「変形性股関節症に貧乏ゆすり/ためしてガッテン」
膝痛に腰痛、つらいですよね。
中には、整形外科では、どこも悪くないと言われる人も。
でも、そうしてたらある日突然、激痛が走って歩行困難になるケースも。
さらには、関節が破壊されるような状態になるといいます。
この謎の激痛の真犯人は、何なのでしょう?
ついついやっちゃう癖が要注意だといいますが…
2012年2月1日放送の「ためしてガッテン」より、「40代から特にキケン!とれない足腰ヒザ痛みの真犯人」からのメモ書きです。

□ 股関節
・ヒザや腰に痛みがあるのに、
本当は他の場所が傷んでる?
・それが関節破壊につながるというのですが、
どういうことなんだろう?
・赤ちゃんの寝るポーズ。
・これは、ある関節に負担をかけない、
とってもいい方法なんだって。
・それは、な~んだ?
・正解は、股関節。
・赤ちゃんの股関節は、足を曲げた状態が
もっとも安定した状態なんだって。
・生後3ヵ月以内は、無理に足を伸ばそうとすると、
脱臼する恐れさえあると言います。
・股関節は、デリケートなんですね。
・でも、デリケートなのは初めの内だけ。
・成長と共に頑丈になります。
・股関節は人間の体の中で
一番大きくて頑丈な関節なのです。
□ 股関節の病気で、膝痛や腰痛に?
・47歳になる、ある女性。
・去年の3月に、体の異変を感じるようになりました。
・右ヒザが激しく痛む。
・キリキリした痛みです。
・整形外科を受診するも、ヒザに異常はありませんでした。
・痛み止めの注射を打ってもらいますが、これも効果なし。
・マッサージに通って様子を見ましたが、症状はよくなりません。
・そして3ヵ月後、突然の衝撃が女性を襲いました。
・股関節がガクンと抜けてしまったような感じになって、
もう歩けなくなるんじゃないかと思うほどに。
・股関節に異常が見つかった女性は、
手術を受け、今はリハビリに励んでいる状態です。
・今でもビックリするのは、ヒザだヒザだと思っていたら、
急に股関節にきたことだという。
・プロゴルファーの45歳、女性。
・若い頃から、腰痛に悩まされていました。
・痛みを和らげるために筋トレやストレッチに励みましたが、
なかなかよくなりません。
・ところが2年前、右足の付け根に、
猛烈な痛みを感じるようになりました。
・5分歩くのすら、やっとの日々。
・日常生活にも、困難が。
・あまりの激痛なので、股関節の手術を受けることになりました。
・すると、腰痛まですっかりよくなった。
・このふたりの女性、ヒザや腰の痛みからはじまって、
やがて股関節の病気に行きついた。
・何でだろう?
・ふたりと同じ病気を持つ、患者さんの集まり。
・みなさん、かなり壮絶な痛みを経験されたようです。
・この方たちも、最初に痛みが出たのは
股関節ではありませんでした。
・最初に痛みが出た箇所を教えてもらうと、
ヒザや腰など、バラバラです。
・足の甲が痛かった人まで。
・同じ病気で、どうしてこうなるんだろう?
・ちなみにこの病気、
患者数は 300万~400万人らしい。
□ 股関節とASIMOくん
・有名な二足歩行ロボット、ASIMO(アシモ)くん。
・人間と同じような動きをしますよね。
・こんなすごいロボットなんですが、
人間なら当たり前にできるある動きができません。
・それは何だと思います?
・正解は、「あぐら」。
・それに、「脚を組む」動作。
・人間の股関節は、すごいんですね。
・ASIMOくんの股関節は、体の真下についています。
・でも、人間の股関節は、骨盤の斜め横についている。

・よく見てみると、足の骨の方は、球状になってますよね。
・で、骨盤の方は、お椀(おわん)型になっている。
・お椀のところに、スポッと、はまっています。
・そして斜めについているおかげで、
すごく自由な動きができるようになっている。
・この骨盤の方についている臼(うす)みたいなものを、
「寛骨臼(かんこつきゅう)」と言い、
大腿骨についている球状のものを
「大腿骨頭」と言う。
・股関節を見ると、骨だけの場合、
自由自在であると共に、不安定ですよね。
・と、その前に、なぜロボットは同じようにしなかったんだろう?
・ASIMOの開発責任者さんに聞くと、こんな答えが。
・「足の付け根がすごく重要で、剛性なり強度が必要になる」
・ロボットの場合でいうと、まっすぐついていた方がよくて、
力の成分が分散しない方がコントロールしやすいから、
真下についているとのことでした。
・人間のように横に張り出していると、
可動域は大きくなるのですが、強度は弱くなるそうです。
・ということは、自由自在に動ける股関節だけど、
実はとてつもない力や負荷がかかってるってこと?
□ 股関節への負荷
・ふだんあまり意識することのない股関節ですが、
何気なく行っている動作で、
かなり負担がかかっているそうなんです。
・いったいどのくらいの負荷がかかっているのか、
測定してもらうことになりました。
・協力して下さったのは、
京都大学大学院の建内宏重さん。
・まずは、歩く動作から。
・着地した瞬間に負荷が大きくなり、
片足だけに力がかかった時、最大になりました。
・体重の4倍もの力がかかっていた。
・次は、正座からの立ち上がり動作。
・片足に荷重をかけた瞬間、
体重の7倍もの力がかかりました。
・そしてついついやってしまうのが、
片方の足だけに体重をかける姿勢。
・一応両脚は床についているのですが、
それでも体重の3倍の力が股関節にかかっている。
・でも、どうして、自分の体重より
大きな負荷がかかっちゃうんだろう?
・建内さんによれば、
体重をかけると関節が回転するような力がかかり、
股関節の外側にある●●●●で、
その回転を止めるように
強い力を出さなければならなくなるという。
・この●●●●って、何?
・正解は、「きんにく」。
・股関節は、骨格だけだと自由に動きすぎてしまうので、
筋肉でコントロールしています。
・体重がかかると、例えばお尻の内側の筋肉が、
キュッとしまる。
・そして関節に、大きな力が加わると。
・でも、患者さんたちは、
股関節と関係ない場所が痛んでいました。
・これは、どういうこと?
・腰から、股関節、脚には、共通の神経が通っています。
・この神経の経路の中で、どこかに異常が起きると、
脳の方が、本当は股関節なのに、
他の箇所の異常だと間違ってしまう。
・同じ神経が通っているために、
痛みを別の場所と勘違いしやすいのです。
・股関節の辺りは筋肉でしっかり覆われているため、
腰やヒザほどは意識しない。
・だからより、勘違いしやすい。
・ただし、股関節を庇おうとして、
ヒザや腰の負担が増え、痛みが出るケースもあります。
・あれ?
・でも、負荷はみんなにかかっているわけで、
なのに痛みが出る人と出ない人がいるのは、
なぜなんでしょう?
□ 変形性股関節症
・患者さんのレントゲン写真。
・股関節部分を比べてみると、左右に違いが。
・よく見ると、痛みが出た方は、軟骨が少ない。
・軟骨がすり減って、炎症が起きているんですって。
・重傷な人では、骨と骨が完全にくっついて、
すき間が無くなっています。
・これが、「変形性股関節症」。
・40代から50代の女性で発症するケースが、
最も多いそうです。
・この症状に関係するのが、「もともとの骨の形」だという。
・詳しくは、受け手側のお椀の深さ。
・もともとお椀が浅い人が、変形性股関節症になりやすいそうです。
・お椀が浅いと、大腿骨の頭が一か所に当たりやすい。
・そうすると、そこが炎症を起こしやすくなる。
・男性は元々、お椀が女性より深いため、
この病気にはなりにくいそうです。
・ここで気になるのが、お椀の深さ。
・それを調べるには、現在のところ、
X線撮影が不可欠とされているそうです。
・ただ、膝痛や腰痛で受診した場合、
そこを中心に検査するので、
股関節の異常に気づかないケースも。
・膝痛や腰痛の正体が、変形性股関節症の場合もあるんですね。
・そしてそれは、お椀が浅いと要注意であると。
* ただし、すべての膝痛や腰痛の原因がそうというわけではありません。
* やはり、病院での検査が一番。
□ 姿勢に注意?
・歌川国芳(うたがわ くによし)の『みかけハこハゐが とんだいゝ人だ』。
・この絵も、股関節と関係ある?

・この絵を材料に間違い探しが行われたわけですが、
関係あるのは絵ではなくて、その姿勢でした。
・ぬぐっ、ダマされた!
・バッテン、バッテン!
・東京医科大学の宍戸孝明さん。
・宍戸さんによれば、お椀は浅くないのに
変形性股関節症になる人が増えているんだそうです。
・そうなると、最悪、どうなるのかといえば、
半年の経過で軟骨が完全に消失して、
関節が破壊されているような状態になるという。
・これは、たいへんです。
・これに関係するのが、間違い探しのポーズだというんですが、
どういうことだろう?
・ちょっとした姿勢の差で股関節にどんな影響が出るのか?
番組が調べてくれました。
・まずは、よい姿勢の場合から。
・股関節の脚側、球状の骨の力の分布は、
平均していました。
・これがお腹を少し突き出した姿勢だと、
圧力が集中している部分が出てきます。
・股関節の負担が、2割多くなった。
・でも、お腹を突き出すと、
なぜ、股関節によくないんだろう?
・お腹を突き出すと、骨盤も前に出る。
・すると、お椀が浅くなるんです。
・骨盤が上を向く格好になって、
脚の骨がお椀からはみ出そうになる。
・背中が曲がることによって、
股関節に影響が出る場合もあるそう。
・背中が曲がると、バランスを取ろうとして、
骨盤が後ろに傾く。
・さらに背中が曲がっていくと、
もうそれ以上、骨盤が傾くことができないので、
一気にバランスが崩れ、股関節への負担も大きくなります。
・極端に姿勢が悪くなると、
変形性股関節症のリスクがアップするんだって。
・股関節にとって、姿勢の悪化は要注意!
・ガッテン! ガッテン!
□ 鍵は貧乏ゆすり?
・では、股関節の痛みから逃れるには、どうしたらいいんだろう?
・福岡県柳川にある病院では、変形性股関節症に対し、
あるユニークな治療を行っているそうです。
・この方法を考えたのは、
柳川リハビリテーション病院 名誉院長の井上明生さん。
・術後の回復を早める方法を模索した結果、
この方法にたどり着きました。
・圧迫力を加えずに摩擦をさせると、軟骨ができる。
・そんな方法です。
・小さい頃、これをして叱られた経験がある人も、多いかも。
・67歳の女性は、ある朝起きて靴下を履こうとしたら、
足が曲がらなくなっていた。
・股関節が動かなくなったのです。
・手術を避けたいと思ったこの女性は、
柳川リハビリテーション病院である治療法に出会い、
それ以来、実践しています。
・1年ぶりの検査では、快方が見えました。
・4年前はくっついてすき間がなかった股関節が、
今ではうっすらと開いている。
・軟骨ができてきているんですね。
・はじめ冗談かと思ったその方法とは、何なんでしょう?
・正解は、「貧乏ゆすり」。
・神奈川リハビリテーション病院 整形外科部長で、
日本股関節学会理事の杉山肇さんがスタジオに来てくれました。
・つま先を立てて かかとを上下に動かす、貧乏ゆすり。
・その効果とは?
<貧乏ゆすりの効果>
・筋肉をリラックスさせて、運動できる。
・これが栄養補給につながり、軟骨ができる。
・変形性股関節症は、軟骨が減ってくる病気。
・残念ながら、軟骨はなかなか再生しない。
・しかし、継続的に関節を動かすことによって、
関節液から栄養を補給し、軟骨の組織が出てきて、
最終的には復活してくると。
・動物実験では、完全に軟骨ができることが証明されているそう。
・人間でも、再生の可能性が期待されています。
(*もともとの骨の形状などにより、経過は異なるそうです)
・ただし、継続することが大事。
・地道な努力になります。
・上の女性は、4年間続けている。
・負荷はかけすぎない方がいいということで、
片足ずつがよいそうです。
・また、足を開く運動でも、OK。
・変形性股関節症は、早期発見が大事。
・早く見つけることで、治療法の選択肢が広がります。
・気になる人は、病院で検査を。
<姿勢をよくする予防法>
・腰と股関節は、綿密に関係している。
・なので、骨盤を起こすような運動がいい。
・イスに座った姿勢で、
おへそを斜め30度上方へ動かすイメージ。
・そうやって、骨盤を動かします。


□
椎間板ヘルニアの場合も同じことが言え、痛みが患部ではなく、太ももや指先、お尻などに出ます。
といっても、こちらは直接神経を押すので、またちょっと違いますかね。
ともかく、腰から足の神経はいろいろと厄介なようです。
股関節の病気はいろいろ聞いていたけど、こんなこともあるんですね。
膝痛や腰痛として現れ、気づきにくいのか。
早期発見が大事だというから、膝痛や腰痛の場合も、股関節を検査した方がいいのかな。
にしても、貧乏ゆすりとはユニークな。
でも、確かに負荷はかからないので、いいかもしれない。
運動強度は高くないので、継続するにもよさそうですね。
[まとめ]
・膝痛や腰痛の原因が、股関節であることがある。
・腰、骨盤、脚と、同じ神経が通っている。
・そのため、股関節の異常を、ヒザや腰の異常だと、
脳が勘違いしやすい。
・股関節は自由に動く分、負担がかかりやすい。
・特に骨盤のお椀部分が浅いと、
変形性股関節症になりやすい。
・ただし、お椀が浅くなくても、
姿勢が悪いと股関節に負担がかかる場合も。
・股関節の軟骨を再生させるため、
貧乏ゆすりを取り入れている病院がある。
・負荷をかけずに継続的に関節を動かすことで、
関節液から栄養を補給する。


→ 「ためしてガッテン 2011年のアーカイブ 前半」
中には、整形外科では、どこも悪くないと言われる人も。
でも、そうしてたらある日突然、激痛が走って歩行困難になるケースも。
さらには、関節が破壊されるような状態になるといいます。
この謎の激痛の真犯人は、何なのでしょう?
ついついやっちゃう癖が要注意だといいますが…
2012年2月1日放送の「ためしてガッテン」より、「40代から特にキケン!とれない足腰ヒザ痛みの真犯人」からのメモ書きです。

□ 股関節
・ヒザや腰に痛みがあるのに、
本当は他の場所が傷んでる?
・それが関節破壊につながるというのですが、
どういうことなんだろう?
・赤ちゃんの寝るポーズ。
・これは、ある関節に負担をかけない、
とってもいい方法なんだって。
・それは、な~んだ?
・正解は、股関節。
・赤ちゃんの股関節は、足を曲げた状態が
もっとも安定した状態なんだって。
・生後3ヵ月以内は、無理に足を伸ばそうとすると、
脱臼する恐れさえあると言います。
・股関節は、デリケートなんですね。
・でも、デリケートなのは初めの内だけ。
・成長と共に頑丈になります。
・股関節は人間の体の中で
一番大きくて頑丈な関節なのです。
□ 股関節の病気で、膝痛や腰痛に?
・47歳になる、ある女性。
・去年の3月に、体の異変を感じるようになりました。
・右ヒザが激しく痛む。
・キリキリした痛みです。
・整形外科を受診するも、ヒザに異常はありませんでした。
・痛み止めの注射を打ってもらいますが、これも効果なし。
・マッサージに通って様子を見ましたが、症状はよくなりません。
・そして3ヵ月後、突然の衝撃が女性を襲いました。
・股関節がガクンと抜けてしまったような感じになって、
もう歩けなくなるんじゃないかと思うほどに。
・股関節に異常が見つかった女性は、
手術を受け、今はリハビリに励んでいる状態です。
・今でもビックリするのは、ヒザだヒザだと思っていたら、
急に股関節にきたことだという。
・プロゴルファーの45歳、女性。
・若い頃から、腰痛に悩まされていました。
・痛みを和らげるために筋トレやストレッチに励みましたが、
なかなかよくなりません。
・ところが2年前、右足の付け根に、
猛烈な痛みを感じるようになりました。
・5分歩くのすら、やっとの日々。
・日常生活にも、困難が。
・あまりの激痛なので、股関節の手術を受けることになりました。
・すると、腰痛まですっかりよくなった。
・このふたりの女性、ヒザや腰の痛みからはじまって、
やがて股関節の病気に行きついた。
・何でだろう?
・ふたりと同じ病気を持つ、患者さんの集まり。
・みなさん、かなり壮絶な痛みを経験されたようです。
・この方たちも、最初に痛みが出たのは
股関節ではありませんでした。
・最初に痛みが出た箇所を教えてもらうと、
ヒザや腰など、バラバラです。
・足の甲が痛かった人まで。
・同じ病気で、どうしてこうなるんだろう?
・ちなみにこの病気、
患者数は 300万~400万人らしい。
□ 股関節とASIMOくん
・有名な二足歩行ロボット、ASIMO(アシモ)くん。
・人間と同じような動きをしますよね。
・こんなすごいロボットなんですが、
人間なら当たり前にできるある動きができません。
・それは何だと思います?
・正解は、「あぐら」。
・それに、「脚を組む」動作。
・人間の股関節は、すごいんですね。
・ASIMOくんの股関節は、体の真下についています。
・でも、人間の股関節は、骨盤の斜め横についている。

・よく見てみると、足の骨の方は、球状になってますよね。
・で、骨盤の方は、お椀(おわん)型になっている。
・お椀のところに、スポッと、はまっています。
・そして斜めについているおかげで、
すごく自由な動きができるようになっている。
・この骨盤の方についている臼(うす)みたいなものを、
「寛骨臼(かんこつきゅう)」と言い、
大腿骨についている球状のものを
「大腿骨頭」と言う。
・股関節を見ると、骨だけの場合、
自由自在であると共に、不安定ですよね。
・と、その前に、なぜロボットは同じようにしなかったんだろう?
・ASIMOの開発責任者さんに聞くと、こんな答えが。
・「足の付け根がすごく重要で、剛性なり強度が必要になる」
・ロボットの場合でいうと、まっすぐついていた方がよくて、
力の成分が分散しない方がコントロールしやすいから、
真下についているとのことでした。
・人間のように横に張り出していると、
可動域は大きくなるのですが、強度は弱くなるそうです。
・ということは、自由自在に動ける股関節だけど、
実はとてつもない力や負荷がかかってるってこと?
□ 股関節への負荷
・ふだんあまり意識することのない股関節ですが、
何気なく行っている動作で、
かなり負担がかかっているそうなんです。
・いったいどのくらいの負荷がかかっているのか、
測定してもらうことになりました。
・協力して下さったのは、
京都大学大学院の建内宏重さん。
・まずは、歩く動作から。
・着地した瞬間に負荷が大きくなり、
片足だけに力がかかった時、最大になりました。
・体重の4倍もの力がかかっていた。
・次は、正座からの立ち上がり動作。
・片足に荷重をかけた瞬間、
体重の7倍もの力がかかりました。
・そしてついついやってしまうのが、
片方の足だけに体重をかける姿勢。
・一応両脚は床についているのですが、
それでも体重の3倍の力が股関節にかかっている。
・でも、どうして、自分の体重より
大きな負荷がかかっちゃうんだろう?
・建内さんによれば、
体重をかけると関節が回転するような力がかかり、
股関節の外側にある●●●●で、
その回転を止めるように
強い力を出さなければならなくなるという。
・この●●●●って、何?
・正解は、「きんにく」。
・股関節は、骨格だけだと自由に動きすぎてしまうので、
筋肉でコントロールしています。
・体重がかかると、例えばお尻の内側の筋肉が、
キュッとしまる。
・そして関節に、大きな力が加わると。
・でも、患者さんたちは、
股関節と関係ない場所が痛んでいました。
・これは、どういうこと?
・腰から、股関節、脚には、共通の神経が通っています。
・この神経の経路の中で、どこかに異常が起きると、
脳の方が、本当は股関節なのに、
他の箇所の異常だと間違ってしまう。
・同じ神経が通っているために、
痛みを別の場所と勘違いしやすいのです。
・股関節の辺りは筋肉でしっかり覆われているため、
腰やヒザほどは意識しない。
・だからより、勘違いしやすい。
・ただし、股関節を庇おうとして、
ヒザや腰の負担が増え、痛みが出るケースもあります。
・あれ?
・でも、負荷はみんなにかかっているわけで、
なのに痛みが出る人と出ない人がいるのは、
なぜなんでしょう?
□ 変形性股関節症
・患者さんのレントゲン写真。
・股関節部分を比べてみると、左右に違いが。
・よく見ると、痛みが出た方は、軟骨が少ない。
・軟骨がすり減って、炎症が起きているんですって。
・重傷な人では、骨と骨が完全にくっついて、
すき間が無くなっています。
・これが、「変形性股関節症」。
・40代から50代の女性で発症するケースが、
最も多いそうです。
・この症状に関係するのが、「もともとの骨の形」だという。
・詳しくは、受け手側のお椀の深さ。
・もともとお椀が浅い人が、変形性股関節症になりやすいそうです。
・お椀が浅いと、大腿骨の頭が一か所に当たりやすい。
・そうすると、そこが炎症を起こしやすくなる。
・男性は元々、お椀が女性より深いため、
この病気にはなりにくいそうです。
・ここで気になるのが、お椀の深さ。
・それを調べるには、現在のところ、
X線撮影が不可欠とされているそうです。
・ただ、膝痛や腰痛で受診した場合、
そこを中心に検査するので、
股関節の異常に気づかないケースも。
・膝痛や腰痛の正体が、変形性股関節症の場合もあるんですね。
・そしてそれは、お椀が浅いと要注意であると。
* ただし、すべての膝痛や腰痛の原因がそうというわけではありません。
* やはり、病院での検査が一番。
□ 姿勢に注意?
・歌川国芳(うたがわ くによし)の『みかけハこハゐが とんだいゝ人だ』。
・この絵も、股関節と関係ある?

・この絵を材料に間違い探しが行われたわけですが、
関係あるのは絵ではなくて、その姿勢でした。
・ぬぐっ、ダマされた!
・バッテン、バッテン!
・東京医科大学の宍戸孝明さん。
・宍戸さんによれば、お椀は浅くないのに
変形性股関節症になる人が増えているんだそうです。
・そうなると、最悪、どうなるのかといえば、
半年の経過で軟骨が完全に消失して、
関節が破壊されているような状態になるという。
・これは、たいへんです。
・これに関係するのが、間違い探しのポーズだというんですが、
どういうことだろう?
・ちょっとした姿勢の差で股関節にどんな影響が出るのか?
番組が調べてくれました。
・まずは、よい姿勢の場合から。
・股関節の脚側、球状の骨の力の分布は、
平均していました。
・これがお腹を少し突き出した姿勢だと、
圧力が集中している部分が出てきます。
・股関節の負担が、2割多くなった。
・でも、お腹を突き出すと、
なぜ、股関節によくないんだろう?
・お腹を突き出すと、骨盤も前に出る。
・すると、お椀が浅くなるんです。
・骨盤が上を向く格好になって、
脚の骨がお椀からはみ出そうになる。
・背中が曲がることによって、
股関節に影響が出る場合もあるそう。
・背中が曲がると、バランスを取ろうとして、
骨盤が後ろに傾く。
・さらに背中が曲がっていくと、
もうそれ以上、骨盤が傾くことができないので、
一気にバランスが崩れ、股関節への負担も大きくなります。
・極端に姿勢が悪くなると、
変形性股関節症のリスクがアップするんだって。
・股関節にとって、姿勢の悪化は要注意!
・ガッテン! ガッテン!
□ 鍵は貧乏ゆすり?
・では、股関節の痛みから逃れるには、どうしたらいいんだろう?
・福岡県柳川にある病院では、変形性股関節症に対し、
あるユニークな治療を行っているそうです。
・この方法を考えたのは、
柳川リハビリテーション病院 名誉院長の井上明生さん。
・術後の回復を早める方法を模索した結果、
この方法にたどり着きました。
・圧迫力を加えずに摩擦をさせると、軟骨ができる。
・そんな方法です。
・小さい頃、これをして叱られた経験がある人も、多いかも。
・67歳の女性は、ある朝起きて靴下を履こうとしたら、
足が曲がらなくなっていた。
・股関節が動かなくなったのです。
・手術を避けたいと思ったこの女性は、
柳川リハビリテーション病院である治療法に出会い、
それ以来、実践しています。
・1年ぶりの検査では、快方が見えました。
・4年前はくっついてすき間がなかった股関節が、
今ではうっすらと開いている。
・軟骨ができてきているんですね。
・はじめ冗談かと思ったその方法とは、何なんでしょう?
・正解は、「貧乏ゆすり」。
・神奈川リハビリテーション病院 整形外科部長で、
日本股関節学会理事の杉山肇さんがスタジオに来てくれました。
・つま先を立てて かかとを上下に動かす、貧乏ゆすり。
・その効果とは?
<貧乏ゆすりの効果>
・筋肉をリラックスさせて、運動できる。
・これが栄養補給につながり、軟骨ができる。
・変形性股関節症は、軟骨が減ってくる病気。
・残念ながら、軟骨はなかなか再生しない。
・しかし、継続的に関節を動かすことによって、
関節液から栄養を補給し、軟骨の組織が出てきて、
最終的には復活してくると。
・動物実験では、完全に軟骨ができることが証明されているそう。
・人間でも、再生の可能性が期待されています。
(*もともとの骨の形状などにより、経過は異なるそうです)
・ただし、継続することが大事。
・地道な努力になります。
・上の女性は、4年間続けている。
・負荷はかけすぎない方がいいということで、
片足ずつがよいそうです。
・また、足を開く運動でも、OK。
・変形性股関節症は、早期発見が大事。
・早く見つけることで、治療法の選択肢が広がります。
・気になる人は、病院で検査を。
<姿勢をよくする予防法>
・腰と股関節は、綿密に関係している。
・なので、骨盤を起こすような運動がいい。
・イスに座った姿勢で、
おへそを斜め30度上方へ動かすイメージ。
・そうやって、骨盤を動かします。
□
椎間板ヘルニアの場合も同じことが言え、痛みが患部ではなく、太ももや指先、お尻などに出ます。
といっても、こちらは直接神経を押すので、またちょっと違いますかね。
ともかく、腰から足の神経はいろいろと厄介なようです。
股関節の病気はいろいろ聞いていたけど、こんなこともあるんですね。
膝痛や腰痛として現れ、気づきにくいのか。
早期発見が大事だというから、膝痛や腰痛の場合も、股関節を検査した方がいいのかな。
にしても、貧乏ゆすりとはユニークな。
でも、確かに負荷はかからないので、いいかもしれない。
運動強度は高くないので、継続するにもよさそうですね。
[まとめ]
・膝痛や腰痛の原因が、股関節であることがある。
・腰、骨盤、脚と、同じ神経が通っている。
・そのため、股関節の異常を、ヒザや腰の異常だと、
脳が勘違いしやすい。
・股関節は自由に動く分、負担がかかりやすい。
・特に骨盤のお椀部分が浅いと、
変形性股関節症になりやすい。
・ただし、お椀が浅くなくても、
姿勢が悪いと股関節に負担がかかる場合も。
・股関節の軟骨を再生させるため、
貧乏ゆすりを取り入れている病院がある。
・負荷をかけずに継続的に関節を動かすことで、
関節液から栄養を補給する。
→ 「ためしてガッテン 2011年のアーカイブ 前半」
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