「禁煙補助薬バレニクリン+アリ脳になろう/ためしてガッテン」
分かっちゃいるけど、やめられない。
それが、タバコです。
禁煙できないのは、意志が弱いからだろうか?
でも、最近は、禁煙補助薬があるそうです。
成功率は(服薬3ヵ月で)8割だって。
ただし、せっかく薬を使っても、また元通りに。
そんな人が多いという。
じゃあ、結局、ダメなの?
いいえ、そんなことはありません。
スムーズに禁煙できた人も、います。
楽に禁煙できるかできないかの境目って、何なんだろう?
その答えは、金魚?
10月26日放送の「ためしてガッテン」より、「感動!禁煙がこんなに超簡単だなんて!SP」からのメモ書きです。

□ 金魚の実験
・去年の11月17日から禁煙をはじめたという、志の輔さん。
・そこには、顔が歪むほどの苦労があったそうです。
・まずは、金魚で実験。
・水槽に、白と黒に分かれた囲いをつけると、
金魚は黒の方に集まりました。
・もともと金魚は、暗い所を好む習性があるのです。
・ここで仕切りを入れ、金魚を白い部屋に集めました。
・そして、少量のニコチンをたらし、20分放置。
・そのあと、真水の水槽に入れ直します。
・そこで再び、白と黒に分かれた囲いをつける。
・すると、どうなったと思います?
・金魚は、白い方に集まるようになっていました。
・本来の習性を無視して、ニコチンを味わった思い出のある
白い部屋の方に行ってしまったのです。
・これは何を意味するか?
・実は、10年前にも、ガッテンでは禁煙を取り扱っています。
・その時、禁煙すると現れる症状、
イライラや無気力、昼間の眠気などは、
ニコチン依存というものだと伝えた。
・そしてそれを乗り越える手段として、
氷や冷たい水、ガムなどで紛らわす方法を紹介しました。
(2002年2月放送分)
・でも、あれから10年、科学は進歩したんですね。
・禁煙補助剤なるものが、できました。
・その実力は、いかほどでしょうか?
□ 禁煙補助薬
・52歳の男性。
・20歳の頃から1日40本のタバコを吸ってきた、
ヘビースモーカーです。
・これまで4回禁煙にチャレンジしましたが、
もって3日でした。
・タバコはやめたい、でも、やめられない。
・初孫ができたので、ここはぜひ禁煙を。
・そこで思い切って、病院の禁煙外来を訪ねました。
・チェックして分かったのは、ニコチン依存症であること。
・お医者さんは、バレニクリン(チャンピックス)という飲み薬をすすめました。
・この薬の処方を受けている人は、80%禁煙に成功しているのだという。
・すっ、すごい。
・バレニクリンは、3ヶ月飲み続けると、8割が禁煙できるのです。
・保険適用で、3ヶ月分、1万5千円程度らしい。
・しかも、飲んで最初の1週間くらいは、そのままタバコを
吸っていいと、お医者さんは言いました。
・さっそく、薬の服用がはじまりました。
・初日は、タバコをガンガン吸っています。
・ところが、3日目の夜には、初日15本吸っていたのが、
3本まで減りました。
・しかも、タバコが苦いと言いだした。
・5日目には、タバコがおいしくなくなったといいます。
・いったい、何が起こったんだ?
・日記を見返すと、吸ったタバコの本数は、
15→3→3→3→2→3 。
・減って、維持されてますね。
・タバコが欲しくなくなったそうです。
・この男性は、その後も順調に禁煙できているとのこと。
・禁煙補助薬は、なぜ効くのだろう?
・脳の中の、神経細胞を見てみます。
・神経細胞と神経細胞の間には、すき間がある。
・その間を、アセチルコリンくんという
情報の伝達屋が届くことで、脳が働く。
・タバコを吸うと、そこにニコチンくんが現れます。
・ニコチンくんは、アセチルコリンくんと同じ受け皿に、
はまることができる。
・結果、アセチルコリンくんは、大助かりに。
・でも、タバコを吸い続けていると、アセチルコリンくんは、
次第に、さぼりはじめるようになります。
・アセチルコリンくんの数は減るのですが、
ニコチンがあるので、何とか頭は働く。
・ここで、タバコをやめると、どうなるでしょう?
・ニコチンは、こない。
・アセチルコリンは、働きが落ちている。
・ということで、ぼ~っとしたり、イライラしたり、
つらくなる。
・この時、薬は、どう働くんだろう?
・薬は、神経伝達物質の受け皿に、
ピタリとはまるようにできています。
・ここを塞がれてしまうと、
タバコを吸ってニコチンがやって来ても、
受け皿にはまることが、できません。
・ということで、タバコを吸っても、
脳に変化は起きない。
・つまり、吸ってもおいしく感じられなくなる。
・でも、それじゃあ、アセチルコリンも入らないのでは?
・この薬、実は、アセチルコリンやニコチンに
かわる働きもしてくれるのです。
・だから、ニコチンをとったのと、同じ状態にしてくれる。
・それでいて、ニコチンは受け付けないようにしてくれます。
・さらに、飲んでいる間(3ヶ月)に、
アセチルコリンくんは復活してくる。
・正常な働きをするようになります。
・ニコチン切れ(離脱症状)のピークは、最初の3日間。
・アセチルコリンの働きが正常に戻るのが、1~3週間。
・その間が、一番つらいそう。
・そのつらい期間を、薬が助けてくれる。
・前述のとおり、3ヶ月後に成功している人の割合は、約8割。
・ただ、この薬、ちょっと注意しなければならない点がある。
・吐き気、嫌な夢、憂うつなど、副作用が出る場合があるのです。
・ごく稀ですが、意識障害が出ることもあり、車の運転はできません。
・成功率8割のすばらしい薬。
・でも、1年後の成功率は、半分にも満たない。
・再喫煙する人が、多いんですね。
・これは、意志が弱いんだろうか?
・でも、そうではないそうです。
・禁煙に立ちはだかる壁とは、何なんだろう?
・そのヒントは、金魚?
□ 金魚の輪くぐり
・協力してくれたのは、全国金魚すくい選手権大会
小・中学生の部、優勝者。
・金魚を、水族館のイルカのように、ジャンプさせてみます。
・その方法を教えてもらいに訪ねたのは、広島大学。
・まず輪っかを水槽に入れましたが、警戒した金魚は
よりつこうとしません。
・そこで、餌付け棒を使った。
・竹ひごの先についているのは、市販のエサ。
・この餌付け棒を使って、金魚が輪っかを通るように、
仕向けます。
・これを、何回も何回も、続ける。
・このようにして、輪っかを通った時だけエサを与え、
さらに、輪っかの位置を徐々に上げていきます。
・するとやがて、金魚はジャンプするようになるそう。
・同じように家の金魚で試したところ、
2週間後には、輪を沈めるだけで金魚が通るようになりました。
・さすがにジャンプはしませんでしたが、
水面ギリギリの輪をくくるようになった。
・でも、これとタバコ、何の関係があるの?
・その前に、金魚にとっての輪くぐりの意味を考えます。
・輪をくぐることは、金魚に必要なことではありません。
・同じように、タバコを吸うことは、いうなれば、
草に火をつけてその煙を一生懸命肺に入れるという行為。
・両方、それ自体に、特に意味はありません。
・タバコの場合は、体に悪いということが分かっているくらいです。
・では、なぜ、そんなことをするのか?
・それは、それをすることで、強い快楽を得られるから。
・タバコの快楽とは、どのくらいなんでしょう?
・タバコを0.3本吸うと、ニコチンは脳の80%の受け皿を占拠する。
・そして、快楽物質であるドーパミンを分泌させる。
・しかも、ニコチンは煙を吸ってからわずか6秒で、脳に到達します。
・タバコとは、とっても強力な快楽をもたらしてくれるものなんですね。
・煙を吸うだけで強力な快楽を得られるという記憶が、
タバコを吸わせているのです。
・ちなみに、金魚は輪くぐりを1回覚えると、死ぬまで忘れないそう。
・意志が弱いとか、そういうことではないんですね。
□ 喜びが完成しない脳
・ヨーロッパでは、未成年の喫煙が10代前半にまで広がっている。
・ドイツの脳神経学者ヤン・ペーター博士は、
喫煙習慣と脳の関係を調べるため、
14歳でタバコを手放せなくなっている少年たちを集め、
実験した。
・ルールは、以下の通り。
・「◎」の合図が出れば、キャンディーを10個与える。
・「△」が出ると、キャンディーは無し。
・「○」だと、キャンディーが2個もらえる。
・そして、合図を出した時の脳の活動を、
精密な装置で測定してみました。
・その結果は、タバコを吸わない子だと、
「◎」でたくさんのキャンディーがもらえると分かると、
脳のある場所が強く活動した。
・タバコを吸う子は、「◎」を見ても、
ほとんど反応しませんでした。
・これは、どういうことなんでしょう?
・この実験では、喜びを生み出す脳の中枢部分、
“線条体”という箇所を調べた。
・タバコを吸う子は、この働きが弱くなっていたんですね。
・同じご褒美を前にしても、タバコを吸っている子では、
喜び度合いが弱かったのです。
・タバコを吸わない人の脳に比べて、吸う人の脳は、
喜びが完成しない脳になっているのではないかといわれる。
・この理論で行くと、タバコを吸う人は、何をしても、
喜び度合いが足りなく感じる。
・そんな時に、タバコを吸う。
・そうすることで、喜びが完成していくと。
・おいしいものを食べた後、お酒を飲んでいる最中、
タバコを吸うことで、喜びを完成させようとします。
・逆に、吸わないと物足りない。
・喜びの記憶そのものにも、タバコが一緒に刻まれてしまいます。
・そうなると、吸わないともう、喜びが完成しません。
・快楽の猛烈な記憶と、(吸わないと)喜びが完成しない脳、
この2つが邪魔をして、タバコがやめられなくなるんですね。
・脳に刻まれた記憶が、禁煙を邪魔する。
・意志が弱いからでは、ない。
□ 禁煙、対策編
・いきなりですが、質問です。
・今、10万円もらえるとします。
・でも、もうちょっと待てば、10万円にさらに
5万円を上乗せ、15万円がもらえます。
・15万円のために、どれくらいなら待てますか?
・街の人に聞いてみたところ、
そこにある傾向が見えてきました。
・どのくらい待てるか?
・長く待てる人は、将来の喜びを優先する人たち。
・ちょっとしか待てない人は、今の快楽を優先する人たち。
・タバコを吸わない人は、将来の喜びを優先する傾向が。
・タバコを吸う人は、今の快楽を優先する傾向が。
・タバコを吸う人は、頭の中にキリギリスがいる状態?
・アリとキリギリスの童話から、
アリ脳は、将来の喜びを優先するタイプ、
キリギリス脳は、今の快楽を優先するタイプ。
・ということは、キリギリス脳の人に、タバコを吸っている人が多い?
・また、アリ脳に変わることができれば、禁煙が成功しやすくなる?
・バレニクリンを使わずに禁煙にチャレンジした男性がいます。
・吸いたい気持ちを抑えながら、何とか1週間、禁煙した。
・すると、せっかくここまで来たんだからと、続けることに。
・そこで、日々の禁煙の努力を目に見えるものに残そうと、
吸わなかったタバコの分、500円を毎日貯金するようにしました。
・この500円玉貯金が、よかった。
・まず、目に見える。
・重さを感じることができる。
・しかも貯まったお金の使い道を考えるなど、
将来の喜びをイメージしやすいんですね。
・リアルに思い描くことが、アリ脳に変わるポイント。
・禁煙補助薬は短期だと有効なんですが、
1年後では、効果が薄れるみたい。
・禁煙を持続させるには、心の問題もケアする必要があるんですね。
・禁煙に成功した人たちの秘訣には、こんなのがあるそう。
・1週間、2週間、1ヶ月、2ヶ月と、節目の記録に、
妻と一緒にご褒美の外食をすることにした。
・吸いたくなったら、お腹にいる子どもの
エコー写真を何度も見た。
・愛犬の散歩の時に吸殻を拾って、
「自分はやめる」と言い聞かせた。
通りがキレイになっていくのが、うれしかった。
・大事なのは、ともかくやって、実感すること。
・ちょっと先の目標を、繰り返していく。
・意外とできるんだと経験して、脳に刻む。
・ある実験では、
禁煙スタート時は今の快楽を優先する人が多かったのが、
禁煙5ヶ月後には、将来の喜びを優先するようになっていた。
・成功した人は、脳がアリに近づいていたんです。
・“フューチャーペイシング法”というのがある。
・これは、近い将来の具体的なイメージを引き出すカウンセリング法。
・タバコをやめることで、どんないい未来、
どんないい結果が、待っているか?
・それを具体的にイメージする。
・まずは薬に頼りながら、禁煙のつらい時期を乗り越える。
・禁煙補助薬は、スタートを強力にサポートしてくれます。
・それを上手に活かすのが、大事みたいです。
・その後は、タバコ無しの新しい記憶で、塗り直していく。
・禁煙成功への道は
(1) 近い将来の喜びを具体的に
(2) 新しい喜びで、記憶を上書き

□
もともとタバコは吸わないのですが、禁煙補助薬については、時々耳にしていました。
そして、こんなに効果があるのかと、今日はビックリした。
ただ、1年後となると、また別なんですね。
脳の記憶が、快楽を求めるのか。
また、タバコ無しでは喜びが完成しない脳になってしまっている。
なので、はじめは禁煙補助薬バレニクリンで、つらい時期を乗り越える。
次は、成功体験を実感し、脳の記憶を書き換えていく。
そういうことが、大事なんですね。
脳の書き換えとか、記憶の上塗りとかは、いろんなことに共通しそうだ。


それが、タバコです。
禁煙できないのは、意志が弱いからだろうか?
でも、最近は、禁煙補助薬があるそうです。
成功率は(服薬3ヵ月で)8割だって。
ただし、せっかく薬を使っても、また元通りに。
そんな人が多いという。
じゃあ、結局、ダメなの?
いいえ、そんなことはありません。
スムーズに禁煙できた人も、います。
楽に禁煙できるかできないかの境目って、何なんだろう?
その答えは、金魚?
10月26日放送の「ためしてガッテン」より、「感動!禁煙がこんなに超簡単だなんて!SP」からのメモ書きです。

□ 金魚の実験
・去年の11月17日から禁煙をはじめたという、志の輔さん。
・そこには、顔が歪むほどの苦労があったそうです。
・まずは、金魚で実験。
・水槽に、白と黒に分かれた囲いをつけると、
金魚は黒の方に集まりました。
・もともと金魚は、暗い所を好む習性があるのです。
・ここで仕切りを入れ、金魚を白い部屋に集めました。
・そして、少量のニコチンをたらし、20分放置。
・そのあと、真水の水槽に入れ直します。
・そこで再び、白と黒に分かれた囲いをつける。
・すると、どうなったと思います?
・金魚は、白い方に集まるようになっていました。
・本来の習性を無視して、ニコチンを味わった思い出のある
白い部屋の方に行ってしまったのです。
・これは何を意味するか?
・実は、10年前にも、ガッテンでは禁煙を取り扱っています。
・その時、禁煙すると現れる症状、
イライラや無気力、昼間の眠気などは、
ニコチン依存というものだと伝えた。
・そしてそれを乗り越える手段として、
氷や冷たい水、ガムなどで紛らわす方法を紹介しました。
(2002年2月放送分)
・でも、あれから10年、科学は進歩したんですね。
・禁煙補助剤なるものが、できました。
・その実力は、いかほどでしょうか?
□ 禁煙補助薬
・52歳の男性。
・20歳の頃から1日40本のタバコを吸ってきた、
ヘビースモーカーです。
・これまで4回禁煙にチャレンジしましたが、
もって3日でした。
・タバコはやめたい、でも、やめられない。
・初孫ができたので、ここはぜひ禁煙を。
・そこで思い切って、病院の禁煙外来を訪ねました。
・チェックして分かったのは、ニコチン依存症であること。
・お医者さんは、バレニクリン(チャンピックス)という飲み薬をすすめました。
・この薬の処方を受けている人は、80%禁煙に成功しているのだという。
・すっ、すごい。
・バレニクリンは、3ヶ月飲み続けると、8割が禁煙できるのです。
・保険適用で、3ヶ月分、1万5千円程度らしい。
・しかも、飲んで最初の1週間くらいは、そのままタバコを
吸っていいと、お医者さんは言いました。
・さっそく、薬の服用がはじまりました。
・初日は、タバコをガンガン吸っています。
・ところが、3日目の夜には、初日15本吸っていたのが、
3本まで減りました。
・しかも、タバコが苦いと言いだした。
・5日目には、タバコがおいしくなくなったといいます。
・いったい、何が起こったんだ?
・日記を見返すと、吸ったタバコの本数は、
15→3→3→3→2→3 。
・減って、維持されてますね。
・タバコが欲しくなくなったそうです。
・この男性は、その後も順調に禁煙できているとのこと。
・禁煙補助薬は、なぜ効くのだろう?
・脳の中の、神経細胞を見てみます。
・神経細胞と神経細胞の間には、すき間がある。
・その間を、アセチルコリンくんという
情報の伝達屋が届くことで、脳が働く。
・タバコを吸うと、そこにニコチンくんが現れます。
・ニコチンくんは、アセチルコリンくんと同じ受け皿に、
はまることができる。
・結果、アセチルコリンくんは、大助かりに。
・でも、タバコを吸い続けていると、アセチルコリンくんは、
次第に、さぼりはじめるようになります。
・アセチルコリンくんの数は減るのですが、
ニコチンがあるので、何とか頭は働く。
・ここで、タバコをやめると、どうなるでしょう?
・ニコチンは、こない。
・アセチルコリンは、働きが落ちている。
・ということで、ぼ~っとしたり、イライラしたり、
つらくなる。
・この時、薬は、どう働くんだろう?
・薬は、神経伝達物質の受け皿に、
ピタリとはまるようにできています。
・ここを塞がれてしまうと、
タバコを吸ってニコチンがやって来ても、
受け皿にはまることが、できません。
・ということで、タバコを吸っても、
脳に変化は起きない。
・つまり、吸ってもおいしく感じられなくなる。
・でも、それじゃあ、アセチルコリンも入らないのでは?
・この薬、実は、アセチルコリンやニコチンに
かわる働きもしてくれるのです。
・だから、ニコチンをとったのと、同じ状態にしてくれる。
・それでいて、ニコチンは受け付けないようにしてくれます。
・さらに、飲んでいる間(3ヶ月)に、
アセチルコリンくんは復活してくる。
・正常な働きをするようになります。
・ニコチン切れ(離脱症状)のピークは、最初の3日間。
・アセチルコリンの働きが正常に戻るのが、1~3週間。
・その間が、一番つらいそう。
・そのつらい期間を、薬が助けてくれる。
・前述のとおり、3ヶ月後に成功している人の割合は、約8割。
・ただ、この薬、ちょっと注意しなければならない点がある。
・吐き気、嫌な夢、憂うつなど、副作用が出る場合があるのです。
・ごく稀ですが、意識障害が出ることもあり、車の運転はできません。
・成功率8割のすばらしい薬。
・でも、1年後の成功率は、半分にも満たない。
・再喫煙する人が、多いんですね。
・これは、意志が弱いんだろうか?
・でも、そうではないそうです。
・禁煙に立ちはだかる壁とは、何なんだろう?
・そのヒントは、金魚?
□ 金魚の輪くぐり
・協力してくれたのは、全国金魚すくい選手権大会
小・中学生の部、優勝者。
・金魚を、水族館のイルカのように、ジャンプさせてみます。
・その方法を教えてもらいに訪ねたのは、広島大学。
・まず輪っかを水槽に入れましたが、警戒した金魚は
よりつこうとしません。
・そこで、餌付け棒を使った。
・竹ひごの先についているのは、市販のエサ。
・この餌付け棒を使って、金魚が輪っかを通るように、
仕向けます。
・これを、何回も何回も、続ける。
・このようにして、輪っかを通った時だけエサを与え、
さらに、輪っかの位置を徐々に上げていきます。
・するとやがて、金魚はジャンプするようになるそう。
・同じように家の金魚で試したところ、
2週間後には、輪を沈めるだけで金魚が通るようになりました。
・さすがにジャンプはしませんでしたが、
水面ギリギリの輪をくくるようになった。
・でも、これとタバコ、何の関係があるの?
・その前に、金魚にとっての輪くぐりの意味を考えます。
・輪をくぐることは、金魚に必要なことではありません。
・同じように、タバコを吸うことは、いうなれば、
草に火をつけてその煙を一生懸命肺に入れるという行為。
・両方、それ自体に、特に意味はありません。
・タバコの場合は、体に悪いということが分かっているくらいです。
・では、なぜ、そんなことをするのか?
・それは、それをすることで、強い快楽を得られるから。
・タバコの快楽とは、どのくらいなんでしょう?
・タバコを0.3本吸うと、ニコチンは脳の80%の受け皿を占拠する。
・そして、快楽物質であるドーパミンを分泌させる。
・しかも、ニコチンは煙を吸ってからわずか6秒で、脳に到達します。
・タバコとは、とっても強力な快楽をもたらしてくれるものなんですね。
・煙を吸うだけで強力な快楽を得られるという記憶が、
タバコを吸わせているのです。
・ちなみに、金魚は輪くぐりを1回覚えると、死ぬまで忘れないそう。
・意志が弱いとか、そういうことではないんですね。
□ 喜びが完成しない脳
・ヨーロッパでは、未成年の喫煙が10代前半にまで広がっている。
・ドイツの脳神経学者ヤン・ペーター博士は、
喫煙習慣と脳の関係を調べるため、
14歳でタバコを手放せなくなっている少年たちを集め、
実験した。
・ルールは、以下の通り。
・「◎」の合図が出れば、キャンディーを10個与える。
・「△」が出ると、キャンディーは無し。
・「○」だと、キャンディーが2個もらえる。
・そして、合図を出した時の脳の活動を、
精密な装置で測定してみました。
・その結果は、タバコを吸わない子だと、
「◎」でたくさんのキャンディーがもらえると分かると、
脳のある場所が強く活動した。
・タバコを吸う子は、「◎」を見ても、
ほとんど反応しませんでした。
・これは、どういうことなんでしょう?
・この実験では、喜びを生み出す脳の中枢部分、
“線条体”という箇所を調べた。
・タバコを吸う子は、この働きが弱くなっていたんですね。
・同じご褒美を前にしても、タバコを吸っている子では、
喜び度合いが弱かったのです。
・タバコを吸わない人の脳に比べて、吸う人の脳は、
喜びが完成しない脳になっているのではないかといわれる。
・この理論で行くと、タバコを吸う人は、何をしても、
喜び度合いが足りなく感じる。
・そんな時に、タバコを吸う。
・そうすることで、喜びが完成していくと。
・おいしいものを食べた後、お酒を飲んでいる最中、
タバコを吸うことで、喜びを完成させようとします。
・逆に、吸わないと物足りない。
・喜びの記憶そのものにも、タバコが一緒に刻まれてしまいます。
・そうなると、吸わないともう、喜びが完成しません。
・快楽の猛烈な記憶と、(吸わないと)喜びが完成しない脳、
この2つが邪魔をして、タバコがやめられなくなるんですね。
・脳に刻まれた記憶が、禁煙を邪魔する。
・意志が弱いからでは、ない。
□ 禁煙、対策編
・いきなりですが、質問です。
・今、10万円もらえるとします。
・でも、もうちょっと待てば、10万円にさらに
5万円を上乗せ、15万円がもらえます。
・15万円のために、どれくらいなら待てますか?
・街の人に聞いてみたところ、
そこにある傾向が見えてきました。
・どのくらい待てるか?
・長く待てる人は、将来の喜びを優先する人たち。
・ちょっとしか待てない人は、今の快楽を優先する人たち。
・タバコを吸わない人は、将来の喜びを優先する傾向が。
・タバコを吸う人は、今の快楽を優先する傾向が。
・タバコを吸う人は、頭の中にキリギリスがいる状態?
・アリとキリギリスの童話から、
アリ脳は、将来の喜びを優先するタイプ、
キリギリス脳は、今の快楽を優先するタイプ。
・ということは、キリギリス脳の人に、タバコを吸っている人が多い?
・また、アリ脳に変わることができれば、禁煙が成功しやすくなる?
・バレニクリンを使わずに禁煙にチャレンジした男性がいます。
・吸いたい気持ちを抑えながら、何とか1週間、禁煙した。
・すると、せっかくここまで来たんだからと、続けることに。
・そこで、日々の禁煙の努力を目に見えるものに残そうと、
吸わなかったタバコの分、500円を毎日貯金するようにしました。
・この500円玉貯金が、よかった。
・まず、目に見える。
・重さを感じることができる。
・しかも貯まったお金の使い道を考えるなど、
将来の喜びをイメージしやすいんですね。
・リアルに思い描くことが、アリ脳に変わるポイント。
・禁煙補助薬は短期だと有効なんですが、
1年後では、効果が薄れるみたい。
・禁煙を持続させるには、心の問題もケアする必要があるんですね。
・禁煙に成功した人たちの秘訣には、こんなのがあるそう。
・1週間、2週間、1ヶ月、2ヶ月と、節目の記録に、
妻と一緒にご褒美の外食をすることにした。
・吸いたくなったら、お腹にいる子どもの
エコー写真を何度も見た。
・愛犬の散歩の時に吸殻を拾って、
「自分はやめる」と言い聞かせた。
通りがキレイになっていくのが、うれしかった。
・大事なのは、ともかくやって、実感すること。
・ちょっと先の目標を、繰り返していく。
・意外とできるんだと経験して、脳に刻む。
・ある実験では、
禁煙スタート時は今の快楽を優先する人が多かったのが、
禁煙5ヶ月後には、将来の喜びを優先するようになっていた。
・成功した人は、脳がアリに近づいていたんです。
・“フューチャーペイシング法”というのがある。
・これは、近い将来の具体的なイメージを引き出すカウンセリング法。
・タバコをやめることで、どんないい未来、
どんないい結果が、待っているか?
・それを具体的にイメージする。
・まずは薬に頼りながら、禁煙のつらい時期を乗り越える。
・禁煙補助薬は、スタートを強力にサポートしてくれます。
・それを上手に活かすのが、大事みたいです。
・その後は、タバコ無しの新しい記憶で、塗り直していく。
・禁煙成功への道は
(1) 近い将来の喜びを具体的に
(2) 新しい喜びで、記憶を上書き
![NHK ためしてガッテン 2011年 11月号 [雑誌]](http://ecx.images-amazon.com/images/I/61FWX5tVxhL._SX200_.jpg)

□
もともとタバコは吸わないのですが、禁煙補助薬については、時々耳にしていました。
そして、こんなに効果があるのかと、今日はビックリした。
ただ、1年後となると、また別なんですね。
脳の記憶が、快楽を求めるのか。
また、タバコ無しでは喜びが完成しない脳になってしまっている。
なので、はじめは禁煙補助薬バレニクリンで、つらい時期を乗り越える。
次は、成功体験を実感し、脳の記憶を書き換えていく。
そういうことが、大事なんですね。
脳の書き換えとか、記憶の上塗りとかは、いろんなことに共通しそうだ。


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