「尼崎市の人工透析対策 腎機能はクレアチニンでチェック/ためしてガッテン」

急増しているという、人工透析。

40年前の1968年には全国で215人だったのが、今や30万人にまで激増している。

透析は、週に3日、1回4時間行います。

その間は、ベッドの上でじっとして過ごす。

それを一生続けないといけません。

また、自覚症状がほとんどないため、悪化するまで気づかない人が多いのだという。


でも、ある都市では、新たな透析患者を減らすのに成功したといいます。

うしろのポスターには、「それが、あまいねん!」と書いてある。

実はこれも、関係あるらしいですよ。

この街で行った秘策とは、いったい何だ?



9月12日放送の「ためしてガッテン」より、「腎臓が突然ダメになる 急増!沈黙の新現代病」からのメモ書きです。




人工透析と腎機能




急増する、人工透析


・慢性透析患者数のグラフを見て、ビックリ。
・40年前に215人だったのが、急こう配で増えて、今や30万人に迫ろうとしています。
・毎年、7000~8000人から、1万2000~1万3000人という勢いで、増えていっている。
・しかも、この影で、去年は28,423人の透析患者さんが亡くなっている。
・一方、37,532人が新たに人工透析を受ける事態に。




腎臓の機能


・透析の時に使う、人工腎臓。
・そこにオレンジジュースを入れると、オレンジ色と透明の液体に分かれました。
・透明の液体を飲むと、オレンジジュースの味がします。

・人工腎臓の中には、直径0.2mmの管が、約1万本入っている。
・この管1本1本の壁には無数の穴が開いていて、分子の小さいものだけを通すんですね。
・ここにオレンジジュースを流すと、味の成分は無数の穴を通り、分子が大きい色の成分は穴を通れず、管を通ることになります。
・こうして、味の成分と色の成分が、別れたわけか。

・腎臓の能力は、ろ過する能力。
・人工腎臓に牛乳を入れると、透明な液体になりました。
・でも、ニオイも味も、牛乳なのだそう。


・血液には、暮らしているだけで、老廃物やアンモニアなどの毒素がどうしても混じり込みます。
・実は、このまま放っておくと、数日で死んでしまう。

・そこで、腎臓の登場です。
・腎臓が血液をろ過し、老廃物や毒素は尿として排出する。


・こうして生活していけるわけですが、腎臓が病気になると、このろ過機能がうまく働かなくなります。
・今日は、その前に気づけないかな? というのがテーマ。


・関西のある市では、新規に人工透析を受ける人が、右肩下がりになりました。
・日本全体で急増しているわけですから、減るだけでも奇跡です。

・でも、どうやったら、透析患者を減らせるんだろう?




沈黙の臓器、腎臓


・73歳のある女性は、足のむくみを気にするようになりました。
・病院を訪れたところ、医師から、腎臓の機能がかなり落ちていると言われた。
・もしかすると、透析を受けてもらうかもしれないとも、言われます。

・いきなりのことに、女性はショックを受けました。
・自覚症状がないだけに、信じられなかった。

・結局、女性は透析を開始することに。
・週に3日、1回4時間、ベッドに横たわります。

・生活にも、厳しい制限がつきました。
・食事は1日、1400キロカロリー以下。
・3食合計ですよ。
・水の量も、1日600ml以下に抑える。
・毎日3回、朝昼晩と、血圧も測定しないといけない。

・これを一生続けるのですから、たいへんです。


・この女性のように、腎機能の低下に気づかずに、透析を受けるようになる人は、多いのだそう。

・でも、日本には、透析を食い止めた街があるという。
・透析を受ける前に、悪化を食い止めたんだって。
・そこは、どこだ?

・その街とは、兵庫県尼崎市。

・76歳の男性も、透析寸前で踏みとどまったといいます。
・自覚症状はありませんでしたが、健康診断のある数字で気づいたのだという。

・測定値の欄には、2ケタの数字があります。
・これは、何を意味するのでしょう?


・尼崎市では、(新規に)人工透析を受けなければならなくなる患者さんが、少しずつ減ってきた。
・平成18年度には85人だったのが、19年には80人、20年には72人、21年度には67人にまで減りました。

・それに関係する2ケタの数字って、何なんだ?




尼崎市の取り組み


・2ケタの数字に関係するのが、健康診断のある項目。
・と、その前に、また腎臓の働きに戻ります。


・腎臓に入った血液は、“糸球体”(しきゅうたい)でろ過されます。
・1つの腎臓には、この糸球体がなんと、100万個もつまっている。

・糸球体に血液が流れてくると、血管壁の小さな穴から、老廃物を捨てます。
・逆に、体に必要なたんぱく質や糖分は、とっておく。
・こうして、体に必要なものと不要なものを、上手に選別してるんですね。

・ところが、悪い食生活などで高血圧や脂質異常になると、違ってきます。
・血液中に糖や脂肪などが大量に流れるようになり、大きな糖が穴を無理やり通ろうとする。
・結果、穴を広げてしまいます。
・すると、その穴から、大切なたんぱく質まで、漏れ出してしまう。
・これは、一大事です。

・漏れたたんぱく質は、尿にまじって排せつ。
・この時尿検査をすると、尿たんぱくで引っかかります。

・でも、この時、腎臓はある方法で、たんぱく質を漏らさないようにするらしいのです。

・たんぱく尿検査は、腎臓が壊れていることを知るには不可欠な検査。
・しかし、ろ過機能低下の程度は、分からないのだそう。

・穴が広がった糸球体では、血小板が集まって来ます。
・これが、穴をふさいでくれるのか。
・と思ったら、血管ごとふさいでしまいました。

・この結果、たんぱくは出なくなりましたが、血管自体がつまり、老廃物をろ過できません。
・こんな通行止めの箇所がどんどんできると、腎臓のろ過機能は低下してしまいます。


・尼崎市が提示した数字に関係するのが、“クレアチニン”
・これは、筋肉中のたんぱく質が代謝された老廃物で、ろ過機能が低下すると、血液中に増加します。

・尼崎市はこの数字を、腎臓が何%機能しているかという数字に置き換えました。
・その方程式が、(クレアチニンの値)^-1.094×194×(年齢)^-0.287。
(「X^Y」はXのY乗)
・女性の場合は、この数値 ×0.739。

・といっても分かりにくいので、早見表があります。

 → eGFR(糸球体濾過量)早見表

・縦軸がクレアチニンの量(血清Cr.)。
・横が年齢です。


・ガッテンの表では、以下の数値が望ましいとされていました。
(理想値ですよ)

 [男性]
  ・20歳:1.30mg/dL未満
  ・25歳:1.20mg/dL未満
  ・30歳:1.10mg/dL未満
  ・35歳:1.10mg/dL未満
  ・40歳:1.10mg/dL未満
  ・45歳:1.00mg/dL未満
  ・50歳:1.00mg/dL未満
  ・55歳:1.00mg/dL未満
  ・60歳:0.90mg/dL未満
  ・65歳:0.90mg/dL未満
  ・70歳:0.90mg/dL未満
  ・75歳:0.90mg/dL未満
  ・80歳:0.90mg/dL未満
  ・85歳:0.90mg/dL未満


 [女性]
  ・20歳:1.00mg/dL未満
  ・25歳:0.90mg/dL未満
  ・30歳:0.90mg/dL未満
  ・35歳:0.80mg/dL未満
  ・40歳:0.80mg/dL未満
  ・45歳:0.80mg/dL未満
  ・50歳:0.70mg/dL未満
  ・55歳:0.70mg/dL未満
  ・60歳:0.70mg/dL未満
  ・65歳:0.70mg/dL未満
  ・70歳:0.70mg/dL未満
  ・75歳:0.70mg/dL未満
  ・80歳:0.70mg/dL未満
  ・85歳:0.60mg/dL未満



・健康診断の結果を引っ張り出したら、クレアチニンの項目がありました。
・でも、市町村の健康診断でクレアチニン検査を実施しているのは、約40%なのだそうです。
・ただし、病院で調べてもらえるし、人間ドックにはだいたい入っている。




腎機能が低下した時の対処法


・では、もしクレアチニンの数値が高く、腎機能が低下していると分かったら、どう対処したらいいのだろう?
・それを、尼崎市から学びます。

・尼崎市では、健康診断の結果を分析し、重症化しそうな人には、生活改善の指導を行っている。
・その時、使うのが、魔法のシート。
・どうしたら自分の悪いところが改善できるのか、一目で分かるチャート表になっています。

・健康診断の結果が、この一枚にすべて書きこまれ、悪い箇所は危険度を色別に表示。
・色のついている箇所の矢印をたどると、どこに原因があるのか一目で分かるんだって。


・ある女性は、腎臓を傷めている原因が、高血糖と高血圧だと分かりました。
・ここから、食生活を見直す必要があることが分かった。

・別の女性は、血糖値が高いことが原因だと分かり、そこからさらに矢印をたどって、内臓脂肪が多いことが分かりました。
・ここから、食生活と運動を、見直した。


・このチャートを使うことで、自分の体がどんな状態で、病気を悪化させないためには生活の何をあらためればいいのか、それが分かります。
・具体的な改善点が、見えてくるんですね。


・ある男性は、肥満解消のため、運動をはじめた。
・食事にも気をつかい、量や塩分を控えるようになりました。

・その甲斐あって、腎臓のろ過機能はそれ以上さがらず、透析には至らずにすんだ。



・クレアニチンは、男性だと1.1mg/dL未満、女性だと0.8mg/dLが望ましい。
(テレビ画面の表記は、男性 0.60~1.20mg/dL、女性 0.40~0.90mg/dL)
・また、尿たんぱくの検査も忘れずに。

・クレアニチンの数値が高くなるのは、徐々に血管が傷んでいるから。
・その原因になるのが、以下の項目です。

・中性脂肪:150mg/dL未満(空腹時)
・HDLコレステロール:40mg/dL以上

・空腹時血糖:100mg/dL未満
・随 時血糖:140mg/dL未満
・HbA1c:5.2%未満

・尿酸:7.0mg/dL未満

・血圧

・LDLコレステロール:120mg/dL未満

・BMI値:25未満
・腹囲:男性 85cm未満、女性 90cm未満


・それぞれオーバーしていれば、食生活や運動、喫煙などを見直す。

・要するに、健康診断を毎年受けて、医師のアドバイスに耳を傾けましょうというわけ。


・人工透析の医療費は、1年間で1人当たり、約600万円かかるといいます。
・ただし、医療費助成により、自己負担は軽減。


・今までは、腎臓の機能は低下する一方で、止めることはできないと思われてきました。
・しかし、日本腎臓学会が指標を作ってくれたことで、予防の目標が立てやすくなった。

・予防が可能なものは、なんとかしたい。
・することが決まれば、取り組みやすいですよね。




尿酸にも、注意


・74歳の男性は、ずっと健康できました。
・でも、今年になってめまいに襲われ、入院。
・そこで、腎臓が98%まで機能していないことが分かりました。
・現在は、透析を受けています。

・でも、この男性は、糖尿病、高血圧、肥満とは、無縁の生活を送って来ました。
・ただ、40歳頃に、ある病気を患っていたんですね。
・そして、その病気が、腎臓をむしばんでいた。

・その病気とは、痛風。

・痛風のもとになる、尿酸ナトリウムの結晶。
・これは、針のような形をしています。
・この針を白血球が敵とみなして攻撃。
・結果、炎症が起こって、痛みが生じます。

・最近分かったことによると、尿酸自体が血管に働きかけて、動脈硬化を引き起こすのではないかといわれる。
・また、ろ過機能が低下することもある。

・尿酸値が 7.0mg/dLだと、高尿酸値血症だとされます。
・だから痛みがなくても、この状態が続けば、この病気だということになる。
・痛風の痛みに襲われない、無症候性高尿酸値血症というのも、あるそう。

・末期腎不全になるリスクは、尿酸値が高いほど、跳ね上がります。
・男性だと、7mg/dL以上の人は、7mg/dL未満の人に比べて、リスクは4倍に。
・女性だと、6mg/dL以上の人は、6mg/dL未満の人に比べて、リスクは9倍以上になります。


・これからは、尿酸値にも、気をつけたいですね。





NHK ためしてガッテン 2011年 11月号 [雑誌]




メタボリックシンドローム 脂肪細胞のひみつとつきあい方
 







人工透析の患者数が、こんなに増えているとは知りませんでした。

もはや社会問題ですね。

でも、同時に、予防が可能なことも、分かった。

大事なのは、毎年、健康診断を受けること。

それぞれの値が正常範囲内かチェックし、問題があれば、生活を改善すること。

そのためにも、お医者さんの話を、ちゃんと聞く。


それは、全部、自分に返ってきます。

なかなか難しいことではあるけれど、生活に関することは、自分でしか改善できません。

と同時に、自分がその気なら、何とかなりそう。

手遅れになる前に、何とかしたいものです。


私ごとを言えば、10年前なら、いろいろとアウトでした。

そのままだったらと思うと、ゾッとします。

でも、習慣を変えることで、何とかなりました。

多くの人が、きっと、何とかなるのだと思います。


大事になる前に、自分でちょっとずつはじめるのが、いいみたいですね。

ちょっとの継続と、ちょっとした成果を感じることが、大切みたいです。





NHK ためしてガッテン 2011年 08月号 [雑誌] 
 


NHKためしてガッテン ガッテン流の運動法でラク~にやせる、若返る。: 【完全保存版】実践DVD付き (生活シリーズ) 





おっとっと、忘れてた。

「それがあまいねん!」ですが、尼崎市が健診をプロモーションする、健診すすめ隊のテーマソング「AMA-KENレッツゴ」の一節らしいですよ。

ダンスもあるみたい。







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tag : ためしてガッテン 腎臓病


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荒巻ケンコー

 

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50歳代に突入し、健康の話題を口にすることが多くなりました。老眼が始まったり、白髪もチラホラ。筋肉痛は、2~3日遅れる。

老化は止められないけど、緩やかにしたい。できるだけ健康でいたい。できれば、生活を楽しみたい。そういう気持ちで、情報を集め、分かりやすく記録に残しています。

おいしい食材や簡単料理にも、興味あり。


過去の病気 : 腰痛(椎間板ヘルニア 手術暦あり)
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