「インスリンで糖尿病が完治する?/ためしてガッテン」

自覚症状がないまま進行し、そのまま放置すると壊疽(えそ)や失明など重い合併症を起こすこともある、糖尿病。

治療には、食餌療法や運動療法、インスリン注射などが行われます。

でもそれは、少しでも進行を遅らせるための対策。

街の人に聞いても、一度なったら治らないといいます。


ところが、驚きの意見が。

2型糖尿病になる前の状態に戻る、それすら可能だというのです。

あれ?

でも、糖尿病になると、すい臓の細胞が破壊されるんじゃなかったけ?

それが元に戻るの?


お医者さんは言いました。

みんなの知っている薬で、細胞がよみがえると。

その魔法の薬って、何だ?



10月5日放送の「ためしてガッテン」より、「糖尿病が完治する!?すい臓を復活させる薬」からのメモ書きです。




糖尿病が完治する?




糖尿病は、完治する?


・25歳未満の若年者に発症することが多いのが、1型糖尿病。
・これは、すい臓のβ細胞が破壊されることでインスリンが不足し、
 結果生じる糖尿病です。
・一方、2型糖尿病は、暴飲暴食や運動不足など、
 生活習慣によって引き起こされる。
(遺伝的要因もあり)

・日本で多いタイプは、2型糖尿病。
・糖尿病と診断されると、食事や運動療法で、コントロールしようとします。
・そして、それでもうまくいかず血糖値が上がってくると、
 飲み薬で対処するようになる。
・が、それでも効果がなくなってくると、インスリン注射による治療に。
・これは一度はじめると、一生続くと考えられてきました。


・ゲストの假屋崎省吾さんも、実は糖尿病。
・いろんな番組で、体験談を聞かせてくれています。
・確か、仕事の忙しさとストレスで、暴飲暴食に。
・それが原因だったと記憶しています。

・それが一念発起し、薬に頼らない治療を実践。
・食餌療法中心で、運動は少しだけ取り入れているそうです。
・徹底した管理で、病気の進行を食い止めていらっしゃる。


・そんな維持するのが精一杯だと言われていた、糖尿病。
・それが発症前に戻るのだという。


・大阪にお住いの女性は、12年前に2型糖尿病と診断されました。
・以来、食生活を改善したり、薬をちゃんと飲みましたが、
 血糖値はいっこうに下がりませんでした。
・それどころか、去年の末には、血糖値も体重も、ぐんと上昇してしまった。

・健康な体では、血液中の糖分は、インスリンの働きで、
 細胞や筋肉に、どんどん運ばれます。
・でも、糖尿病になると、血糖値が高い状態が続き、
 血管がどんどん傷つけられる。
・その結果、さまざまな合併症が起きてしまうんですね。

・糖尿病の指標である、ヘモグロビンA1c(以下、HbA1c)。
・基準値は 4.3~5.8%ですが、この女性は11.8にまで上昇した。

・新たに専門医を訪ねた女性は、そこである治療をすすめられました。
・それはある薬を使うのですが、それ以来、HbA1cは どんどん下がった。
・10年も下がらなかった値が、たった半年で正常値にまで回復しました。
・すっ、すごい。

・しかも、現在、その薬は使っていないといいます。
・血糖値が完全に正常化したので、お医者さんが、
 弱い飲み薬だけで治療が継続できると判断したのです。
・夢みたいな話ですね。


・でも、その薬って、どんなもの?




β細胞が生き返る?


・糖尿病に関係する臓器は、すい臓。
・そのすい臓の中にいるのが、β細胞くん。
・β細胞はすい臓の中で、インスリンを分泌してくれます。
・このβ細胞がダメージを受けてしまうのが原因で、糖尿病は発症する。

・前述の薬は、β細胞に作用する薬なのです。


・では、糖尿病になると、β細胞はどうなるのでしょうか?

・インスリンを分泌してくれる、大事なβ細胞。
・食事をとると、糖分が血管の中にやって来る。
・それがすい臓に到達すると、β細胞のβくんが反応。
・インスリンを放出して、血糖値を下げてくれます。

・ところが、暴飲暴食などで血糖が増えすぎると、
 はじめβくんは必死に頑張って、インスリンを分泌する。
・が、ずっと働いていると、疲れてフラフラな状態に。
・しかも、血糖値が高い状態が続くと、糖分がβくんを襲いはじめます。
・毒を出して、βくんを苦しめる。
・次々と倒されていく、βくん。
・増えすぎた糖分にやられて、もう、すい臓はインスリンを分泌できません。


・おっと、ここでモニターに、βくんが登場。
・倒れていたのに、動き出しました。
・あれ? 生き返ったの?

・死んだ細胞もあるのですが、その一方で、
 気絶しただけのβくんもいたんですね。
・そのβくんが、復活した。

・あの薬は、気を失ったβくんを、正気に戻すものだったのです。

(ちなみに、βくんの声は、野沢雅子さんでした)


・顕微鏡写真で確認すると、健康な状態では、
 β細胞が活動しているのが分かります。
・でも、糖尿病の人の場合、活動してなくて、暗く見える。
・血糖の攻撃で、β細胞が死んでしまったか、
 気絶状態になっているんですね。
・が、気絶状態なら、薬で回復させることができます。
・写真でも、復活し、活動していることが確認できました。


・で、その薬って、何なの?
・誰もが知っているというけど。




インスリンなの?


・気絶したβくんを起こす薬とは、インスリン。
・ん? でも、インスリンが効かなくて困っていたのでは?

・狙いどころや使い方が違うといいますが、どうやるんだろう?


・その方法とは、症状が進行する前からインスリン注射をするという治療。
・使うのは、ペンの形をした注射器です。
・以前に比べて針もずいぶん細くなり、痛みはほとんどないのだという。

・ポイントは、注射を打つタイミングにありました。
・本来人間が出している分泌パターンに、できるだけ近づける。
・それによって、パーフェクトにβ細胞を休ませてあげます。
・なので、1日4回打ちが基本。

・1回目は、朝食前に。
・2回目は、昼食前。
・血中のインスリンを補い、β細胞に休んでもらうんですね。
・3回目は、夕食前。
・さらに、睡眠中もβ細胞に休んでもらえるように、
 長時間効果のあるインスリンを、もう1本打つ。


・今までの常識だと、インスリン注射は最後にする治療法という
 イメージがありました。
・それを早期にやることで、β細胞を復活させるのです。
・働きづめだったのを休ませ、回復を待ちます。


・順天堂大学 大学院の河盛隆造 教授が、この治療を開始したのが、
 今から30年前。
・経験的にとても有効だということは分かっていました。
・それが近年になって、細胞のレベルで裏付けされるようになった。
・だからこれからは、積極的にこの治療が行われるのではないかと、
 期待されています。

・2型糖尿病の人のβ細胞の量は、若い時にはどんどん増える。
・でも、糖尿病と診断されたり、発見される頃には、
 β細胞の量は、半分以下に落ちています。
・そして血糖値の高い状態が続くと、さらにβ細胞は減る。

・今までは、自前のインスリン分泌が低下してから、
 インスリン注射による治療が開始されていました。
・でも、これだと、β細胞の量を回復させることはできません。

・そこで、もっと量が多い段階で、インスリンによる治療を開始します。
・これによって、β細胞の量を回復させたり、維持できる。
・これなら、糖尿病は進行しません。

・なるほど、β細胞が生きているうちに、
 インスリン注射で回復させることが大事なのか。
・今まで頑張って、頑張りすぎたβ細胞だから、
 休ませて回復させた方が、再びインスリンを出せるようになる。

・これは、ガッテン! ガッテン!




飲み薬の注意点


・糖尿病の初期の状態では、飲み薬を服用します。
・飲み薬の場合、SU薬と呼ばれる多くの人に処方されている薬には、
 注意が必要なのだそう。
(といっても、場合場合ですが)
・SU薬は、血糖値を下げてくれるありがたい薬。
・でも、その下げ方が問題になります。
・SU薬くんがβくんのところに、やって来た。
・βくんに直接働きかけて、手助けしてくれるんですね。
・ガンバレ~、ガンバレ~と、βくんからインスリンを絞り出す。
・この状態が長く続くと、βくんは頑張りすぎで、
 寿命が短くなってしまいます。

・休ませるのとは、逆ですね。
・血糖値を下げるという意味では効果的なのですが、
 使い方に注意。

・SU薬の効果で血糖値が良好であれば、それは非常によい状態。
・ガンバレの声に、βくんは応えられています。
・ところが血糖値が高くなると、薬と血糖値のダブルパンチで、
 β細胞はダウンしてしまう。
(頑張れる時に頑張るのはいい)
(でも、フラフラな時に頑張ったら、危ない)

・なので、飲み薬でうまくいってたのに血糖値が上がってしまうと、
 そこでインスリン注射を考えた方がいいらしい。


・1日に3~4回ほどインスリンを打つ治療法を、
 “強化インスリン療法”という。
・入院でも、外来でも、可能らしい。

・また、24時間効くインスリンを1日1回だけ注射する方法もある。
・インスリン治療の中にも、いろいろと選択肢はあるようです。


・今までは、インスリン治療というと、
 痛いとか、面倒だというイメージがありました。
・そのため、後回しにしたがる人が多かった。

・でも、インスリンの注射も、大きく変わってきました。
・コンパクトになり、携帯できる。
・そして針が細くなり、痛くなくなった。
・0.2ミリなのだそう。

・技術の進歩が、負担を減らしてくれました。

(仕事学のすすめで、町工場の経営者・岡野雅行さんが以前、取り上げられていましたね)


・インスリン治療を受ける病院ですが、できれば、
 日本糖尿病学会専門医などの専門家がいる病院が望ましいとのこと。

・強化インスリン療法をしていると、β細胞からの
 自分で分泌するインスリンが回復する。
・そのため、外から注射するインスリンの量も、刻々と変わる。
・この時、量が多すぎると、血糖値が下がりすぎて、
 低血糖の状態になる可能性も。
・そうなると、力が抜けたり、冷や汗が出たり、動悸を打ったりする。

・したがって、精通した専門医のもとでやった方がいいと。


・このインスリン療法ですが、
 血糖値が高い状態が10年も続いてしまったような場合だと、
 β細胞の回復は、あまり期待できないかもしれない。
(効果は薄れますが、効果自体がなくなるわけではない)

・でも、血糖値が高い期間が1~2年の場合、
 高率に、β細胞は回復するそう。

・大切なのは、高い血糖値を長期間、放っておかないこと
・そのために、自分の血糖値を知ることは、大事です。
・定期検査を、お忘れなく。




睡眠時間と血糖値


・糖尿病の原因というと、食べ過ぎや運動不足。
・でも、3つ目の原因があるといいます。

・血糖値を上げてしまう生活習慣とは、何でしょう?


・ふだんより血糖を上げる要因は、睡眠時間。
・被験者にお願いして睡眠時間を削ったら、血糖値が上がりました。

・寝ている時間が短いと、起きている間が長い。
・すると、ずっと体を活動できる状態にしておかねばならないので、
 ストレスホルモンが出て、血糖値を上げてしまうのだそう。
・いつでもエネルギーを使える状態にしようとするんですね。


・日本人1062人を対象にした研究があります。
・HbA1cは、6.5%を超えると、血糖値コントロールが不十分になる。
・それを睡眠時間別に見てみると、睡眠時間が6時間未満の人たちは、
 7~8時間寝た人の3倍も、高血糖の人がいた。

・では、寝すぎはどうなんだろう?
・長時間寝る人は、実は睡眠の質があまりよくない。
・その結果、長く寝ないとしんどい人たちが含まれる。
・そうすると、やはりストレスホルモンが出て、
 血糖値が高くなっている時間が長いのだと考えられる。
・グラフを見ると、8~9時間寝る人は、6時間未満の人と同程度。
・9時間以上寝る人は、倍くらいあるように見えました。

・寝すぎの人は、睡眠障害などで睡眠の質が悪くなって、
 浅く長く眠っている場合がある。
・なので、睡眠障害などを治療することも考えた方がいいかも。





NHK ためしてガッテン 2011年 11月号 [雑誌]
 



高血糖を下げる生活事典








糖尿病の原因は、いわば、β細胞くんの過労でした。

過労の原因は血糖値の上昇。それを引き起こすのは、食べ過ぎや運動不足。

つまり、頭が命令し実践する生活習慣が、β細胞くんを休むことなく働かせ、結果、β細胞くんは倒れる。

β細胞くんが倒れたので、いろんな症状が出てくる。

結果、ひとりの人間全体、もちろん頭にとっても、困ったことに。


今回、β細胞くんを休ませるのが大事だと分かりました。

でもそれは、インスリン注射に頼るだけでは足りなさそう。

もともと痛めつけていたのを、やめなければ。

生活習慣を変えないで治療だけに頼るのは、重労働を課しながら、ドリンク剤だけを与えて、慢性的に過労状態にさせているようなもの。

これでは体や細胞が、まいってしまいます。


というわけで、治療と共に、生活習慣も見直さないとね。

あと、ストレスも、要注意。

頭も、体も、そして心も、ちゃんと休まないと。


それなりに正しい、食生活。

続けられるくらいの、適度な運動。

言葉を発することができない体の声を聞くための、定期検診。


人間も、臓器も、細胞も、働き過ぎだと倒れます。

倒れる前に、休息を。





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50歳代に突入し、健康の話題を口にすることが多くなりました。老眼が始まったり、白髪もチラホラ。筋肉痛は、2~3日遅れる。

老化は止められないけど、緩やかにしたい。できるだけ健康でいたい。できれば、生活を楽しみたい。そういう気持ちで、情報を集め、分かりやすく記録に残しています。

おいしい食材や簡単料理にも、興味あり。


過去の病気 : 腰痛(椎間板ヘルニア 手術暦あり)
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