脳梗塞の特効薬 t-PA とFASTチェック/ためしてガッテン

脳梗塞の特効薬 t-PA と時間制限の関係。

正常性バイアスの罠。

イギリスがやった取り組みとCM。

ACT F.A.S.T キャンペーン成功の秘密は、家族?



2013年5月22日放送の「ためしてガッテン」より、「脳梗塞でもう死なないぞ! 極めつき! スーパー発見術」からのメモ書きです。




ガッテン 脳梗塞スーパー発見術




脳梗塞と特効薬


ササミ
今日のテーマは、「脳梗塞」です。

これは、脳の中で血管が詰まってしまう病気。

命を落としてしまうこともあるし、重いマヒが残ることもあります。

日本では、年間に20万人が発症しているといわれている。


でも、そんな脳梗塞に、特効薬があるの知ってました?

t-PA という薬で、詰まった血の固まり(血栓)を溶かしてくれるんですよ。


エノキ
それは、朗報ですね。

ササミ
ところが、必ずしもそうではない様子。

あるお医者さんによれば、その薬は、脳梗塞の患者さんの5%にしか使われていないそうなんです。

エノキ
5%は、ちょっと寂しいですね。

ササミ
でも、その先があるんですよ。

ある国で、とある秘策を実施したところ、薬の使用率をグ~ンとアップさせることに成功したんです。

しかも、それはどうも、テレビに関係するらしい。

エノキ
テレビですか?

いったい、どうやったんでしょうか。



ササミ
脳梗塞の推定発症者数は、年間に20万人。

そのうち、5年以内に亡くなる人は、およそ40%だといいます。

さらに、20%の人は、寝たきりになったり、日常生活に介助が必要になるのだという。

(栃木県などでの調査)

そして、t-PA が使われた例というのは、1万人/20万人だったんです。

これで、5%。20人に1人ということになります。

エノキ
じゃあ、使えた人と使えなかった人、その差は何だったんでしょう?

ササミ
実はこの薬、「時間制限」があるんです。

この時間制限について、ある男性のケースを見ていきましょう。




t-PA と時間制限


兵庫県に住む、74歳の男性。

去年の11月に、脳梗塞を発症しました。

仕事中の車内で、異変を感じたのだという。

右手にうまく力が入らず、いつものように字が書けません。

気になった男性は、自宅近くの病院に行きました。

待合室でアンケートに記入しようとしたのですが、この時、丸印すら満足に書けない状態になっていました。

こうして男性は、右手のマヒに気づいた。


医師の診断は、やはり、脳梗塞。

男性は「早めに来たのだから大丈夫」だと考えたのですが、医師から意外なことを言われました。

「もっと早く病院に来ていれば」、そう言われたのです。

時間制限がオーバーしてしまったため、t-PA は使えませんでした。

結局、男性の右手には、今もマヒが残っています。


早く来たと思った、男性。

遅すぎたという、医師。

この差は、何なんでしょうか?



t-PA の時間制限ですが、「4時間半以内」になっています。

前は、3時間だったのが、延びてるんですね。

脳梗塞の発症から4時間半以内であれば、t-PA は使える。


さて、男性ですが、病院に行くまでに40時間経ってしまっていました。

仕事中に手に力が入らなくなった、この時点で発症していると思われます。

そして、病院に行ったのは、日をまたいで、40時間後だったんですね。


ちなみに、脳梗塞にかかった人が発症してから病院に行くまでの平均の時間は、およそ10時間だといいます。


さて、どうしてすぐに、病院に行けないのでしょうか?

それには、人間の特性が関係しているようです。




正常性バイアス


ガッテンが、ある心理実験をしました。

参加してもらったのは、20代から30代の男性。

控室のような部屋に入ってもらい、案内した人が「呼ぶまで待っていてください」と伝えます。

(実験協力は、東京女子大学 広瀬弘忠 名誉教授)


しばらくすると、部屋の隅から、白い煙が出てきます。

害のない煙ですが、軽い刺激臭があるという。

その反応を、見ようというわけですね。


部屋から煙が出たので、すぐに避難。

するかと思いましたが、そうではありませんでした。

最初の男性が外に出たのは、異変に気づいてから、34秒後。

部屋を出るまでの平均時間は、1分16秒でした。


でも、本当の実験は、ここからなんです。

別の参加者にある条件だけを変えて、同じ実験を行います。

その結果は、どうなったと思います?

実は、結局、迎えが来るまで外には出なかったんです。

煙が出ているのに、ですよ。

2回目の実験では、4人中3人が、8分経っても部屋を出ませんでした。

これは、どういうことなんでしょうね。


ポイントは、1回目と2回目の変えた条件です。

違いは、煙の出方でした。

実験全体で出した煙の量は同じなんですが、2回目の方は、煙を出すスピードを遅くしたんですね。

これにより、危険を感じる感じ方が、どうも、弱くなったようです。


「正常性バイアス」という言葉を、覚えていますでしょうか?

おかしいなと思いつつ、自分で調節してしまうバイアスです。

人間の周囲にはあまりにも多くの危険がひそんでいるので、それをすべて気にしては暮らしていけません。なので、危険に対する感度を下げるんですね。

これが、正常性バイアス。人間というのは、自分は今 安全であるという方向に行きたがるようなのです。


そして、脳梗塞にも、同じことがいえます。

あれ? と思うけど、まあ大丈夫だろうと思ってしまう。

なので、病院に行くのが遅くなってしまうのです。

ついつい、様子を見てしまいます。




カギは、イギリスに


<脳梗塞の症状>

半身マヒ、倒れる、ろれつが回らない、

舌のしびれ、箸がつかめない、

嚥下障害、温度を感じない、

手先や首のしびれ、言葉が出にくい、

片目が見えにくい、スリッパが履けない、

吐き気、異常に眠くなった、

肩がこる、足がもつれる、

いびき、言葉遣いが荒くなった、

口から飲み物がこぼれた、脱力感。



エノキ
しかし、いっぱいありますね~。

こりゃ、覚えられませんよ。

それに、正常性バイアスで様子を見ちゃったら、時間が過ぎちゃうんでしょ?

ササミ
そこで関係してくるのが、前に話した国の取り組みです。

テレビも関係するという、ある対策。



t-PA の使用率を飛躍的に増やすことに成功した国。

それは、イギリスなんです。


4年前に脳梗塞になったという男性。

発症後、すばやく病院に向かい、t-PA による治療を受けることができました。

おかげさまで、後遺症はまったくないのだという。


ではなぜ、正常性バイアスを乗り越えられたのでしょうか?


そのカギは、脳梗塞のキャンペーンCMにありました。


Stroke Prevention - ACT F.A.S.T



脳梗塞は、火事のように、脳の中で、燃え広がります。

発見が遅れるほど、損害が甚大になります。

次の兆候が見えたら、直ちに考え、行動を起こしてください。

[FACE] 顔の片側が、下がっていませんか? 笑うことが、できますか?

[ARMS] 両腕を持ち上げて、そのまま保つことができますか?

[SPEECH] 言葉の発音が、不明瞭ではありませんか?

[TIME TO CALL 999] 1つでも以上のような兆候があったら、直ちに救急車を呼んでください。

あなたの迅速な行動が、その人の人生を救うのです。



(男性バージョン)




日本風にいえば、こうなるでしょうか。


[FACE] 顔のマヒ。

[ARMS] 腕のマヒ。

[SPEECH] ろれつが回らない。

[TIME TO CALL 999] 急いで救急車(119)を呼びましょう。



イギリスでは、このキャンペーンが大成功。

そのヒミツは、どこにあるのでしょう?

単にチェックすること?

それだけでは、なさそうです。

問題は、正常性バイアス。

これを打ち破るには、どうしたらいいか?


重要なキーワードは、「家族」

CMの最後の言葉にも、それは表れていますね。

「1つでも以上のような兆候があったら、直ちに救急車を呼んでください。あなたの迅速な行動が、その人の人生を救うのです」

自分で気づけなくても、家族が気づいてくれる。

いや、自分ではない家族だからこそ、客観的に気づいてくれるのです。


イギリスで脳梗塞の国家戦略担当をしている アントニー・ラッド医師も、こうおっしゃっています。

「FASTのキャンペーンは脳梗塞を発症した時、そばにいる可能性が高い家族や友人をターゲットにしました」「その狙いが当たり、イギリスで t-PA の治療を受けられる患者の数は、年々増加しています」


正常性バイアスですが、危険を外から見ている人にはかかりにくいんですね。



イギリスでの、t-PA 使用率。

キャンペーン前の2008年では、2000人程度でした。

これがキャンペーン後の2012年では、13000人に増加。

使用率は、10.5%に飛躍しました。

約6倍のアップです。




日本の取り組み


ここでスタジオに、専門家の先生が登場。

国立循環器病研究センター 副院長の峰松一夫 先生。



さて、日本での取り組みは、どうなっているんでしょう。


峰松先生によれば、日本でも3年前から、小中学校の生徒に、FASTを教える試みを行っているそうです。

この試みの、何がいいのか?

それはまず、子どもたち自身が、知識として脳卒中や脳梗塞について知ること。

そしてもっと大事なのが、子どもたちが自分の家族、おじいちゃんやおばあちゃんが倒れた時に気づいてくれること。


授業を受けた子どもを追跡調査すると、ちゃんとFASTの内容が書かれた資料が、冷蔵庫に貼られていました。


脳卒中 FAST


ちなみに、「脳卒中」という呼び名は、「脳梗塞、脳出血、くも膜下出血」を合わせた呼び方。



上の方で、脳梗塞の初期症状を紹介しました。

それをすべて抜き出すと、専門家でも覚えるのがたいへんなくらいだといいます。

ただ、実際に起こった症状をずっと突き詰めていき、頻度の高い順番に挙げていくと、脳梗塞の8割から9割が、FASTで発見できるらしい。



<FASTのポイントをチェック>

[FACE] 顔のマヒ:顔の片側が歪む。

 チェックとしては、「イー」と笑顔を作れるかどうか。

[ARM] 腕のマヒ:片腕に力が入らない。

 チェックは、目をつぶり、両手を手のひらを上にして、突き出す。

 マヒが出ていると、少しずつ下がるそうです。

 また、腕が内側に戻ってないかも、チェックすること。

[SPEECH] 言葉の障害:言葉が出てこなかったり、ろれつが回らない。

 チェックは、短い文がいつも通りしゃべれるか?

 「ラリルレロ」「パピプペポ」が言えるか?

 短い文を繰り返し言えるかも、チェックする。

 例えば、「今日はいいお天気です」とか。

[TIME] 発症時間

 症状に気づいたら、発症時刻を確認して、すぐに119番を!




<ガッテン流 脳梗塞発見法>

「今日は イイ~天気!」
「ココロも 晴れ晴れ」

両手の手のひらを上にして突き出して、上の言葉を言ってみます。




独り暮らしの人は、電話をかけるのも手のようです。

それで、ろれつが回っているか、確認できます。



さて、t-PA ですが、制限時間内に来た患者さんの3割が使用しているそうです。

(国立循環器病研究センターでの話)

ひとつには、非常に軽い人には、使う必要はありません。また、重い人には使っても、むしろ危険だと言われている。

ただ、t-PA を使えなくても、再発や悪化を防ぐ薬があるそう。

大事なのは、一刻も早く病院に行くこと。




若年性脳梗塞


医師の、貴島弘樹さん。

貴島先生は、2年前に脳梗塞になった経験があります。

当時、健康で高血圧でもなかったため、原因が思い浮かばなかったという。


原因は、「動脈解離」でした。

動脈が裂けて起こる症状。

血管というのは、3層の膜から、できているんですね。

その一部が、裂けることがある。

すると、そこに血管が流れ込んで、膜が剥がれていきます。

これが動脈解離で、これが原因で血管が詰まって、脳梗塞になる場合があるんですね。


この動脈解離が、小脳に血液を送る血管で、よく発生する。

その結果として、小脳梗塞が引き起こされます。

このケースは、若い人の脳梗塞によく見られるそうです。



<小脳梗塞に特徴的な症状>

(1) めまい
(2) 歩行障害
(3) 吐き気


また、動脈解離の7割くらいの人は、首から後頭部にかけて、急に激しい痛みが出るといいます。





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エノキ
今回も、勉強になりました。

ササミ
チェックポイントが具体的だったので、分かりやすいですよね。

家族や友人のように、客観的に判断するのが大事なのか。

エノキ
子どもたちを中心にした取り組みというのも、期待できそうです。



[まとめ]


・脳梗塞に、
 t-PA という特効薬がある。
・でも、これは、
 発症後4時間半以内
 という制限付き。

・脳梗塞のチェックポイント。
 [FACE] 顔のマヒ。
 [ARMS] 腕のマヒ。
 [SPEECH] ろれつが回らない。
 [TIME] 急いで救急車(119)を呼ぶ。





次回は、「カビ・水虫・ダニ まとめてやっつけちゃうよSP」。





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 → 「ためしてガッテン 2013年のアーカイブ 1月~3月」




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