「尼崎市の人工透析対策 腎機能はクレアチニンでチェック/ためしてガッテン」
急増しているという、人工透析。
40年前の1968年には全国で215人だったのが、今や30万人にまで激増している。
透析は、週に3日、1回4時間行います。
その間は、ベッドの上でじっとして過ごす。
それを一生続けないといけません。
また、自覚症状がほとんどないため、悪化するまで気づかない人が多いのだという。
でも、ある都市では、新たな透析患者を減らすのに成功したといいます。
うしろのポスターには、「それが、あまいねん!」と書いてある。
実はこれも、関係あるらしいですよ。
この街で行った秘策とは、いったい何だ?
9月12日放送の「ためしてガッテン」より、「腎臓が突然ダメになる 急増!沈黙の新現代病」からのメモ書きです。

□ 急増する、人工透析
・慢性透析患者数のグラフを見て、ビックリ。
・40年前に215人だったのが、急こう配で増えて、今や30万人に迫ろうとしています。
・毎年、7000~8000人から、1万2000~1万3000人という勢いで、増えていっている。
・しかも、この影で、去年は28,423人の透析患者さんが亡くなっている。
・一方、37,532人が新たに人工透析を受ける事態に。
□ 腎臓の機能
・透析の時に使う、人工腎臓。
・そこにオレンジジュースを入れると、オレンジ色と透明の液体に分かれました。
・透明の液体を飲むと、オレンジジュースの味がします。
・人工腎臓の中には、直径0.2mmの管が、約1万本入っている。
・この管1本1本の壁には無数の穴が開いていて、分子の小さいものだけを通すんですね。
・ここにオレンジジュースを流すと、味の成分は無数の穴を通り、分子が大きい色の成分は穴を通れず、管を通ることになります。
・こうして、味の成分と色の成分が、別れたわけか。
・腎臓の能力は、ろ過する能力。
・人工腎臓に牛乳を入れると、透明な液体になりました。
・でも、ニオイも味も、牛乳なのだそう。
・血液には、暮らしているだけで、老廃物やアンモニアなどの毒素がどうしても混じり込みます。
・実は、このまま放っておくと、数日で死んでしまう。
・そこで、腎臓の登場です。
・腎臓が血液をろ過し、老廃物や毒素は尿として排出する。
・こうして生活していけるわけですが、腎臓が病気になると、このろ過機能がうまく働かなくなります。
・今日は、その前に気づけないかな? というのがテーマ。
・関西のある市では、新規に人工透析を受ける人が、右肩下がりになりました。
・日本全体で急増しているわけですから、減るだけでも奇跡です。
・でも、どうやったら、透析患者を減らせるんだろう?
□ 沈黙の臓器、腎臓
・73歳のある女性は、足のむくみを気にするようになりました。
・病院を訪れたところ、医師から、腎臓の機能がかなり落ちていると言われた。
・もしかすると、透析を受けてもらうかもしれないとも、言われます。
・いきなりのことに、女性はショックを受けました。
・自覚症状がないだけに、信じられなかった。
・結局、女性は透析を開始することに。
・週に3日、1回4時間、ベッドに横たわります。
・生活にも、厳しい制限がつきました。
・食事は1日、1400キロカロリー以下。
・3食合計ですよ。
・水の量も、1日600ml以下に抑える。
・毎日3回、朝昼晩と、血圧も測定しないといけない。
・これを一生続けるのですから、たいへんです。
・この女性のように、腎機能の低下に気づかずに、透析を受けるようになる人は、多いのだそう。
・でも、日本には、透析を食い止めた街があるという。
・透析を受ける前に、悪化を食い止めたんだって。
・そこは、どこだ?
・その街とは、兵庫県尼崎市。
・76歳の男性も、透析寸前で踏みとどまったといいます。
・自覚症状はありませんでしたが、健康診断のある数字で気づいたのだという。
・測定値の欄には、2ケタの数字があります。
・これは、何を意味するのでしょう?
・尼崎市では、(新規に)人工透析を受けなければならなくなる患者さんが、少しずつ減ってきた。
・平成18年度には85人だったのが、19年には80人、20年には72人、21年度には67人にまで減りました。
・それに関係する2ケタの数字って、何なんだ?
□ 尼崎市の取り組み
・2ケタの数字に関係するのが、健康診断のある項目。
・と、その前に、また腎臓の働きに戻ります。
・腎臓に入った血液は、“糸球体”(しきゅうたい)でろ過されます。
・1つの腎臓には、この糸球体がなんと、100万個もつまっている。
・糸球体に血液が流れてくると、血管壁の小さな穴から、老廃物を捨てます。
・逆に、体に必要なたんぱく質や糖分は、とっておく。
・こうして、体に必要なものと不要なものを、上手に選別してるんですね。
・ところが、悪い食生活などで高血圧や脂質異常になると、違ってきます。
・血液中に糖や脂肪などが大量に流れるようになり、大きな糖が穴を無理やり通ろうとする。
・結果、穴を広げてしまいます。
・すると、その穴から、大切なたんぱく質まで、漏れ出してしまう。
・これは、一大事です。
・漏れたたんぱく質は、尿にまじって排せつ。
・この時尿検査をすると、尿たんぱくで引っかかります。
・でも、この時、腎臓はある方法で、たんぱく質を漏らさないようにするらしいのです。
・たんぱく尿検査は、腎臓が壊れていることを知るには不可欠な検査。
・しかし、ろ過機能低下の程度は、分からないのだそう。
・穴が広がった糸球体では、血小板が集まって来ます。
・これが、穴をふさいでくれるのか。
・と思ったら、血管ごとふさいでしまいました。
・この結果、たんぱくは出なくなりましたが、血管自体がつまり、老廃物をろ過できません。
・こんな通行止めの箇所がどんどんできると、腎臓のろ過機能は低下してしまいます。
・尼崎市が提示した数字に関係するのが、“クレアチニン”。
・これは、筋肉中のたんぱく質が代謝された老廃物で、ろ過機能が低下すると、血液中に増加します。
・尼崎市はこの数字を、腎臓が何%機能しているかという数字に置き換えました。
・その方程式が、(クレアチニンの値)^-1.094×194×(年齢)^-0.287。
(「X^Y」はXのY乗)
・女性の場合は、この数値 ×0.739。
・といっても分かりにくいので、早見表があります。
→ eGFR(糸球体濾過量)早見表
・縦軸がクレアチニンの量(血清Cr.)。
・横が年齢です。
・ガッテンの表では、以下の数値が望ましいとされていました。
(理想値ですよ)
[男性]
・20歳:1.30mg/dL未満
・25歳:1.20mg/dL未満
・30歳:1.10mg/dL未満
・35歳:1.10mg/dL未満
・40歳:1.10mg/dL未満
・45歳:1.00mg/dL未満
・50歳:1.00mg/dL未満
・55歳:1.00mg/dL未満
・60歳:0.90mg/dL未満
・65歳:0.90mg/dL未満
・70歳:0.90mg/dL未満
・75歳:0.90mg/dL未満
・80歳:0.90mg/dL未満
・85歳:0.90mg/dL未満
[女性]
・20歳:1.00mg/dL未満
・25歳:0.90mg/dL未満
・30歳:0.90mg/dL未満
・35歳:0.80mg/dL未満
・40歳:0.80mg/dL未満
・45歳:0.80mg/dL未満
・50歳:0.70mg/dL未満
・55歳:0.70mg/dL未満
・60歳:0.70mg/dL未満
・65歳:0.70mg/dL未満
・70歳:0.70mg/dL未満
・75歳:0.70mg/dL未満
・80歳:0.70mg/dL未満
・85歳:0.60mg/dL未満
・健康診断の結果を引っ張り出したら、クレアチニンの項目がありました。
・でも、市町村の健康診断でクレアチニン検査を実施しているのは、約40%なのだそうです。
・ただし、病院で調べてもらえるし、人間ドックにはだいたい入っている。
□ 腎機能が低下した時の対処法
・では、もしクレアチニンの数値が高く、腎機能が低下していると分かったら、どう対処したらいいのだろう?
・それを、尼崎市から学びます。
・尼崎市では、健康診断の結果を分析し、重症化しそうな人には、生活改善の指導を行っている。
・その時、使うのが、魔法のシート。
・どうしたら自分の悪いところが改善できるのか、一目で分かるチャート表になっています。
・健康診断の結果が、この一枚にすべて書きこまれ、悪い箇所は危険度を色別に表示。
・色のついている箇所の矢印をたどると、どこに原因があるのか一目で分かるんだって。
・ある女性は、腎臓を傷めている原因が、高血糖と高血圧だと分かりました。
・ここから、食生活を見直す必要があることが分かった。
・別の女性は、血糖値が高いことが原因だと分かり、そこからさらに矢印をたどって、内臓脂肪が多いことが分かりました。
・ここから、食生活と運動を、見直した。
・このチャートを使うことで、自分の体がどんな状態で、病気を悪化させないためには生活の何をあらためればいいのか、それが分かります。
・具体的な改善点が、見えてくるんですね。
・ある男性は、肥満解消のため、運動をはじめた。
・食事にも気をつかい、量や塩分を控えるようになりました。
・その甲斐あって、腎臓のろ過機能はそれ以上さがらず、透析には至らずにすんだ。
・クレアニチンは、男性だと1.1mg/dL未満、女性だと0.8mg/dLが望ましい。
(テレビ画面の表記は、男性 0.60~1.20mg/dL、女性 0.40~0.90mg/dL)
・また、尿たんぱくの検査も忘れずに。
・クレアニチンの数値が高くなるのは、徐々に血管が傷んでいるから。
・その原因になるのが、以下の項目です。
・中性脂肪:150mg/dL未満(空腹時)
・HDLコレステロール:40mg/dL以上
・空腹時血糖:100mg/dL未満
・随 時血糖:140mg/dL未満
・HbA1c:5.2%未満
・尿酸:7.0mg/dL未満
・血圧
・LDLコレステロール:120mg/dL未満
・BMI値:25未満
・腹囲:男性 85cm未満、女性 90cm未満
・それぞれオーバーしていれば、食生活や運動、喫煙などを見直す。
・要するに、健康診断を毎年受けて、医師のアドバイスに耳を傾けましょうというわけ。
・人工透析の医療費は、1年間で1人当たり、約600万円かかるといいます。
・ただし、医療費助成により、自己負担は軽減。
・今までは、腎臓の機能は低下する一方で、止めることはできないと思われてきました。
・しかし、日本腎臓学会が指標を作ってくれたことで、予防の目標が立てやすくなった。
・予防が可能なものは、なんとかしたい。
・することが決まれば、取り組みやすいですよね。
□ 尿酸にも、注意
・74歳の男性は、ずっと健康できました。
・でも、今年になってめまいに襲われ、入院。
・そこで、腎臓が98%まで機能していないことが分かりました。
・現在は、透析を受けています。
・でも、この男性は、糖尿病、高血圧、肥満とは、無縁の生活を送って来ました。
・ただ、40歳頃に、ある病気を患っていたんですね。
・そして、その病気が、腎臓をむしばんでいた。
・その病気とは、痛風。
・痛風のもとになる、尿酸ナトリウムの結晶。
・これは、針のような形をしています。
・この針を白血球が敵とみなして攻撃。
・結果、炎症が起こって、痛みが生じます。
・最近分かったことによると、尿酸自体が血管に働きかけて、動脈硬化を引き起こすのではないかといわれる。
・また、ろ過機能が低下することもある。
・尿酸値が 7.0mg/dLだと、高尿酸値血症だとされます。
・だから痛みがなくても、この状態が続けば、この病気だということになる。
・痛風の痛みに襲われない、無症候性高尿酸値血症というのも、あるそう。
・末期腎不全になるリスクは、尿酸値が高いほど、跳ね上がります。
・男性だと、7mg/dL以上の人は、7mg/dL未満の人に比べて、リスクは4倍に。
・女性だと、6mg/dL以上の人は、6mg/dL未満の人に比べて、リスクは9倍以上になります。
・これからは、尿酸値にも、気をつけたいですね。
![NHK ためしてガッテン 2011年 11月号 [雑誌]](http://ecx.images-amazon.com/images/I/61FWX5tVxhL._SX200_.jpg)

□
人工透析の患者数が、こんなに増えているとは知りませんでした。
もはや社会問題ですね。
でも、同時に、予防が可能なことも、分かった。
大事なのは、毎年、健康診断を受けること。
それぞれの値が正常範囲内かチェックし、問題があれば、生活を改善すること。
そのためにも、お医者さんの話を、ちゃんと聞く。
それは、全部、自分に返ってきます。
なかなか難しいことではあるけれど、生活に関することは、自分でしか改善できません。
と同時に、自分がその気なら、何とかなりそう。
手遅れになる前に、何とかしたいものです。
私ごとを言えば、10年前なら、いろいろとアウトでした。
そのままだったらと思うと、ゾッとします。
でも、習慣を変えることで、何とかなりました。
多くの人が、きっと、何とかなるのだと思います。
大事になる前に、自分でちょっとずつはじめるのが、いいみたいですね。
ちょっとの継続と、ちょっとした成果を感じることが、大切みたいです。
おっとっと、忘れてた。
「それがあまいねん!」ですが、尼崎市が健診をプロモーションする、健診すすめ隊のテーマソング「AMA-KENレッツゴ」の一節らしいですよ。
ダンスもあるみたい。
40年前の1968年には全国で215人だったのが、今や30万人にまで激増している。
透析は、週に3日、1回4時間行います。
その間は、ベッドの上でじっとして過ごす。
それを一生続けないといけません。
また、自覚症状がほとんどないため、悪化するまで気づかない人が多いのだという。
でも、ある都市では、新たな透析患者を減らすのに成功したといいます。
うしろのポスターには、「それが、あまいねん!」と書いてある。
実はこれも、関係あるらしいですよ。
この街で行った秘策とは、いったい何だ?
9月12日放送の「ためしてガッテン」より、「腎臓が突然ダメになる 急増!沈黙の新現代病」からのメモ書きです。

□ 急増する、人工透析
・慢性透析患者数のグラフを見て、ビックリ。
・40年前に215人だったのが、急こう配で増えて、今や30万人に迫ろうとしています。
・毎年、7000~8000人から、1万2000~1万3000人という勢いで、増えていっている。
・しかも、この影で、去年は28,423人の透析患者さんが亡くなっている。
・一方、37,532人が新たに人工透析を受ける事態に。
□ 腎臓の機能
・透析の時に使う、人工腎臓。
・そこにオレンジジュースを入れると、オレンジ色と透明の液体に分かれました。
・透明の液体を飲むと、オレンジジュースの味がします。
・人工腎臓の中には、直径0.2mmの管が、約1万本入っている。
・この管1本1本の壁には無数の穴が開いていて、分子の小さいものだけを通すんですね。
・ここにオレンジジュースを流すと、味の成分は無数の穴を通り、分子が大きい色の成分は穴を通れず、管を通ることになります。
・こうして、味の成分と色の成分が、別れたわけか。
・腎臓の能力は、ろ過する能力。
・人工腎臓に牛乳を入れると、透明な液体になりました。
・でも、ニオイも味も、牛乳なのだそう。
・血液には、暮らしているだけで、老廃物やアンモニアなどの毒素がどうしても混じり込みます。
・実は、このまま放っておくと、数日で死んでしまう。
・そこで、腎臓の登場です。
・腎臓が血液をろ過し、老廃物や毒素は尿として排出する。
・こうして生活していけるわけですが、腎臓が病気になると、このろ過機能がうまく働かなくなります。
・今日は、その前に気づけないかな? というのがテーマ。
・関西のある市では、新規に人工透析を受ける人が、右肩下がりになりました。
・日本全体で急増しているわけですから、減るだけでも奇跡です。
・でも、どうやったら、透析患者を減らせるんだろう?
□ 沈黙の臓器、腎臓
・73歳のある女性は、足のむくみを気にするようになりました。
・病院を訪れたところ、医師から、腎臓の機能がかなり落ちていると言われた。
・もしかすると、透析を受けてもらうかもしれないとも、言われます。
・いきなりのことに、女性はショックを受けました。
・自覚症状がないだけに、信じられなかった。
・結局、女性は透析を開始することに。
・週に3日、1回4時間、ベッドに横たわります。
・生活にも、厳しい制限がつきました。
・食事は1日、1400キロカロリー以下。
・3食合計ですよ。
・水の量も、1日600ml以下に抑える。
・毎日3回、朝昼晩と、血圧も測定しないといけない。
・これを一生続けるのですから、たいへんです。
・この女性のように、腎機能の低下に気づかずに、透析を受けるようになる人は、多いのだそう。
・でも、日本には、透析を食い止めた街があるという。
・透析を受ける前に、悪化を食い止めたんだって。
・そこは、どこだ?
・その街とは、兵庫県尼崎市。
・76歳の男性も、透析寸前で踏みとどまったといいます。
・自覚症状はありませんでしたが、健康診断のある数字で気づいたのだという。
・測定値の欄には、2ケタの数字があります。
・これは、何を意味するのでしょう?
・尼崎市では、(新規に)人工透析を受けなければならなくなる患者さんが、少しずつ減ってきた。
・平成18年度には85人だったのが、19年には80人、20年には72人、21年度には67人にまで減りました。
・それに関係する2ケタの数字って、何なんだ?
□ 尼崎市の取り組み
・2ケタの数字に関係するのが、健康診断のある項目。
・と、その前に、また腎臓の働きに戻ります。
・腎臓に入った血液は、“糸球体”(しきゅうたい)でろ過されます。
・1つの腎臓には、この糸球体がなんと、100万個もつまっている。
・糸球体に血液が流れてくると、血管壁の小さな穴から、老廃物を捨てます。
・逆に、体に必要なたんぱく質や糖分は、とっておく。
・こうして、体に必要なものと不要なものを、上手に選別してるんですね。
・ところが、悪い食生活などで高血圧や脂質異常になると、違ってきます。
・血液中に糖や脂肪などが大量に流れるようになり、大きな糖が穴を無理やり通ろうとする。
・結果、穴を広げてしまいます。
・すると、その穴から、大切なたんぱく質まで、漏れ出してしまう。
・これは、一大事です。
・漏れたたんぱく質は、尿にまじって排せつ。
・この時尿検査をすると、尿たんぱくで引っかかります。
・でも、この時、腎臓はある方法で、たんぱく質を漏らさないようにするらしいのです。
・たんぱく尿検査は、腎臓が壊れていることを知るには不可欠な検査。
・しかし、ろ過機能低下の程度は、分からないのだそう。
・穴が広がった糸球体では、血小板が集まって来ます。
・これが、穴をふさいでくれるのか。
・と思ったら、血管ごとふさいでしまいました。
・この結果、たんぱくは出なくなりましたが、血管自体がつまり、老廃物をろ過できません。
・こんな通行止めの箇所がどんどんできると、腎臓のろ過機能は低下してしまいます。
・尼崎市が提示した数字に関係するのが、“クレアチニン”。
・これは、筋肉中のたんぱく質が代謝された老廃物で、ろ過機能が低下すると、血液中に増加します。
・尼崎市はこの数字を、腎臓が何%機能しているかという数字に置き換えました。
・その方程式が、(クレアチニンの値)^-1.094×194×(年齢)^-0.287。
(「X^Y」はXのY乗)
・女性の場合は、この数値 ×0.739。
・といっても分かりにくいので、早見表があります。
→ eGFR(糸球体濾過量)早見表
・縦軸がクレアチニンの量(血清Cr.)。
・横が年齢です。
・ガッテンの表では、以下の数値が望ましいとされていました。
(理想値ですよ)
[男性]
・20歳:1.30mg/dL未満
・25歳:1.20mg/dL未満
・30歳:1.10mg/dL未満
・35歳:1.10mg/dL未満
・40歳:1.10mg/dL未満
・45歳:1.00mg/dL未満
・50歳:1.00mg/dL未満
・55歳:1.00mg/dL未満
・60歳:0.90mg/dL未満
・65歳:0.90mg/dL未満
・70歳:0.90mg/dL未満
・75歳:0.90mg/dL未満
・80歳:0.90mg/dL未満
・85歳:0.90mg/dL未満
[女性]
・20歳:1.00mg/dL未満
・25歳:0.90mg/dL未満
・30歳:0.90mg/dL未満
・35歳:0.80mg/dL未満
・40歳:0.80mg/dL未満
・45歳:0.80mg/dL未満
・50歳:0.70mg/dL未満
・55歳:0.70mg/dL未満
・60歳:0.70mg/dL未満
・65歳:0.70mg/dL未満
・70歳:0.70mg/dL未満
・75歳:0.70mg/dL未満
・80歳:0.70mg/dL未満
・85歳:0.60mg/dL未満
・健康診断の結果を引っ張り出したら、クレアチニンの項目がありました。
・でも、市町村の健康診断でクレアチニン検査を実施しているのは、約40%なのだそうです。
・ただし、病院で調べてもらえるし、人間ドックにはだいたい入っている。
□ 腎機能が低下した時の対処法
・では、もしクレアチニンの数値が高く、腎機能が低下していると分かったら、どう対処したらいいのだろう?
・それを、尼崎市から学びます。
・尼崎市では、健康診断の結果を分析し、重症化しそうな人には、生活改善の指導を行っている。
・その時、使うのが、魔法のシート。
・どうしたら自分の悪いところが改善できるのか、一目で分かるチャート表になっています。
・健康診断の結果が、この一枚にすべて書きこまれ、悪い箇所は危険度を色別に表示。
・色のついている箇所の矢印をたどると、どこに原因があるのか一目で分かるんだって。
・ある女性は、腎臓を傷めている原因が、高血糖と高血圧だと分かりました。
・ここから、食生活を見直す必要があることが分かった。
・別の女性は、血糖値が高いことが原因だと分かり、そこからさらに矢印をたどって、内臓脂肪が多いことが分かりました。
・ここから、食生活と運動を、見直した。
・このチャートを使うことで、自分の体がどんな状態で、病気を悪化させないためには生活の何をあらためればいいのか、それが分かります。
・具体的な改善点が、見えてくるんですね。
・ある男性は、肥満解消のため、運動をはじめた。
・食事にも気をつかい、量や塩分を控えるようになりました。
・その甲斐あって、腎臓のろ過機能はそれ以上さがらず、透析には至らずにすんだ。
・クレアニチンは、男性だと1.1mg/dL未満、女性だと0.8mg/dLが望ましい。
(テレビ画面の表記は、男性 0.60~1.20mg/dL、女性 0.40~0.90mg/dL)
・また、尿たんぱくの検査も忘れずに。
・クレアニチンの数値が高くなるのは、徐々に血管が傷んでいるから。
・その原因になるのが、以下の項目です。
・中性脂肪:150mg/dL未満(空腹時)
・HDLコレステロール:40mg/dL以上
・空腹時血糖:100mg/dL未満
・随 時血糖:140mg/dL未満
・HbA1c:5.2%未満
・尿酸:7.0mg/dL未満
・血圧
・LDLコレステロール:120mg/dL未満
・BMI値:25未満
・腹囲:男性 85cm未満、女性 90cm未満
・それぞれオーバーしていれば、食生活や運動、喫煙などを見直す。
・要するに、健康診断を毎年受けて、医師のアドバイスに耳を傾けましょうというわけ。
・人工透析の医療費は、1年間で1人当たり、約600万円かかるといいます。
・ただし、医療費助成により、自己負担は軽減。
・今までは、腎臓の機能は低下する一方で、止めることはできないと思われてきました。
・しかし、日本腎臓学会が指標を作ってくれたことで、予防の目標が立てやすくなった。
・予防が可能なものは、なんとかしたい。
・することが決まれば、取り組みやすいですよね。
□ 尿酸にも、注意
・74歳の男性は、ずっと健康できました。
・でも、今年になってめまいに襲われ、入院。
・そこで、腎臓が98%まで機能していないことが分かりました。
・現在は、透析を受けています。
・でも、この男性は、糖尿病、高血圧、肥満とは、無縁の生活を送って来ました。
・ただ、40歳頃に、ある病気を患っていたんですね。
・そして、その病気が、腎臓をむしばんでいた。
・その病気とは、痛風。
・痛風のもとになる、尿酸ナトリウムの結晶。
・これは、針のような形をしています。
・この針を白血球が敵とみなして攻撃。
・結果、炎症が起こって、痛みが生じます。
・最近分かったことによると、尿酸自体が血管に働きかけて、動脈硬化を引き起こすのではないかといわれる。
・また、ろ過機能が低下することもある。
・尿酸値が 7.0mg/dLだと、高尿酸値血症だとされます。
・だから痛みがなくても、この状態が続けば、この病気だということになる。
・痛風の痛みに襲われない、無症候性高尿酸値血症というのも、あるそう。
・末期腎不全になるリスクは、尿酸値が高いほど、跳ね上がります。
・男性だと、7mg/dL以上の人は、7mg/dL未満の人に比べて、リスクは4倍に。
・女性だと、6mg/dL以上の人は、6mg/dL未満の人に比べて、リスクは9倍以上になります。
・これからは、尿酸値にも、気をつけたいですね。
![NHK ためしてガッテン 2011年 11月号 [雑誌]](http://ecx.images-amazon.com/images/I/61FWX5tVxhL._SX200_.jpg)

□
人工透析の患者数が、こんなに増えているとは知りませんでした。
もはや社会問題ですね。
でも、同時に、予防が可能なことも、分かった。
大事なのは、毎年、健康診断を受けること。
それぞれの値が正常範囲内かチェックし、問題があれば、生活を改善すること。
そのためにも、お医者さんの話を、ちゃんと聞く。
それは、全部、自分に返ってきます。
なかなか難しいことではあるけれど、生活に関することは、自分でしか改善できません。
と同時に、自分がその気なら、何とかなりそう。
手遅れになる前に、何とかしたいものです。
私ごとを言えば、10年前なら、いろいろとアウトでした。
そのままだったらと思うと、ゾッとします。
でも、習慣を変えることで、何とかなりました。
多くの人が、きっと、何とかなるのだと思います。
大事になる前に、自分でちょっとずつはじめるのが、いいみたいですね。
ちょっとの継続と、ちょっとした成果を感じることが、大切みたいです。
![NHK ためしてガッテン 2011年 08月号 [雑誌]](http://ecx.images-amazon.com/images/I/61%2BzUXbdiZL._SX200_.jpg)

おっとっと、忘れてた。
「それがあまいねん!」ですが、尼崎市が健診をプロモーションする、健診すすめ隊のテーマソング「AMA-KENレッツゴ」の一節らしいですよ。
ダンスもあるみたい。
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