関節リウマチを超早期発見! サイトカインの嵐を抑えろ/ためしてガッテン
治らないと言われていたリウマチが寛解するって、本当?
サイトカインの嵐と早期発見の関係は?
カギを握るのは、6ヵ月だ。
生物学的製剤とは?
グーパー運動で、指が動くようになる?
今日のテーマは、リウマチ(リュウマチ、リューマチ)です。
ある日突然、手足に激痛が走るのだという。
埼玉県に住む47歳の女性は、リウマチのために手の指(の骨)が変形してしまいました。
腕を伸ばしたり、屈んだりするだけで、関節を針で刺すような痛みに襲われるという。
夜中に目が覚めてしまうため、普通に寝ることもできません。
2007年7月に、ガッテンでは「あなたを襲うリウマチ 患者100万人の真実」を放送。
関節に起こる骨の破壊、30代や40代でもかかることがある病気であること、早期発見が大事であることなどを、お伝えしました。
でも、街の人々の意識は、そんなに変わってないようです。
他人事であったり、お年寄りがなるイメージが、根強い。
でも、朗報もあります。
この5年の間に、医療が進化していたのです。
関節が壊れる前に、関節リウマチの勢いを抑えてしまう、そんな言葉が聞かれました。
リウマチで寝たきりだった人が走ってる。
これは、どういうことでしょう?
2012年12月12日放送の「ためしてガッテン」より、「関節が痛む人必見!知らぬ間にリウマチ治療が大進化」からのメモ書きです。

□ リウマチは治るか?
・まずは、5年前の放送の
復習から。
・関節リウマチは、
全身に激痛が走る。
・骨まで破壊される。
・進行を止められない。
・なので、早期発見が重要。
・でも、5年間で変わったことも
あるという。
・ここで登場したのが、
蝶々を持った黒子さん。
・本日の主役と書かれた
タスキをしています。
・リウマチの症状が書かれた
岩の上に蝶がとまると、
何か文字が出てきました。
・「寛解(かんかい)」と書かれている。
・寛解とは、完治ではないけれど、
症状がおさまり、ほぼ普通に
日常生活が送れる状態。
・つまり、
絶対に治らないと言われていた
あのリウマチの症状が
かなり軽減するということ。
□ リウマチの症状
・5年前、ガッテンで紹介した
患者さんの女性。
・両手の指、手首、ヒジ、肩も、
1年365日、ずっと痛い。
・あまりに痛いので、
包丁を握ることもできません。
・洗濯バサミをつまむだけで、
激痛が走ります。
・特に難しいのが手をひねる動作で、
そのため、ビンを開けるのに
補助具を使う。
・私たちの関節は、
滑膜(かつまく)という
膜に包まれています。
・滑膜からは、関節を
スムーズに動かすための
潤滑液が出ている。
・関節の中を実際に見てみると、
とっても滑らかなんですよ。
・しかし、関節リウマチになると、
これが一変してしまいます。
・関節の中が、ビロビロ。
・激しい炎症が起きて、
滑膜がボロボロになっちゃうんです。
・やがては骨まで破壊され、
大きく変形してしまう。
・埼玉県に住む47歳の女性は、
15年前に関節リウマチを
発症した。
・手の指が変形し、
曲がったままになってる。
・薬で何とか
痛みを抑えているのですが、
床に落ちた物を拾うだけで
激痛が走ります。
・なので、
マジックハンドを使う。
・お皿も持てないので、
お子さんなど
家族に助けてもらいます。
・毎日の家事が、
もうたいへん。
・病気の始まりは31歳の時、
肩の痛みを感じたことから。
・病院で診察してもらったところ、
検査の結果は
関節リウマチではないと言われた。
・4軒回ってようやく、
早期の関節リウマチだと
診断されました。
・ところが、
同じ早期の関節リウマチでも、
その後の経過がまったく
異なる人がいます。
・こちらは、
埼玉県に住む31歳の女性。
・全身が重くて刺さってて、
とにかく痛かったといいます。
・ずっと寝たきりの状態になって、
そのまま死んじゃうのかと
思ったほどです。
・それが薬を服用すること、1年。
・今では家事も、難なくこなします。
・ジョギングだって、してるんだ。
・でも、スタートが同じなのに、
どうして差が出たんでしょうか?
□ 症状の差
・手のX線写真を見ても、
47歳の女性Aさんと
31歳の女性Bさんでは
違いが明らか。
・47歳Aさんの指は、
かなり曲がっています。
・31歳Bさんの指は
まっすぐで
異常が見当たりません。
・ちなみに女性は、
30代40代の発症率が
高いそう。
・患者の比率は、
男性1に対し、女性は4。
男1:女4 です。
・診断を受けた時の病名は、
Aさんが早期関節リウマチ。
・Bさんも早期関節リウマチ。
・でも、この「早期」に
秘密が隠されているといいます。
・ここで、
関節リウマチを探せ!
・現役バリバリの医師たちが、
関節に起きている異変を
見破れるか実験です。
・用意したのは、3つのX線写真。
・素人には見分けがつきませんが、
プロならどうでしょう?
・実は1枚目は、
変形性関節症。
・これには、整形外科の先生が
正解しました。
・2枚目は骨折で、
これは全員が正解。
・じゃあ、3枚目が、
関節リウマチ?
・5人中、関節リウマチだと
答えた人は、
整形外科のベテラン医師
1人だけでした。
・でも、それも「?」付きで、
ちょっと自信なさ気です。
・実はそれほど、
診断は難しいんですね。
・X線写真に写る
骨が破壊されはじめた部分は
わずかなんです。
・リウマチの診断は
画像検査だけでなく、
問診や触診、血液検査などで、
総合的に判断されます。
・さて、AさんとBさんの話に戻ります。
・発症ですが、
47歳のAさんは
最初に肩が痛くなった。
・これが、31歳の時。
・31歳のBさんは、
手の指が痛くなりました。
・これが、30歳の時。
・関節の炎症である
滑膜炎であったのは
ふたりとも同じ。
・投薬ですが、Aさんは、
抗リウマチ薬、炎症剤、
鎮痛剤など。
・Bさんの薬は、
抗リウマチ剤など。
・ふたりの違い、分かりましたか?
・答えは、蝶々?
・てふてふ?
・お蝶夫人?
・黒子が操る蝶々がとまったのは、
診断された年代。
・Aさんは1998年の1月で、
Bさんは2011年の10月でした。
・蝶々は、Bさんの日付にとまりましたよ。
・これが意味するのは、何なんでしょう?
□ キーワードは、超早期
・関節リウマチが
重症化してしまうか否か、
その運命を分ける瞬間が
あったといいます。
・体に異常がないか
血管の中をパトロールする
免疫細胞。
・ウイルスや細菌を見つけると、
すかさずサイトカインという
物質を放出。
・このサイトカインは
いわば伝令役で、
敵の襲来を他の免疫細胞に
知らせてくれる。
・これによって免疫細胞が集結、
敵であるウイルスや細菌を
殲滅してくれるんですね。
・こうして私たちの体は、
外敵から守られているのです。
・ところが、
関節リウマチが発症する時は、
違ってきます。
・いつもはきちんと
敵を見分けていた免疫細胞が、
自分の関節を敵だと認識。
・サイトカインを放出し、
他の免疫細胞に呼びかけ、
攻撃してしまうのです。
・自分の体の一部なのに。
・こうして起こるのが、
滑膜炎なのでした。
・しかもです、
関節はウイルスなどと違って、
攻撃を受けても
なくなることはありません。
・いっこうに減らないので、
サイトカインは激増。
・まさに、サイトカインの嵐。
・大量のサイトカインが
免疫細胞を招集し、
関節を総攻撃させるのでした。
・こうなるともう
破壊は滑膜だけにとどまらず、
ついには骨まで
やられちゃうんですね。
・こうして、骨の変形が
起こるのでした。
・上で紹介した
サイトカインの嵐が起きる前に
治療を始めることが
できるかどうか、
これが5年前には
分からなかったことらしい。
・黒子さんの蝶々には
意味がありました。
・蝶々がくっついてたのは、
日付ではなく、
早期関節リウマチの部分だった。
・つまり、
蝶早期関節リウマチ。
・ちょう早期関節リウマチ。
・超早期!
・バンザーイ! バンザーイ!
・昔の大喜利かっ!
・超早期に発見できると、
元の生活に戻れるのか。
・では、超早期とは、
どのくらい早期なんでしょう?
・Bさんの発症は、2011年の8月。
・診断されたのが2011年10月なので、
その間は2ヵ月。
・Aさんの発症は、1996年の3月。
・診断が1998年1月ですから、
その間が1年10ヵ月もあります。
・サイトカインの嵐は、
発症から6ヵ月と言われています。
・超早期発見が、何より大事なのです。
□ 治療は、生物学的製剤で
・さあ、スタジオに
専門家の先生が来てくださいました。
・東京女子医科大学
膠原病リウマチ痛風センター所長の
山中寿 先生。
・さっそく聞いてみました。
・レントゲン写真だけでは
分からないくらい
診断が難しいのに、
なぜ超早期発見が
可能になったのでしょう?
・実は、検査方法も、
新しいものが出ている。
・超音波で調べる方法も、
あるらしい。
・骨が破壊される前の
嵐の前兆を見つけるのが、
超早期発見。
・Bさんは治療を開始してから、
月に1度
病院で診察を受けています。
・その際、行われるのが、
超音波による画像診断。
・いわゆる、エコー検査です。
・これで、炎症を発見できる。
・そして、嵐の前兆で止められれば、
骨の破壊は まぬがれると。
・前までは、
早期関節リウマチの診断は、
発症から2年まででした。
・これが2008年からは、
6ヵ月までになった。
・さらに、
生物学的製剤というものが
出てきました。
・これは、サイトカインの働きを
ピンポイントに抑える薬剤。
・注射することで、
伝令役であるサイトカインを
黙らせる。
・ただし、注意点があります。
・サイトカインは病気が進むと、
量と種類が急増する。
・なので、
その前に投薬を始めるのが、
すごく大切になる。
・この薬は、
病気の原因を抑えているわけでは
ありません。
・病気の状態をよくする薬。
・なので、投薬は
続ける場合が多いという。
・ただし、症状がよくなれば、
休止することもある。
・気になるのは副作用ですが、
免疫を抑える薬なので、
ウイルスや細菌への免疫作用が
低下することがあるそう。
・さあ、超早期に発見するために
知っておきたいことです。
<関節リウマチのサイン>
・関節の腫れ。
・触るとブヨブヨ。
・朝の痛みや違和感。
・見分けるポイントは、
手指の第2関節、第3関節、
それと手首が、
痛んだり腫れたりする。
・腫れている部分を
横から押さえると
ゴムのようにやわらかいのも
注意。
・朝起きた時に指を動かすと、
痛かったり
動かしにくかったりするのも
要注意。
・受診する場合ですが、
今だとリウマチ科があるそう。
・もしない場合は、
整形外科や内科へ。
・5年の間に医学は進歩し、
リウマチは超早期発見で、
寛解できるようになったのか!
・ありがとう、そして、
ガッテン! ガッテン!
□ 指の運動
・超早期発見できるようになったのは
うれしいのですが、
以前から治療している人たちは
どうすればいいんだろう?
・寛解は難しいのですが、
指は動くようになるといいます。
・その方法とは?
・東京都に住む、67歳の女性。
・15年前に、関節リウマチを発症。
・骨が変形してしまい、
ひどい時は右手の指が
まったく動かなかった。
・ところが今では、
趣味のスケッチを
再開するまでになりました。
・でも、どうやって、
ここまで回復したんでしょうね。
・ヒントは、グーにパー?
・手が動かなくなるのは、
悪循環からだという。
・痛いから動かさない。
・痛いから動かさない。
↓
・血流が悪くなる。
↓
・筋肉が硬くなる。
↓
・関節が動かない。
↓
・痛いから動かさない。
↓
・以下、ループ。
・あまりに痛いので、
骨が破壊されたと思い込んでしまう。
・なので、
動かさなくなってしまいます。
・でも実は、
まったく動かないのと、
痛くて動かせないのは、
違うんですね。
・関節が動かないからといって
必ずしも骨破壊が起きているとは
かぎらない。
・さあ、ここで、
この悪循環を断ち切ってくれる
先生が登場。
・リハビリテーション中伊豆温泉病院
作業療法士の林正春さん。
・まずは、筋肉が硬くならないような
運動をやっていきます。
・それによって、
関節を動かしやすくする。
<指のグーパー運動>
・肩の高さまで、両手を上げる。
・その状態で、
ゆっくり握って、開く。
・痛くならない程度に、
手のひらを最大限に開いて、
10秒 数える。
・その後、ゆっくりグーにします。
・この時、親指は外側に出す。
・この状態で、10秒 数えます。

・目安の回数は、
1セット3~5回。
・できれば、
毎日続けましょう。
・これは指を曲げる筋肉を
ゆっくりと伸張させる運動。
・痛みが出る場合は、
手のひらを上にして、
ゆっくりグーパーと
開いたり閉じたりしてもいい。
・静岡にある
リハビリテーション中伊豆温泉病院。
・林さんはそこで、
リウマチで固まった筋肉を
ほぐすリハビリを指導している。
・すると、失われていた握力が
あっという間に
戻ってくるといいます。
・ある女性は、
右の握力が94だったのが、
124にまで上がりました。
・左も、58から100に
上昇した。
(もちろん、単位はkgじゃありません)
・なるほど、
適度に動かす方がいいわけか。
・でも、注意点もあります。
・炎症や骨破壊、痛みがある場合は、
主治医やリハビリの専門家の
指示に従うこと。
□ リウマチに対するご理解を
・5年前にガッテンの取材を
受けてくれた女性。
・20年以上前から、
関節リウマチを患っている。
・外見だけでは不自由なのが
分からないため、
つらいこともあったといいます。
・電車に乗っていても、
揺れると自力で立つのが
難しい。
・そんな時は吊革や手すりに
つかまるのですが、
それでも激痛が走る。
・ある日、
手すりをゆずってもらおうと
お願いしたところ、
見た目では
不自由なのが伝わらないので、
いぶかしげな顔をされたこともある。
・心ないことを言われたことだって
あるといいます。
・でも、その一方で、
快く助けてもらったこともある。
・ちょっとした手助けで、
救われることだってあります。
・何よりも、病気を理解されることが、
救いにつながるようです。


□
リウマチの特集を見る度に、驚きます。
すごく痛いし、たいへんなんですね。
症状が進むと、日々の生活にも苦労する。
指の運動ですが、痛い中でも ゆっくり動かすのは大事なのか。
ヘルニアも、似てるかな。
急性時の鋭い痛みの時は安静にし、炎症が治まった鈍い痛み、慢性時には ゆっくりと動かす方がいい。
動かさないことで筋肉が硬くなって、余計に痛くなる。
あと、表に現れないたいへんさとか、理解されないと心を挫かれる点も、ちょっと似てるかも。
あるいは、これは、病気全般にいえるのかもしれない。
[まとめ]
・サイトカインの嵐が
滑膜に炎症を起こさせ
関節リウマチになる。
・サイトカインが増加する
発症から6ヵ月までに治療すると
寛解する可能性が出てくる。
・今は、超音波検査で、
関節の炎症が発見できる。
・サイトカインを抑えるには、
生物学的製剤を使う。
・関節リウマチのサインは、
関節の腫れ、
触るとブヨブヨ、
朝の痛みや違和感。
・手を動かさないと、
悪循環に陥る。
・指をゆっくりと動かす運動を。
次回は、「12月じゃないとダメ! これだ! 快感防災テク」。


→ 「ためしてガッテン 2012年のアーカイブ 8月~12月」
→ 「ヒザの痛み リウマチ テンプラ体操/カラだのキモチ」
サイトカインの嵐と早期発見の関係は?
カギを握るのは、6ヵ月だ。
生物学的製剤とは?
グーパー運動で、指が動くようになる?
今日のテーマは、リウマチ(リュウマチ、リューマチ)です。
ある日突然、手足に激痛が走るのだという。
埼玉県に住む47歳の女性は、リウマチのために手の指(の骨)が変形してしまいました。
腕を伸ばしたり、屈んだりするだけで、関節を針で刺すような痛みに襲われるという。
夜中に目が覚めてしまうため、普通に寝ることもできません。
2007年7月に、ガッテンでは「あなたを襲うリウマチ 患者100万人の真実」を放送。
関節に起こる骨の破壊、30代や40代でもかかることがある病気であること、早期発見が大事であることなどを、お伝えしました。
でも、街の人々の意識は、そんなに変わってないようです。
他人事であったり、お年寄りがなるイメージが、根強い。
でも、朗報もあります。
この5年の間に、医療が進化していたのです。
関節が壊れる前に、関節リウマチの勢いを抑えてしまう、そんな言葉が聞かれました。
リウマチで寝たきりだった人が走ってる。
これは、どういうことでしょう?
2012年12月12日放送の「ためしてガッテン」より、「関節が痛む人必見!知らぬ間にリウマチ治療が大進化」からのメモ書きです。

□ リウマチは治るか?
・まずは、5年前の放送の
復習から。
・関節リウマチは、
全身に激痛が走る。
・骨まで破壊される。
・進行を止められない。
・なので、早期発見が重要。
・でも、5年間で変わったことも
あるという。
・ここで登場したのが、
蝶々を持った黒子さん。
・本日の主役と書かれた
タスキをしています。
・リウマチの症状が書かれた
岩の上に蝶がとまると、
何か文字が出てきました。
・「寛解(かんかい)」と書かれている。
・寛解とは、完治ではないけれど、
症状がおさまり、ほぼ普通に
日常生活が送れる状態。
・つまり、
絶対に治らないと言われていた
あのリウマチの症状が
かなり軽減するということ。
□ リウマチの症状
・5年前、ガッテンで紹介した
患者さんの女性。
・両手の指、手首、ヒジ、肩も、
1年365日、ずっと痛い。
・あまりに痛いので、
包丁を握ることもできません。
・洗濯バサミをつまむだけで、
激痛が走ります。
・特に難しいのが手をひねる動作で、
そのため、ビンを開けるのに
補助具を使う。
・私たちの関節は、
滑膜(かつまく)という
膜に包まれています。
・滑膜からは、関節を
スムーズに動かすための
潤滑液が出ている。
・関節の中を実際に見てみると、
とっても滑らかなんですよ。
・しかし、関節リウマチになると、
これが一変してしまいます。
・関節の中が、ビロビロ。
・激しい炎症が起きて、
滑膜がボロボロになっちゃうんです。
・やがては骨まで破壊され、
大きく変形してしまう。
・埼玉県に住む47歳の女性は、
15年前に関節リウマチを
発症した。
・手の指が変形し、
曲がったままになってる。
・薬で何とか
痛みを抑えているのですが、
床に落ちた物を拾うだけで
激痛が走ります。
・なので、
マジックハンドを使う。
・お皿も持てないので、
お子さんなど
家族に助けてもらいます。
・毎日の家事が、
もうたいへん。
・病気の始まりは31歳の時、
肩の痛みを感じたことから。
・病院で診察してもらったところ、
検査の結果は
関節リウマチではないと言われた。
・4軒回ってようやく、
早期の関節リウマチだと
診断されました。
・ところが、
同じ早期の関節リウマチでも、
その後の経過がまったく
異なる人がいます。
・こちらは、
埼玉県に住む31歳の女性。
・全身が重くて刺さってて、
とにかく痛かったといいます。
・ずっと寝たきりの状態になって、
そのまま死んじゃうのかと
思ったほどです。
・それが薬を服用すること、1年。
・今では家事も、難なくこなします。
・ジョギングだって、してるんだ。
・でも、スタートが同じなのに、
どうして差が出たんでしょうか?
□ 症状の差
・手のX線写真を見ても、
47歳の女性Aさんと
31歳の女性Bさんでは
違いが明らか。
・47歳Aさんの指は、
かなり曲がっています。
・31歳Bさんの指は
まっすぐで
異常が見当たりません。
・ちなみに女性は、
30代40代の発症率が
高いそう。
・患者の比率は、
男性1に対し、女性は4。
男1:女4 です。
・診断を受けた時の病名は、
Aさんが早期関節リウマチ。
・Bさんも早期関節リウマチ。
・でも、この「早期」に
秘密が隠されているといいます。
・ここで、
関節リウマチを探せ!
・現役バリバリの医師たちが、
関節に起きている異変を
見破れるか実験です。
・用意したのは、3つのX線写真。
・素人には見分けがつきませんが、
プロならどうでしょう?
・実は1枚目は、
変形性関節症。
・これには、整形外科の先生が
正解しました。
・2枚目は骨折で、
これは全員が正解。
・じゃあ、3枚目が、
関節リウマチ?
・5人中、関節リウマチだと
答えた人は、
整形外科のベテラン医師
1人だけでした。
・でも、それも「?」付きで、
ちょっと自信なさ気です。
・実はそれほど、
診断は難しいんですね。
・X線写真に写る
骨が破壊されはじめた部分は
わずかなんです。
・リウマチの診断は
画像検査だけでなく、
問診や触診、血液検査などで、
総合的に判断されます。
・さて、AさんとBさんの話に戻ります。
・発症ですが、
47歳のAさんは
最初に肩が痛くなった。
・これが、31歳の時。
・31歳のBさんは、
手の指が痛くなりました。
・これが、30歳の時。
・関節の炎症である
滑膜炎であったのは
ふたりとも同じ。
・投薬ですが、Aさんは、
抗リウマチ薬、炎症剤、
鎮痛剤など。
・Bさんの薬は、
抗リウマチ剤など。
・ふたりの違い、分かりましたか?
・答えは、蝶々?
・てふてふ?
・お蝶夫人?
・黒子が操る蝶々がとまったのは、
診断された年代。
・Aさんは1998年の1月で、
Bさんは2011年の10月でした。
・蝶々は、Bさんの日付にとまりましたよ。
・これが意味するのは、何なんでしょう?
□ キーワードは、超早期
・関節リウマチが
重症化してしまうか否か、
その運命を分ける瞬間が
あったといいます。
・体に異常がないか
血管の中をパトロールする
免疫細胞。
・ウイルスや細菌を見つけると、
すかさずサイトカインという
物質を放出。
・このサイトカインは
いわば伝令役で、
敵の襲来を他の免疫細胞に
知らせてくれる。
・これによって免疫細胞が集結、
敵であるウイルスや細菌を
殲滅してくれるんですね。
・こうして私たちの体は、
外敵から守られているのです。
・ところが、
関節リウマチが発症する時は、
違ってきます。
・いつもはきちんと
敵を見分けていた免疫細胞が、
自分の関節を敵だと認識。
・サイトカインを放出し、
他の免疫細胞に呼びかけ、
攻撃してしまうのです。
・自分の体の一部なのに。
・こうして起こるのが、
滑膜炎なのでした。
・しかもです、
関節はウイルスなどと違って、
攻撃を受けても
なくなることはありません。
・いっこうに減らないので、
サイトカインは激増。
・まさに、サイトカインの嵐。
・大量のサイトカインが
免疫細胞を招集し、
関節を総攻撃させるのでした。
・こうなるともう
破壊は滑膜だけにとどまらず、
ついには骨まで
やられちゃうんですね。
・こうして、骨の変形が
起こるのでした。
・上で紹介した
サイトカインの嵐が起きる前に
治療を始めることが
できるかどうか、
これが5年前には
分からなかったことらしい。
・黒子さんの蝶々には
意味がありました。
・蝶々がくっついてたのは、
日付ではなく、
早期関節リウマチの部分だった。
・つまり、
蝶早期関節リウマチ。
・ちょう早期関節リウマチ。
・超早期!
・バンザーイ! バンザーイ!
・昔の大喜利かっ!
・超早期に発見できると、
元の生活に戻れるのか。
・では、超早期とは、
どのくらい早期なんでしょう?
・Bさんの発症は、2011年の8月。
・診断されたのが2011年10月なので、
その間は2ヵ月。
・Aさんの発症は、1996年の3月。
・診断が1998年1月ですから、
その間が1年10ヵ月もあります。
・サイトカインの嵐は、
発症から6ヵ月と言われています。
・超早期発見が、何より大事なのです。
□ 治療は、生物学的製剤で
・さあ、スタジオに
専門家の先生が来てくださいました。
・東京女子医科大学
膠原病リウマチ痛風センター所長の
山中寿 先生。
・さっそく聞いてみました。
・レントゲン写真だけでは
分からないくらい
診断が難しいのに、
なぜ超早期発見が
可能になったのでしょう?
・実は、検査方法も、
新しいものが出ている。
・超音波で調べる方法も、
あるらしい。
・骨が破壊される前の
嵐の前兆を見つけるのが、
超早期発見。
・Bさんは治療を開始してから、
月に1度
病院で診察を受けています。
・その際、行われるのが、
超音波による画像診断。
・いわゆる、エコー検査です。
・これで、炎症を発見できる。
・そして、嵐の前兆で止められれば、
骨の破壊は まぬがれると。
・前までは、
早期関節リウマチの診断は、
発症から2年まででした。
・これが2008年からは、
6ヵ月までになった。
・さらに、
生物学的製剤というものが
出てきました。
・これは、サイトカインの働きを
ピンポイントに抑える薬剤。
・注射することで、
伝令役であるサイトカインを
黙らせる。
・ただし、注意点があります。
・サイトカインは病気が進むと、
量と種類が急増する。
・なので、
その前に投薬を始めるのが、
すごく大切になる。
・この薬は、
病気の原因を抑えているわけでは
ありません。
・病気の状態をよくする薬。
・なので、投薬は
続ける場合が多いという。
・ただし、症状がよくなれば、
休止することもある。
・気になるのは副作用ですが、
免疫を抑える薬なので、
ウイルスや細菌への免疫作用が
低下することがあるそう。
・さあ、超早期に発見するために
知っておきたいことです。
<関節リウマチのサイン>
・関節の腫れ。
・触るとブヨブヨ。
・朝の痛みや違和感。
・見分けるポイントは、
手指の第2関節、第3関節、
それと手首が、
痛んだり腫れたりする。
・腫れている部分を
横から押さえると
ゴムのようにやわらかいのも
注意。
・朝起きた時に指を動かすと、
痛かったり
動かしにくかったりするのも
要注意。
・受診する場合ですが、
今だとリウマチ科があるそう。
・もしない場合は、
整形外科や内科へ。
・5年の間に医学は進歩し、
リウマチは超早期発見で、
寛解できるようになったのか!
・ありがとう、そして、
ガッテン! ガッテン!
□ 指の運動
・超早期発見できるようになったのは
うれしいのですが、
以前から治療している人たちは
どうすればいいんだろう?
・寛解は難しいのですが、
指は動くようになるといいます。
・その方法とは?
・東京都に住む、67歳の女性。
・15年前に、関節リウマチを発症。
・骨が変形してしまい、
ひどい時は右手の指が
まったく動かなかった。
・ところが今では、
趣味のスケッチを
再開するまでになりました。
・でも、どうやって、
ここまで回復したんでしょうね。
・ヒントは、グーにパー?
・手が動かなくなるのは、
悪循環からだという。
・痛いから動かさない。
・痛いから動かさない。
↓
・血流が悪くなる。
↓
・筋肉が硬くなる。
↓
・関節が動かない。
↓
・痛いから動かさない。
↓
・以下、ループ。
・あまりに痛いので、
骨が破壊されたと思い込んでしまう。
・なので、
動かさなくなってしまいます。
・でも実は、
まったく動かないのと、
痛くて動かせないのは、
違うんですね。
・関節が動かないからといって
必ずしも骨破壊が起きているとは
かぎらない。
・さあ、ここで、
この悪循環を断ち切ってくれる
先生が登場。
・リハビリテーション中伊豆温泉病院
作業療法士の林正春さん。
・まずは、筋肉が硬くならないような
運動をやっていきます。
・それによって、
関節を動かしやすくする。
<指のグーパー運動>
・肩の高さまで、両手を上げる。
・その状態で、
ゆっくり握って、開く。
・痛くならない程度に、
手のひらを最大限に開いて、
10秒 数える。
・その後、ゆっくりグーにします。
・この時、親指は外側に出す。
・この状態で、10秒 数えます。

・目安の回数は、
1セット3~5回。
・できれば、
毎日続けましょう。
・これは指を曲げる筋肉を
ゆっくりと伸張させる運動。
・痛みが出る場合は、
手のひらを上にして、
ゆっくりグーパーと
開いたり閉じたりしてもいい。
・静岡にある
リハビリテーション中伊豆温泉病院。
・林さんはそこで、
リウマチで固まった筋肉を
ほぐすリハビリを指導している。
・すると、失われていた握力が
あっという間に
戻ってくるといいます。
・ある女性は、
右の握力が94だったのが、
124にまで上がりました。
・左も、58から100に
上昇した。
(もちろん、単位はkgじゃありません)
・なるほど、
適度に動かす方がいいわけか。
・でも、注意点もあります。
・炎症や骨破壊、痛みがある場合は、
主治医やリハビリの専門家の
指示に従うこと。
□ リウマチに対するご理解を
・5年前にガッテンの取材を
受けてくれた女性。
・20年以上前から、
関節リウマチを患っている。
・外見だけでは不自由なのが
分からないため、
つらいこともあったといいます。
・電車に乗っていても、
揺れると自力で立つのが
難しい。
・そんな時は吊革や手すりに
つかまるのですが、
それでも激痛が走る。
・ある日、
手すりをゆずってもらおうと
お願いしたところ、
見た目では
不自由なのが伝わらないので、
いぶかしげな顔をされたこともある。
・心ないことを言われたことだって
あるといいます。
・でも、その一方で、
快く助けてもらったこともある。
・ちょっとした手助けで、
救われることだってあります。
・何よりも、病気を理解されることが、
救いにつながるようです。
□
リウマチの特集を見る度に、驚きます。
すごく痛いし、たいへんなんですね。
症状が進むと、日々の生活にも苦労する。
指の運動ですが、痛い中でも ゆっくり動かすのは大事なのか。
ヘルニアも、似てるかな。
急性時の鋭い痛みの時は安静にし、炎症が治まった鈍い痛み、慢性時には ゆっくりと動かす方がいい。
動かさないことで筋肉が硬くなって、余計に痛くなる。
あと、表に現れないたいへんさとか、理解されないと心を挫かれる点も、ちょっと似てるかも。
あるいは、これは、病気全般にいえるのかもしれない。
[まとめ]
・サイトカインの嵐が
滑膜に炎症を起こさせ
関節リウマチになる。
・サイトカインが増加する
発症から6ヵ月までに治療すると
寛解する可能性が出てくる。
・今は、超音波検査で、
関節の炎症が発見できる。
・サイトカインを抑えるには、
生物学的製剤を使う。
・関節リウマチのサインは、
関節の腫れ、
触るとブヨブヨ、
朝の痛みや違和感。
・手を動かさないと、
悪循環に陥る。
・指をゆっくりと動かす運動を。
次回は、「12月じゃないとダメ! これだ! 快感防災テク」。
→ 「ためしてガッテン 2012年のアーカイブ 8月~12月」
→ 「ヒザの痛み リウマチ テンプラ体操/カラだのキモチ」
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