めまいを家で治す! 寝返り運動と枕で 耳石を砕け/ためしてガッテン

めまいが自宅で治せるって、本当?

人がラジコンみたいに動くって?


良性発作性頭位めまい症(BPPV)。

原因は、耳石による感覚毛の誤動作。

対策は、寝返り運動と枕を高くすること。


最後には、メニエール病の最新診断&治療法も。



2013年9月4日放送の「ためしてガッテン」より、「めまいは自宅で解決! 新発想の劇的改善ワザ」からのメモ書きです。




ためしてガッテン めまいは自宅で治せる




激しいめまい


ササミ
今週のテーマは、「めまい」です。

眩暈(げんうん)とも言いますね。

経験者によると、そうとう、つらいようです。

原因が不明の場合だってある。


ところが、そんな激しい めまいが、今や自宅で治せるというのです。

エノキ
それは、興味深いですね。


ササミ
ある病院に、激しい めまいを訴えて来られた患者さんたち。

そのうち53.8%は、「自宅で治せるめまい」なんだそうです。


そんな方々の、ふだんの生活の特徴は、こんな感じ。

・運動不足。
・パソコンをよく使う。
・寝相がよい。

エノキ
寝相が悪いじゃなくて、寝相がよい?

上の2つは分かるけど、寝相はよい方が悪いの?




めまいに襲われた人たち


埼玉県にお住いの、68歳の女性。

去年、激しい めまいに襲われました。

めまいが起こったのは、立ち上がった瞬間。

まるで、船で大波に揺られているような感じだったといいます。

立ってられないし、気持ちが悪くて仕方ない。

それまで一度も経験なかっただけに、不安と恐怖は、そうとうなものだった。


すぐに病院に行き、検査を受けると、脳に異常は見られませんでした。

けれど、めまいの原因は不明。


それから1ヵ月後、今度は車から降りた途端、激しい めまいに襲われました。

めまいが起こる間隔はどんどん狭まり、そのうち、毎日のように起きるようになったといいます。


そして、この女性のめまいには、特徴があった。

それは、めまいが朝に集中しているということ。


女性は、病院を転々としました。

けれど、原因は不明のまま。


と、そんな時に出会ったのが、自宅でめまいを治す治療法だったのです。

半信半疑で試してみたら、なななんと、翌日から、めまいが解消されました。




2人目は、埼玉県に住む37歳の女性。

この方も、自宅で、めまいが治りました。

こちらは、家の中のあるものを変えることで、解消されたといいます。



エノキ
いったい、どうやって、治したんだろう?


ササミ
スタジオでは、「めまいを起こしている瞬間の目の動き」、その映像が紹介されました。

それを見ると、文字通り、目が回っています。

体が異変をキャッチして、本人の意思とは関係なく、目を動かしてしまうそうなんです。

これは、バランスを取るために、こうしている。

こんな状態になるので、目に映る景色が揺れちゃうんですね。


エノキ
本当は、体は揺れてないのに、揺れたみたいになってしまって、それで目を回すわけ?

どうして、そうなっちゃうんだろう?




宇宙ガエルに、人間ラジコン?


ササミ

日本人として初めて スペースシャトルに乗って宇宙に行った人といえば、毛利衛さん。

その毛利さんと一緒に、スペースシャトルに乗り込んだ子がいます。

それは、カエルちゃん。


実は、カエルは、これまで何度も、宇宙に行っているのです。

それも、めまいの研究に役立つために。


東京医科大学の、鈴木衛 教授。

鈴木先生は、自宅で治る めまいの原因を突き止めた方なんですよ。

でも、カエルと めまいに、どういう関係があるのでしょう?


普通のカエルは、まっすぐに泳げます。

でも、めまいが起きるようにしたカエルは、まっすぐ泳げなくなる。


じゃあ、どうして、カエルに めまいが起きたのか?

それには、白い小さなもの(めまいの種)が関係しているという。


実はこれ、「耳石(じせき)」というもの。

耳石は耳の奥にあるもので、体のバランスを取るのが主たる役割です。

平衡石とも呼ばれる。


カエルのめまいも、人間のめまいも、この耳石が関係しているんですね。




大阪大学大学院 情報科学研究科の、前田太郎 教授。

興味深い実験を見せてくれました。


ヘッドフォンに電極が付いたものを、被験者に装着。

ちょうど、耳の裏に、電極がきます。

前田先生が手にしているのは、ラジコンのコントローラー。

いったい、何をするつもりなんだろう?


まずは、被験者に、まっすぐ歩いてもらいます。

と、その時、先生がコントローラーを操作。

すると、被験者が右へ左へと、コントロールされてしまった。

本人は まっすぐに歩いているつもりなのですが、そうなっちゃう。


実はこれ、片方の耳の耳石に電気信号を送って、機能を一時的に、ちょっとおかしくしているんです。

すると、まっすぐ歩けなくなって、あたかもコントロールされているような感じになっちゃうっていうわけ。


ちなみに、前田先生は、バーチャルリアリティーなどにこの装置を応用しようと、研究に励んでおられるのだそうです。




耳石の働き


ササミ
耳の奥には、「内耳(ないじ)」と呼ばれる部分があります。

その中に、耳石はあるんですね。

耳石は、「感覚毛」と呼ばれる毛のようなものの上に、のっかっています。

両方の耳に2つずつ 耳石はあって、体の前後左右の動きや上下の動きを感知する。

その情報を、電気信号として、脳に送っているわけです。


では、耳石や三半規管がどうなると、めまいが起きるのか?


耳石は、衝撃や老化などにより、欠ける(剥がれ落ちる)ことがあるんですね。

そしてそれが、三半規管に入ってしまう。

実はこれこそが、めまいの原因。


三半規管の中は、リンパ液という液体で満たされています。

そして、三半規管の中にも、感覚毛がある。

体が動くと、リンパ液が動き、その動きを感覚毛が察知。

それを電気信号で、脳に送っているというわけ。


この時、耳石が三半規管に入っていると、どうなってしまうか?


体が動くと、耳石は液の中を移動。

体が止まっても、液の中を滑るようにして、動き続けます。

そしてこれが、感覚毛を刺激してしまう。

これにより、体が動いてないのに、「あっ、揺れてる!」と、信号が勝手に送られてしまうのです。


三半規管 耳石


このタイプの めまいの正体は、三半規管に入った耳石によって引き起こされた 感覚毛の誤作動でした。



エノキ
なるほど。

じゃあ、その耳石をどうにかすれば、いいわけだ。




耳石を取る方法


ガッテンが紹介してくれたのは、「ゴッドハンド療法」


まずは、患者さんを、診療台の上に寝かせて、頭を傾ける。

この時、患者さんは、大きなメガネをつけています。

これは、目の動きを正確に捉えるための拡大鏡。

このお医者さんは、目の動きをみると、三半規管に入り込んだ耳石が どのあたりで どんな風に動いているのか、分かるんです。

それを確認しながら、耳石を取り出していく。

三半規管から出た耳石は、不要なものとして、吸収されちゃうそう。

(撮影協力は、東海大学 飯田政弘 教授)



エノキ
でも、これって、専門的な技術ですよね。

家では、どうしたらいいんですか?


ササミ
ちゃんと、方法があります。

ただし、耳石を三半規管から取り出すわけじゃない。


エノキ
ん? ん?

どういうこと?


ササミ
最初に紹介した女性に、めまいの治し方を見せてもらいました。


(1) まず、布団の上に寝転がる。

(2) そのまま、顔を横に向けました。

1、2、3、4、5と、10まで数えました。

(3) 顔を元に戻して、上を向く。

ここでも、10まで数えます。

(4) 今度は反対側に顔を向ける。

ここでも、10まで数える。



実は、これだけ。

この簡単な方法で、めまいが解消されました。

寝返りをしながら数をかぞえたら、1日で治ったそう。



エノキ
こんなんで、治っちゃうの?

驚きだな。


ササミ
耳石は、粉のようなものの集まりなんです。

だから、寝返りを打つことで、耳石が液の中を動き、だんだんと砕けて、細かくなる。

そしてやがて、小さな粒になります。

こうなれば、少々動いても、感覚毛に大した影響を及ぼさなくなる。



今回紹介した2人の女性、めまいが起きるタイミングは、朝 起きる時でした。

そして、めまいになりやすい条件も、紹介しましたよね。

実は、寝相よく寝ている人は、寝ている間に、日中の動きでせっかく粉々になった耳石のかけらが、また1ヵ所にジワジワと集まっちゃう。

そして、長時間そこに集まると、1つのカタマリになってしまうのです。

そのカタマリが、起きた際に動いて、感覚毛を刺激。

これで、めまいが起こると。

頭を長時間動かさないと、耳石が再び集まり、カタマリになるんですね。


しかも、めまいがした人というのは、すぐに安静にしようとしてしまいます。

そうすると、また、耳石が砕けるチャンスを失ってしまうことに。




二人目の女性ですが、こちらはあるものを変えることで、改善された。


それは、「枕」

枕を高くすることで、めまいが改善されました。

この女性は、通常の枕にタオルを重ねて、ちょっと高くした。

こうすることで、1週間ほどで、めまいが起こらなくなったそう。


この方、もともとは、枕を使ってなかった。

じゃあ、枕を高くすることで、どうなったか?


実は、角度がつくことで、耳石のかけらが三半規管に入りにくくなったんです。

枕で耳石が三半規管に入るのを予防したってわけ。




良性発作性頭位めまい症


ここでスタジオに、専門家の先生が登場。

聖マリアンナ医科大学の、肥塚泉 先生。

寝返り運動の考案者なんですよ。


自宅で治せる めまい。

その正式病名は、「良性発作性頭位めまい症(BPPV)」

(Benign paroxysmal positional vertigo)


そのポイントは、「1分未満」であること。

上で説明したように、原因は、剥がれ落ちた耳石が 三半規管の中で動くことです。

なので、耳石が止まれば、めまいは収まる。

安静にしていれば、1分以内に収まるそう。



ちなみに、男女比でいうと、女性が多い。

40歳ぐらいまでは男女同じなのですが、40歳以降になると急に数が増えて、しかも、女性の数が男性の3倍になります。


耳石は、カルシウムを含む粒。

そして、女性の場合、閉経期以降に骨粗しょう症が起こります。

その影響で、耳石も もろくなる傾向があるようです。



<寝返り運動のやり方>


(1) 仰向けになり、天井(上)を見て、10数える。

(2) 右を向いて、10秒。

(3) 仰向けに戻って、10秒。

(4) 左を向いて、10秒。


これを、朝晩2回、10セット。



BPPVのおよそ7割から8割が、改善するそうです。




自宅では治せない めまいもあります。


<自宅で治せない めまい>

・脳梗塞
・前庭神経炎
・メニエール病
・突発性難聴



安静にしていても、めまいはなかなか収まりません。

目安は、「1分以上」。

ただし、一過性の脳虚血の場合、めまいが短い場合もある。

脳から起こる めまいの場合、手足のしびれ、ろれつが回らないなど、他の症状が一緒に現れます。

そんな時は、すぐに病院へ。





激しい めまいの半分は、寝返り運動や枕により、自宅で治ります!


エノキ
ガッテン! ガッテン!




メニエール病


激しい めまいの中で、2番目に多いのが、メニエール病。

難病の特定疾患にも指定されているくらい難しい病気です。


ただ、BPPVなんだけど メニエール病と間違って診断されている患者さんが多い、とも言われている。

最初に紹介された女性も、実はそうでした。



神奈川県にお住いの、32歳の女性。

8年間も、メニエール病による激しい めまいに悩まされてきました。


メニエール病は激しい めまいの他に、耳鳴りや難聴などが起こり、そのまま放置しておくと、改善できなくなってしまう場合も。

しかも、これまで診断法が確立されていなかったため、適切な治療が遅れてしまうことが多かった。


でも、ここで、朗報!

世界初、メニエール病の確実な診断方法を編み出した方がいるんです。

名古屋大学医学部 中島務 教授。


その方法とは、高解像度MRIによる診断

耳の奥のある異変を、これで見つけます。


メニエール病の患者さんには、水ぶくれ(内リンパ水腫)が見られるのだという。

中島先生のおかげで、メニエール病の診断が飛躍的に進むらしいですよ。

この検査には保険が適用されるので、費用は1万円前後とのこと。



<メニエール病の治療法>

・水分を控える。
・利尿剤の服用。

・手術。
・中耳加圧療法。
・水分摂取療法。



中耳加圧療法では、鼓膜の奥に圧力を加え、水ぶくれの水を排出させます。

これは始まったばかりの注目される治療法。


水分摂取療法は、これまでの治療法とは正反対です。

でも、神奈川の女性はこの治療法で、見事、メニエール病を改善することができました。

毎日 必ず2リットルの水を飲み続けたところ、1年ほどで めまいの症状が治まり、以来、大きな めまいは起きてないそうです。


水分摂取療法をすすめている、北里大学医学部 長沼英明 講師。

先生は、こうおっしゃいました。

「水分を十分にとることによって、パゾプレッシンというホルモンが働きすぎる環境を抑えることができるのだと考えています」


バゾプレッシンとは、水溜めホルモン。

体に水分を溜めようとするホルモンです。

抗利尿ホルモンとも言う。


水をたくさん飲めば、水が行き渡るので、水を溜めようとするバゾプレッシンの分泌が逆に抑えられるのではないかと。そうすると、水ぶくれも改善されるのではないかと期待される。

水分摂取療法とは、水をたくさん飲むことで内耳の血流を改善させ、バゾプレッシンが働きすぎる環境を抑えようとする方法。



メニエール病は多種多様な原因で起こっており、水を飲んでよくなる人もいれば、水を飲んで悪くなる人もいる。

なので、いろんな方法が試されているようですね。

ただし、心臓や腎臓に疾患がある人は、水分摂取療法は控えるべきだといいます。

必ず専門医に相談しましょう。








 





エノキ
まさか、自宅で治る めまいがあるとは思いませんでした。

ササミ
めまいの原因が耳の中にあるのも、意外だった。

エノキ
朝によくめまいがして、すぐに収まるような人は、試してみるのもいいかもしれません。



[まとめ]


・良性発作性頭位めまい症
 というめまいがある。
・その原因は、
 耳石が三半規管に入り込み
 感覚毛を誤動作させること。

・寝返り運動は、
 耳石を砕いてくれる。
・また、枕を高くすると、
 耳石が三半規管に
 入りにくくなる。





次回は、「がん 腎臓病を見逃すな 危ないおしっこの真実」。












 → 「ためしてガッテン 2013年のアーカイブ 4月~6月」




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tag : ためしてガッテン 耳の病気


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荒巻ケンコー

 

管理人 : 荒巻ケンコー

50歳代に突入し、健康の話題を口にすることが多くなりました。老眼が始まったり、白髪もチラホラ。筋肉痛は、2~3日遅れる。

老化は止められないけど、緩やかにしたい。できるだけ健康でいたい。できれば、生活を楽しみたい。そういう気持ちで、情報を集め、分かりやすく記録に残しています。

おいしい食材や簡単料理にも、興味あり。


過去の病気 : 腰痛(椎間板ヘルニア 手術暦あり)
現在の病気 : 花粉症。  

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