胃の老化とピロリ菌 呼気検査で見つける/ためしてガッテン
今日のテーマは「胃の老化」。
胃年齢80歳と20歳の差、その原因とは?
本来 老化しないものが、なぜ、そうなるのか?
ピロリ菌(ヘリコバクター・ピロリ)の影響。
呼気検査のメカニズム。
除菌で回復した人の体験談。
2013年7月10日放送の「ためしてガッテン」より、「胃がん予防の切り札!1週間で超簡単若返り」からのメモ書きです。

□ 老化する胃と若返る胃

今週のテーマは、「胃」です。
ある男性は、胃の老化が進行。
体重は激減するし、吐血までしました。
胃がんのリスクは当時、100倍だったといいます。
でも、あることを1週間しただけで、ケロッと治っちゃった。

えっ?
1週間で胃が若返ったというわけですか?

そうなんです。
その方法は、後ほど。

そもそも、胃には、「老化する胃」と「若返る胃」の2種類がある。

老化するのは分かりますが、若返るんですか?
臓器って、だいたい老化するんじゃないの?

まずは検査から。
40代から60代の、10名のみなさんに、協力してもらいました。
判定してくださるのは、胃のスペシャリスト、国立国際医療研究センター病院の秋山純一 医師です。
ある検査をして、胃の老化の疑いがあるか、チェックします。
その結果、10人中6人が、胃の老化が進んでいると診断されました。
その中の一人、69歳の男性に、内視鏡検査を受けてもらいます。
胃には自信のある男性でしたが、先生から「かなり老化が進んでいる」と言われてしまいました。
69歳の男性ですが、胃年齢は80歳だと言われた。
そこに登場したのが、75歳の女性です。
この方の胃年齢は、驚きの20歳。
内視鏡で見ても、胃はきれい。
表面が、ツルンツルンです。
さて、老化の基準ですが、まず、「血管が見えるかどうか」。
また、「表面が凸凹してないか」も見る。
老化している胃では、血管がたくさん透けて見えます。
これは、粘膜が薄くなっていることを意味する。
このような状態では傷つきやすいので、胃潰瘍や胃がんの危険があるそう。
一方、若い胃では、表面が滑らかなんですね。
上の男性は、胃だけが突出して老化していました。
番組曰く、「異常老化」。
そして女性の方は、胃がすごく若い。
番組が言うに、「胃腸界の美魔女」。

なるほど、これが老化する胃と、若返る胃か。
でも、どこで差が出るんでしょうね。
男性も、すごく健康そうに見えるんだけど。
□ ストレス実験

80代の胃と診断された男性と、20代の胃だと言われた女性。
その差は、何なのでしょうか?
まずは、日常生活を見せてもらいます。
男性は今、キックボクシングにはまっている。
目指すは、70代の日本チャンピオンだ。
公園で1時間のシャドーボクシングをするのが、日課です。
食べ物にもこだわりがあって、毎食、納豆を食べます。
パンの時でも、納豆で食べる。
お気に入りは、ハチミツ入り納豆(減塩対策)。
女性の方の趣味は、レース編みです。
運動は、特にしていない。
食事もお肉好きで、晩酌もちょっとだけ付き合う。

うわあ、差が全然、分かりません。
どちらかといえば、男性の方が健康的に見えた。

さて、胃に影響を与えると聞いて思い出されるのが、「ストレス」ではないでしょうか。
そこで、ガッテンが、こんな実験をしてくれました。
実験に挑戦するのは、30代のKディレクター。
まずは事前に、胃の中をしっかり検査します。
笹島雅彦 医師によると、胃はきれいで、健康な状態。
ここでストレスを注入するわけですが、それにトランプを使いました。
いわゆる「トランプタワー」を作ってもらう。
ちなみに、トランプタワーの日本記録は、2006年に和知昭洋さんが出した、28段。
軽く身長を超えています。
さあ、Kディレクターも、トランプタワーに挑みますよ。
が、これが、超 難しいんです。
ちょっとでも気を抜くと、崩れちゃう。
それまでかけた時間が、オジャンだ。
でも、Kディレクターも、頑張ります。
8段目まで、こぎつけた。
でも、8時間かけたものが、崩れちゃいました。
なるほど、ストレスが溜まりそうだ。
Kディレクターも、思わず頭を抱えます。
そんなこんなで、30時間、トランプタワーに挑戦しました。
その間にタワーが倒れた回数は、50回。
つまり、50回、ガッカリ感を味わったというわけ。
さあ、ストレスが十分注入されたところで、胃の様子を確認します。
が、胃はきれいなままでした。
特に変化なし。
というわけで、胃の老化、その真犯人は、ストレスではありませんでした。

じぇじぇじぇ!
それじゃあ、何が原因なんだろう?
□ 胃の老化を進める犯人

衝撃の真実が分かりました。
名づけて、「サプラ~胃ズ 胃学大革命!」。
胃が老化する人としない人がいるのは、なぜなんでしょう?
大分大学 医学部 村上和成 教授に、聞いてみました。
先生はおっしゃった。
「おじいちゃん おばあちゃんでも、まだ二十歳くらいの胃を持ってらっしゃる方がいて、どこで決まるんだって、不思議に思ってました」
胃が老化する人としない人、これは医学会では、長年、謎だったそうです。
それが近年、胃の老化が、たった1つの原因で起きていることが解明された。
しかも、この原因さえ取り除けば、胃は若返る。
村上先生が言うに、「胃は本来なら、老化しない」。

胃は老化しない?
これは、衝撃的ですね。

胃の老化、その真犯人は、「ピロリ菌」でした。
「ヘリコバクター・ピロリ(Helicobacter pylori)」
日本人のおよそ、3~4人に1人、3500万人が感染しているといわれる。
そのピロリ菌が、スタジオに登場。
(資料提供 北里大学 中村正彦 准教授)
ちなみに、樹脂で固めたもので、中の菌は死んでしまっているそう。

へ~!
胃が老化する原因は、ピロリ菌。
そして、ピロリ菌がなくなれば、若返るというわけか。

ピロリ菌ですが、5歳までに、口から感染します。
口移しでものを食べさせた時や、井戸水を飲んだ時などに、うつるケースがある。
まずは、胃の働きを見てみます。
お酒を飲んだとします。
それが、胃の中に入ってきた。
すると、お酒も刺激となり、胃の壁がちょっとだけ傷つき、へこみました。
でも、これは、2~3日で、元に戻る。
すっかりきれいに治るのだそう。
これは、トウガラシやコーヒーのような刺激物でも同じ。
胃の粘膜というのは新陳代謝が非常に活発で、胃の表面は、3日もすれば、元通りに修復されるのです。
では、ストレスを感じた場合は、どうか?
胃は、消化するために、胃酸を出します。
そしてその胃酸から胃自身を守るために、粘液を出している。
ストレスを感じると、実は、その粘液の出が、悪くなってしまうんです。
結果、胃を守り切れず、胃酸によって、傷ついちゃうんですね。
ただ、そのストレスが やわらげは、胃は元に戻る。
問題は、ピロリ菌。
ピロリ菌も、口から感染します。
それが胃の中で増えて、何をするのかというと、小さな針で細胞を壊してしまうんですね。(番組いわく、毒針)
胃の中にずっといて、傷つけ続ける。
さらには、ピロリ菌に粘膜がやられてしまった状態で お酒などの刺激物を摂取すると、胃潰瘍ができてしまう。
胃がんになることだって、あります。
全てのガンの中で、死亡原因 第2位のガンが、胃がん。
その胃がんの決定的な原因が、ピロリ菌だといわれる。

ひえ~!
かわいい名前して、何してくれてるんですか!
□ ピロリ菌がいたら?
ここで、専門家の先生が、スタジオに登場。
北海道大学病院 光学医療診療部 部長の加藤元嗣 先生。
ピロリ菌の感染者は、全体の3分の1。
ただ、60歳以上の方は、非常に感染率が高い。
60歳以上だと、70~80%が感染しているといわれる。
このピロリ菌を除菌する治療が、2月に保険適用になりました。
(これまでは、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、早期胃がんの内視鏡治療後などに限られていたのが、慢性胃炎にも認められるようになりました。内視鏡検査で「ピロリ菌に関連する胃炎」が確認されれば、保険が適用されます)
ピロリ菌に感染していると、胃潰瘍のリスクは 18倍ぐらいになります。
胃がんのリスクは、100倍に跳ね上がる。
こういった事態を受け、国が動いたのです。
<もし、ピロリ菌がいたら?>
(1) 内視鏡で胃がんをチェック。
(2) 抗生物質を1週間飲む。
(3) 除菌後も定期的に検査。
まず、内視鏡検査を受けていただいて、胃がんがないかチェックする。
さらに、2種類の抗生物質と、酸を抑える薬の3剤を、1週間、飲んでもらいます。
これでだいたい、85%ぐらいの方は、1回目で除菌できるとのこと。
除菌がうまくいくと、胃は回復します。
副作用ですが、抗生物質を飲むため、下痢や軟便が起こりやすいそう。
あと、除菌後も、定期的に検査します。
老化した胃の場合、除菌しても、胃がんのリスクは残るそうです。
(もちろん、除菌することで、リスクは低下するのですが)
胃の粘膜ですが、早い人だと、高校生ぐらいから薄くなる人もいるのだとか。
あと、大人になってから感染することは、なかなかない。

胃がんの原因となる、ピロリ菌。
その除去が、保険適用になりました。
(正確には、適用が拡大された)

ガッテン、ガッテン!
□ 除菌で回復
ピロリ菌の除去で、人生が一変した人がいます。
75歳の男性。
40代半ばで、胃の不調を感じるようになりました。
まず、食欲が衰え、水とお湯くらいしか、口にできない。
体重は半年で、8キロも減った。
身動きすらできなくなり、会社も休職。
やがて、吐血してしまいました。
病院での診断は、胃潰瘍。
医師に勧められ、除菌することになります。
半信半疑のまま薬を飲んだ男性ですが、2日目ぐらいから、胃がスッキリしているのを感じた。
薬が効いていると、実感できました。
さらに3日後には、食欲が出てきた。
治療を始めて1週間で、ウソのように治っちゃいました。
まるで、魔法。
今では、食べ過ぎを気にするほどに、回復してます。
□ ピロリ菌の検査法
さて、ピロリ菌の検査は、どうなっているのでしょう?
国立国際医療研究センター病院の、守安志織 医師に聞きました。
使うのは、紙コップと袋だけ。
まずは、尿素を噛まずに、水で飲み込みます。
それから、袋(バッグ)に、息を吹き入れる。
ゴックン&ふ~ で、いいみたい。
これで何が分かるのでしょう?
ピロリ菌は、胃の中で暮らしています。
でも、あの強い胃酸から、どうやって身を守っているのだろう。
実は、ピロリ菌自体は、胃酸にめっぽう弱い。
なので、体のまわりに、バリヤーを張ります。
ピロリ菌は、食べ物などに含まれる尿素を食べる。
そうすると、自分の体から、アンモニアが出るんですね。
このアンモニアを身にまとうと、胃酸を中和して、自分の体を守ることができるというわけ。
このズルいピロリ菌の性質を逆手にとったのが、あの検査なんですよ。
まず、ピロリ菌に、たっぷりと尿素を与える。
すると、アンモニアをたくさん出します。
この時、アンモニアと同時に、二酸化炭素も出すそう。
その二酸化酸素の量を測ることで、ピロリ菌がいるかどうかを確かめているというわけ。
呼気検査なので、内視鏡より、断然 楽です。
<ピロリ菌の検査法>
・呼気検査
・血液検査(抗体を調べる)
・尿と便の検査(抗体を調べる)
・内視鏡検査
2つくらい行って陰性であれば、間違いないのではないかとのこと。
病院で除菌する場合には、内視鏡検査を、1回は行うそうです。


□

実は、ピロリ菌の検査、一度はしたいと思ってたんです。
まだ、できてないんですが。

検査も、ずいぶん簡単になってるようですね。

内視鏡の技術進化も、目覚ましいと聞きます。

それにしても、本来の胃の回復力には、驚きました。

健康な状態ならば、自然と元に戻るんですね。

それだけに検査して、何かあったら、お医者さんに対応してもらう。

胃とは、長く付き合いたいですからね。
[まとめ]
・胃の老化の原因は、
ピロリ菌。
・ピロリ菌は、
胃潰瘍や胃がんの
原因となる。
・もし、ピロリ菌がいたら?
内視鏡で胃がんをチェック。
抗生物質を1週間飲む。
除菌後も定期的に検査。
・気になったら、検査を。
次回の放送は、7月24日。
「40代から多発! 恐怖の『隠れ心臓病』」。
来週はガッテンがお休み。
「八重の桜ツアー『ただいま、東北』」が放送されるそう。
副題は、「美女と野獣?!がめぐる福島いわき」。


→ 「ためしてガッテン 2013年のアーカイブ 1月~3月」
胃年齢80歳と20歳の差、その原因とは?
本来 老化しないものが、なぜ、そうなるのか?
ピロリ菌(ヘリコバクター・ピロリ)の影響。
呼気検査のメカニズム。
除菌で回復した人の体験談。
2013年7月10日放送の「ためしてガッテン」より、「胃がん予防の切り札!1週間で超簡単若返り」からのメモ書きです。

□ 老化する胃と若返る胃

今週のテーマは、「胃」です。
ある男性は、胃の老化が進行。
体重は激減するし、吐血までしました。
胃がんのリスクは当時、100倍だったといいます。
でも、あることを1週間しただけで、ケロッと治っちゃった。

えっ?
1週間で胃が若返ったというわけですか?

そうなんです。
その方法は、後ほど。

そもそも、胃には、「老化する胃」と「若返る胃」の2種類がある。

老化するのは分かりますが、若返るんですか?
臓器って、だいたい老化するんじゃないの?

まずは検査から。
40代から60代の、10名のみなさんに、協力してもらいました。
判定してくださるのは、胃のスペシャリスト、国立国際医療研究センター病院の秋山純一 医師です。
ある検査をして、胃の老化の疑いがあるか、チェックします。
その結果、10人中6人が、胃の老化が進んでいると診断されました。
その中の一人、69歳の男性に、内視鏡検査を受けてもらいます。
胃には自信のある男性でしたが、先生から「かなり老化が進んでいる」と言われてしまいました。
69歳の男性ですが、胃年齢は80歳だと言われた。
そこに登場したのが、75歳の女性です。
この方の胃年齢は、驚きの20歳。
内視鏡で見ても、胃はきれい。
表面が、ツルンツルンです。
さて、老化の基準ですが、まず、「血管が見えるかどうか」。
また、「表面が凸凹してないか」も見る。
老化している胃では、血管がたくさん透けて見えます。
これは、粘膜が薄くなっていることを意味する。
このような状態では傷つきやすいので、胃潰瘍や胃がんの危険があるそう。
一方、若い胃では、表面が滑らかなんですね。
上の男性は、胃だけが突出して老化していました。
番組曰く、「異常老化」。
そして女性の方は、胃がすごく若い。
番組が言うに、「胃腸界の美魔女」。

なるほど、これが老化する胃と、若返る胃か。
でも、どこで差が出るんでしょうね。
男性も、すごく健康そうに見えるんだけど。
□ ストレス実験

80代の胃と診断された男性と、20代の胃だと言われた女性。
その差は、何なのでしょうか?
まずは、日常生活を見せてもらいます。
男性は今、キックボクシングにはまっている。
目指すは、70代の日本チャンピオンだ。
公園で1時間のシャドーボクシングをするのが、日課です。
食べ物にもこだわりがあって、毎食、納豆を食べます。
パンの時でも、納豆で食べる。
お気に入りは、ハチミツ入り納豆(減塩対策)。
女性の方の趣味は、レース編みです。
運動は、特にしていない。
食事もお肉好きで、晩酌もちょっとだけ付き合う。

うわあ、差が全然、分かりません。
どちらかといえば、男性の方が健康的に見えた。

さて、胃に影響を与えると聞いて思い出されるのが、「ストレス」ではないでしょうか。
そこで、ガッテンが、こんな実験をしてくれました。
実験に挑戦するのは、30代のKディレクター。
まずは事前に、胃の中をしっかり検査します。
笹島雅彦 医師によると、胃はきれいで、健康な状態。
ここでストレスを注入するわけですが、それにトランプを使いました。
いわゆる「トランプタワー」を作ってもらう。
ちなみに、トランプタワーの日本記録は、2006年に和知昭洋さんが出した、28段。
軽く身長を超えています。
さあ、Kディレクターも、トランプタワーに挑みますよ。
が、これが、超 難しいんです。
ちょっとでも気を抜くと、崩れちゃう。
それまでかけた時間が、オジャンだ。
でも、Kディレクターも、頑張ります。
8段目まで、こぎつけた。
でも、8時間かけたものが、崩れちゃいました。
なるほど、ストレスが溜まりそうだ。
Kディレクターも、思わず頭を抱えます。
そんなこんなで、30時間、トランプタワーに挑戦しました。
その間にタワーが倒れた回数は、50回。
つまり、50回、ガッカリ感を味わったというわけ。
さあ、ストレスが十分注入されたところで、胃の様子を確認します。
が、胃はきれいなままでした。
特に変化なし。
というわけで、胃の老化、その真犯人は、ストレスではありませんでした。

じぇじぇじぇ!
それじゃあ、何が原因なんだろう?
□ 胃の老化を進める犯人

衝撃の真実が分かりました。
名づけて、「サプラ~胃ズ 胃学大革命!」。
胃が老化する人としない人がいるのは、なぜなんでしょう?
大分大学 医学部 村上和成 教授に、聞いてみました。
先生はおっしゃった。
「おじいちゃん おばあちゃんでも、まだ二十歳くらいの胃を持ってらっしゃる方がいて、どこで決まるんだって、不思議に思ってました」
胃が老化する人としない人、これは医学会では、長年、謎だったそうです。
それが近年、胃の老化が、たった1つの原因で起きていることが解明された。
しかも、この原因さえ取り除けば、胃は若返る。
村上先生が言うに、「胃は本来なら、老化しない」。

胃は老化しない?
これは、衝撃的ですね。

胃の老化、その真犯人は、「ピロリ菌」でした。
「ヘリコバクター・ピロリ(Helicobacter pylori)」
日本人のおよそ、3~4人に1人、3500万人が感染しているといわれる。
そのピロリ菌が、スタジオに登場。
(資料提供 北里大学 中村正彦 准教授)
ちなみに、樹脂で固めたもので、中の菌は死んでしまっているそう。

へ~!
胃が老化する原因は、ピロリ菌。
そして、ピロリ菌がなくなれば、若返るというわけか。

ピロリ菌ですが、5歳までに、口から感染します。
口移しでものを食べさせた時や、井戸水を飲んだ時などに、うつるケースがある。
まずは、胃の働きを見てみます。
お酒を飲んだとします。
それが、胃の中に入ってきた。
すると、お酒も刺激となり、胃の壁がちょっとだけ傷つき、へこみました。
でも、これは、2~3日で、元に戻る。
すっかりきれいに治るのだそう。
これは、トウガラシやコーヒーのような刺激物でも同じ。
胃の粘膜というのは新陳代謝が非常に活発で、胃の表面は、3日もすれば、元通りに修復されるのです。
では、ストレスを感じた場合は、どうか?
胃は、消化するために、胃酸を出します。
そしてその胃酸から胃自身を守るために、粘液を出している。
ストレスを感じると、実は、その粘液の出が、悪くなってしまうんです。
結果、胃を守り切れず、胃酸によって、傷ついちゃうんですね。
ただ、そのストレスが やわらげは、胃は元に戻る。
問題は、ピロリ菌。
ピロリ菌も、口から感染します。
それが胃の中で増えて、何をするのかというと、小さな針で細胞を壊してしまうんですね。(番組いわく、毒針)
胃の中にずっといて、傷つけ続ける。
さらには、ピロリ菌に粘膜がやられてしまった状態で お酒などの刺激物を摂取すると、胃潰瘍ができてしまう。
胃がんになることだって、あります。
全てのガンの中で、死亡原因 第2位のガンが、胃がん。
その胃がんの決定的な原因が、ピロリ菌だといわれる。

ひえ~!
かわいい名前して、何してくれてるんですか!
□ ピロリ菌がいたら?
ここで、専門家の先生が、スタジオに登場。
北海道大学病院 光学医療診療部 部長の加藤元嗣 先生。
ピロリ菌の感染者は、全体の3分の1。
ただ、60歳以上の方は、非常に感染率が高い。
60歳以上だと、70~80%が感染しているといわれる。
このピロリ菌を除菌する治療が、2月に保険適用になりました。
(これまでは、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、早期胃がんの内視鏡治療後などに限られていたのが、慢性胃炎にも認められるようになりました。内視鏡検査で「ピロリ菌に関連する胃炎」が確認されれば、保険が適用されます)
ピロリ菌に感染していると、胃潰瘍のリスクは 18倍ぐらいになります。
胃がんのリスクは、100倍に跳ね上がる。
こういった事態を受け、国が動いたのです。
<もし、ピロリ菌がいたら?>
(1) 内視鏡で胃がんをチェック。
(2) 抗生物質を1週間飲む。
(3) 除菌後も定期的に検査。
まず、内視鏡検査を受けていただいて、胃がんがないかチェックする。
さらに、2種類の抗生物質と、酸を抑える薬の3剤を、1週間、飲んでもらいます。
これでだいたい、85%ぐらいの方は、1回目で除菌できるとのこと。
除菌がうまくいくと、胃は回復します。
副作用ですが、抗生物質を飲むため、下痢や軟便が起こりやすいそう。
あと、除菌後も、定期的に検査します。
老化した胃の場合、除菌しても、胃がんのリスクは残るそうです。
(もちろん、除菌することで、リスクは低下するのですが)
胃の粘膜ですが、早い人だと、高校生ぐらいから薄くなる人もいるのだとか。
あと、大人になってから感染することは、なかなかない。

胃がんの原因となる、ピロリ菌。
その除去が、保険適用になりました。
(正確には、適用が拡大された)

ガッテン、ガッテン!
□ 除菌で回復
ピロリ菌の除去で、人生が一変した人がいます。
75歳の男性。
40代半ばで、胃の不調を感じるようになりました。
まず、食欲が衰え、水とお湯くらいしか、口にできない。
体重は半年で、8キロも減った。
身動きすらできなくなり、会社も休職。
やがて、吐血してしまいました。
病院での診断は、胃潰瘍。
医師に勧められ、除菌することになります。
半信半疑のまま薬を飲んだ男性ですが、2日目ぐらいから、胃がスッキリしているのを感じた。
薬が効いていると、実感できました。
さらに3日後には、食欲が出てきた。
治療を始めて1週間で、ウソのように治っちゃいました。
まるで、魔法。
今では、食べ過ぎを気にするほどに、回復してます。
□ ピロリ菌の検査法
さて、ピロリ菌の検査は、どうなっているのでしょう?
国立国際医療研究センター病院の、守安志織 医師に聞きました。
使うのは、紙コップと袋だけ。
まずは、尿素を噛まずに、水で飲み込みます。
それから、袋(バッグ)に、息を吹き入れる。
ゴックン&ふ~ で、いいみたい。
これで何が分かるのでしょう?
ピロリ菌は、胃の中で暮らしています。
でも、あの強い胃酸から、どうやって身を守っているのだろう。
実は、ピロリ菌自体は、胃酸にめっぽう弱い。
なので、体のまわりに、バリヤーを張ります。
ピロリ菌は、食べ物などに含まれる尿素を食べる。
そうすると、自分の体から、アンモニアが出るんですね。
このアンモニアを身にまとうと、胃酸を中和して、自分の体を守ることができるというわけ。
このズルいピロリ菌の性質を逆手にとったのが、あの検査なんですよ。
まず、ピロリ菌に、たっぷりと尿素を与える。
すると、アンモニアをたくさん出します。
この時、アンモニアと同時に、二酸化炭素も出すそう。
その二酸化酸素の量を測ることで、ピロリ菌がいるかどうかを確かめているというわけ。
呼気検査なので、内視鏡より、断然 楽です。
<ピロリ菌の検査法>
・呼気検査
・血液検査(抗体を調べる)
・尿と便の検査(抗体を調べる)
・内視鏡検査
2つくらい行って陰性であれば、間違いないのではないかとのこと。
病院で除菌する場合には、内視鏡検査を、1回は行うそうです。


□

実は、ピロリ菌の検査、一度はしたいと思ってたんです。
まだ、できてないんですが。

検査も、ずいぶん簡単になってるようですね。

内視鏡の技術進化も、目覚ましいと聞きます。

それにしても、本来の胃の回復力には、驚きました。

健康な状態ならば、自然と元に戻るんですね。

それだけに検査して、何かあったら、お医者さんに対応してもらう。

胃とは、長く付き合いたいですからね。
[まとめ]
・胃の老化の原因は、
ピロリ菌。
・ピロリ菌は、
胃潰瘍や胃がんの
原因となる。
・もし、ピロリ菌がいたら?
内視鏡で胃がんをチェック。
抗生物質を1週間飲む。
除菌後も定期的に検査。
・気になったら、検査を。
次回の放送は、7月24日。
「40代から多発! 恐怖の『隠れ心臓病』」。
来週はガッテンがお休み。
「八重の桜ツアー『ただいま、東北』」が放送されるそう。
副題は、「美女と野獣?!がめぐる福島いわき」。


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