センチ 手首より。


ポイントQ 腕の外側


・ヒザ関節の骨から、足の付け根より 1センチの やわらかい部分。


ポイントQ ヒザ付近


・頭がい骨と首の境目、やや下。

・肩先と首のちょうど中間地点。

・肩甲骨の角の内側。


ポイントQ 首と肩


・お尻を4分割した、外側の上の、筋肉のくぼみ。


ポイントQ お尻


・大腿骨の付け根のでっぱりから、1センチ後ろのくぼみ。


ポイントQ 腰


爪の先が白くなるくらいの軽い力で押すのがコツです。

11か所以上に痛みがあったら、線維筋痛症の疑いが。

病院を受診してください。



ただし、ポイントQ は、あくまでも目安です。

11か所未満でも、長引く痛みが全身にあって、疲労感やめまいなど、様々な原因不明の不調がある人は、要注意!

専門医に、相談を。





今週の色紙


ポイントQ、急所とは、

「急いで相手を仕留める所」

(高田延彦 説)








 





エノキ
痛みの強度が「790」というのは、すさまじいですね。

ササミ
この数値を知ると、周囲の人も、いかに激しい痛みか理解できそう。

エノキ
まさか、原因がストレスとはねえ。

ササミ
痛みがさらなるストレスになるから、負のスパイラルですね。

エノキ
いいストレス解消法、ないかな~。





次回は、「便もれ500万人の衝撃 まさか私が予備軍SP」。












 → 「ためしてガッテン 2013年のアーカイブ 4月~6月」




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tag : ためしてガッテン 腰痛・関節痛


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50歳代に突入し、健康の話題を口にすることが多くなりました。老眼が始まったり、白髪もチラホラ。筋肉痛は、2~3日遅れる。

老化は止められないけど、緩やかにしたい。できるだけ健康でいたい。できれば、生活を楽しみたい。そういう気持ちで、情報を集め、分かりやすく記録に残しています。

おいしい食材や簡単料理にも、興味あり。


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