「鶏むね肉をパサパサからジューシーに/ためしてガッテン」
100g 88円の鶏もも肉と、100g 58円の鶏むね肉。
お客さんは、どちらを手に取る?
結果は、57対23 で、鶏もも肉の勝ちでした。
鶏もも肉のイメージといえば、ジューシーな肉汁。
一方、鶏むね肉は、パッサパサなイメージが。
だからどうしても、敬遠されがちです。
でも、栄養について気を遣う人なら、鶏むね肉のヘルシーさはご存知でしょう。
脂肪が少なく、低カロリーです。皮なしなら、なおさら。
そして以前に紹介された疲れにくくなる物質も、豊富に含むといいます。
となると、問題は調理法か。
パサパサがジューシーに変われば、理想的なのだけれど。
なんて思ってたら、ガッテンがやってくれました。
福岡の人も大満足な、そんな調理法があるらしい。
それは何だ?
2012年6月13日放送の「ためしてガッテン」より、「あの鶏むね肉が絶品に変わるウルトラ技発見」からのメモ書きです。


□ おいしい鶏むね肉?
・鶏の肉といえば、もも肉、むね肉、
ささみ、手羽など。
・中でも値段がお安いむね肉ですが、
ちょっと不人気です。
・どうしても、パサパサした
イメージがある。
・でも、お手頃価格だし、
低脂肪でヘルシー、
さらには、抗疲労物質
イミダゾールジペプチドが No.1。
・よい点はまだまだあって、
うまみ成分イノシン酸の量が、
和牛もも、豚もも、鶏ももより
多いときている。
・これを食べないのは、もったいないですね。
・そこでスタジオに登場した、
最高級の鶏むね肉。
・ゲストのみなさんはまず、
通常の鶏むね肉から試食。
・やっぱり、パサパサするようです。
・そして最高級と呼ばれるものを
前にしたのですが、
まずナイフの入り方が違う。
・歯ごたえも、しっとりしているといいます。
・山瀬まみさんが言うには、
赤ちゃんのおしり。
・全然別物に変身したようですが、
いったい どんな作り方したの?
・いつもとは趣向が違い、
今日はいきなり、
作り方を教えてくれるといいます。
・え? ホント?
・訪ねたのはフランス料理店のシェフ
北岡飛鳥さん。
・まずは高温で、一気に過熱。
・フライパンの中で、いい音がしました。
・でも、すぐに火からおろして、
透明の袋に入れちゃいましたよ。
・しかも、真空パックにしちゃった。
・そして、大きな装置に入れて、
じっくり待つこと40分。
・鶏むね肉のソテーが完成しました。
・見た目は普通のソテーなのですが、
切ってみると、
中から肉汁があふれてきた。
・これはとっても、ジューシーだ。
・秘密は、特殊な
スチームオーブンにあるといいます。
・お肉の中心の温度が、
設定した57℃を超えないように
なってるんだって。
・なので鶏むね肉を
おいしく調理するのは、
レストランでも機械がないと
難しいらしい。
・って、ちょい、ちょい。
・じゃあ、ご家庭では、どうするの?
・このオーブンの値段って、
250万から300万円するんでしょ。
・結局、調理方法は最後か。
□ パサパサの理由
・ともかく、
パサパサをどうにかしないと
いけませんねえ。
・で、このパサパサの正体って、
いったい何なんだろう?
・家庭での肉の調理方法といえば、
焼く、煮る、蒸すなど。
・でも、どうやっても、
鶏むね肉はパサパサになりそう。
・そこでガッテンが、実験してくれました。
・耐熱ガラスの上に
鶏むね肉と鶏もも肉を置き、
それを焼く様子を撮影して、
肉汁が出る様子を観察します。
・すると、もも肉からも、むね肉からも、
肉汁は出ていました。
・焼けた肉の重さもほぼ同じだったし、
肉汁の量は変わらないようです。
・ところが中身を見てみると、
もも肉は超ジューシー。
・むね肉はやっぱり、パッサパサです。
・どういうことなんでしょうね?
・スタジオで、出た肉汁を見比べてみました。
・するとまず、見た目が違う。
・もも肉から出た肉汁には、
油が浮いています。
・乳化した水と油が、
一緒に存在してますね。
・一方、むね肉から出た肉汁は、
透明っぽい色です。
・つまり、ほとんどが水分。
・鶏むね肉は、水分を逃がしやすいんですね。
・しかも、肉のうま味というのは、
水分の方に溶けだしやすい性質がある。
・これは、あきまへんがな。
・さらに調べると、おもしろいことが
分かったといいます。
・鶏むね肉の方が水分が抜けやすい理由は、
鶏にある構造的な特徴に原因があったそうです。
・ここでまた実験。
・ガッテン チキチキチキン 障害物レース!
・猛れ~す~う~う~う~う~!
・出場するのは、
ウシシシシとは笑いそうにない
おなじみのブロイラー。
・ふだんはあまり、動かないんだって。
・一方はブラック大魔王こと、
筋骨隆々のシャモ。
・戦うために改良されているだけあって、
運動能力は抜群です。
・ボールが遮る全長6メートルのコースを
両者に走ってもらう。
・大観衆10人が見守る中、ゲートが開いた。
・ほぼ同時のスタートですね。
・さあ、問題のボールゾーンだ。
・戦闘に特化したシャモ、
ボールに体当たりを喰らわせます。
・さらには、大ジャンプ。
・あっさりとボールを越えましたよ。
・あとはゴールまで一直線。
・カメラを蹴飛ばしつつ、
猛スピードでゴールした。
・シャモの記録は、19秒。
・さすがに、速い。
・さあ、ブロイラーの方はどうだ。
・一歩一歩、ボールに近づいていきます。
・どうやるのかと思ったら、
胸でボールを押しのけました。
・あくまでも、ゆっくりとマイペース。
・ゴールタイムは、2分47秒だった。
・で、これが何と関係あるのでしょう?
・シャモですが、ゴール後、
勝利を見せつけるかのように
羽をはばたかせました。
・実は、レースの前も後も、かなり頻繁に
羽をバタバタさせていたんです。
・しかし、ブロイラーくんといえば、
一度も羽をはばたきませんでした。
・これがむね肉に、どう影響するんだろう?
・それぞれのむね肉を比べると、
シャモは赤いんですね。
・カモの肉を見ると、もっと赤い。
・これが何を意味するのか?
・肉には、赤い筋肉と白い筋肉がある。
・長いこと動かし続けることができるのが、
赤い筋肉。
・じき動けなくなるのが、白い筋肉。
・ちなみにブロイラーでも、
もも肉は赤っぽい色をしています。
・これは自分の体を支え、歩くから。
・よく使う筋肉ほど赤いし、
あまり使わない筋肉ほど白い。
・そしてこの色が、水分の保持について
すごく関係があるのだという。
・もも肉とむね肉では、筋肉に違いが。
・もも肉の方では、筋繊維の周りに
壁があります。
・非常に丈夫な膜で、むね肉に比べると、
違いは一目瞭然。
・もも肉の方がずっと厚い。
・この丈夫な膜で、水分を逃がさないんですね。
・むね肉では薄いので、水分を逃がしやすい。
・さらに筋肉を束ねる膜も、
むね肉では薄いので、
水分とうま味を逃がしやすいのです。
□ 無いなら加える?
・でも、ここで、
そんなむね肉を何とかしようと、
ひとりの男が立ち上がりました。
・既にガッテンに
出演されているといいますよ。
・それは誰だ?
・料理研究家の、林廣美さん。
・2001年6月6日放送のガッテン
「から揚げの鉄則」に出演されています。
・そこで、二度揚げの技を紹介してくれた。
・その林さんが、調理台の前に立ちましたよ。
・フライパンで
鶏むね肉を焼いてくれたのですが、
あれ? それだけ?
・でも、切ってみたら、中はジューシーだった。
・街の人に試食してもらったところ、
反応がすごくいい。
・やわらかい、ジューシー、
モチモチ感があると、みなさん笑顔に。
・秘密は焼く前にありそうですが、
いったい何をしたんだろう?
・魔法でもかけた?
・林さんはまず、鶏むね肉の全体を
フォークで刺しました。
・そして、水に砂糖と塩を溶かした。
・これをビニールの袋に入れて、
お肉にもみ込みましたよ。
・重さを比べたところ、
水を加える前は 345g でした。
・それがもみ込んだ後では、389g に。
・でも、本当に水を吸ってくれるんでしょうか?
・というわけで、スタジオで実験。
・鶏むね肉に、フォークで穴を開けます。
・袋に、水と砂糖と塩を入れて、
1分ほど肉にもみ込む。
・すると、水分がしみ込んでいるのが
確認できました。
・ちゃんと中に入ってるんだ。
・この状態で1時間ほど置くと、
さらにしっとりと仕上がるそうです。
・ところで、なぜ砂糖と塩なんだろう?
・むね肉は、とにかく、たんぱく質が多い。
・そこに塩が入ると、
塩とたんぱく質がくっついて、
その物体同士が互いに離れようとする。
・その間に水が入るので、
水をガッチリ つかんでくれるというわけ。
・また砂糖が加わることで、
たんぱく質の分子構造を
強いものにしてくれる。
・壊れにくい構造になるので、
さらに水を離さなくなる。
・入れ込む効果と、出さない効果、
ダブルの効果で保水力を維持。
・ちなみに、もむ込む砂糖塩水の割合は、
以下のようになります。
・肉の重さに対して
水が 10%
砂糖が 1%
塩が 1% 。
・スタジオでも、林さん流の鶏むね肉を
試食します。
・もう、見た目からして、ふくらんでいます。
・パサつきはなく、
やわらかくておいしいと、
みなさんうなってました。
・鶏むね肉をおいしくするのは、
水が出やすい=吸い込みやすい、
その欠点を逆手にとった
ウルトラ技だったのです。
・ガッテン! ガッテン!
□ 直角で絶品!
・スゴ技は、これだけではありません。
・水を加えなくてもいい方法を、
パセリをヒントに紹介してくれるんだってさ。
・水なしでもジューシーになるには、
どうしたらいいの?
・思い悩む、むね肉ちゃん。
・ある日テレビを見ていると、
ガッテンでパセリについて
放送されていました。
・パサパサ感の方が強烈だった場合は、
脳はマズイと判断する。
・そうか、パセリも鶏むね肉も
同じ悩みを持っていたんだ。
・でも、そのパセリが、
おいしくなっちゃいましたよ。
・ということは、むね肉ちゃんも
おいしくなれる?
・その方法を試したところ、
むね肉ちゃんは大変身できました。
・街の人の評判も、上々です。
・では、このパサパサ感、
食感の悪さを取り除くには、
どうしたらいいんでしょう?
・使ったのは、包丁。
・包丁の峰で、叩きました。
・さらに、切り方にも工夫が。
・繊維がバラバラになりやすいように、
意識します。
・肉というのは、真ん中に筋がある。
・その筋に対して、
左側の身が厚い方では
直角に繊維が入っている。
・なので厚い方では、
繊維に向かって直角に切る。
・また、薄い方では、
真ん中の筋に対して直角に切る。


・ただし、
繊維が短く断ち切られていると、
それだけうまみも
逃げ出しやすくなります。
・だからこそ、
出したものを吸ってくれる
野菜炒めのような料理が
オススメになるそうです。
・たたく&繊維に直角切り、
これで絶品の鶏むね肉に!
・ガッテン! ガッテン!
□ 絶品鶏むね肉料理
・スタジオに、
イタリア料理店のオーナーシェフ
濱崎龍一さんが来てくれました。
・鶏むね肉は、まかないでよく
食べるそうです。
<キャベツと鶏むね肉の蒸し物>
<むね肉のソテー 枝豆とトマト添え>
<冷製むね肉スープ>
お安い鶏むね肉が、おいしく変身しました。


□
実はもともと、鶏むね肉派です。
お安いし、何てったってヘルシー。脂質が少ないんだもの。
ただ、食感はというと、やっぱり鶏もも肉の方がよかった。
なので、砂糖塩水をもみ込むのとか、試してみたいです。
そう考えると、から揚げを作る時などにダシにつけておくのは意味があったんですね。
砂糖も入っているし、しょう油で塩分も入っている。
これでまた、鶏むね肉の魅力が増しました。
ガッテンよ、ありがとう。
[まとめ]
・鶏むね肉がパサパサなのは、
水分が抜けやすいから。
・うまみは水分に溶けやすいので、
一緒に抜けちゃいます。
・なので、水分を補充してあげるといい。
・鶏むね肉にフォークを刺し、
穴をあける。
・袋に水と砂糖と塩を入れ、もみ込む。
・そうすると、しっとり仕上がります。
・切り方でも、食感は変わる。
・繊維がバラバラになりやすいように、
意識して切るとよい。
次回は、「放置すると危険! 謎のへんぺい足で骨異常に」。


→ 「ためしてガッテン 2011年のアーカイブ 前半」
↓ 続編あり
「【鶏むね肉】 柔らかくする方法は マイタケと切り方だった」

お客さんは、どちらを手に取る?
結果は、57対23 で、鶏もも肉の勝ちでした。
鶏もも肉のイメージといえば、ジューシーな肉汁。
一方、鶏むね肉は、パッサパサなイメージが。
だからどうしても、敬遠されがちです。
でも、栄養について気を遣う人なら、鶏むね肉のヘルシーさはご存知でしょう。
脂肪が少なく、低カロリーです。皮なしなら、なおさら。
そして以前に紹介された疲れにくくなる物質も、豊富に含むといいます。
となると、問題は調理法か。
パサパサがジューシーに変われば、理想的なのだけれど。
なんて思ってたら、ガッテンがやってくれました。
福岡の人も大満足な、そんな調理法があるらしい。
それは何だ?
2012年6月13日放送の「ためしてガッテン」より、「あの鶏むね肉が絶品に変わるウルトラ技発見」からのメモ書きです。


□ おいしい鶏むね肉?
・鶏の肉といえば、もも肉、むね肉、
ささみ、手羽など。
・中でも値段がお安いむね肉ですが、
ちょっと不人気です。
・どうしても、パサパサした
イメージがある。
・でも、お手頃価格だし、
低脂肪でヘルシー、
さらには、抗疲労物質
イミダゾールジペプチドが No.1。
・よい点はまだまだあって、
うまみ成分イノシン酸の量が、
和牛もも、豚もも、鶏ももより
多いときている。
・これを食べないのは、もったいないですね。
・そこでスタジオに登場した、
最高級の鶏むね肉。
・ゲストのみなさんはまず、
通常の鶏むね肉から試食。
・やっぱり、パサパサするようです。
・そして最高級と呼ばれるものを
前にしたのですが、
まずナイフの入り方が違う。
・歯ごたえも、しっとりしているといいます。
・山瀬まみさんが言うには、
赤ちゃんのおしり。
・全然別物に変身したようですが、
いったい どんな作り方したの?
・いつもとは趣向が違い、
今日はいきなり、
作り方を教えてくれるといいます。
・え? ホント?
・訪ねたのはフランス料理店のシェフ
北岡飛鳥さん。
・まずは高温で、一気に過熱。
・フライパンの中で、いい音がしました。
・でも、すぐに火からおろして、
透明の袋に入れちゃいましたよ。
・しかも、真空パックにしちゃった。
・そして、大きな装置に入れて、
じっくり待つこと40分。
・鶏むね肉のソテーが完成しました。
・見た目は普通のソテーなのですが、
切ってみると、
中から肉汁があふれてきた。
・これはとっても、ジューシーだ。
・秘密は、特殊な
スチームオーブンにあるといいます。
・お肉の中心の温度が、
設定した57℃を超えないように
なってるんだって。
・なので鶏むね肉を
おいしく調理するのは、
レストランでも機械がないと
難しいらしい。
・って、ちょい、ちょい。
・じゃあ、ご家庭では、どうするの?
・このオーブンの値段って、
250万から300万円するんでしょ。
・結局、調理方法は最後か。
□ パサパサの理由
・ともかく、
パサパサをどうにかしないと
いけませんねえ。
・で、このパサパサの正体って、
いったい何なんだろう?
・家庭での肉の調理方法といえば、
焼く、煮る、蒸すなど。
・でも、どうやっても、
鶏むね肉はパサパサになりそう。
・そこでガッテンが、実験してくれました。
・耐熱ガラスの上に
鶏むね肉と鶏もも肉を置き、
それを焼く様子を撮影して、
肉汁が出る様子を観察します。
・すると、もも肉からも、むね肉からも、
肉汁は出ていました。
・焼けた肉の重さもほぼ同じだったし、
肉汁の量は変わらないようです。
・ところが中身を見てみると、
もも肉は超ジューシー。
・むね肉はやっぱり、パッサパサです。
・どういうことなんでしょうね?
・スタジオで、出た肉汁を見比べてみました。
・するとまず、見た目が違う。
・もも肉から出た肉汁には、
油が浮いています。
・乳化した水と油が、
一緒に存在してますね。
・一方、むね肉から出た肉汁は、
透明っぽい色です。
・つまり、ほとんどが水分。
・鶏むね肉は、水分を逃がしやすいんですね。
・しかも、肉のうま味というのは、
水分の方に溶けだしやすい性質がある。
・これは、あきまへんがな。
・さらに調べると、おもしろいことが
分かったといいます。
・鶏むね肉の方が水分が抜けやすい理由は、
鶏にある構造的な特徴に原因があったそうです。
・ここでまた実験。
・ガッテン チキチキチキン 障害物レース!
・猛れ~す~う~う~う~う~!
・出場するのは、
ウシシシシとは笑いそうにない
おなじみのブロイラー。
・ふだんはあまり、動かないんだって。
・一方はブラック大魔王こと、
筋骨隆々のシャモ。
・戦うために改良されているだけあって、
運動能力は抜群です。
・ボールが遮る全長6メートルのコースを
両者に走ってもらう。
・大観衆10人が見守る中、ゲートが開いた。
・ほぼ同時のスタートですね。
・さあ、問題のボールゾーンだ。
・戦闘に特化したシャモ、
ボールに体当たりを喰らわせます。
・さらには、大ジャンプ。
・あっさりとボールを越えましたよ。
・あとはゴールまで一直線。
・カメラを蹴飛ばしつつ、
猛スピードでゴールした。
・シャモの記録は、19秒。
・さすがに、速い。
・さあ、ブロイラーの方はどうだ。
・一歩一歩、ボールに近づいていきます。
・どうやるのかと思ったら、
胸でボールを押しのけました。
・あくまでも、ゆっくりとマイペース。
・ゴールタイムは、2分47秒だった。
・で、これが何と関係あるのでしょう?
・シャモですが、ゴール後、
勝利を見せつけるかのように
羽をはばたかせました。
・実は、レースの前も後も、かなり頻繁に
羽をバタバタさせていたんです。
・しかし、ブロイラーくんといえば、
一度も羽をはばたきませんでした。
・これがむね肉に、どう影響するんだろう?
・それぞれのむね肉を比べると、
シャモは赤いんですね。
・カモの肉を見ると、もっと赤い。
・これが何を意味するのか?
・肉には、赤い筋肉と白い筋肉がある。
・長いこと動かし続けることができるのが、
赤い筋肉。
・じき動けなくなるのが、白い筋肉。
・ちなみにブロイラーでも、
もも肉は赤っぽい色をしています。
・これは自分の体を支え、歩くから。
・よく使う筋肉ほど赤いし、
あまり使わない筋肉ほど白い。
・そしてこの色が、水分の保持について
すごく関係があるのだという。
・もも肉とむね肉では、筋肉に違いが。
・もも肉の方では、筋繊維の周りに
壁があります。
・非常に丈夫な膜で、むね肉に比べると、
違いは一目瞭然。
・もも肉の方がずっと厚い。
・この丈夫な膜で、水分を逃がさないんですね。
・むね肉では薄いので、水分を逃がしやすい。
・さらに筋肉を束ねる膜も、
むね肉では薄いので、
水分とうま味を逃がしやすいのです。
□ 無いなら加える?
・でも、ここで、
そんなむね肉を何とかしようと、
ひとりの男が立ち上がりました。
・既にガッテンに
出演されているといいますよ。
・それは誰だ?
・料理研究家の、林廣美さん。
・2001年6月6日放送のガッテン
「から揚げの鉄則」に出演されています。
・そこで、二度揚げの技を紹介してくれた。
・その林さんが、調理台の前に立ちましたよ。
・フライパンで
鶏むね肉を焼いてくれたのですが、
あれ? それだけ?
・でも、切ってみたら、中はジューシーだった。
・街の人に試食してもらったところ、
反応がすごくいい。
・やわらかい、ジューシー、
モチモチ感があると、みなさん笑顔に。
・秘密は焼く前にありそうですが、
いったい何をしたんだろう?
・魔法でもかけた?
・林さんはまず、鶏むね肉の全体を
フォークで刺しました。
・そして、水に砂糖と塩を溶かした。
・これをビニールの袋に入れて、
お肉にもみ込みましたよ。
・重さを比べたところ、
水を加える前は 345g でした。
・それがもみ込んだ後では、389g に。
・でも、本当に水を吸ってくれるんでしょうか?
・というわけで、スタジオで実験。
・鶏むね肉に、フォークで穴を開けます。
・袋に、水と砂糖と塩を入れて、
1分ほど肉にもみ込む。
・すると、水分がしみ込んでいるのが
確認できました。
・ちゃんと中に入ってるんだ。
・この状態で1時間ほど置くと、
さらにしっとりと仕上がるそうです。
・ところで、なぜ砂糖と塩なんだろう?
・むね肉は、とにかく、たんぱく質が多い。
・そこに塩が入ると、
塩とたんぱく質がくっついて、
その物体同士が互いに離れようとする。
・その間に水が入るので、
水をガッチリ つかんでくれるというわけ。
・また砂糖が加わることで、
たんぱく質の分子構造を
強いものにしてくれる。
・壊れにくい構造になるので、
さらに水を離さなくなる。
・入れ込む効果と、出さない効果、
ダブルの効果で保水力を維持。
・ちなみに、もむ込む砂糖塩水の割合は、
以下のようになります。
・肉の重さに対して
水が 10%
砂糖が 1%
塩が 1% 。
・スタジオでも、林さん流の鶏むね肉を
試食します。
・もう、見た目からして、ふくらんでいます。
・パサつきはなく、
やわらかくておいしいと、
みなさんうなってました。
・鶏むね肉をおいしくするのは、
水が出やすい=吸い込みやすい、
その欠点を逆手にとった
ウルトラ技だったのです。
・ガッテン! ガッテン!
□ 直角で絶品!
・スゴ技は、これだけではありません。
・水を加えなくてもいい方法を、
パセリをヒントに紹介してくれるんだってさ。
・水なしでもジューシーになるには、
どうしたらいいの?
・思い悩む、むね肉ちゃん。
・ある日テレビを見ていると、
ガッテンでパセリについて
放送されていました。
・パサパサ感の方が強烈だった場合は、
脳はマズイと判断する。
・そうか、パセリも鶏むね肉も
同じ悩みを持っていたんだ。
・でも、そのパセリが、
おいしくなっちゃいましたよ。
・ということは、むね肉ちゃんも
おいしくなれる?
・その方法を試したところ、
むね肉ちゃんは大変身できました。
・街の人の評判も、上々です。
・では、このパサパサ感、
食感の悪さを取り除くには、
どうしたらいいんでしょう?
・使ったのは、包丁。
・包丁の峰で、叩きました。
・さらに、切り方にも工夫が。
・繊維がバラバラになりやすいように、
意識します。
・肉というのは、真ん中に筋がある。
・その筋に対して、
左側の身が厚い方では
直角に繊維が入っている。
・なので厚い方では、
繊維に向かって直角に切る。
・また、薄い方では、
真ん中の筋に対して直角に切る。


・ただし、
繊維が短く断ち切られていると、
それだけうまみも
逃げ出しやすくなります。
・だからこそ、
出したものを吸ってくれる
野菜炒めのような料理が
オススメになるそうです。
・たたく&繊維に直角切り、
これで絶品の鶏むね肉に!
・ガッテン! ガッテン!
□ 絶品鶏むね肉料理
・スタジオに、
イタリア料理店のオーナーシェフ
濱崎龍一さんが来てくれました。
・鶏むね肉は、まかないでよく
食べるそうです。
<キャベツと鶏むね肉の蒸し物>
4人前の材料:
鶏むね肉(皮なし) 1枚
たまねぎ 160g
にんじん 80g
セロリ 80g
塩 7g
砂糖 4g
こしょう 適量
キャベツ 100g
水 60ml
イタリアンパセリ 適量
粒マスタード 適量
・包丁の峰で、むね肉の両面を
格子状にたたきます。
・肉は食べやすい大きさに
スライスしている。
・ボールに、スライスしたタマネギ、
斜め切りにしたニンジンとセロリを入れる。
・さらに、塩と砂糖も投入。
・手で、よくもみます。
・この時出てきた水に
むね肉をつけこむ。
・お肉を入れたら、また混ぜます。
・あとは冷蔵庫で、20分置く。
・深めのフライパンか鍋に
キャベツをひく。
・そこに肉と野菜をのせ、
さらにキャベツではさみます。
・水を入れたら、強火で2分、
弱火で6分、それぞれ蒸す。
・お好みで、イタリアンパセリや
粒マスタードを添える。
<むね肉のソテー 枝豆とトマト添え>
4人前の材料:
鶏むね肉(皮なし) 1枚
乾燥パン粉 適量
(細かくつぶしたもの)
ゆでた枝豆 80g
トマト 100g
塩 少々
バジル 2枚
オリーブオイル 適量
サラダ油 大さじ1~2
こしょう 少々
・スライスした鶏むね肉に、
パン粉をつける。
・これで水分が、
抜けにくくなります。
・パン粉で、コーティング。
・それから、肉をたたきます。
・包丁の峰で、格子状に。
・ボールで、枝豆とトマトを和える。
・トマトは1センチの角切りに。
・塩とバジルも入れます。
・バジルは細かく千切る。
・オリーブオイルを入れて、
スプーンで混ぜます。
・フライパンを熱し、
サラダ油をしく。
・肉を並べて、強火で両面を
こんがりと焼く。
・焼けたら、キッチンペーパーで、
余分な油分を取り除く。
・その上から、こしょうと塩
少々をふる。
・さらに並べたお肉の上に、
先ほど和えた枝豆とトマトを
トッピングして完成。
<冷製むね肉スープ>
4人前の材料:
鶏むね肉(皮なし) 2枚
しょうが 5~7g
花椒(ホアジャオ) 10粒
長ねぎ 1本
塩 8g
水 1リットル
わさび(チューブ) 適量
白髪ねぎ 1/2本
あさつき 適量
・むね肉を麺棒でたたいて、
厚みを均等にする。
・沸騰したお湯に入れて、
ヒト煮立ち。
・ザルにあげます。
・この時のお湯は捨てる。
・お肉を鍋に戻し、
スライスしたショウガ、
乾燥した山椒の実、
長ねぎと塩を入れる。
・水を1リットル入れたら、
フタをして火をつける。
・沸騰後、弱火で12分加熱し、
その後、冷やす。
・冷めたら、肉を取り出して、
ほぐしていきます。
・スープを取出し、ワサビを溶く。
・それを、ほぐした肉にかけて、
白髪ネギやあさつきを添えて、
できあがり。
お安い鶏むね肉が、おいしく変身しました。
□
実はもともと、鶏むね肉派です。
お安いし、何てったってヘルシー。脂質が少ないんだもの。
ただ、食感はというと、やっぱり鶏もも肉の方がよかった。
なので、砂糖塩水をもみ込むのとか、試してみたいです。
そう考えると、から揚げを作る時などにダシにつけておくのは意味があったんですね。
砂糖も入っているし、しょう油で塩分も入っている。
これでまた、鶏むね肉の魅力が増しました。
ガッテンよ、ありがとう。
[まとめ]
・鶏むね肉がパサパサなのは、
水分が抜けやすいから。
・うまみは水分に溶けやすいので、
一緒に抜けちゃいます。
・なので、水分を補充してあげるといい。
・鶏むね肉にフォークを刺し、
穴をあける。
・袋に水と砂糖と塩を入れ、もみ込む。
・そうすると、しっとり仕上がります。
・切り方でも、食感は変わる。
・繊維がバラバラになりやすいように、
意識して切るとよい。
次回は、「放置すると危険! 謎のへんぺい足で骨異常に」。
→ 「ためしてガッテン 2011年のアーカイブ 前半」
↓ 続編あり
「【鶏むね肉】 柔らかくする方法は マイタケと切り方だった」

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