「紙袋は間違い? 過呼吸の常識/ためしてガッテン」

最近よく耳にするようになった、過呼吸。

紙袋を口に当てるペーパーバッグ法が有名ですが、これ、本当に効くのかな?

過呼吸で多くなるのは、酸素? 二酸化炭素? どっち?

ハイパーベンチレーションて、何?


確かに名前は有名になりました。。

でも、詳しい症状や対処法は、知りませんよね。


日本赤十字社 和歌山医療センター 高度救命救急センターの千代孝夫センター長は言いました。

「過換気症候群(過呼吸)に対しての応急処置、そのやり方を間違えると、殺人行為に等しい」と。

その意味するところは?



2012年8月29日放送の「ためしてガッテン」より、「窒息死を招く大誤解! 本当は怖い過呼吸SP」からのメモ書きです。




過呼吸に紙袋は間違い?




過呼吸のイメージと実際


・ゲストの矢口真里さんは
 ライブで過呼吸を経験しているそう。

・ある病院では、救急で来院した
 過呼吸の患者さんの数が
 5年間で1.3倍に急増している。


・過呼吸のイメージや知識といえば、
 何があるでしょう?

・コンサートで見た。
・激しい運動後になる。
・酸欠になる。
・空気を吸いすぎている。
・パニックになる。
・緊張するとなりやすい。
・号泣した後になる。
・ストレスが原因。
・窒息してしまいそうになる。
・マジメな人に多い。

・いろいろありますね。


・でも、小野アナは言いました。
・この程度の知識しかない場合、
 殺人行為を犯してしまう可能性があると。

・これは、どういう意味なんでしょう?



・日本赤十字社 和歌山医療センター。
・ここは24時間体制で、
 高度な救急救命医療を行っています。
・1日100人近い救急患者を受け入れている。

・この日も、過呼吸の患者さんが搬送された。
・意識不明の状態だという。

・処置室に移したところ、
 パニックを起こし叫び声を上げました。
・重症の過呼吸のようですね。

・鎮静薬を投与し しばらくすると、
 やっと発作は治まりました。

・6時間後に、ようやく意識は回復。

・どんな治療をするのかと思いましたが、
 車イスに乗って向かった先は、出口。
・そのまま帰ってしまった。


・別の日も、過呼吸の患者さんが運ばれました。
・眠っているかのように、意識のない状態。

・しかし、お腹の部分は、激しく上下しています。
・呼吸が、異常にはやくなっている。

・手は固く握りしめたまま。
・筋肉が収縮して、元に戻りません。

・別の部屋に移されて1時間後。
・患者さんは意識を回復し、
 自分の足で帰って行った。

・けれど、非常事態が発生。
・帰ったはずの患者さんが、
 また意識を失って倒れています。

・過呼吸の発作が、再発。
・すぐにまた、処置室に運ばれた。



・一人目の方は、59歳の女性。
・仮にAさんとします。

 意識不明
  ↓
 強烈な窒息感
  ↓
 鎮静剤投与
  ↓
 歩いて帰った。


・二人目は、31歳の女性。
・仮にBさんとします。

 以上にはやい呼吸
  ↓
 手の硬直
  ↓
 歩いて帰る
  ↓
 でも、再発
  ↓
 (落ち着いてから)歩いて帰る。



・でも、こんな過呼吸を前にした時
 どうしたらいいんだろう?




紙袋は間違い?


・街の人々は過呼吸に遭遇した時、
 どんな処置をするのだろう?

・ガッテンが調査してくれました。
・名づけて、第1回応急処置選手権。

・実験の内容は、
 (1) 部屋の中に番組スタッフが座っている。
 (2) 会話の途中で、過呼吸(の演技)が。
 (3) 何の症状かを自分で判断し、
    応急処置してもらう。


・1人目は、紙袋を口に当てさせた。
・2人目は、水を飲ませました。
・3人目は、酸素スプレーを渡した。

・他にも団扇(うちわ)であおぐ人など、
 いろんな処置をしてくれました。

・で、ここでクイズです!

・応急処置の中で多かったのは、
 水、酸素、団扇、紙袋でした。
・さて、正しい方法は、どれでしょう?


・正解の前に、多かったのはというと、
 紙袋でした。
・45人中、20人の方がそうした。

・その理由ですが、
 酸素の吸いすぎだから
 酸素を少なくすればいい、
 というもの。
・学生の時、救急法を学んだ
 という人までいます。

・紙袋の方法は、
 家庭向けの医学書などで
 「ペーパーバッグ法」と
 名前までついている。
・そこには、こう書いてありますよ。
・紙袋で口と鼻をおおい、
 袋の中の空気を何回も
 吸ったり吐いたりする方法を
 知っておくのも必要です、と。



・ここで、論文を元にした
 再現ドラマが。

・これは、アメリカであった
 本当にあったお話。

・あるところに仲睦まじい、
 40代の夫婦がいた。
・そんなある日の夜、
 妻が過呼吸の発作を起こします。

・手に痺れるような痛みがあると
 訴えていた。

・夫は、急いで救急に電話。
・すると、
 救急電話のオペレーターは、
 紙袋で口を覆って
 息をさせてくださいと言った。

・夫はその通りにしたのですが、
 症状は一向によくならない。

・もう一度救急に電話し、
 妻を病院に運ぼうとした
 その矢先。
・妻はもう、意識不明状態に。

・そのまま、帰らぬ人となりました。


・ということは、紙袋は間違い?

・死因は、窒息死だという。


・過呼吸って、そもそも
 どういう状態なんだろう?




二酸化炭素と過呼吸


・慢性的な過呼吸に悩む女性が
 実験に協力してくれました。

・発症したのは、6年前だと言います。
・ストレスを感じる時に発作が起きやすく、
 1日に2~3回、今も小さな発作が。

・本人が言うには、
 酸素が足りないような感覚に
 なるという。

・今回特別に、
 発作が起きた時の状態を
 調べさせてもらうことに。

・新古賀病院 呼吸器内科の
 富永正樹 医師も、
 協力してくれました。

・まずは発作がない
 健康な状態で採血。
・結果は、
 すべて正常値でした。

・次に女性の日常生活に
 密着させてもらい
 発作を待ちます。

・2日目の夜、連絡がありました。
・すぐさま自宅に急行しますが、
 チャイムを押しても返事がない。
・しばらくして、女性が出てきた。

・まだ過呼吸にはなってませんが、
 手足の痺れが続いている状態。
・すぐに病院へと運ばれました。

・徐々に呼吸がはやくなり、
 やがて過呼吸の発作が。
・女性は懸命に、
 呼吸を整えようとする。

・医師が駆けつけ、
 過呼吸の他には異常がないことを
 確認。
・この状態で、採血させてもらいます。

・成分分析したところ、医師は
 典型的な過換気症候群だという。

・女性の体には、何が起こっていたのでしょうか?



・血液中の酸素ですが、
 正常値は87~300。

・女性も、平常時では88.5だった。
・これが発作時だと、116.0に。

・あれ? でも、正常値?

・じゃあ、変化があったのは
 他の値?
・過呼吸と診断する決め手となるのは
 どんな項目なのでしょうか?


・それは、二酸化炭素の量。
・正常値は、35~45です。

・女性の場合、平常時は37.8だった。
・これが発作時だと、20.4に減っていた。

過呼吸というのは
 酸素吸いすぎではなく、
 二酸化炭素が不足した状態
 なのです。




・でも、二酸化炭素が不足したって
 何か問題あるの?

・これが実は、大あり!

・二酸化炭素不足になると、
 全身の血管が収縮する。
・特に、脳の血管が収縮。

・そうすると、
 脳からの神経の伝達が
 うまくいかなくなるのです。

・そのせいで、
 頭痛が起きたり、
 めまいが起きたり、
 手の痺れや筋肉の硬直が
 起こる。

・最悪の場合は、
 心臓が停止する可能性も。




過呼吸の実際


・スタジオには、模型が登場。

・私たちが呼吸をすると、
 肺が動いて
 酸素が血液中に入り、
 血液中の二酸化炭素が
 排出されます。

・普通の呼吸では、
 酸素が血液中に入って
 二酸化炭素が血液から出る。


・ただ、ここでストレスや
 緊張が加わると、
 呼吸がはやくなります。

・すると、酸素がたくさん
 肺に入ってくる。
・でも、血液中にそのまま
 入るのかというと、
 そうはならないんですね。
・血液中に入れる酸素の数には
 限りがあるのです。
・だから、ちょっとずつしか入れない。

・しかし、二酸化炭素は違うんですね。
・どんどん出て行ってしまう。
・なので、二酸化炭素は
 どんどん減っていってしまうのです。

・これが過呼吸の状態。
・血中は、二酸化炭素不足に。


・この時、体には、
 この事態に対処する仕組みが
 備わっているという。

・脳の延髄から、指令が出ます。
・呼吸を止めろと。

・ところがです、
 意識をつかさどる脳の大脳皮質は
 息ができなくて苦しいと
 感じてしまう。
・結果、呼吸しなきゃと、
 焦ってしまうんですね。

・これが、過呼吸の発作の状態。
・二酸化炭素不足を回復するため
 呼吸を止めようとする防御反応が
 息苦しいと感じてしまう。


・というわけで、
 過呼吸は酸素の吸いすぎではなく、
 二酸化炭素不足の状態だったんですね。

・ガッテン! ガッテン!




ハイパーベンチレーション


・あれ?
・でも、二酸化炭素不足なら、
 ペーパーバッグでいいのでは?


・ここでスタジオに登場してくれたのは
 国立国際医療研究センター病院
 伊中愛貴 さん。

・先生によると、ペーパーバッグ法は
 死亡事故などのリスクが高いため
 行ってはいけない
のだという。

・心理的に落ち着く効果がある
 可能性はありますが、
 医学的に正しい方法だとは
 考えられていないそうです。


・さて、二酸化炭素不足と
 ペーパーバッグ法の関係ですが、
 少量なら二酸化炭素の量は
 増えるそう。

・でも、そこには危険な落とし穴が。

・それを教えてくれたのは、
 フリーダイバーのみなさんでした。
・彼らは、水の中で
 息を止められる長さを競っています。

・普通の息止めだと、
 3人の平均は2分22秒。

・ここで登場してくれたのが、
 フリーダイビング元日本代表の
 松元恵さんです。
・絶対やってはいけない、
 ある禁じ手を見せてもらった。
・それを使うと、
 すごく記録が伸びちゃうんだって。

ただし、絶対にマネしないでね!

・松元さんは、激しい呼吸を
 意図的に始めました。
・これで体の中に
 過呼吸の発作時と同じ状態を
 作り出すんだって。

・お医者さん立会いのもと、
 3人のダイバーが禁断の呼吸を
 試しました。

・すると息止めの記録が、
 さっきより平均で
 1分01秒も長くなりました。
・最長の人は、4分03秒だった。

・感想を聞くと、
 苦しさを感じるまでの時間が
 延びたみたいに感じるらしいです。


・でも、何でこうなるんだろう?

繰り返しになりますが、
 競技の上でも、遊び半分でも、
 絶対にマネしないでね!
 命に関わりますよ!



・これは、ハイパーベンチレーション
 というもの。
・過呼吸と同じ状態を
 生み出すものです。

・過呼吸の時に紙袋を
 口に当てるのは、
 ハイパーベンチレーションしてから
 水の中で息をこらえるのと同じ。

・では、なぜ危険なのか?

・人間には、息こらえを止める時の
 センサーがあるのだという。
・これ以上潜っていたら危ない!
 そう気づかせてくれるのは、
 脳にあるセンサーなんです。

・それが何を
 感知しているのかというと、
 二酸化炭素の量。

・増えすぎていないかどうかを
 監視して、
 増えすぎてくると、
 危ない、苦しいと、
 働くようになっている。

・しかし、過呼吸になっている時は、
 最初から二酸化炭素が少ない状態。
・だから、ここから袋を当てて
 呼吸しても、
 二酸化炭素は多少は増えるものの
 もともとが少量だから
 センサーが感知するような
 量にはならないのです。

・これで、酸素不足になってしまう。

・ダイバーの血中酸素を測定したところ、
 平常時には100%ちかくあった。
・それが普通に息止めした時の限界値は
 90%ちかくまで落ち込む。
・さらにハイパーベンチレーションの後だと、
 72~79%まで落ちていました。

・つまり、過呼吸状態だと、
 酸素が減っているという危機に
 気づけないんです。

・このままが続くと、
 気づかない内に酸欠になって
 失神してしまう。




過呼吸の応急処置


・じゃあ、過呼吸の応急処置は、
 どうしたらいいんだろう?


・過呼吸ですが、
 ストレスや過度の緊張状態で
 起こっているのであれば、
 自然に時間が経てば
 症状は落ち着くそうです。

・なので、そっとしておくのが大事。


・また、二酸化炭素が減少することで
 起きるので、
 呼吸を落ち着かせるのが大切。


<過呼吸の正しい応急処置>

・呼吸のリズムを整えてあげる。

・吐くことに意識。
・「吸う:吐く」=1:2

・1回の呼吸で、
 10秒くらいかけて吐く。
 (吐く前に1~2秒くらい息を止める)

・胸や背中をゆっくり押す。
 (はやくなった呼吸を整えるため)




・ただし、ストレス以外で起きる
 過呼吸(過換気症候群)があります。

・中高年の過呼吸は、
 体に重い病気が隠れている可能性が
 高いという。


<命に関わる過呼吸>

・胸の圧迫感や痛み。
 → 肺塞栓、心筋梗塞。

・頭痛。
 → 脳出血、くも膜下出血。

・糖尿病や腎臓病。
 → 糖尿病性・腎性アシドーシス。



・これらには、要注意。








 





過呼吸の対処法は、紙袋やビニール袋を口に当てるのだと、いろんなところで聞いていた気がする。芸能人の経験談や、テレビでの紹介もあった気がするけどなあ。

でも、間違いなんですね。悪くすると命を落とすのか。この間違いはちゃんと広報した方がよさそう。

原因がストレスや強い緊張となると、それを取り除くのが大事になるのだろうか。原因は目に見えにくいけど、症状は実際にあるわけで、これはたいへん。

生活習慣と共に、ストレスって、いろんな症状につながりますねえ。ここを根本的にどうにかしないといけないのか。



[まとめ]


・過呼吸というと、
 紙袋を口に当てる
 ペーパーバッグ法が有名。
・でも、この方法に、
 医学的な根拠はないそう。

・過呼吸は、
 酸素の吸いすぎではなく、
 二酸化炭素が不足した状態。
・二酸化炭素が不足すると、
 血管が収縮。
・特に脳の血管が収縮して、
 頭痛やめまい、
 手の痺れや筋肉の硬直に
 つながってしまう。

・呼吸がはやくなると、
 酸素はちょっとずつしか
 血中に入れないのに、
 二酸化酸素はどんどん出て行く。
・その結果、二酸化炭素不足に。
・これが、過呼吸の状態。

・過呼吸は、そっとしておいたり、
 呼吸のリズムを整えるのが大事。
・吐くことに意識。
・「吸う:吐く」=1:2
・1回の呼吸で、
 10秒くらいかけて吐く。
・胸や背中をゆっくり押す。





次回は9月12日放送予定、「あの耳キーンが要注意 急増! 謎の耳づまり病」。












 → 「ためしてガッテン 2012年のアーカイブ 4月~7月」





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荒巻ケンコー

 

管理人 : 荒巻ケンコー

50歳代に突入し、健康の話題を口にすることが多くなりました。老眼が始まったり、白髪もチラホラ。筋肉痛は、2~3日遅れる。

老化は止められないけど、緩やかにしたい。できるだけ健康でいたい。できれば、生活を楽しみたい。そういう気持ちで、情報を集め、分かりやすく記録に残しています。

おいしい食材や簡単料理にも、興味あり。


過去の病気 : 腰痛(椎間板ヘルニア 手術暦あり)
現在の病気 : 花粉症。  

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